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病室でビールやフカヒレ…「立派な大往生だった」阿川佐和子さん、父・弘之さん死去でコメント

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病室でビールやフカヒレ…「立派な大往生だった」阿川佐和子さん、父・弘之さん死去でコメント

阿川佐和子さん(昨年7月)

 3日に老衰のため94歳で亡くなった作家の阿川弘之さんの死去を受け、長女でエッセイストの阿川佐和子さん(61)が7日、新潮社を通じて「立派な大往生だったと思っております」とするコメントを発表した。全文は次の通り。

  

関係各位の皆様へ

 皆様へのご報告が遅くなり、まことに申し訳ありません。

 すでにご承知のことと存じますが、今月8月3日(月)22時33分、父、阿川弘之が都内の病院にて老衰のため、息を引き取りました。満94歳でした。

 父は長らく月刊文藝春秋の巻頭随筆を連載しておりましたが、90歳を期に、「出ずるときは人に任せ、退くときは自ら決せよ」の言葉(出典は娘、わからない)に準じ、書く仕事をきっぱり止めて読書などに興じておりましたが、自宅で転んで頭を打ったり、誤嚥性肺炎を起こしたりしたため、2012年初めより都内の老人病院へ入院。しかし頭は最後までかなりしっかりしており、その後、大腿骨を骨折してほとんど寝たきりの状態にはなったものの、毎日リハビリに励み、病室ではビール、日本酒を少々(大変に融通の効く病院であります)、娘が持ち込んだ好物の鰻、すき焼き、フカヒレなどを食し、本棚を設置して文庫本を読むという生活をずっと続けておりました。が、今年の夏あたりからだんだん体力が落ち、食欲も落ちてきたため、全体的な衰弱が進んだようです。とは言うものの、亡くなる前日には、私が持っていった薄切りのローストビーフを3枚たいらげ、「次はステーキが食いたい」と呟いて、にんまり笑ったりしておりました。「よし、じゃ、来週はステーキにしましょう!」と約束した翌日の午後、突然、消化器官上部から下血をし、それを期に呼吸も困難になり、その晩遅く、息を引き取りました。

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