化石を破損させ立ち去った家族から連絡を待つ博物館

化石を破損させ立ち去った家族から連絡を待つ博物館

 博物館の2階で「ズシン」と音がして、人々がそこに集まった。博物館の職員が駆け付けたところ、展示されていた象牙の化石が床に落ち、5つ以上のかけらになっていた。あわてふためいた職員が入館客たちに経緯を尋ねている間に、ある女性が子どもを連れて博物館から出て行った。先月26日午後4時40分ごろ、京畿道南楊州市の自然史博物館にある化石展示室で、このような事件が起こった。

 現場を目撃した入館客たちは、インターネットのコミュニティーサイトに「ある子どもが支え台の上に置かれていた象牙の化石をさわっていたが、両親が子どもを連れて外に出た」という証言を寄せた。この証言がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などのネット上で拡散され、問題の子どもの両親に対する非難が巻き起こった。

 博物館側は事件当時、両親と共に入館した子ども2人のうち1人が、象牙の化石をさわって破損し、その直後にこの家族が博物館から出ていく場面を捉えた監視カメラの画像を確認したという。だが、博物館側は警察への届け出を見合わせ、その代わりに28日、ウェブサイトに「象牙の化石を破損した家族は、博物館の学芸室に連絡してください」という文章を掲載した。博物館の関係者は「化石を破損した家族も、突然の事態に驚いてその場から立ち去ったと思うので、まずは連絡を待つことにした」と話した。

 このような博物館の措置に対し、多くのネットユーザーは「適切な措置だ」との反応を見せた。博物館は10日ほど連絡を待った上で、連絡がない場合には警察への届け出などを検討していくとしている。

イ・ジョンウォン記者
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