石松恒
2015年8月4日01時51分
新たな安全保障関連法案をめぐって「法的安定性は関係ない」と発言した礒崎陽輔首相補佐官が、3日の参院特別委員会で発言を取り消して陳謝した。しかし礒崎氏は辞任を拒否し、野党は引き続き安倍晋三首相の任命責任を追及する構えだ。法案作成に直接関わった首相側近が招いた混乱は、まだ収まりそうにない。
礒崎氏は参考人として招致された3日の参院特別委で、「法的安定性は関係ないという表現を使ったことにより、大きな誤解を与えた。発言を取り消し、深くおわび申し上げます」などと述べ、何度も陳謝した。自らの進退については「総理補佐官の職務に専念することで責任を果たしていきたい」と辞任を否定した。
その上で、礒崎氏は発言の翌々日の7月28日に安倍首相から「誤解を生むような発言をすべきではないので注意を」と電話で言われたことを明らかにし、「(首相から)進退についての言及はなかった」と述べた。
これに対し、民主の福山哲郎氏は、礒崎氏が7月26日の講演で「考えないといけないのは我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」と発言したことについて「責任は極めて重い」と指摘。「政府は法的安定性は維持しながら集団的自衛権の限定容認をしたと強弁しつづけてきたが、ちゃぶ台をひっくり返したも同然だ」と批判した。
4日の特別委では安倍首相が出席する集中審議が予定されており、野党側は引き続き礒崎氏の辞任を求め、首相の任命責任を追及する考えだ。
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