…っていう地盤があるからだと思うの。
「大人にしっかりうけとめてもらえる事」それが子どもが自分で考えるための土台になるのかもしれませんね。
生字幕放送でお伝えします
こんばんは。
「ハートネットTV」WEB連動企画「チエノバ」です。
キャスターの山田賢治です。
きょうは生放送です。
ツイッターで皆さんからご意見、募集しています。
ハッシュタグでカタカナでチエノバ。
これを入れて送ってきてください。
お待ちしております。
また番組の中のビデオ映像は解説放送付きでお送りしていきます。
さて、きょうは「これだけは知ってほしい!」と題して視覚障害の悩みについて考えていきます。
スタジオにはおなじみ「チエノバ」メンバー久保純子さんそして、荻上チキさんです。
よろしくお願いします。
チキさん、髪切って黒縁眼鏡。
おしゃれな感じで。
たぶん、長くもたないです。
そして、きょうはゲストとして視覚障害の当事者でもあります宇野和博さんにお越しいただきました。
よろしくお願いします。
宇野さんは盲学校の英語の先生でいらっしゃいます。
また、見えない人見えにくい人のためのラジオ番組「視覚障害ナビ・ラジオ」のレギュラーコメンテーターも務めていらっしゃいます。
今回「視覚障害ナビ・ラジオ」にも協力いただいて視覚障害の皆さんの困り事を募集しました。
応募していただいた皆さんありがとうございます。
今回、届いたカキコミやメールを並べてみました。
本当にいっぱいいただいていますね。
道の端にある溝のふたがないためよく落ちてしまう。
危険!ATMや家電製品などにタッチパネル式が多いので困る。
早朝・深夜は音響信号の音を切られるので困る。
ハイブリッドカーに気付かずぶつかりかけた。
最近の車、静かですから。
宇野さん、こうしたカキコミやメールどんなふうに思いました?
視覚障害者の間ではよく話題に上るような問題がいっぱいありますね。
中には命の危険に関わるような問題もありますけれどもきょうは視覚障害者にとって町の中にどういう危険が潜んでいるのか多くの人に知っていただくいいチャンスだと思いますね。
では視覚障害の人はどんなことにふだん困っているんでしょうか。
宇野さんからもありました町なかの危険についてきょうは特に考えていきますがまずは寄せられた声で多かった駅でのホーム転落についてです。
いきなりなんですがここでクイズでございます。
駅のホームでの転落事故視覚障害の何割の方が経験しているでしょうか?久保純子さん。
クイズ、苦手なんですけど質問になるくらいですから結構な割合ですよね。
4割?
チキさん。
やっぱり2〜3割くらいはあるんじゃないですかね。
健常者だったら、1割あっても多いほうだと思うんですよ。
答えは、およそ4割。
すごい数ですよね。
4割?
多いんですよ。
これ、日本盲人会連合が実施したアンケートの結果なんです。
本当にまれなケースではないということなんです。
よく当事者の方に聞くと欄干のない橋とか柵のない絶壁と例えられると。
ではどんなときに転落事故は起きるんでしょうか。
あるワークショップを取材しました。
先月、視覚障害者団体の主催で駅の安全性を考えるワークショップが開かれました。
参加者は43人。
その半数が視覚障害者です。
参加者で実際に転落した経験のある人は20人中9人。
転落しかけた人は4人いました。
なぜ、こんなに多くの人がホームから落ちてしまうのでしょうか。
落ちた理由ってなんだったんですか?どうして5回も落ちてしまったんですかね?電車がきたはずだ。
ここがドアのはずだ。
視覚障害者の転落事故はこうした思い違いから起きることが多いといわれています。
ワークショップを開いた佐木理人さんも、20年前思い違いから線路に転落し大けがをしました。
佐木さんは当時、大学生で下宿から実家に帰る道のりで事故に遭いました。
なるべく決まったルートを使い頭に地図を描くという佐木さん。
いつもは、6両目の車両に乗って駅に着くと、右方向に歩いて階段を上るというルートを使っていました。
しかし、この日は友人が一緒だったためいつもと違っていました。
とっさに乗った車両を10両目だと思った佐木さん。
駅を降りるといつもの階段を目指して歩き始めました。
しかし…。
突然の壁に驚いた佐木さん。
自分が乗った車両は10両目ではなく4両目で別の階段の裏にぶつかっていると考えました。
そこで、回り込んで階段を上ろうとしたところ線路に転落。
実際はホームの一番、端にいたのです。
佐木さんが乗ったのは本当は3両目。
後ろのほうに乗ったとばかり思い込んでいたため階段を探しているうちにホームの端まで来てしまっていたのです。
正しいと思って進んだ方向が予期せず違って落ちてしまうというのは恐怖ですよね。
こんなことが駅ではたくさん起こっているんですね。
いろんな勘違いで落ちてしまうというケースは私も、よく聞きますね。
どんな要因があるんですか?
