サムスン電子は3日、自社の半導体工場に勤務していて白血病などの病気にかかった被害者の補償に充てるため、1000億ウォン(約106億円)の社内基金を立ち上げると発表した。本社の社員だけでなく協力会社の社員も、被害が生じた場合は、人道的な観点から基金による同一の補償を行うことを決めた。
サムスン電子は「ただちに補償委員会を設置し、被害者たちの申請を受け付け、審査を経て今年中に大部分の補償を終えられるようにしていく」と説明した。1000億ウォンの基金は、補償金の支給のほか、疾病の予防、保健・安全対策の充実についての研究活動などにも充てていく方針だ。半導体業界では、関連する業務と白血病などの病気の因果関係はまだ明らかになっていないものの、サムスン電子が人道的な観点から、被害者の補償問題の解決を図ることについては、肯定的に評価している。
今回の補償案により、8年余りにわたって続いてきたサムスン電子半導体部門の白血病問題が解決するか否かについて関心が高まっている。「サムスン職業病家族対策委員会」は「(補償を受けることを)前向きに検討していく」とコメントした。だが、別の被害者団体「半導体労働者の健康と人権を守る会」は「サムスンの一方的な案だ」として、否定的な反応を示した。「家族対策委員会」には被害者の家族6人が、「健康と人権を守る会には被害者の家族2人と市民運動家たちが関与している。