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性的虐待把握も行政は保護せず

08月05日 18時02分

性的虐待把握も行政は保護せず

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ことし5月、埼玉県深谷市で知的障害者のグループホームを運営するNPOの代表が入所者の女性にわいせつな行為をしたとして逮捕された事件で、性的虐待の情報を把握していた群馬県伊勢崎市が女性を保護する対応をとらず、およそ10日後に警察が保護していたことが分かりました。
この事件はことし5月、埼玉県深谷市で知的障害者のグループホームを運営するNPOの代表、高荷昌次容疑者が入所者の20代の女性をホテルに連れ出してわいせつな行為をしたとして準強制わいせつの疑いで逮捕されたものです。
女性が前に住んでいた群馬県伊勢崎市は5月19日に性的虐待が疑われるという連絡を外部から受け、翌日から女性への聞き取り調査などを始めましたが、女性を保護する対応をとっていなかったことが関係者への取材で分かりました。
その後、警察が緊急性が高いと判断して女性を保護しましたが、それまでのおよそ10日間、女性はそのままグループホームで生活を続けたということです。
障害者虐待防止法では、障害者サービスの支給決定をした自治体が被害者の緊急保護などの責任を負うと定めていて、女性への支給決定をしたのは伊勢崎市でした。
伊勢崎市障害福祉課は「女性の一時保護を考えたが、休日を挟むなどしたため受け入れ先の準備が整わなかった。最善は尽くしたと考えている」と話しています。
知的障害者の虐待問題に詳しい杉浦ひとみ弁護士は「性的虐待の被害者を加害者とされる人物の元に放置したということは非常に問題だ。被害者の置かれた状態を考えると、保護する場所をすぐに確保する必要があったのではないか。
障害者が性的被害を受ける事件への自治体側の危機感、問題意識が非常に低いのではないか」と指摘しています。
女性が性的虐待を受けた疑いがあることを最初に深谷市に連絡した福祉作業所の運営者は「女性を安全な場所に移す準備を本来は行政がやるべきだ。今回はその対応がはっきりしなかった。警察が動いたから行政も動いたのであって、そのまま待っていても行政は動かなかったと思う」と話していました。

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