半導体大手のSKハイニックスは5日、米同業のサンディスクが起こした企業秘密関連の訴訟で和解し、協力を強化していくことで合意したと発表した。
SKハイニックスは昨年3月、日本の東芝と米サンディスクから同時に企業秘密を侵害されたとして提訴された。当時東芝と技術提携関係にあったサンディスクの日本人社員がSKハイニックスに転職し、東芝の最新技術が流出したとの主張だった。東芝とサンディスクは共同生産体制を構築しており、日本の工場でサンディスクブランドのNAND型フラッシュメモリーを生産してきた。
これに先立ち、SKハイニックスは昨年12月、東芝に2億7800万ドル(約347億円)の和解金を支払い、訴訟を終結させている。双方は次世代技術の共同開発を進めることに加え、特許のクロスライセンス契約と製品供給契約の延長など協力関係を強化した。
サンディスクとの紛争も既存のクロスライセンス契約を2023年まで延長し、一部ロイヤルティー(権利料)を支払う内容で和解し、訴訟問題は最終決着した。同時にSKハイニックスはサンディスクにDRAMを供給する契約も結んだ。
DRAMはデスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォンなどに使用される。サンディスクはDRAMとNAND型フラッシュメモリーを組み合わせたマルチチップパッケージ(MCP)にSKハイニックスのDRAMを使用する計画だ。
SKハイニックスは世界の半導体市場でインテル、サムスン電子、クアルコムに次ぐ4位(売上高ベース)で、東芝は7位、サンディスクは12位だ。SKハイニックスは東芝、サンディスクと2007年3月にクロスライセンス契約と製品供給契約を結び、協力関係を維持。11-12年にそれぞれクロスライセンス契約を延長しており、今回の訴訟終結で再延長された格好だ。
SKハイニックス関係者は「今回の提携で訴訟問題など経営上の不確実性が解消され、今後は製品開発に集中できる」と説明した。