(カッキー)
話せば長くて深い事情があって1年ほど前に私は東京の下町台東区谷中にあるたそがれた喫茶店昭和堂の雇われ店長になったのです
(カッキー)いらっしゃいませ。
オーナーのキリコさんは朝からビールを飲みながら終日読書にいそしむサボり屋さんなのですが人の気持ちを癒やしながら争い事をいつの間にか収めてしまうという何とも不思議な人なのでした
そして今キリコさんや私入道さんというあだ名の卓球場経営者の都幾川敦也さん
和菓子屋の跡取り息子の小出清助さんの元に持ち込まれた争い事は天下の難題嫁姑戦争なのでありました
(キリコ)それではこれから嫁と姑による戦争をおっぱじめます。
時間ですよ。
始まるよ。
(敦也)涼。
今日は部外者出禁だぞ。
誰だ?その子。
(涼)おととい自殺しかけてたとこ助けたんだ。
そしたらそちらさんの肉親だとか…。
(百合子)自殺!?
(良枝)奈緒美。
いったいどういうこと?
(百合子)死のうとなんか…。
(良枝)あーっ。
もう。
(奈緒美)家ん中朝から晩まで戦争状態でもう頭ぐしゃぐしゃなんだもん。
何だかやんなっちゃって。
(奈緒美)でもお母さんとおばあちゃん永遠に仲直りすることなんてないもんね。
なら徹底的にやるしかないじゃん。
私見届けるよ。
どっちが勝ってどっちが哀れな負け犬になるか。
(キリコ)よーし。
女3人。
家族全員が揃ったところで戦いのルールを説明します。
勝敗は至極簡単よ。
お互いの欠点を順番にぶつけ合って先に泣いた方が負け。
以上。
(良枝)バッカじゃないの?私が泣くわけないでしょ?
(百合子)私人さまの悪口は絶対言っちゃいけないって親から言われて今まで一度も。
(キリコ)あら。
そう?最初にここに来たとき意地悪ばばあがどうのこうのって…。
(良枝)意地悪ばばあ!?
(キリコ)散々ののしってたじゃないの。
(良枝)あっ…。
(百合子)私意地悪ばばあなんて言ってません。
キリコさんが最初に意地悪ばあさんって言いだしたんじゃないですか。
(キリコ)どうだったかなぁ?でもさあなたにとっていいお姑さんならここに相談なんてしに来てないっしょ?いい?この戦いに負けた方は一生奴隷状態に陥るの。
終生バカにされ続けるのよ。
カッキーと入道さんも責任重大よ。
2人は隣に座った当事者のセコンド引き受けるんだもん。
(敦也)セ…セコンドだと?
(カッキー)セコンド役だなんて聞いてませんけど私。
(良枝)カッキーさんとおっしゃったかしら?
(カッキー)はい。
(良枝)大丈夫よ。
私が泣くわけないでしょ?
(敦也)わーっ!悪霊退散。
(良枝)じゃかましい!
(良枝)じゃかましい。
(キリコ)このお店では私が法律。
じゃあ百合子さん。
年の功ですから私から話さしていただきますわ。
あなたねだいたいお金遣いが荒過ぎんのよ。
この間だってまああれやこれやと無駄遣いして買ってきて。
将来の生活設計なってないんじゃないの?いったい誰が残してくれたお金だと思ってんの!
(百合子)あれは無駄遣いなんかじゃありません。
(キリコ)はい。
百合子さんストップ。
相手の罵倒に言い返すのはなしよ。
(キリコ)罵倒には自分の順番が来たとき罵倒で言い返してちょうだいな。
(百合子)だってキリコさん。
お母さんの言ってること間違ってるんですよ?間違っててもいいの。
これは戦争なんだもん。
言った者勝ち。
ほら。
次は百合子さんの番よ。
思いっ切り言い返してやれば?
(百合子)じゃ…じゃあ私も言わせていただきます。
(百合子)お母さんの最大の欠点はですね何といってもあの病的な潔癖症です。
隅っこまで掃除しろだのどこが汚いだのとぎゃあぎゃあ大げさに騒ぎ立ててうるさいったらありゃしない。
(良枝)《ほこり》
(百合子)文句があるならたまにはご自分でおやりになればいいじゃないですか。
(良枝)百合子さん。
あなた…。
はいはいはい。
良枝さんもストップ。
言い返すのはなしって言ったっしょ。
ルール守らないと反則負けにするわよ。
じゃあ次は良枝さん。
がつんと言ってやんなさいな。
百合子さん。
あなたねお料理が下手過ぎるのよ。
この間得意げに焼いたパン。
あれ頂いたけど私あんな梅干しより酸っぱいパン初めて食べたわ。
あなたもね専業主婦だったら料理の勉強ぐらいしなさい!
