サラメシ 2015.08.03


こんばんは中井貴一です。
本日のサラメシひときわ華やかな職場にお邪魔しています。
見てほら。
仕事の時はブラックフォーマルでビシッと決めるのが彼らのスタイル。
ん?結婚式場のスタッフかって?違うんです。
正解分かります?ほらヒントが見えた!そうオーケストラの楽団員たち。
こちらは関西フィルハーモニー管弦楽団の皆さん。
年間100を超える演奏会に加えヨーロッパでの海外公演も行うプロのオーケストラです。
ランチもさぞやエレガントな匂い…?演奏会を翌日に控えた6月のある日彼らのもとを訪ねました。
お昼前練習場をのぞいてみるとまだ楽団員の姿はまばら。
聞けば全体練習はいつも午後1時から。
指揮者やゲストプレーヤーは東京から参加する事が多いので朝新幹線に乗って間に合う時間に設定されているんだそうです。
だから皆さんいつも練習前にランチ。
さあどんなサラメシ食べてらっしゃるんでしょうか?ああ確かに。
あっごはんも十穀米ですか?こちらはサンドイッチセット302円なり。
優雅なイメージとは裏腹に皆さん意外とリーズナブルなランチ。
プロとはいえ今の日本で楽団員がオーケストラの給料だけで食べていくのはなかなか難しいそうで空いた時間に個人レッスンを受け持つなど副業を抱えながらという方が多いそうです。
だからほら手作り弁当で節約なんて方も。
こちらは職場結婚の山本さんと中川さんご夫妻。
いつも妻が作るおそろい弁当。
この日は鶏肉とネギの七味炒めに卵焼き。
トマトとキュウリのサラダ。
でも妻直子さんにだけスペシャルなサイドメニューがあるらしいんです。
いろいろこんなものとかおやつを持ち歩いてます。
ん?一人だけデザートつき?分かったカカア天下!…と思ったら実はこれ2人が担当する楽器の違いに関係あるんだとか。
夫山本さんは弦楽器ビオラの担当。
一方妻直子さんは…肺活量が求められる金管楽器です。
なるほどね。
え?…って事はあの楽器の方はもっとたくさん食べてるはず!金管楽器でもひときわ大きいチューバ担当の吉野さん52歳。
笑顔がすてき!年も年なんであんまりね食べ過ぎないようにはしてるんですけどもお魚好きなので塩さばです。
出た!1.5合分のごはんに塩さばをドド〜ンと載せたシンプル弁当。
おかずにはコロッケやカツを載せる日も。
とにかく早くて安くてごはんをかき込める弁当を心がけているそうです。
いや〜楽器によって食べる量に違いがあるとは思いも寄りませんでした!ワントゥアン!さあおなかいっぱいになったところで練習開始!本番の曲を全員で合わせ気になる部分をチェックしていきます。
そうそうそうアパッショナートにね!これあの「情熱的に」って事だそうです。
初めて聞いた…。
で先ほど大盛り弁当を食べていた吉野さん。
さぞかし情熱的に吹いているかと思ったら…。
ん休憩?実はチューバは出番が少ない楽器。
この曲も34分のうち前半18分は全く出番なし。
若い頃からよく言われますけど。
中には45分間のうち数十秒しか出番がないという曲もあるんですって。
逆に言うとその一瞬に懸ける一発勝負!休憩時間も出番に備えウォーミングアップを欠かしません。
まあこうして見るとオーケストラって徹底した役割分担の世界。
一つ一つのパートの地道な準備の積み重ねがあの華やかなハーモニーを生み出してるんですよね。
翌日の金曜日。
この日は彼らの本拠地大阪ザ・シンフォニーホールでの定期演奏会。
1,700ある客席はほぼ埋まりました。
いよいよ開演。
2時間にわたる本番の始まりです。
…っていやいやいやこれはね音楽番組じゃありません!ちゃんとありましたよ。
この演奏を生み出すエネルギーとなったサラメシが!それでは…。
ヴォーン・ウィリアムズ作曲「田園交響曲」。
演奏は関西フィルハーモニー管弦楽団。
曲に乗せて彼らのランチをご覧頂きましょう。
それは開演の僅か1時間前の事。
練習の日弁当と大量のお菓子を食べていたホルンの中川さん。
本番直前にもやっぱりガッツリ!かつおだしが染み込んだうどんに…デミグラスソースのチキンカツ定食!最後まで…。
公演当日リハーサルから本番までの空き時間は1時間余り。
