カメリオ人インタビュー 〜ヨッピー〜

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ヨッピー
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カメリオの中で、気になるテーマをフォローするのと同じように、私たちは生活の中で、気になるもの、興味を持ったものを追いかけています。

しかし、強い興味というのは、持とうとして持てるものではありません。どうすれば、自分だけの「カメリオ」を見つけることができるのでしょうか?

そのヒントを探るべく、今回はWeb業界で知らない人はいない、ライターのヨッピーさんに、好きなものについて根掘り葉掘りお話を聞いてきました。

sankakus

―本日は、お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます!

いえいえ。暇で暇で白い壁を見続けるくらいしかやることが無いので大丈夫です。仕事ください。

ヨッピー別にそんなに忙しくないそうです

—今日はヨッピーさんの好きなものについてとことん語っていただいて、KAMELIOZINE読者の方の、何かヒントになるようなお話をと思っております。

何にしようかなー。

―ヨッピーさんといえば、やはり銭湯好きのイメージがありますが……

そうですね。僕と言えば銭湯、銭湯と言えば僕、みたいなところはありますよね。銭湯神(せんとうしん)を名乗ってますし。ゆくゆくは銭湯国を建国して初代国王に就任するつもりなんで。ただ、銭湯について話しはじめると終わるまでに16時間くらいかかっちゃうんですよね。時間大丈夫ですか?

—大丈夫じゃないですね。

じゃあ銭湯はやめて「インターネット」について話します。インターネット好きなんで。

 

きっかけ

—インターネットに出会ったきっかけは何だったんでしょう?

当時仲の良かった友だちがいて、そのお兄ちゃんがすごいお洒落な人で、でもギークっていうんですかね?オタクな趣味も持ってるし、サーフィンもやるし……みたいなハイブリットなお兄ちゃんだったんですよ。

パソコン触ってる=オタクっぽいみたいなイメージがまだ強かった時代に、すごくお洒落でかっこよかったんです。

その人がやってた「ディアブロ2」ていうネットゲームがあって、それがすっごく面白かったんですよ。それをやらせてもらってるうちにどんどんハマって、「自分の家でもやりたい!」ってなって、母親に土下座して13万円借金してパソコン買ったのがきっかけですね。その借金はパチスロで稼いで返すんですけど。

—最初はゲームをやるためのツールだったんですね!

そうそう。で、色んなところを覗いていく内にいわゆる「テキストサイト」に出会うんですよ。

これがもうクズの吹き溜まりみたいなコミュニティでしてね。例えば今はオモコロの編集長をやってる原宿も当時はこのテキストサイト界隈に居たんですけども、○○を××するような日記(編集部判断で伏字にしました)ばっかり書いてたし、まあモラルもへったくれも無い、ひどい界隈でしてね。こんなクズみたいな連中でもやれるんだから、僕だってやれるんじゃないか、って。

—それで、自分も作ってみようと?

そう。結局は僕自身がもっとクズみたいな事書くようになるんですけど。なんなんですかねあれ?当時は「クズじゃなきゃいけない」みたいな取決めでもあったんですかね? 8割がた無職と学生で構成されてた気がする。

—ちなみにどんな記事を更新してたんですか?

「童貞がすごい偉そうなこと言う」っていうコンセプトで日記を書いてました。まあ実際童貞だったんで世の中への不満はすごくあったし、バイト先の悪口とかひたすら言ってましたね。バイト先の店長を空想上で惨殺する日記を書いたりとか。

 

趣味から仕事へ

—そんな「日記」が、お仕事にシフトしていったのはいつぐらいからなんですか?

そのホームページを見ていたオモコロの人が面白がってくれて、誘ってもらったのがきっかけなんですけど、今思えば別に「仕事」ではなかったな。当時、オモコロなんてノーギャラですからね。ノーギャラどころか経費も出ない。それを仕事と言って良いのやら。

—経費も出ないんですか?

交通費とか、撮影で使う変なコスプレ衣装とか、ほぼ全部自腹切ってやってましたよ。当時まだサラリーマンをやっていたので、本業の給料から経費を捻出して、記事を書くっていう。「まあ、面白いからいっか」って。

あ、そう!だから僕「ライターになりたい」と思ったこと、一度もないんですよ。

ヨッピーライターになりたいと思ったことのない超有名ライター

というか自分をライターだと思ったこともないですね。

—え、いまだにですか?

うん。いまだに「ライター業もやる無職」って感覚ですね。そもそも「ライターになろう!」なんて思った事一回も無いですもん。「書いて」って言われるから「ええよ」って言って引き受けてたらこうなった感じです。いまだに自分の職業が何なのか理解してません。殺し屋かも。

 

インターネットへの想い

—唐突ですが、ヨッピーさんにとってインターネットとは何ですか?

ひとことで言うと「最高」ですね。冬の寒い時期に、温泉とかに浸かって「クゥ~~~ッ!最高~~~!」ってなるじゃないですか。あれですね。あれがインターネットしてて面白いものを発見した時に来るんですよ。「クゥ~~~ッ!最高~~~~!」って。僕にとって幸せそのものです。

—幸せそのもの……。そう思えるほどの、インターネットの魅力って何ですか?

