【社説】韓国国民に愛されるロッテになるために

 ロッテグループの社長団は4日に緊急の会議を開き、グループの経営権問題について「ロッテグループを率いるリーダーには、長い間経営能力が検証され、成果を上げてきた辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)会長が適任」とする声明を発表した。声明の中で社長団は「ロッテグループは特定の個人や家族の専有物ではない」と指摘し、創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)総括会長を盾に経営権を確保しようとする長男の辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)氏と、辛東主氏を支持する家族や親戚らの行動を批判した。日本のロッテホールディングス(HD、本社・東京)の佃孝之社長も辛東彬氏支持の考えを明確にした。

 今回のようにいわゆる雇われ経営者たちが、オーナー家族の後継者争いについて公開の席でどちらか一方への支持を表明するのは、ロッテグループでは非常に異例のことだ。長男側が立て続けにありとあらゆる情報を暴露し、それによってオーナー家族の中で起こっているさまざまな問題が世間に知られるようになった影響で、グループ全体のイメージは明らかに低下した。そのため社長団は経営に悪影響が及ぶことを懸念し、今回の次男支持表明に踏み切ったとみられる。しかし社長団によるこの異例の行動は、現時点で実権を握っている辛東彬氏への単なるごますりのように世間では受け取られる恐れもある。

 今やロッテグループの混乱は、後継者さえ決まれば直ちに終息するようなレベルをはるかに超えてしまった。まずロッテグループでは循環出資がなんと416段階に達しており、その支配構造があまりにも複雑になっている事実が明らかになった。つまりグループ会社の中の1社が倒産すれば、グループ全体が連鎖的に大きな影響を受ける非常に脆弱(ぜいじゃく)な構造を持っているのだ。またグループのトップが役員らを集め、ある一人を指さして「お前、出ていけ」と言えば、それだけで人事が決まる前近代的な企業風土を持っていることも分かった。さらにオーナー家族の内紛によりグループ全体の経営が動揺する、いわゆる「オーナーリスク」が非常に大きいことも明確になった。

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