だから歩いてすぐのこのお店でサッとおなかを満たし開演30分前までにホールへ。
考える事は皆同じです。
来店したのはチューバの吉野さん。
そして…。
別のテーブルにはビオラの山本さんの姿も。
ほかにも至る所にあの楽器の人この楽器の人。
気が付けばその数20人。
ほぼ社員食堂状態。
そうこの時まさに店内は食べるオーケストラ!少しでいい人はうどんだけにしたり。
なるほど。
聞けば地方公演の時もメンバーが自然と集まってしまう行きつけの店が必ずあるんだそうです。
美しいハーモニーの裏にまさかこんな本番直前のサラメシがあったとは…。
オーケストラのちょっと意外なサラメシごちそうさまでした。
続いては皆さんから頂いたランチの物語をご紹介!まずはアメリカからトニーさん。
いやこれあの…トニーだけど日本の男性の方ですね。
え〜「カリフォルニアに単身赴任していますが2年前から弁当を作り始め思い切って6,800円の曲げわっぱを購入しました」。
あら奮発しましたね。
え?これ…えっご自分でお作りになってんの!?上手!弁当歴2年彩りのよさの秘密は…弁当の完成予想図!?これね週末1時間以上かけて弁当の中身を計画するそうです。
なるほど。
これなら間違っても茶色ばっかりとか緑ばっかりの弁当にはならなそう!ほらにんじんもちゃんと予想図どおり星形に!トニーさんこれを基に買い物に行って月曜の弁当を作り火曜から金曜はおかずを1品ずつ変えて乗り切ってるんですって。
えっ1週間分で一枚なんだ…。
続いては東京都の鴫原さんから。
え〜っと「45歳になって弁当男子デビュー。
妻と中学生の息子の分も僕が作ってます」。
あらいいお父さん!きっかけは3年前。
「仕事帰り駅の階段やベンチで眠ってしまったりと酒の失敗が続いて妻の怒りを買い小遣い制になってしまいました。
だから節約のために」ってあら〜随分悲しい話!いや自業自得か。
でもいざ弁当を作ってみると卵を焼いてる間にブロッコリーをゆでて野菜を肉で巻いてと段取りを考えるのが楽しくてたまらない!家族の分まで作るようになったそうです。
そしたら最近妻からこんなメッセージが…。
「お弁当で家族がつながっているんだね。
いつもありがとう」。
ワオ失敗からまさかの大逆転!災い転じて何とやら!皆さんからの投稿もお待ちしています!さてこちらには早朝からランチ作りにいそしむ男性が…。
彼が作るのは毎日決まっておにぎり。
海苔は握る直前にあぶって香ばしさを出すというこだわり派。
ごはんにはもち麦を混ぜて食感をプラス。
こだわってますねえ!で気になる具材は?あ〜冷凍おかず…。
えっそのままってどういう事!?あっああ〜!…と思ったら本当にそのまま。
でもよかったカップ取ってくれて。
何でもごはんの中で解凍され昼にはいい感じになってるんですって。
ん?今度は何やってんでしょうか?冷凍食品のパッケージをチョキチョキチョキっと…。
大胆なのか繊細なのかどっちだこれ!ちなみに冷蔵庫はご覧のとおり。
冷凍食品でギッシリ!実は彼現在単身赴任中。
それまでは妻に料理を任せっきりだったため自分で作れるのはおにぎりだけなんですって。
確かにちょっと…ぎこちないですかね。
およそ1時間かけて作ったおにぎり。
その数なんと13個!もちろんピクニックでも大食いチャンピオンでもありませんよ。
そこにはある訳が…。
おにぎり大好き!?彼松本尚浩さんは訪問診療を行う医師として働いています。
いやああ松本先生だったんですね!およそ300人の患者のもとに出向きそれぞれ月に2回診察。
だから職場は患者の自宅や老人ホームなどの施設。
とにかく外回りの毎日だそう。
(一同)おはようございます。
おはようございます。
全部かゆいですか?あらら。
パン?強いて言えばパンぐらいじゃないのかな。
ちょっと診せてもらいますので部屋で待っててもらえますかね?部屋でいい?部屋にいちゃかゆくていらんない。
そうですか。
だいぶかゆいですね。
かゆいんだよ。
病院と違い診察室のない場所。
何気ない会話も健康状態を診る手がかりに。
診察を終え訪れたのは施設の事務室。
実は松本さんここにどうしても寄らなきゃいけない訳が…。
きんぴら。
小林さん小林さんは?私スペシャルで。