(百合子)じゃあ私も言わしていただきますけどね。
お母さんの料理は味が薄過ぎるんです。
だしの味だか何だか知りませんけど全然味がしないんです。
(良枝)あんた濃くして私を殺そうっていうの?
(百合子)えっ?
(富子)何だい?何だい?さっきから時間ばっか気にして。
(清助)いや。
あのう。
そろそろコーヒータイムかななんて。
ハハハ。
(富子)何がコーヒーだ。
清助。
(清助)うん?
(富子)昭和堂に入り浸るのはおやめ。
(清助)えっ?
(富子)キリコってあそこのママねありゃ魔女だよ。
前のオーナーに取り入って住み込みで居着いていつの間にか店を乗っ取っちまったんだからね。
オーナーはそのまま行方不明。
あの店の地下室の壁に塗り込められてるんだってば。
うん。
間違いない。
キリコがオーナーを殺したんだ。
ねえ。
そうだよね?父ちゃん。
(清助)そろそろ第1ラウンド終了かな?
(良枝)ハァー。
(百合子)ハァー。
(奈緒美)あの2人どんだけ恨みたまってんだろ?
(涼)どっかで恨みを出しきらなきゃうみを出しきれないんだよ。
はい。
どうぞ。
(奈緒美)あっ。
オムレツ?
(涼)俺母親の味知らないから自己流だけどね。
(奈緒美)いただきます。
あっ。
ねえ。
ケチャップくんない?
(涼)あっ。
第1ラウンドは10ずつ悪口言い合って5対5の引き分け。
イーブンでした。
さあラウンドツー。
いってみよう。
(良枝)百合子さん。
あなた母親として娘に対しての愛情が足りないんじゃないんですか?娘の将来のことを母親として真剣に考えてないでしょ?母親失格。
(百合子)お母さんこそ奈緒美のこと何にも分かってらっしゃらないんじゃないですか?奈緒美はねちゃんと自分のことは自分でできるようにって私たち夫婦がきちんと育ててきたんです。
だから私は娘を信用してるんです。
ゆうべ帰ってこないっておろおろしてたの誰かしら?
(敦也)おいおい。
キリコ。
今の一言反則じゃねえのかい?さあね。
私何にも聞こえなかったけど。
(百合子)頭ごなしにああしろこうしろって命令なさるのは自分の孫を信じてないっていうことじゃありませんか?そういう押し付け教育をするあなたのような人こそ祖母として失格です。
(良枝)あなた!どの口がそれを言わせてんの?奈緒美のことを信じてるって?言葉はご立派だけどあの子…。
百合子さん。
自殺を企てようとしたっていうじゃないの。
あんたの目はどこに付いてるんですか?あの子はまだ子供なんですよ?父親を亡くしたショックから抜け出せないの。
それを自立しろだなんて見放すようなこと言って。
ぬけぬけとよく言えるわ。
母親失格!お言葉ですけどお母さんが奈緒美奈緒美って甘い顔して何でも過保護に許してきたからいけないんです。
(百合子)甘い顔して陰でこっそりお小遣い渡したりして。
家族の教育方針の不一致は犯罪なんです。
(良枝)ああー。
怖いわ。
この人ついに正体現したわ。
毒でも盛られんじゃないかしら?
(奈緒美)もうやめてよ。
(奈緒美)何も分かってないんだよ。
お母さんもおばあちゃんも。
(奈緒美)お母さんが焼いてくれたあのちょっと酸っぱいパン。
天然酵母のパンだったんだよね?
(奈緒美)うん。
無添加のパンは体にいいからって私とおばあちゃんのために焼いてくれたんだよ。
ねえ。
それって悪いことなの?おばあちゃんが潔癖症に見えるのだって私のアレルギーを気にしてくれてるからなんだ。
それに私の育て方とか教育方針がどうのこうのって。
何かさ2人が仲悪いのって結局私がいるからじゃん?ああー。
やっぱホントに死んじゃえばよかった。
(良枝・百合子)奈緒美。
奈緒美ちゃん?言いたいことはそれだけ?
