ロッテお家騒動:公開動画に見る92歳創業者の「判断力」

4年前に自分で昇進させながら「次男任命したことない」

 ロッテグループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)ロッテホールディングス(HD、本社・東京)会長(92)が次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)ロッテHD副会長(60)=韓国ロッテグループ会長=をストレートに非難し、東彬氏の経営権そのものを全面的に否定した。格浩氏は2日、「次男・東彬を韓国ロッテ会長、韓国ロッテホールディングス(HD)代表に任命したことはない」と自ら語った。この肉声が入った動画は、一部で取りざたされている格浩氏の体調不良説を一蹴(いっしゅう)する意図で撮影・公開されたと見られている。しかし、格浩氏の発言の中には事実と合致しない内容もあり、事前に与えられた原稿をやっとのことで読む姿や、正常な判断力を現在も維持しているのかどうかについて確実でないように見えた。

■原稿から目を離せない格浩氏

 動画に登場する格浩氏はいすに座ったまま、あらかじめ用意された原稿を読み上げている。動画は「ロッテグループに関してお見苦しい姿を見せてしまい、心から謝罪申し上げる」と、このところの経営権争いについて国民に遺憾の意を表することで始まっている。格浩氏は青白い顔で視線を下げたまま、呼吸を整えるため頻繁に言葉を詰まらせ、発音が不明瞭(めいりょう)な部分も多かった。そして原稿から一度も目を離すことができなかった。

 また、事実関係が違っている部分もあった。東彬氏を「韓国ロッテ会長に任命したことがない」と言ったが、格浩氏は2011年に東彬氏を韓国ロッテ会長に自ら昇進させた。さらに、発言にあった「韓国ロッテHD」は「日本のロッテHD」の間違いだと思われる。原稿に間違って書かれていたのか、それとも格浩氏が勘違いして読み間違えたのかは分からないが、「格浩氏が基本的な事実関係すらきちんと覚えていないのでは」と疑問を感じさせる部分だ。

チェ・ソンジン記者
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