2014-05-04 「特定秘密保護法に反対する学生デモ」を取り上げなかった朝日新聞
昨日憲法記念日は所要で護憲デモに参加出来なかったのが残念な限りですが、昨日の朝日新聞の紙面はid:kojitaken氏によれば以下の如く、であった様です。
■2014年の憲法記念日の朝日新聞紙面を概観する(3日付kojitakenの日記)
「否定しない」の連続が、既成事実(なし崩し)を容認するものなんだろうな、と思った。概して今年の憲法記念日の朝日紙面には、「受け身」の姿勢が目立った。
明けて本日4日の朝日の紙面。日比谷・銀座で行われた護憲集会・デモは社会面(第31面)に配置され写真も無し。代わりに第1面左側に東浩紀司会の「ゲンロンカフェ」の写真が掲載されるという、ぬるいというかパンチ不足なもの。
何よりも解せないのは他紙が紹介した以下のデモが取り上げられてない事です。
■憲法12条は警告する 「権利守るため努力必要」学生ら400人デモ(4日付東京新聞)
特定秘密保護法に反対する学生たち約四百人が三日、東京・新宿の繁華街でデモ行進した。憲法記念日を選んだのは、一二条が国民に自由や権利を守るための「不断の努力」を求めているからだ。表現の自由を守るため、声を上げた学生たちの思いは−。 (大平樹)
主催したのは、首都圏の大学生ら約三十人の「特定秘密保護法に反対する学生有志の会」で、二月にも学生デモを行った。強行採決によって短期間で成立したことや、秘密にする情報の明確化などを求めた情報公開の国際原則「ツワネ原則」に反することから、秘密保護法に反対している。
「憲法一二条は努力を怠ったら、権利を保持できないという警告と受け止めている」。デモ出発前に呼び掛け人の一人、大学二年の本間信和さん(19)は西新宿の柏木公園でそう話した。
午後二時半すぎ、学生たちは歩き始めた。「盛り上がる準備はできてるか」。大学三年の牛田悦正さん(21)が先導車の上から呼び掛けると、参加者からは「イエーッ!」と大きな歓声。強い日差しの下、スピーカーからアップテンポの音楽が響く。リズムに乗せて「秘密保護法、反対」「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」と沿道に訴えた。興味深そうにカメラ付き携帯電話で撮影する買い物客もいた。
午後三時すぎ、JR新宿駅南口付近では、大学四年の佐竹美紀さん(22)がスピーチ。「人前で主張する勇気がなかった」と率直に打ち明けた。二月のデモが「気持ち良かった」といい、「今、私たちは政治家の視界に入っていない。無視できないようにしてやろう」と声を張り上げた。
東京都品川区の牧ゆみ子さん(70)は、新宿三丁目交差点付近で偶然出くわしたデモ行進に「頑張れー」と声援を送り、拳を突き上げた。「最近の学生はふぬけばかりと思っていたが、見直した。戦争の方に少しでも進むようなことは、絶対に反対しなければ」と目を細めた。
大学三年の菅原ひかりさん(20)は、仙台市から夜行バスで駆け付けた。原発事故で避難した学生もいるのに、再稼働に突き進む政府に不満がある。「国を動かしているのは、政治家じゃなくて私たち国民だ。勇気がいるけど、一緒に声を上げよう」
一時間半近くのデモを終え、柏木公園に戻ると、この場で知り合った学生同士が連絡先を交換する姿も。秘密保護法のことを知ろうと参加した大学一年の礒貝悠紀さん(18)は「普段は憲法を身近に感じないが、憲法記念日に自分の意見を声に出したことで、興味を持つきっかけになった」と顔をほころばせた。
■「僕らの民主主義」 秘密法に反対/学生400人デモ 東京・新宿(同日付しんぶん赤旗)
秘密保護法に反対する学生ら約400人が3日、東京・新宿駅周辺でデモを行い、「立ち上がれ、起き上がれ、権利のために」「これが僕らの民主主義だ」と声を上げました。
デモを主催したのは全国20以上の大学の学生でつくる「特定秘密保護法に反対する学生有志の会」。ツイッターやフェイスブックで呼びかけて今年2月に初めてデモを成功させ、今回は2回目です。
