【平沢聯合ニュース】在韓米軍司令部が6日、米陸軍の研究施設が生きた炭疽(たんそ)菌のサンプルを誤送付した問題に絡み、ソウル近郊・平沢の在韓米軍烏山空軍基地内にある実験室を初めてメディアに公開した。
米国防総省は5月27日(米東部時間)、生きた炭疽菌のサンプルを誤って烏山基地に送付したと発表。同基地で炭疽菌を用いた実験をしていたことが明るみになり韓国世論の批判が高まったことから、米軍側は疑惑を払拭(ふっしょく)する趣旨で実験室を公開したとみられる。
この「生物識別検査室」は烏山基地の病院の外れに独立しており、小さな倉庫のようにみえる。「危険」「警告」と表示された扉を開くと、縦6メートル、横4メートルの検査室が現われる。
内部は強い消毒薬の臭いが目と鼻を刺激し、大型冷蔵庫の大きさの検査装備をはじめとする実験装備が並ぶ。細菌の培養に用いられるとみられる装備と検査室の壁面には、「JUPITR」というプログラム名が書かれている。
在韓米軍の関係者はJUPITRについて、朝鮮半島で発生し得る新種の生化学的な細菌に対する監視能力を強化するために2007年に米大統領の指示で設けられたプログラムだと説明した。米国は境界なく世界中に広がる伝染病を化学物質や放射能と同様に国家安保を脅かす存在と見なしており、これに基づき米国の専門組織は在韓米軍や韓国軍などのために生化学的な細菌の監視など最新技術の開発に取り組んでいるという。
米軍関係者は「韓国の戦場に合った最上の防衛のため、生物学戦の対応体系と、細菌を探知、診断する能力を研究室と現場で開発中だ」と話した。JUPITRの目標は、差し迫る生化学的な脅威を緩和するための防衛能力を高めることだとした。