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07:00
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文字化けかと思ってギョッとしたアナタ、ようこそ泥沼へ。ご覧なさい、この沼の中央を。金色の毛みたいなものがファサーッと揺れているでしょう。水草でしょうか。いいえ、違います。あれは足を滑らせて沼に落ちたライオンです。もがけばもがくほど沼に足をとられ、間もなく息絶えようとしているライオンなのです。

助けてはいけません。ライオンは今、ヨガの瞑想みたいな偉大な挑戦の途中です。本人は「タスケテ」みたいなことを言うかもしれませんがウソです。冗談です。「押すなよ」みたいな前フリです。彼はあと1週間、この泥沼の中で過ごし、球史に残る大記録を打ち立てる予定なのです。その意気込み、まさしく百獣の王。絶対に助けてはいけません。

4日、ライオンは自分自身のベスト記録を叩き出しました。1979年、創設元年に記録した12連敗を超える13連敗という自己ベスト。しかも、それはタダのひとつの引き分けも含まない美しい黒の13連星です。連なる黒星はまるで葬式で使う数珠。自分の葬式にはめていくための数珠です。ここでライオンを助ければ、せっかくここまでつむいだ数珠がまたリセットされてしまいます。長い棒とかで叩いてください。硬いボールとかをぶつけてください。ライオンが少しでも沼の底のほうに沈んでいくように。

世間ではロッテが持っている18連敗がプロ野球最多だという風潮があります。否、断じて否。あれは12連敗+1引き分け+6連敗です。「コインの表だけ連続して出します!」と宣言した男がいたとして、チャリンと弾いたコインが横のギザギザの面で立ったらどう思いますか。それは表でも裏でもなく「横」ですよね。いくら男がノーカンを主張しても、横は横です。ロッテも同じ。あれは18連敗ではない。「19試合勝ちナシ(12連敗を含む)」と表現すべきです。それはそれで偉大な記録として尊重しますが、連敗ヅラするのは止めてもらいたい。

ライオンが目指すは真っ直ぐに連なった黒の大連星。目指すプロ野球記録は1970年のヤクルトアトムズが記録した引き分けナシの16連敗。これを超え、さらに19まで連敗を伸ばし、あらゆる意味での頂点に立つのです。そのとき獅子は神…じゃなくて仏様となっていることでしょう。今から胸の高鳴りが止まりません。

記録をひも解いてみてください。ロッテの大記録に打ち込まれた一本のクサビ、△を誰が打ち込んでやったのかを。そうです、あれを打ち込んだのは我らが西武ライオンズです。1998年、あのときの一本のクサビは、2015年のためにあった。放っておけば普通に19個負けたであろう相手に「18連敗じゃなくて、12連敗+1引き分け+6連敗ですよ」と難癖をつけることができるのは、我ら自らが仕掛けた遠大なる罠だった。

負けよう、負けるぞ、負けぇい!

僕の瞼にはしっかりとその光景が浮かんでいます。19連敗目となる試合の先発マウンドを託されたのは、我らが大エース・西口文也。「敗退行為だ!」「きったねぇぞ!」「真面目にやれ!」と騒ぐ千葉県民どもを鼻で笑いながら、西口は120キロ台のストレートを豪快に投げ込んでいく。1番・炭谷、2番渡辺直人という新1・2番コンビは守備で西口を盛り立て、無駄な攻撃を一切しないハイテンポ野球を演じます。

田邊監督は「今日は何が起きても動かない」という不動の構えで、西口に9回を託す覚悟。胸には「母さん、ごめんな」から始まる手書きの辞表を忍ばせ、男の采配を振るいます。そんな選手たちを後押ししようと、球団はライオンズブラックなる新しい色を引っ張りだしてきて、この日の試合で特別に着用することを決定。一体感を演出するため、来場者全員にライオンズブラックユニフォームを配布する出血大サービスまで行ないます。さらにはアニメ「デスノート」と無理やり緊急コラボを敢行し、1ページ目に選手・スタッフ名鑑を収録したライオンズ応援ノートを配布するなどの心憎いサービスまで。

やがて訪れる、その時。若獅子たちはまるで優勝でもしたかのようにベンチから飛び出していきます。誰の目にも涙が浮かんでいる。緊張から解き放たれたからか、大きな達成感によるものか。とにかく、まるで葬式のように涙が止まらない。ファンたちも互いの苦労をねぎらうかのようにビールを手にし、「献杯!」の声を上げる。終わらない宴は夜明けまでつづき、翌日も普通に負けるのだった…。

ということで、止まらない胸の鼓動をおさえつつ、埼玉西武ライオンズの大記録への挑戦をおさらいしていきましょう。


◆オーナーの現場介入がヒドくて打撃コーチが辞めるチームにも負けた!


