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「フラッシュストレージは4つの落とし穴に気を付けろ」、ネットアップが「AFF 8000シリーズ」の価値を説明
(2015/8/6 11:33)
ネットアップ株式会社は5日、オールフラッシュストレージの新しい製品ライン「NetApp AFF(All Flash FAS) 8000シリーズ」について、報道関係者向け説明会を開催した。
All Flash FASは、6月に発表された新製品ライン。これまで培ってきたFASシリーズをベースに、別製品としてリブランディングしたオールフラッシュストレージだ。FASシリーズと同じコントローラと、同じclustered Data ONTAP OSをベースにしている。
説明にあたったネットアップ株式会社の岩本知博氏は、フラッシュメディアの中でもTLCやcMLCのGバイト単価の下降動向をグラフで示して「2017年にSAS HDDとGB(ギガバイト)単価が逆転する」と予想。「それまで待っていられないので、2015年にSASと同じ価格で出した」と語った。
フラッシュストレージの4つの“落とし穴”
フラッシュストレージ(SSD)には4つの“落とし穴”がある、と岩本氏は指摘し、その部分に関するAll Flash FASの競合に対する優位性を主張した。
岩本氏が指摘する1つ目の落とし穴は、デスクトップ用SSDでも言われるように、利用時間が増えていくにつれて性能が劣化することだ。SSDは仕組み上、データの上書き処理が重いため、スペアブロック(予備領域)を使って書き込みの高速化と利用領域の分散を計る。このスペアブロックがなくなると、ガーベジコレクションの処理によって性能が劣化したり性能がブレたりする。
岩本氏はAFF 8040を対象に、vdbenchにより約6万IOPSを12時間かけたストレステストの結果を紹介。「ベンダーによっては負荷をかけると性能が安定しない製品があるが、All Flash FASは一貫した性能を維持している」とアピールした。
2つ目の落とし穴は、製品の性能を表示する際に、重複排除や圧縮によってIOPS性能が大きく異なる点だ。「特にデータベースの場合はデータを正規化するので重複排除はほとんど効かない」と岩本氏。
3つ目の落とし穴は、読み込みと書き込みの性能が大きく異なる製品や、I/Oのブロックサイズがまちまちなときに性能が悪くなる製品があることだと岩本氏は言う。「All Flash FASは、FASのもともとの機能により、性能が劣化する要素は最低限にとどめている。ただ、あえて弱点を言うと、ランダムリードはフラッシュに特化した製品には負ける」(岩本氏)。
4つ目の落とし穴は、エンタープライズの耐障害性だ。この点についても、「NetAppは障害試験を厳しく行っている」と岩本氏は主張する。
ソフトウェア部分のライセンス体系を変更
岩本氏は「幅広いニーズに対応可能なオールフラッシュアレイ。FASの豊富な機能がすべて使える」とAll Flash FASを紹介。特に、NASからSANまでのマルチプロトコル対応と、SSD to HDDなどのミラーリングの機能を強調した。
「ただし、FASが他社に少し負けていたのが、価格」と岩本氏は言い、All Flash FASでは戦略として、ソフトウェア部分のライセンスの価格体系を変えることで、他社と競争する価格づけをしたと説明した。
従来のFASでは機能ごとにライセンスを設け、またコントローラのコア数に比例して価格が上がる体系だった。これを、All Flash FASでは、最初からPremium Bundle(全部入り)ライセンスを入れ、また同じ容量でソフトウェアライセンス価格が同じになる体系にした。その結果、FASのSAS+SSDキャッシュ構成と比べて、容量によってはAll Flash FASが安くなるケースもあるという。
また、従来のFASシリーズとの違いとして、All Flash FASは7年の保守に対応したことも説明された。
一方、従来のFASと同じコントローラやOSで動くため、All Flash FASと従来のFASを同じクラスタで一元監理できることも、岩本氏は特徴とした。これによって、例えば性能が必要ないところにはSASを、必要なところにはオールフラッシュストレージをといった共存ができる。
このclustered Data ONTAPについては、現行バージョンの8.3に続く8.3.1が今月末から来月に登場すると岩本氏は語った。8.3.1では、SSD向けに、読み込み処理でレイヤーをバイパスしてレイテンシーを減らす機能を追加した。また、ほぼオーバーヘッドなしのインライン圧縮に対応したという。
「フラッシュストレージではCPUを使いきれる」
岩本氏は最後に、Cisco UCSサーバー4台とNetApp AFF 8020でOracle DatabaseのRAC構成を動かし、Swingbenchで計測した検証結果を紹介した。データベースのサイズが大きくなっていったときに、SASではTPS(トランザクション/秒)が落ちるのに対してSSDでは落ちないこと、SSDでは800〜1000セッションでUCSが限界となることなどが語られた。
この結果をもとに岩本氏は、「数年前はI/OがボトルネックになってデータベースでCPUを使いきれなかったが、今のフラッシュではCPUを使いきれる」と説明。さらに、フラッシュストレージによる高速化は、データベースのチューニング手法に比べてどのデータベースでも効くことなどを挙げた。
URL
- ネットアップ株式会社
- http://www.netapp.com/jp/
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