【コラム】「ロッテは日本企業かどうか」よりも重要なこと

 「ロッテは韓国企業? 日本企業?」

 韓・日ロッテグループの会長の座をめぐり、ロッテグループ創業者の兄弟が経営権争いを繰り広げています。最初は長男である辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)元ロッテホールディングス(HD、本社・東京)副会長と次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)韓国ロッテグループ会長の対立に見えましたが、今では二人の父である創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏が加勢し「父子間の衝突」に拡大しています。

 韓国ではロッテのこのお家騒動をめぐり「企業の国籍」に関する論争が起きました。発端は、韓国のマスコミを無視していた東主氏が日本経済新聞の単独インタビューに応じたことでした。その後、同氏がKBSなど韓国のテレビ局と日本語でインタビューをしたことから疑心が強まり、東主氏が公開した格浩氏の日本語の録音ファイルで論争はピークに達しました。

 ロッテグループ側が、父子3人の国籍がいずれも「韓国」であることを公表し、事態は落ち着いたかのように見えましたが、ロッテグループの支配構造の頂点にあるロッテHDおよび資産管理会社が日本法人であることから、論争は今も続いています。インターネット上では「ロッテ不買運動」の動きさえ出ています。

 結論から言えば、ロッテグループ後継者の国籍はささいな問題にすぎません。例えば、格浩氏ら父子3人が在米韓国人で英語を話していたとすれば、ここまで注目を集めたでしょうか。ロッテグループのオーナー一家が使う言語は、企業活動とは直接関係がありません。韓国には数多くの多国籍企業が進出しています。国境を越えた企業活動が当たり前になっている今、「大株主が外国語を話す」という理由で排斥していては、誰も韓国に投資しようとは思わなくなるでしょう。

キム・ミョンジ記者
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