「あの子がもう50過ぎたのか」
2011年初め、ロッテ・グループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)総括会長に対し、次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)ロッテホールディングス(HD、本社・東京)副会長(当時)を韓国ロッテ・グループ会長に昇任させる提案がなされたのに対し、格浩氏が冒頭のような反応を示した。このエピソードはロッテ・グループの幹部数人が知っている。当時、幹部が格浩氏に対し「副会長(東彬氏)は50代半ばになるが、財界5位のロッテを代表して全国経済人連合会(全経連)などで副会長として活動する中、損をしていることが多い」と述べたのに対し、格浩氏は次男(東彬氏)の会長昇任を承諾した。その後、格浩氏の地位をどうするかが論議を呼んだが、「名誉会長」は絶対受け入れられないとクギを刺した格浩氏の意向に従い、長時間の苦悩の末「総括会長」という形で落ち着いた。これが、11年の東彬氏の会長昇任のてん末だ。ロッテ・グループの幹部は、辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)ロッテHD元副会長側が2日公開した動画で、格浩氏が東彬氏を韓国ロッテ・グループの会長として任命したことはないと発言したのに対し「全く事実と異なり、理解できないことだ」と語った。
「後継者に決めたことはない」という格浩氏の発言もまた、事実と異なっている。格浩氏は「日本(ロッテHD)は東主、韓国(ロッテ・グループ)は東彬」とする後継体制を決め、実際にこのような警お栄体制が10年以上続いていた。