北朝鮮の住民たちを支援する民間団体のうち相当数が、事実上の「開店休業」状態に陥っていることが分かった。統一部(省に相当)によると、韓国政府に現在登録されている対北朝鮮支援団体は96ある。このうち、今年に入り北朝鮮の住民に対し実際に支援物資を届けた団体は、5月末現在で12団体だ。残る84団体は、南北関係の冷え込みによって支援事業を事実上断念したり、暫定的に中断したりしている。専門家たちは、対北支援団体の大部分が数年以内に「死に体」に陥る可能性があるとの見方を示している。
北朝鮮に対し年1回以上支援を行った実績のある団体の数は、2009年の59団体から、10年には42団体、11年には35団体と、減少の一途をたどった。韓国海軍哨戒艦「天安」爆沈事件や延坪島砲撃事件など、北朝鮮の挑発が続いたことで、対北支援が縮小されたためだ。12年以降は、実際に活動する団体は20を下回っている。
農業技術の移転や建設資材の支援など、民間レベルの開発協力事業も中断に追い込まれ、民間団体が北朝鮮で運営してきた肥料工場や農場、病院なども全て閉鎖された。現在は乳幼児や妊婦など弱者のため、医薬品や粉ミルクなど極めて限定的な物品の支援だけを細々と行っているのが実情だ。対北支援団体の活動が急激に減少し、支援物資を運搬する船舶の運航回数も、2007年の1万回に達していたが、昨年にはたった1回だった。
ある対北支援団体の関係者は「金大中(キム・デジュン)政権時代から、さまざまな民間団体が、雨後のタケノコのように増えていったが、現在はその大部分が事業を中断し、『歯を食いしばって奔走する』団体だけが生き残っている状態だ。事務所の家賃を払えるだけの余裕がなく、ほかの団体と共同の事務所を使用している団体もかなりある」と語った。数年にわたって活動が中断し、専門のスタッフも大部分が辞めていき、対北支援・協力の実力の低下を招いていると指摘する声も出ている。対北協力民間団体協議会の関係者は「今のような南北関係が続けば、対北支援団体はさらに減っていくだろう。(対北支援を行う)民間団体にとっては、金よりも南北関係の改善が先決だ」と話した。