性的暴行:土下座謝罪議員に警察は「嫌疑なし」の結論

性的暴行:土下座謝罪議員に警察は「嫌疑なし」の結論

 現職の国会議員による性的暴行疑惑について捜査を行っている大邱地方警察庁は4日、与党セヌリ党に所属していたシム・ハクポン議員(54)=慶尚北道亀尾市甲選挙区=を前日夜に非公開で呼び出して事情聴取を行い、「嫌疑なし」との結論を下したと発表した。

 警察は3日午後9時30分から2時間ほどにわたり、シム議員に対し事情聴取を行った。シム議員は「性的関係を持ったことは事実だが、性的暴行を加えてはいない」と供述したという。警察は被害者の女性(48)とシム議員の供述内容が大部分一致している上、女性が処罰を望んでいないことから、シム議員の性的暴行容疑について「嫌疑なし」との意見を付し、5日に検察に報告する。警察はまた、当初性的暴行を通報した女性の供述内容が変わったことについて、シム議員が懐柔、説得していたことを突き止めたが、これについても刑事罰の対象ではないと判断したという。

 だが、女性の知人は本紙の取材に対し「女性は先月26日にシム議員に会う前までずっと、性的暴行を受けたと主張し、苦痛を訴えていた。女性からは『シム議員がひざまずいて謝り、(第3者を通じ)示談金として3000万ウォン(約320万円)を支払うと持ち掛けられた』という話も聞いた」と語った。

 女性の知人や警察によると、女性は2年ほど前、慶尚北道のインターネットメディアの幹部でシム議員の側近のB氏を通じ、シム議員を紹介されたという。今年6月29日、2人はB氏などと共に日本料理店やカラオケボックスなどに行き、その後急速に親しくなって、兄妹のように呼び合い、電話やメールのやりとりもしていた。事件当日の先月13日にも、女性は「シム議員が国会議員のため、人目を避けるために呼び出した」と考え、ホテルの客室でシム議員に会ったが、シム議員はドアを開けるなり女性に覆いかぶさり、性的暴行を加えたという。首に椎間板ヘルニアがある女性は抵抗もできなかった。女性はその直後「まだ特別な関係にはないのに、なぜこんなことをするのか」と抗議したが、これに対しシム議員は「時々こうやって会えばいいじゃないか。私は忙しいから先に帰れ」と告げ、女性は茫然自失の状態に陥ったという。ホテルから出た後、かばんには現金30万ウォン(約3万2000円)が入っていて、その後10日間、シム議員が連絡を絶ったため、女性はさらに怒りを覚えたとのことだ。

 女性は10日ほどの間、知人たちと相談した上、性的暴力被害者専門の支援機関「ヘバラギ(ヒマワリ)センター」を経て、24日に警察に出向いて事情聴取を受けた。それから2日後の26日、女性はB氏の依頼を受け、大邱市内の飲食店で再びシム議員と会った。この場でシム議員はひざまずき「万死に値する罪を犯した」と言って許しを求め、これを受けて女性は証言を覆すことを約束したという。女性に対する2回目の事情聴取を予定されていた27日、B氏は女性の自宅へ出向き、大邱地方警察庁まで連れていった。この場で女性は「シム議員は最近、経済状態がよくないため、一日も早く3000万ウォンの融資を受け、支払うと持ち掛けた」と供述した。だが実際、金は支払われていないとのことだ。

チェ・ジェフン記者
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