JenkinsでCI環境構築チュートリアル (Windows編)
こんにちは。ICSの渡邊です。
先日「作業の効率化のためのCI環境構築」のご紹介をさせていただきました。こちらの記事を公開したところ、環境構築の仕方を知りたいとのご要望がいくらか頂きましたので、複数回の記事に分けてご説明していきたいと思います。
Jenkinsを利用されている方は、LinuxやMacOSで利用されている方が多いと思いますが、本記事ではサーバが苦手な人でも導入できるよう、「Windows環境を使ったCI環境構築」をテーマとしてご説明していきたいと思います。
1.ソフトウェアのインストール
環境構築に必要なソフトウェアをインストールしていきます。必要となるソフトウェアは以下になります。
- Jenkins 1.581(http://jenkins-ci.org/)
- git for windows 1.9.4(http://msysgit.github.io/)
- WinSCP 5.5.4(http://winscp.net/eng/download.php)
Jenkinsのインストール
Jenkinsの公式サイトから、Windows用のNativePackageをダウンロードし、インストーラーを使ってインストールをしていきます。インストール先は、デフォルトでは「C:\Program Files (x86)\Jenkins\」等となっておりますが、インストールディレクトリ内に作業フォルダが作成されるため、「C:\Jenkins\」のようにCドライブ直下にJenkins用のフォルダを設置し、そこにインストールすることをオススメします。
インストールが完了すると、以下のアドレスからJenkinsにアクセスできるようになります。
http://localhost:8080/
git for windowsのインストール
「git for windows」は、Windows環境でgitを利用できるようにするためのソフトウェアです。
こちらもインストーラーを使ってインストールしていくのですが、「Adjusting your PATH environment」の画面では、必ず「Use Git from the Windows Command Prompt」に変更しましょう。ここを変更しないと、Jenkinsやコマンドプロンプト、PowerShellなどからgitのコマンドを利用することができません。
インストールが完了したら、「PowerShell」または「コマンドプロンプト」で以下のコマンドを実行して、正常にインストールが完了しているか確認します。バージョンが表示されればインストール成功です。
PS C:\Users\Administrator> git --version git version 1.9.4.msysgit.0
WinSCPのインストール
WinSCPはGUIで利用されていることが多いと思いますが、実は「コンソールモード」を備えており、コマンドラインからも利用することができます。Windows標準のFTPコマンドでは細かい設定ができませんが、WinSCPを使うことで複雑な設定もGUI上で簡単に行うことができるため、今回はWinSCPを使ってデプロイ処理を作成します。
こちらもインストーラーを使ってインストールしていき、コマンドラインから利用するために、インストールディレクトリを環境変数に登録してください。環境変数を登録後、「PowerShell」または「コマンドプロンプト」で、以下のコマンドを実行し、正常にインストールされていることを確認します。
PS C:\Users\Administrator> winscp -h Copyright (c) 2000-2014 Martin Prikryl Usage: WinSCP [/script=file] [/command command1...] [/parameter param1...] WinSCP /ini=<inifile> /log=<logfile> /xmllog=<logfile> WinSCP /help
ジョブの作成
Jenkinsを使ってジョブを作成していきたいと思います。「ジョブ」とは、Jenkinsで実行する一連の処理をまとめたものです。Jenkinsにジョブとして登録しておくことで、いつでも同じ処理を実行することができるようになります。
まず左側のメニューの「新規ジョブ作成」を選択し、新規ジョブの作成画面を開きます。ジョブ名を入力し、「フリースタイル・プロジェクトのビルド」を選択します。ジョブ名は日本語でも登録することは可能ですが、入力された名前で作業ディレクトリが作成されるため、日本語は使わない方が良いと思います。
次の画面では、実行する一連の処理を登録します。一旦Jenkinsが正常に動作するかの確認をしたいため、「HelloWorld」と表示する簡単なジョブを作成してみたいと思います。「ビルド手順の追加」から「Windowsバッチコマンドの実行」を選択し、コマンド欄に「echo ‘HelloWorld’」と入力し、ジョブを保存してください。
ジョブの保存後、左側メニューから「ビルド実行」を選択することで、登録したジョブを実行することができます。実行するとビルド履歴の欄に実行結果が表示されます。青丸が表示されていれば成功です!赤丸が表示されている場合は、どこか設定が誤っている可能性があります。
ビルド履歴から実行結果を確認してみましょう。実行したビルドの履歴を選択し、左側メニューの「Console Output」から実行結果を確認することができます。コンソール出力に「HelloWorld」が表示されているはずです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は簡単な「HelloWorld」を表示するデモの作成までとなりましたが、簡単な作業でCI環境の構築ができることがわかったと思います。次回はJenkinsのプラグインを利用してGitと連携するジョブの作成方法をご紹介していきたいと思います。