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赤血球の機能代替、人工血液を開発- 中央大・小松教授ら、救急医療などに期待も
中央大学は、同大理工学部の小松晃之教授(応用化学科)らの研究チームが、災害時などに大量の輸血が必要になった時に使える人工血液を開発したと発表した。赤血球の機能を代替し、血液型に関係なく使用することが可能なため、同大は「救急医療はもちろん、脳梗塞の治療や移植臓器の保管などにも役立つ」と期待している。【新井哉】
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日本では2027年に輸血用血液製剤の供給予測数が最も高くなった時に、89万人分の献血者が不足すると予測されている。また、大規模災害が起きた場合も大量の血液製剤が必要になると懸念されている。これまで各国で輸血用血液製剤の代替物の研究が進められてきたが、副作用などの問題を解決できず、認可された製剤はないという。
小松教授らの研究チームは、血液中で酸素運搬の役割を担うタンパク質「ヘモグロビン」と、ヒトの血清に溶解しているタンパク質の中で最も多い成分の「アルブミン」を結合させ、赤血球のように酸素を運ぶことができるタンパク質複合体を作り、製剤化に成功した。
また、慶応大医学部や、祟城大薬学部、熊本大薬学部のグループと共同でラットを使った実験を実施。この製剤が血液適合性に優れ、副作用がなく、安全性の高い人工酸素運搬体であることを実証したという。この研究の成果は、オンライン総合科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。
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