「南北の架け橋」脱北者・朝鮮族、韓国社会に失望

就職教育などで成長支援を

 南北統一に備えるには、韓国と北朝鮮の「架け橋」になる可能性のある脱北者や中国の朝鮮族の役割が重要だが、彼らの韓国に対する認識は否定的になりつつある。入国15年目の脱北者Aさんは「自由を求めて韓国に来たが、定着の過程で差別を感じたり疎外感があっりした。韓国社会の根深い排他性は脱北者を受け入れず、(存在を)無視しているようだ」と語った。入国3年目の脱北者Bさんは「韓国社会は北朝鮮に比べて自由で経済的に豊かだが、隣に住む人が誰なのか分からないほど個人主義で人情がない」「脱北者支援プログラムは多いが、真心が感じられない」と言った。国策研究所関係者は「脱北者の気持ちをつかむには、包み込むような気持ちや忍耐の心をもって彼らの成長を助けなければならない。脱北者が資本主義社会に適応できるよう、就職・起業教育などが必要だが、体系的に行われていないのが現状だ」と述べた。

 韓国社会に失望しているのは中国の朝鮮族も同じだ。特に若い世代で韓国に対する好感度が下がっている。朝鮮族のCさんは「韓国に就職していた親世代から(韓国に関して)良くないことをたくさん聞いたから」と言った。韓国で暮らす中国人80万人のうち、50万人は朝鮮族だ。これは、中国の朝鮮族全体の人口20%に相当する。吉林省延辺朝鮮族自治州から来た朝鮮族のDさんは「韓国人は『米国同胞(在米韓国人・韓国系米国人)』『日本同胞(在日韓国人)』『中国同胞(中国朝鮮族)』と呼び、朝鮮族を軽く見ている。私たちのことを同胞ではなく『韓国語が分かる外国人労働者』として扱うべきだ」と訴えた。

 中国社会科学院のチョン。シンチョル教授は「朝鮮族は南北両方を自由に往来できる。彼らを南北統一の準備に積極的に生かすべきだ」と述べた。

キム・ミョンソン記者
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