スペシャル!松本さん朝作ったあのおにぎりを配ってます!すいません。
むしろ「今日ないの?」みたいな。
実はこのおにぎりこうして行くさきざきで配るためにたくさん作っていたんです。
「何で?」って思われる方もいるかもしれませんが周りの皆さんにとってはおなじみの光景。
もう1年以上続いてるんですって。
始まりは大学病院で麻酔科医として働いていた時。
飲み会に誘ってもなかなか来ない若い同僚たちとの会話のきっかけになれば…と作ったまかないおにぎりでした。
飲みにケーションならぬおにぎりコミュニケーション!いいっすか?だから今の職場でも…。
お邪魔します。
実は松本さん訪問診療を始めてまだ1年ちょっと。
医療がもっと身近な社会を目指しその第一歩としての転身でした。
麻酔科医の時は手術室に籠もりっきりだったけれど今は行くさきざきにいろんな人がいる。
だから今日もバッグにおにぎりを詰めてあちらへこちらへ…。
冷凍食品の外の袋を切って…。
なるほど!あっ分かるように?そうそうそう。
どうなのかなと思って…ビックリするような中が入ってる。
ビックリしちゃうような具材を入れるのももらった人を楽しませたいから。
せっかくならもっとごはんがおいしい方がいいと自宅の炊飯器まで買い替えたといいます。
でも料理のできないおにぎり先生何でそこまでするんでしょう?まず垣根を下げる。
松本さんがおにぎりを配るのは何でも話せる医師でありたいから。
さておにぎりが残り1つになった頃やって来たのはなじみの定食屋。
えっまさかここでも!?あっいいよいいよ。
みんな食べてきたの?もう。
おかみさんにもはいおにぎり。
あるあるある。
この日最後のおにぎりは食堂のおかみさんのサラメシに。
そして松本さんのサラメシはこちら。
この日は牛すじカレーと煮込みでボリューム満点!あんなに早起きしておにぎり作ったのに自分はあの…カレーなんですね。
訪問診療を始めるようになってからこうして外でいろんなランチを食べられるのが楽しみなんですって。
カレーどうでしょうか?おいしいです。
いや今までと違う何か味…。
野菜いっぱい入ったからね。
ああなるほど。
ごちそうさまでした。
おにぎりの数だけ親しくなれる。
松本先生の不思議なおにぎりごちそうさまでした。
あの人も昼を食べた。
彼は女を描き続けた。
世界的な版画家にして画家。
芥川賞作家であり映画監督までこなした男池田満寿夫。
広いアトリエを求め50を前に東京を離れ移り住んだのは熱海。
この地で新たに陶芸を始め窯を構えた。
アトリエ近くにはなじみだったそば屋が。
作品作りが一段落すればふらり。
時に仕事の打ち合わせでも訪れた。
決まって頼んだのはひきたてのそば粉で作る天せいろそば。
本がつおさばソウダガツオのだしに自家製のかえしを合わせればほのかな甘みをたたえたツユに。
天ぷらになるのは店主が毎朝地元の市場で仕入れた旬の食材。
季節で変わる天ぷらが楽しみだった。
初夏は甘さはじけるトウモロコシ。
大の麺好きだった男が新たな町で出会ったお気に入りの味。
実はお気に入りがもう一つ…。
Dialogue:0,0:23:59.10,0:24:04.15,Default,,0000,0000,00002015/08/03(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]

担当楽器ごとにランチのこだわりがあるという、オーケストラの昼ごはんを拝見!▽訪問医療の医師が毎日配るおにぎりとは?▽池田満寿夫が愛した、熱海の天せいろそば。

詳細情報
番組内容
関西フィルハーモニー管弦楽団は団員およそ50人、担当楽器ごとにランチのこだわりがあるという。息の合った演奏を支える、オーケストラの昼ごはんを拝見!▽毎朝5時起きで大量のおにぎりを作る訪問診療専門の医師。その理由とは?▽芸術家・池田満寿夫が愛した、熱海の天せいろそば。
出演者
【語り】中井貴一

ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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