ロッテグループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)ロッテホールディングス(HD、本社・東京)会長(92)=写真=の肉声が入った動画が公開されて以降、同氏の体調や判断力に対して疑問の声が強まっている。著しく病状が重そうに見えるわけではないが、90歳過ぎという高齢のため、家族かどうかも見分けられない時があり、判断力や集中力が大幅に落ちているとの証言が相次いでいる。事実、動画の格浩氏は短い文を読むのにかなり苦労している様子で、事実と異なる発言もしている。
ロッテグループ関係者は「辛格浩会長は時々、周囲の人物の顔さえ見分けられないほど体調が万全ではない」と語った。先月31日には系列会社社長の業務報告を写真撮影していた長男・辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)元ロッテHD副会長(61)に向かって「お前は誰だ!」と3回怒鳴ったという。東主氏が日本語で「宏之です」と大きな声で答えたが、格浩氏は息子だと分からずに何度も「誰だ」と繰り返した後、「出て行け」と叫んだということだ。
同グループの別の関係者は「先日、30-40分間にわたり報告を受けていた時、(格浩氏が)ボーッとすることがよくあった。ついさっき聞いたばかりのことを忘れてしまったのか何度も聞き返したり、全くとっぴな質問をしたりしていた。以前もそうした症状があったが、最近ひどくなった。現在、きちんとした判断ができる状態でないことは確かだ」と語った。
格浩氏ときちんと意思疎通できる時間は一日1時間ほどで、午前中に話した内容を午後には覚えていない状態だともいう。同じ内容を繰り返し聞かせれば事実だと思い込んでしまうほど判断力が鈍っているという話もある。