この偉大な記録の始まりは7月15日、オールスター休みに突入する前半最後の試合でした。9回までに4点をリードした西武は余裕の試合運び。しかし、完封を狙って9回のマウンドに上がった先発・野上は突如として崩れ、あれよあれよの3失点。さらに火消しに出てきた守護神・高橋朋己は二死までこぎつけてから、悪夢の同点タイムリーを許します。そして延長11回、のこのこ出てきたバスケスが安打⇒送りバント⇒安打⇒四球(満塁)⇒2点タイムリーで最初の「●」を手にします。ここから●を13個集める、ドラゴンボール探しみたいな旅が始まるとは、まだ誰も知る由はありませんでしたが…。

↓そして西武は旅に出た!「●」を19個連続で集めると、その試合の映像が永久にテレビで晒されるという噂を聞きつけて!
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8回2失点の先発・岸を積極的に殺しに行く4安打1得点の猛攻。

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先発・菊池が電光石火の初回4失点。11安打を放ち全イニングで出塁した西武打線(1得点)は、6安打のオリックス打線(4得点)に屈する。

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満塁弾を含む2本塁打で気を吐く主砲・中村と、暴投失点を繰り返す投手陣が激突。投手陣に軍配があがる。

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ライオンズイエローナンチャラを着ての試合。4-3でリードして迎えた9回、マウンドにあがるは守護神・高橋朋己。ここで高橋朋はあれよあれよで3失点炎上。<●>の試合につづいて先発・野上の勝ちを消す。

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2点を先制するもすぐ追いつかれ、勝ち越すもすぐ逆転される攻撃陣VS投手陣のシーソーゲーム。結局、12安打4四死球をもらいながら3得点に終わった西武は、ライオンズイエローナンチャラ2連敗。なお、前日の試合で炎上した高橋朋は頭を丸めて登場すると、4点ビハインドの状況で敗戦処理に送り込まれ、点差を広げて帰ってくる。



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9回2失点の先発・岸を積極的に殺しに行く6安打1得点の猛攻。(2回目)

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互角の展開で迎えた終盤8回裏、中継ぎが満塁弾を含む6失点の火祭り。夏はやっぱりお祭りだね、というファンサービス。

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2安打12三振。

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※ソフトバンク戦につき自動敗北。7月終了。

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※ソフトバンク戦につき自動敗北。散発8安打1得点。

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※ソフトバンク戦につき自動敗北。11連敗という状況で高卒ルーキーをマウンドに送る鬼畜采配でプロの洗礼を浴びせる。ライオンズイエローナンチャラを全敗で終える。

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焼肉で決起集会を開くという定番のドツボにハマった西武は、先発・岸が5回4失点と崩れるも、何故か打線が今日だけ4得点で追いつくという嫌がらせみたいな団結ぶり。楽天先発・則本をマウンドでブチギレさせるが、何やかんやで試合には負ける。



楽天なんか、もう内部から崩壊してる感じがするのに勝てない!

もはや、中日にしか勝てる気がしない!

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何故、大連敗が生まれるのか。それは端的に言えば「勝ちたい」という気持ちが働くからです。確率通りにいつか勝つだろうと思えず、不利な試合でも無理やり勝ちに行ったり、その負けを引きずったりすることで傷口はどんどん広がっていくのです。13連敗もしていたら、どんな負け試合でも勝ちたくなります。そこで無理をして翌日に徒労感を引きずり、勝てそうな試合までも落としてしまうのです。

0-4で負けている試合など、とっとと終わらせてメシ食って寝たほうがよかったのに、無駄に追いついてしまう。結果として、それが負けの苦痛を倍増させるとも知らず。そうなれば沼はますます深くなり、勝てる試合も勝てなくなってしまうもの。何もないところから6連敗するよりも、13連敗からさらに6連敗するほうが簡単なのです。

いける、いけるぞ。あと6つ、あと6つ負けてくれ。19連敗してくれたら、もうそれ以上は望みません。大満足です。とにかく19までは連敗を伸ばして、「2015年は19連敗した年」という一生心に残る歴史を刻みましょう。順位とかクライマックスシリーズとかを考えるのは記録を作ったあとです。

そして、士気がグッと高まる報せもあります。何と、5日・6日と楽天に連敗すれば(※15連敗)、楽天と入れ替わって5位転落。さらに次のオリックス戦で3連敗すれば(※18連敗)、オリックスと入れ替わって最下位転落が確定するのです。やはり連敗は最下位でこそ美しい。「18連敗したけど4位でーす」なんてファッション暗黒では、本当にドロドロした部分が出てきません。

18連敗、最下位で迎える11日の日ハム戦。ローテーション的に向こうの先発は大谷翔平。本拠地・西武ドームは試合前から巨大な棺桶となるのです。そうだ、ちょうどいい機会なので、始球式には日ハムベンチから引きずり出してジョニー黒木さんを登板させましょう。ロッテの大連敗の思い出を語ってもらい、「18連敗も相当キツかったですけど、19ってのはスゴイですねぇ」「僕なら死にたくなりますね」「大谷は絶好調です」などと煽ってもらいましょう。歴史に残る一日、これは絶対に行かねばなりません。今から参列するのが楽しみですね。

↓オイオイ、年明けに作ったライオンズ恐怖新聞に「19連敗プロ野球記録更新」が載ってないぞ!
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とりあえず、「岸12連勝」のところを「西武13連敗」に直しておけよ!

あと一番上も「弱い西武が戻ってきた」に訂正よろしく!


↓なお、どこぞの西武ファンのバカは春先にはこんな感じで調子に乗っていたようです!


どっちもねぇよwwwwwwww

どっちも5位とかで終わるんじゃねーのwwwww

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西武と横浜の日本シリーズなんかあるわけないだろ!バーカバーカ!