トヨタ系の中堅部品6社、4社が減益・赤字 4~6月

2015/7/31 11:58
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 トヨタ自動車系の中堅部品6社が30日発表した2015年4~6月期の連結決算は4社が最終減益または赤字になった。東南アジアやロシアなど新興国経済の減速が響いた。ただトヨタが新興国戦略車「IMV」の新型車の投入を順次始めており、年度後半に回復を見込む声も出ている。

 東海理化の4~6月期は最終損益が3億4600万円の赤字になった。既に引き当て済みだったリコール費用が予想以上に膨らんだほか、業績不振のブラジル子会社で減損損失を計上したため、77億円の特別損失が発生した。16年3月期通期の純利益の予想を165億円と期初の増益予想から前期を下回る見通しに下方修正した。

 4~6月期は為替レートが1ドル=121円と前年同期から約20円円安になった。円安効果で売上高は6%上回ったが、自動車生産が減った国内やタイ市場で需要が低迷している。営業利益はほぼ横ばいにとどまった。

 マフラーを手掛けるフタバ産業は最終赤字になった。「中国で大型車の需要が減っている影響が大きい」と説明している。営業損益で赤字となり、最終減益となった中央発条もアジアでバネ需要が低迷している。

 愛三工業も中国向けのエンジン部品などがふるわず、営業利益は26億円と6%減少した。シロキ工業は米西海岸の港湾ストライキで部品を空輸する費用がかさみ、利益を圧迫した。

 一方、軸受けの大豊工業は採算の良い北米向けが伸び、純利益が30%増えた。4~6月期として過去最高を記録した。ただアフリカやロシア、中東向けが低迷しているため、軸受け製品全体の売上高は前年同期を下回っている。

 16年3月期通期の業績予想は東海理化を除く5社が期初予想を据え置いた。4~6月期はIMVの刷新に伴い、需要の端境期にあたることもあって、「今後新型車が投入されれば需要が戻ってくる」(大豊工業)と期待する声も多い。

 さらに国内では年末にトヨタがハイブリッド車(HV)「プリウス」の新型を発売する予定だ。この売れ行きが伸びれば中堅の部品各社にも追い風となりそうだ。

(大島有美子)

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トヨタ自動車、プリウス、IMV、大豊工業、フタバ産業、東海理化、シロキ工業、中央発条、愛三工業

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