サンフィッシュ飛行隊

●「黄色い零戦」（小澤さとる）

宮崎駿「風立ちぬ」映画化決定にちなんで…ということではなく昔読んで良かったなあ、でもよく覚えてないので再読したいなあ、と思っていたらVF-1 RIDERSの○○紳士ことKOMATUさんから貸していただくことができました。KOMATUさんと大王様ありがとうございました。

作品はベテラン・小澤さとるによる、零戦開発秘話。設計者・堀越二郎ほか開発に関わった人々のエピソードに加えて特攻に出撃する若いパイロットの姿を描き零戦の誕生から終焉を俯瞰する物語となっています。（といっても、戦中登場したバリエーションや戦線の描写はほとんどありませんが）


「黄色い零戦」とは各務原で初飛行した黄橙色の十二試艦戦を指し、黄色のスペシャルカラーのエース機が敵機をバッタバッタと撃墜するお話ではないです。

「風立ちぬ」にも堀越が新型機の設計に苦闘する話がありましたが、「黄色い零戦」の描写はすごく泥臭い感じ。今「風立ちぬ」を参照できないのでちょっとナンですが、多分同じ事象を描いている場面もあると思うんですが漫画化に際しての切り口が全然違う印象で面白いです。

地に足のついた語り口の中にぐっとくるセリフ・描写があって良いですね。「岡村サーカス店終い特別興行でした」「今日のこの空…私は一生忘れません」とかは胸が熱くならざるを得ません。特攻パイロットの両親の思いとか、主脚収納庫扉にひっかかった一輪の花とか、「『零戦』であった」の白い見開きとかしびれます。
名作だと思うので、手に入りやすいようにならないかなあ。

諸先輩には怒られるかもしれませんが、小澤先生の作品はほとんど読んだことがありません。絵柄とかちょっと手塚神に似ているところがありますね。

というわけで（？）静岡ホビーショー同時開催の「合同展示会」でバルキリー（とデストロイド）を作ろう！の会、「VF-1 RIDERS」参加者募集中でーす。公式BBS 告知ページ

※画像は世界文化社刊「黄色い零戦」（小澤さとる）より