ロッテお家騒動:公開動画に見る92歳創業者の「判断力」

4年前に自分で昇進させながら「次男任命したことない」

■長男が次々と「暴露」戦略

 格浩氏の長男・辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)元ロッテHD副会長(61)はこの日もKBSやSBSのインタビューで暴露を続けた。先月30日付の日本経済新聞や、同日放送されたKBSのインタビューに続き3度目だ。

 東主氏は「父は7月初め、弟(東彬氏)をひどくしかり、たたきもした」と語った。東彬氏は11年から昨年にかけて中国事業で1兆ウォン(約1060億円)を超える損失を出していたのにもかかわらずこれを隠し、格浩氏が裏切られたと感じているというのだ。東主氏は「弟は父に(中国事業の損失を)きちんと説明できないようだったので、私が代わりに説明した。(父は)『普通なら恥ずかしくて顔を上げられない。弁済させて刑務所に入れろ』と激怒して言った」と語った。そして、東主氏は先月初めに弟・東彬氏と韓国で一度会ったことも明かし、「弟は韓国と日本のロッテ全体を率いるべきだという考えを曲げず、『最後まで闘う』と宣言した」と述べた。

 ロッテグループ側は「まともな経営者ならできない主張だ。会社がどうなろうが関係なく、事実と異なる刺激的な暴露により混乱や争いを招き、グループの安全を害する行為を座視してはおかない」とコメントした。

 東主氏のインタビュー「戦略」は時間がたつにつれて緻密になっているという見方もある。東主氏は今回も日本語で質問に答えたが、インタビューの最後に同席した妻のチョ・ウンジュさんと頭を下げ、「国民の皆様に申し訳ありません」とつたない韓国語で言った。「韓国語を忘れた韓国人が韓国人と言えるのか」などと韓国人の多くが非難している現在の状況を考慮してのことと見られる。

■東主氏「臨時株主総会で勝てば父を代表取締役に復帰させる」

 東主氏はまた、同日のインタビューで「来週、日本のロッテHDで臨時株主総会が開かれれば、弟との票争いで自分の方が有利だ。株主総会で勝てば、私と共に解任された取締役たちを復帰させ、父(格浩氏)を再び代表取締役に復帰させる」と主張した。東主氏は3日に日本に向かって光潤社などを訪れるなど、臨時株主総会に備えた友好勢力確保に乗り出すという。これに対し、東彬氏側は「今回の臨時株主総会は辛格浩会長が名誉会長になることに関連してロッテHDの定款を変更する株主総会だ」と主張した。

チェ・ソンジン記者
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