おかしい、いままでと違う—。「最強の政権」にあぐらをかき、慢心し切っていた安倍総理を襲った支持率の急落。雌伏の時を過ごしていた党内の大物が動き始め、安倍退場への幕は開いた。
「総理を続ける意味がない」
どれほど大きな堤防であっても、蟻の巣穴のような小さなキッカケであっけなく崩れてしまう—中国の古典『韓非子』にはこのような言葉が載るが、現在の安倍晋三政権は、まさしくこの「堤」にほかならない。
これまで「最強」と呼ばれたはずの第二次安倍政権だが、
「いまの政権の状態は、第一次政権の末期とまったく同じになってきた」
とさえ、ささやかれ始めている。
最大の原因は、言うまでもなく、安全保障法制の整備を強硬に進めたことである。
7月15日、側近の不祥事などが渦巻く中、自民党が強行採決を行うと、政権の支持率は急落した。
毎日新聞が同17〜18日に行った世論調査では、不支持が51%と半数を超え、支持35%を大きく上回ったのだ。「第二次政権発足以来最悪」の絶望的な数字。
官邸でこの支持率を見た安倍総理は、ひきつった笑みを浮かべ、
「30%台は織り込み済み、そのくらいの覚悟がなければ安保法制の整備などできるわけがないじゃないか」
と強がってみせた。周囲も、「まずまずの数字じゃないですか」と追従する。だが実際のところ、総理は焦りに焦っている。ごく近い側近たちには、
「参院の審議が始まるとまた支持率が下がる。その前に一度支持率を戻しておきたいね……」
と本音を漏らしていた。
総理のブレーンと呼ばれるある人物も、この危機的状況を見てこう漏らしたという。
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