高木真也
2015年8月8日00時02分
2020年ごろに実現するかもしれない車の自動運転を支えてくれる、高精細なデジタル地図づくりが本格的に動き始めている。カーナビ大手のパイオニアは7月、測定車を全国津々浦々で走らせ、データを集めていく作業に手を着けた。
ハンドルを握らなくても目的地に着く自動運転は、日産自動車やホンダなど主要メーカーが20年前後の導入をめざしている。
その実現には、従来のカーナビ以上に詳しい車線や交差点の状況、信号の位置といった細かい地図データが欠かせない。カメラやレーダーを積んだ測定車が、全国の公道一本一本を走ってデータを集める地道な作業が必要になる。
パイオニア子会社で、カーナビ向けのデジタル地図「MapFan(マップファン)」を提供するインクリメントP(川崎市)が金沢大学と組み、地図の開発を始めた。
まずは石川県珠洲市で自動運転の実証実験を進める金沢大の実験車両で、自動運転にどのようなデータが必要かを詰める。ここでのノウハウをいかし、カーナビ用のデータを集めている全国の測定車を改良し、詳しいデータ集めに入る。
インクリメントPの担当者は「地方では極端に幅の狭い道路やガードレールのない道路もある。こうした道を安全に走れるノウハウも取得していきたい」と話す。20年ごろまでに全国の主要道路のデータをそろえる予定という。
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