参加者はヒップホップの音楽に合わせ、にぎやかにコール。代わる代わるマイクで思いを訴え、沿道の注目を集めました。
東京都内の大学3年生の男性は「政治に関心を持つ人が周りに少ないので、こうやって同年代が一緒に声を上げられるのは貴重な体験」と感慨深げ。男性の友人で都内の大学2年生の女性は「安倍首相が憲法を変えようとしているときに秘密法を無理やり通したのは、戦前と同じ。憲法記念日の今日、このデモをやることに意味があると思う」と語りました。
「友人と自由に意見を交わすこと、知りたいと思ったことを知れる世の中がいい」とマイクで語ったのは明治学院大学4年生の女性。人生で初のデモが2月のデモだったといいます。「以前はデモに参加する勇気はありませんでしたが、このデモが自分の意見を言いやすくしてくれた。私たちが政治家に意見を言い続けること、行動していくことが大切」と話しました。
買い物途中でビラを受け取った会社員の女性(25)は「新しいデモのやり方ですね。明るい感じがいい。秘密保護法がどんな法律なのか考えたい」と語りました。
■憲法記念日:改憲ムードの中、都内各地で集会(同日付毎日新聞)
安倍晋三首相が憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認に意欲を燃やす中で迎えた3日の憲法記念日。東京都内で、さまざまな立場から憲法を考える集会が開かれた。
(中略)
一方、昨年成立した特定秘密保護法の廃止を求め、学生ら約400人が新宿の繁華街をデモ行進。同法は国民の知る権利を制約し、憲法が保障する民主主義を揺るがす、と訴えた。ツイッターで知り、仙台市から夜行バスで駆け付けた東北福祉大の菅原ひかりさん(20)は「幸せで平和な日本が続くと思っていたが、壊れるのではと心配」と語った。【野島康祐、狩野智彦、牧野宏美】
これらに対し朝日新聞はウェブ版はおろか紙面でもこのデモを取り上げていません。そもそも日比谷集会・デモに対する扱いの段階で疑問符がつく訳ですが、2年前に脱原発官邸前抗議活動を無視してウナギ取引規制を第1面に持ってきた*1事を思い出してしまいます。
朝日新聞は、市民運動に対する感度を自己診断した方がよろしいのではないでしょうか。
【追記】
5日付朝日新聞第3面にて同デモが取り上げられましたので、紹介いたします。
■(憲法を考える:下)解釈変更急ぐ政権へ 私の声を(5日付朝日新聞)
特定秘密保護法から憲法解釈の変更へ。「私たちの国のかたちが変わろうとしているのでは」「政治に声が届かない」。駆け足で進む政権を前に、不安やもどかしさが広がる。あしたが見えない今、憲法の意味を改めて問い、考えたい。動き始めた人たちがいる。
(中略)
同じ3日の昼、東京・新宿。約400人の大学生らが街頭で特定秘密法に反対の声を上げた。大学1年の千晶(18)が初めて街に出たのは、高校生だった1年前。好奇心から脱原発の「国会包囲デモ」を見に行ったのがきっかけだ。
昨秋、特定秘密法案をめぐる論戦が続いた国会前に連日、制服姿で通った。「勉強しなさい」と言う親には「社会勉強よ」と返した。「知ろうとするだけで罪に問われるのは怖い」と声をあげたが、法は昨年12月に賛成多数で成立した。
いまの憲法解釈を変える動きは、反対の声を押し切って成立した特定秘密法の時と似ていると感じる。
「声を聞くつもりがないなら、投票権のない自分たちにはデモしかない」
ツイッターや口コミで新宿に集った学生たちは訴えた。「憲法を守るには自分たちが努力し続けよう」「(政権に)言うことを聞かせる番だ」。沿道の人たちが手を振ってくれた。千晶も歩いた。
「権力を縛るはずの憲法の読み方を安倍さんの都合のいいように変えちゃうなんて。やっぱり邪魔なのかな。集団的自衛権を認めたら、戦争を禁止する国じゃなくなるような気がする。それって日本なのかな」
=敬省略
耕造 2014/05/05 09:34 朝日新聞なら載せてもらって当然なんていう伊勢名物赤福餅より甘い期待はもう朝日新聞にかけてはいけないと思いますッ!
自分で記事書いてそれを朝日新聞社会部に速達書留内容証明なりファクシミリなりでおくるなりしないと反応しないと思います。