(しゃっくり)
(こぼれる音)
(一同)わっ。
やだもう。
そしたら引き続き第3ラウンドいくよ。
・「休む事も許されず」トゥントゥル。
・「笑う事は止められて」トゥントゥル。
・「はいつくばってはいつくばって」・「いったい何を探しているのか」はーい。
試合内容を変更します。
これからは逆にお互いの長所を挙げて発表すること。
(百合子)そんなぁ。
私が法律。
セコンドタイム。
セコンドタイム。
(百合子)そんなの無理ですよ。
(良枝)カッキーさん。
(カッキー)はい。
(良枝)あの人の何褒めたらいいの?
(カッキー)いや。
何でもいいんだと思います。
例えばあのマニキュアが奇麗だとか。
(良枝)マニキュアって。
派手じゃない?あの人年よ?何考えてんのかしら。
・
(たたく音)セコンドアウト。
セコンドアウト。
さっさと始める。
(良枝)フフフ。
ぷあーっ。
うんめえ。
あっ。
百合子さん。
(百合子)はい。
あなたバーゲンセールのとき素早い動きよね。
これはと思った商品つかんで放さない。
もうあれは長所だわ。
ハハハ!それ面白い。
次。
(百合子)お母さんのいいところはご自分がもうじゅうぶんにお年寄りなのに電車の優先席を他の方に譲ってさしあげるところです。
「どうぞどうぞ」ってにこやかに。
ハハハ!それも面白い。
うーん。
ビール切れちゃった。
買ってきて。
うん。
(清助)おい。
ちょっちょっちょっ…。
癒し屋稼業の首尾はどうだ?うん?うん?
(涼)今回も意外な展開です。
(清助)キリコのやることはまったく先が読めないからな。
・
(富子)いらっしゃいませ。
清助!お客さんだよ!
(清助)はい。
はいはい。
母ちゃん。
またな涼。
またな。
はいはい。
もうやめろ…。
(涼)はい。
冷えてないじゃん。
(カッキー)こうなったら素直に褒めちゃいません?負けるよりましだと思いますけど。
(敦也)褒め殺しにしちまえ。
(百合子)褒めるとこなんて一つも思い付かない。
(敦也)褒め倒さねえと一生ばばあの奴隷だぞ。
(百合子)えーっ。
セコンドアウト。
セコンドアウト。
(百合子)あのう。
お母さんはそのう…。
(百合子)奈緒美が小さかったころよく動物園や水族館に連れていってくださって面倒見がとてもよかったです。
ふーん。
そんなこともあったんだ。
「鬼ばばあそれでも昔はいいばばあ」なんつってね。
次。
(良枝)うーん。
百合子さんは…。
あっ。
亡くなった息子の看病はよくやっててくれたと思います。
へえー。
まんざらバカ嫁でもなかったんだ。
はい。
次。
(百合子)えーっと。
奈緒美が生まれてお宮参りに行ったときのことなんですけど。
お母さん。
大切にしていた婚約指輪を私に下さいました。
いつか奈緒美が子供を産んだらそのときは奈緒美に引き継いであげてねって。
優しかったです。
ああー。
もういい話ってつまんない。
ちゃっちゃと褒め言葉羅列して解散しようよ。
私酔っぱらってきちゃったもん。
さあさっさと次次。
百合子さん。
この際だから言わせていただきます。
私この先長くないと思うの。
うちの家系って早死にでしょ?最近体調も思わしくないし。
だから言っときたいの。
あの子が危篤のときに私を病室に呼んで「母さん。
百合子と母さん仲良く暮らしてくれ」って。
「じゃないと俺成仏できないよ」って。
何回も何回も。
奈緒美と百合子と一緒に暮らして2人のことをよろしく頼む。
苦しい中何度も…。
百合子さん。
ありがとう。
息子のことも私のことも。
偏屈な私に腹を立てないで支えてくれて感謝してますよ。
でもあなたとはもうあの子がいなくなったら他人よね。
あなた若いんだもの。
好きにしていいのよ。
あっ。
そうだ。
うちの人の残してくれた工場。
あれ売りましょう。
私は食べていくだけあれば十分だし後は奈緒美のために有効に使ってちょうだい。
お母さん…。
あっ。
泣いたよね?うん。
今百合子さん泣いた。
はーい。
この勝負百合子さんの負け。
負けた罰としてあなたは一生良枝さんに尽くすこと。
そうねぇ。
今日の戦争の総括としてまずは土下座でもしていただきましょうか?うーん。
早く。
床に頭こすりつけて「お母さん。
今までのことは全て私が間違ってました」「ごめんなさい」って言うのよ。
(百合子)お母さん。
