PM2・5:花粉症誘発の仕組み解明 兵庫医科大

毎日新聞 2015年08月05日 23時00分(最終更新 08月05日 23時00分)

 兵庫医科大の善本知広・主任教授(免疫学)らの研究グループは5日、微小粒子状物質「PM2・5」の主成分となるディーゼル車の排気ガスの微粒子が、花粉症による鼻炎を誘発する仕組みを解明したと発表した。微粒子が、鼻の粘膜細胞同士のつなぎ目を壊すことが原因という。

 論文は先月23日、英・アレルギー学会誌の電子版に掲載された。

 研究グループによると、PM2・5による花粉症誘発の可能性は指摘されていたが、仕組みは未解明だった。実験では、花粉症の体質にさせたマウスに排気ガスの微粒子を投与後、花粉を吸い込ませ、くしゃみの回数を測定。通常では発症しない微量の花粉を与えても、回数が増えた。

 また、微粒子を投与したマウスの鼻粘膜は、細胞同士のつなぎ目が壊れ、その隙間すき(ま)から、花粉内のアレルギー原因物質が内部に侵入しやすくなっていた。抗酸化剤の投与で微粒子の影響を防ぐ効果も確認され、善本主任教授は「PM2・5による花粉症悪化の予防につながる可能性がある」としている。【柳楽未来】

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