若き守護神・松井裕が球団新２３Ｓ

　ガッツポーズをした次の瞬間、一塁手にウイニングボールを要求した。楽天の松井裕が球団新記録の２３セーブ。記念球を手に「すぐ自分のポケットに入れました。きょうはリリーフ投手に勝ちがついたので、いただいちゃおうと思います」と満面の笑みを浮かべた。

　１点リードの９回にさっそうと登場し、強力な西武のクリーンアップを１４０キロ台後半の真っすぐと１３０キロ前後のチェンジアップだけで翻弄（ほんろう）。お立ち台では「３人でしっかり切って、自分の新記録をお祝いしようと思っていました」と言ってのけた。

　高卒２年目で務める抑えの座。「しっかり緊張感を持ってやっています」。女房役の嶋は「１９歳とは考えられない。精神的に強い。彼がいなかったら（チームは）どうなっていたか…」と舌を巻く。

　若き守護神は「次の目標は３０セーブ。セーブが積み上がれば勝利に直結する。チームを浮上させたい」。チームの命運を握る重圧を楽しみ、力に変えて投げ続ける。　（小林孝一郎）