私今までずっとずっと…。
ありがとうございました。
これからももしこんなどうしようもない嫁でよかったらこれからもどうかよろしくお願いいたします。
百合子さん。
ほら。
頭上げて。
ねえ。
ほら。
立って立って立って。
立って。
(良枝)百合子さん。
もっと早くこうやって話し合えばよかったわね。
小さいことで小競り合いして。
そしたらこんなことなかったのに。
百合子さん。
ごめんなさいね。
ありがとう。
(百合子)お母さん。
人間なんてみんなお互いさまっしょ。
・「探しものは何ですか?見つけにくいものですか?」自分で死のうって人間ってどんな気持ちかなって。
それが知りたくて飛び降りるまねしてみたんしょ?芝居の稽古だったんだよね?あんたの役ジュリエット。
自殺を狂言する役だもんね。
(奈緒美)はい。
人が人でなくなるのは自分を愛することをやめるときなのよ。
(奈緒美)ねえ。
お母さん。
おばあちゃん。
この勝負の判定はねたった今キリコさんから私に託されました。
この勝負私が新しい家庭をつくるまで私の預かりとします。
戦争は決して許しません。
百合子さん。
良枝さん。
2人とも神様へのお礼のおさい銭はたっぷり弾むこと。
(良枝)ああ。
はいはい。
いいわね?もう。
百合子ちゃん。
いいのよ。
私が。
あらやだ。
1,350円しかないわ。
貸しといてくれる?帰ったら返すから。
お願い。
下ろすの忘れちゃって。
(百合子)フフフ。
お母さんったら。
・「探すのをやめた時」・「見つかる事もよくある話で」
(カッキー)そうか。
相手の欠点を探すのをやめたとき相手の長所が見つかり始めるのかも。
そのときがきっとお互いの幸せの始まりなんだ。
ねっ?そうですよね?キリコさん。
人間っていうのは長所で尊敬され短所で愛される。
どっちも必要なのよ。
(カッキー)有村霧子。
すてきな癒し屋さん。
2015/08/04(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
癒し屋キリコの約束 #02[字][デ]【遼河はるひVS泉ピン子!】
喫茶店店主で裏稼業“癒し屋”のキリコ(遼河はるひ)をある主婦が訪ねて来る。姑・良枝(泉ピン子)との不仲に悩んでいるらしいがキリコは癒すどころか嫁姑戦争を煽り…。
詳細情報
番組内容
『純喫茶 昭和堂』に、嫁姑戦争勃発中の良枝(泉ピン子)と百合子(西牟田恵)がやって来る。キリコ(遼河はるひ)は二人に、お互いの欠点を交互にぶつけ合わせ、先に泣いた方が負けというルールでバトルを始めさせる。するとそこに、百合子の娘・奈緒美(秋月三佳)も現れる。母親と祖母のどちらが敗者になるか、見届けるつもりだと言う。
良枝と百合子は思いつくまま、相手の欠点を挙げていく。
番組内容2
「金遣いが荒い!」「清潔好きにもほどがある!」「料理が下手!」今にも飛びかかりそうなまでヒートアップする二人を見かねた奈緒美が、良枝の行動にも百合子の行動にもそれぞれに理由があると言い出す。
奈緒美の言うことを聞き、すっかり戦意を失ってしまった良枝と百合子だったが、キリコは欠点が出ないなら今度はお互いをほめ合うように指示する。そんなキリコの狙いとは…?
出演者
有村霧子:遼河はるひ
柿崎照美:前田亜季
上山 涼:戸塚祥太(A.B.C−Z)
小出清助:長谷川朝晴
都幾川敦也:小林正寛
キララ:中山来未
本城 栞:吉原茉依香
小笠原千香:月船さらら ほか
スタッフ
【原作】
森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎文庫)
【脚本】
佐伯俊道
【演出】
星田良子
【プロデュース】
市野直親(東海テレビ)
高橋萬彦(共同テレビ)
【音楽】
森英治
【主題歌】
「Thank You For The Music」ラストヒロイン(中山来未)(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
【制作・著作】
共同テレビ
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
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