税法改正案 経済活性化と国民の暮らし支援に焦点=韓国

【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部が6日に発表した税法改正案は景気の活性化と国民の暮らしに対する支援に焦点が当てられている。中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの流行を受け追加予算を編成しただけに、予算と共に財政を担う税制でも景気浮揚をサポートする狙いだ。

 専門家の間では、経済活性化に重点を置いた改正案の内容は概ね肯定的に受け止められているものの、悪化する国家財政を踏まえると税収の増加につながるかは疑問だとする意見も出ている。

◇雇用創出に税優遇、健全な消費を積極支援
 今の韓国の経済環境は極めて悪い。輸出は前年同月比で7カ月連続減少している上、MERSによる影響で消費が落ち込み経済成長率は5四半期連続0%台を記録している。

 企画財政部は、来年から施行する定年延長により懸念される「青年雇用の崖」問題の緩和に向け若者の雇用創出に税制上の優遇措置を与え、消費活性化につなげる支援策をまとめた。

 同部は来年定年が60歳に延長されれば、今後3~4年間、若年層の雇用が急激に減る問題が深刻化するとみている。

 このため、雇用を保障する代わりに一定の年齢以降は賃金を引き下げる「賃金ピーク制」を導入し、労働市場改革と若者の雇用拡大を図る大規模な税制支援が必要だと判断した。

 税制支援の目玉となるのは若者の雇用増加のための税制だ。この制度は若者の正規社員数が前年より増加した企業に対し1人当たり中小・中堅企業には500万ウォン(約53万円)、大企業には250万ウォンの税額を控除するもの。

 今年から2017年まで3年間の期限付きだが、同部は3万5000人以上の若者の雇用を創出できると予想している。

 また、健全な消費を促すためチェックカード(デビットカード)や現金決済の所得控除率を1年間、50%に引き上げる。

 ◇会社員、自営業者などへの支援拡大
 会社員や自営業者、農家など経済的観点で相対的に所得が低い層に対する支援を強化することも今回の税制改正案の柱になっている。

 個人総合資産管理口座(ISA)の導入は、所得増加による消費を誘導し個人の財産が増えるよう税制を通じ支援するのが狙いだ。

 また、老後の不安に備え貯蓄を優先する人が多いことを踏まえ、財産形成を支援する金融商品を導入し税制上の優遇策を取れば、消費につながると期待されている。

 さらに、飲食業者がアルコールを製造し、自身の店舗で販売できる「ハウスマッコリ」と名付けられたシステムも導入する。

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