広島原爆投下70年 韓国の被爆者が支援法制定訴え

【陜川聯合ニュース】広島への原爆投下から70年を迎えた6日、日本から帰国した被爆者が共同生活を送る韓国南部・慶尚南道陜川郡の「陜川原爆被害者福祉会館」の慰霊閣で韓国人犠牲者の追悼祭が営まれた。

 原爆が投下された1945年8月6日に広島にいたという80代の女性は「朝、飛行機の音が恐くて家に入ったら爆弾が爆発する音が聞こえ、家が完全に崩壊した」と当時の状況を振り返った。なんとか家から抜け出すと、皿洗いをしていた母の姿はなく、8歳だった弟は全身にやけどを負い皮膚がむけていたという。

 大学教授で小説家でもある韓水山(ハン・スサン)さんは「政府はこの70年、原爆被害者に対する十分な実態調査さえ一度も行わなかった」と、韓国政府の誠意のない姿勢を批判した。

 被爆者とその家族は、これ以上遅くなる前に政府が腰を上げ、70年間の苦しみを取り去ってほしいと訴えた。

 被爆した韓国原爆被害者協会のシム・ジンテ陜川支部長は、韓国人の被爆者と家族に対する実態調査の実施と支援のための特別法制定を求める声明を発表した。

 法案は先の第17代、18代国会で発議されたものの審議の先送りで廃案となった。現在の第19代国会でも発議されたが、成立のめどは立っていない。

 広島で原爆の被害に遭った韓国人の被爆者1世は大半が死亡し、現在は2584人(韓国原爆被害者協会の登録者基準)しか生存していない。

 追悼祭には被爆者とその家族、地元自治体や民間団体の代表ら300人余りが出席したが、政府関係者や国会議員は一人も姿を見せなかった。

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