他の界隈に比べるとフェアなところですかね。もちろんフェアじゃない部分だってありますけど、相対的にはそうなんじゃないかと思ってます。

インターネットがなかった頃は、例えば「自分の歌をみんなに聞いてほしい」と思ったとしたら、テレビ局や事務所のお偉いさんに、まず認めてもらえないと舞台にすら立てないわけですよね。あるいは「面白い番組を作りたい」と思ったら、まずテレビ局に入れるようにいい大学に入らないといけないじゃないですか。でもその努力って、いい歌やいい番組を作ることとは本来全く関係がないんですよ。でもそのプロセスを経ないと自分の曲や番組を世に出す事すら出来ない、とんでもなく閉鎖的な環境だったわけじゃないですか。クリエイティブなんて全部そうですよ。閉鎖的な環境で、どっかのおっさんに気に入られなきゃ世に出す事すらできなかったんです。

でもインターネットがあれば、YouTubeに歌や動画をアップしたりすることで、すぐに発信することができる。不当な圧力と戦う事も出来るし、自分の想いを世界に発信する事だって出来る。絵も写真も、良い作品が出来たらすぐ世の中に出せる。最高だな、と。本来の競争が出来る場所がインターネットだと思うんです。その分、実力がない人はインターネットで戦うのツラいんでしょうけど、僕はそのフェアなところが気持ちいいなって思うんです。

ヨッピー
「つまり、インターネットを批判したがる人はきっと実力がないんですよ」

—本当にインターネットを愛してるんですね!

愛してますよ。今の僕がいるのは全部インターネットのおかげだと思ってるので。だから、「インターネットに恩返しをしよう」って思ってます。あいた時間にケーブル磨いたり。

—恩返しですか……?

いやまあケーブル磨くのは嘘ですけど、近い将来、きっとテレビや雑誌がインターネットに攻めてくる時代が来ると思うんです。そうなったときに「インターネットの連中ってチョロかったな」って思われたくないので、誠に僭越ながら、勝手に「インターネットを代表してる」くらいの気分で舐められないように色々企画考えたりで頑張ってるつもりです。最近はネット関係以外の人達とも仕事する事多いですし。インターネットが好きすぎて「インターネットは僕が守らなきゃ!」みたいな感覚になってるんですよ。頭のおかしいストーカーみたいなもんです。それが行き過ぎてるのか、「こいつは、インターネットにとってよくないやつだ」って一回思っちゃうとことん嫌っちゃいますしね。

—「嫌いな人」ってたとえばどういう存在ですか?

例えば「パクって何が悪いの?」っていうスタンスの人とかですね。「Webコンテンツなんてパクられて当然でしょ」って言う人もいるんですけど、そういうのが横行しちゃうと、インターネットはパクリが横行するクオリティの低いものだって認識が広がっちゃうじゃないですか。それで、いいコンテンツ作ろうって人たちもどんどん潰されていく。そういう人はインターネットにとって敵なので、インターネットをストーカー並に愛する僕からしても敵です。ネット使った詐欺をやるような連中も敵です。

 

やりたいことを見つけるために

—そんな風に、何か夢中になれるものってどうやったら見つかると思いますか?

見つかるっていうか、もうあるんだと思います。ただ気付いてないだけで、みんな絶対あるんですよ。なのに、色々と理由をつけて諦めてる。だからどんどん自分でもやりたいこと気付けなくなっていってるんです。

—私自身、やりたいことって特にないんですが……みんな絶対あるんですか?

堀川さんは、ウユニ塩湖いってみたいですか?

—はい!

行ったことありますか?

—ないです。

でしょう。だいたいみんな行きたい所とかやりたい事はあるんですよ。気付いていないだけです。僕はやりたい事は全部やる、っていうスタンスで生きてるんですよね昔から。だから中学生の頃、僕が住んでた地区の銭湯の女湯、全部覗きましたからね。偉業です。

—なるほど……!

—では最後に、読者の皆さんが好きなものを見つけられる、背中を押す、そんな一言をお願いします!

ヨッピー
「あ、ちょっと漢字調べてから、書かせてください」

はい、できました。

ヨッピー好奇心には従いなさい。

さっきも言った通り、みんな行きたいとこがあって、会いたい人が絶対いる。その「会いたい」っていう感情に自分で勝手にフタをしているだけなんですよ。

それをちゃんと実行するっていうクセをつけることが大事で、それを実行していると、自然と自分のまわりに好きなものが集まるじゃないですか。

だから好きなモノを持つためには、まず好奇心に従って行動あるのみ、だと思います。

sankakus

楽しい記事を書かれることの多いヨッピーさん。しかしその想いは真っすぐで熱く、インターネット愛に溢れていて、その目は少年のようにキラキラして見えました。
カメリオ人は、あなたの目を輝かせるヒントを届けていきます。

 

[インタビュー/堀川あすみ(Concent) カメラ/横山英雅]

 

ヨッピー
1980年、大阪生まれ。関西学院大学を卒業後、上京して商社に就職。退職後は”無職”のライターとしてさまざまなWEBメディアで執筆し、一躍有名になった。そのほか、メディア運営のアドバイザーやWEBライター塾の講師としても活動中。

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