スプレッドが世界初、完全自動化による日産3万株の完全人工光型植物工場プロジェクトを開始

 株式会社スプレッドは同社が開発した完全人工光型植物工場”Vegetable Factory(TM)”の事業展開の第2弾として、世界で初めて育苗から収穫までを完全自動化した日産3万株の大規模植物工場の建設プロジェクトを開始した。

同社は2006年に創業し、京都府の亀岡市にて世界最大級の完全人工光型植物工場(亀岡プラント)を運営しており、現在4種類のレタスを日産21,000株生産し、“ベジタス(R)”ブランドとして首都圏及び関西圏の食品スーパー約2,000店舗に年間を通して安定的に出荷している。

同社の特長は生産歩留まりが“97%”という高い水準を維持できる技術力にあり、採算をとることが困難といわれている植物工場事業において、黒字化を実現しており、これまでに培ったノウハウを活かして、さらに高品質で安心できる商品を安定的に提供できる取り組みとして新工場の建設を検討してきた。

新工場建設のコンセプトとニーズ
【コンセプト】
世界的な人口増に伴う食糧不足や異常気象による水不足、農作物被害といった社会問題があるなか、スプレッドは植物工場事業を通じてエネルギー資源などを効果的に管理し、より安全で持続可能な社会の基礎を築くことを目指しています。今回、その取り組みとしてグローバル展開を見据えた環境対応と低コストを実現させた次世代型植物工場”Vegetable Factory(TM)”の建設プロジェクトを開始しました。

【次世代型植物工場に求められるニーズ】
スプレッドは次世代型植物工場に求められるニーズとして下記があると考えています。

1.環境対応
2.低コスト
環境対応として水資源のリサイクルシステムと世界中どこでも展開可能な栽培環境制御技術を開発しました。低コストは育苗から収穫までの完全自動化と光と空調を最適化したエネルギーの効率化により実現しました。

3.スプレッド新工場プロジェクトの概要
(1)植物工場のタイプ・・・完全人工光型植物工場(研究開発・実験室を併設)
(2)建設予定場所・・・京都府木津川市(けいはんな学研都市)
(3)建物面積・・・約4,400㎡
(4)生産品目/生産規模・・・レタス/日産3万株(年間1,090万株)
(5)着工予定時期・・・2016年春頃
(6)出荷開始予定時期・・・2017年夏頃
(7)総投資額・・・約16億~20億円(研究開発・実験施設も含む見込額)
(8)年間売上・・・約10億円(見込額)

4.新工場で実現したイノベーション
【環境対応】
水資源のリサイクル・・・工場内で栽培に使用する水の98%をリサイクル可能にしました。
栽培環境制御技術・・・世界中のあらゆる環境下で安定生産が可能な栽培環境制御技術を開発しました。

【低コスト】
栽培工程の完全自動化・・・育苗から収穫までの工程を完全自動化することにより、人件費を50%削減しました。(*1)
エネルギーの効率化・・・スプレッド専用のLED照明と独自の空調システムを開発し1株あたりのエネルギーコストを30%削減しました。(*1)
初期投資コスト・・・一株当たりの初期投資コストを25%削減しました。(*2)

上記に加え、栽培空間の省スペース化に取り組んだ結果、単位体積当たりの生産性が従来の亀岡プラントと比較し約2倍に向上しました。
(*1)弊社亀岡プラント比
(*2)一株あたりの初期投資コストが亀岡プラント80,000円に対し新工場は60,000円

5.ベジタブルファクトリー事業を推進していくためのコンソーシアム
今回の新工場は、スプレッドのフランチャイズ事業の中核的な役割を果たすマザー工場として位置づけています。そしてグローバル展開を見据えた技術開発を推進していくため、スプレッドと各分野に強みをもつ企業とのコンソーシアムが実現しました。

 株式会社大林組・・・建築エンジニアリング全般と環境制御技術
 株式会社椿本チエイン・・・栽培に関する自動化設備
 東レ株式会社・・・栽培に関する水のリサイクル処理設備
 株式会社早稲田情報技術研究所・・・植物工場事業に必要な栽培/品質/物流/販売/需要予測の機能を実装した植物工場トータルマネジメントシステムの開発

6.今後の予定
自社工場の建設と同時に大林組と進めているフランチャイズ事業の検討も進め2017年度から順次商品の出荷を開始し、日産8万株の生産体制を予定しています。また、5年後を目処に日産50万株の規模へと拡大し、国内外にベジタブルファクトリー事業を展開していきます。

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植物工場・農業ビジネス編集部

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