やっぱり頭の中に描いているマップと実際がずれることによってあれ?と思って足を踏み出したら地面がなかった。
こんなケースがありますね。
音もうるさいですもんね。
ほかにも雨とか風の音でふだん頼りにしている音が聞こえなくなって迷ってしまうこんなこともあるんですね。
駅は一番怖いといってもいいと思いますね。
人とぶつかって方向が分からなくなったという声も…。
ほかにも、本当にこれは危ないと私も思います。
ひと事ではありません。
こんなメール、届いています。
中には歩きスマホをしながら点字ブロックを足で探りながら歩いているそんな人もいるんですね。
目をスマホに向けてますので足の安全は点字ブロックで確認しながら歩くそうすると視覚障害者とぶつかっちゃうってこともありえるんですね。
そういう利用のされ方…。
そうした駅での危険を防ぐためにはどうすればいいんでしょうか。
当事者の声を聞いてみました。
ホームドアを設置してほしいという声が本当に多いんですけどもでは、ここできょう2問目。
クイズでございます。
日本にあるおよそ9500か所の駅のうちホームドアが設置されている駅の数はいくつでしょうか?
これは反対に少ないですね。
私も子どもを連れているとホームドアがあったら危なくないのになと思うところあるんですよね。
駅あんまり目にしたことないから東京で数十か所全国で何百か所。
あいまい?500か所…。
チキさんは?
たぶん1割いかないくらいだと思うんですね。
久保さんと同じくらいか1000はいかないだろうと…500〜600とか。
答えは615か所。
少ないですよね。
6%あまりという割合ですね。
国土交通省では現在1日に乗り降りする人の数が10万人を超える駅を優先してホームドアの設置を推進していると。
補助金が出ることとはいえ一駅あたり設置するのに数億円から十数億円かかるということで工事費がかかる。
なかなかホームドアの設置が進んでいないということなんですね。
視覚障害の人のみならずみんなにとっての安全対策が必要ですもんね。
しっかりホームドアを設置していくということが重要だと。
今すぐというわけにはいかないのでその間はVTRの最後にもありましたけどやっぱり声をかけあいながら助け合っていくマナーを守っていくということこれが現状では不可欠ということになります。
続いては駅のホーム以外にもこんな危険があるという声です。
宇野さん白杖
(はくじょう)白いつえですね。
これ、ふだん使うときというのは少し斜め前に…。
ちょっとやってみましょうか。
ふだん使うときは斜め前に出して歩くんですね。
でも、恐らく今の方はこのような形で持ってたと思うんですね。
そうすると本当は2歩ぐらい前を確認したいんですが1歩くらい前しか確認できないですよね。
これはちょっとあんまり安全とは言い切れないですよね。
本来、白杖というのは手から伝わってくる感覚とつえの音で前方を確認するんですね。
むやみやたらに振り回してるわけではないのでこういうことも理解していただけるとうれしいですね。
まさに体の一部ですもんね。
今度は、こんな写真ご覧いただきます。
宇野さんから提供していただきました。
歩道に飛び出た枝に宇野さんが当たっています。
枝はまだいいんですけどももっと怖いのが空中に飛び出てる硬いものなんですね。
例えば、トラックのサイドミラー。
それからトラックの荷台から飛び出ている金属のパイプなどなんです。
白杖では腰から上のものは感知できませんのでこういうものにぶつかって眼球破裂したり鼻の骨を折ったという人を私は何人も知ってますね。
トラックだったらサイドミラーを閉じるとか、やれることはあると思うんですよね。
そういう心がけも大事ですがこういう配慮をしてくれたらありがたいという声を寄せてくれた方がいらっしゃいます。
おはようございます。
江浪さん、よろしくお願いします。
江浪孝夫さん、73歳。
生まれたときから重度の弱視で5年前に全盲になりました。
江浪さんは町なかを一人で歩いているといろんな人からよく声をかけられます。
声をかけてくれることに感謝する一方で困ることもあるそうです。
それは、正しい手助けのしかたが知られていないことです。
その一つが道を案内してもらうとき。
腕や肩を引っ張るのではなくつかませてほしいという江浪さん。
引っ張られると、バランスを崩すことがあるからです。
また、電車やバスで座席を譲ってもらうときにも困ることがあります。
ポイントは手を背もたれまで誘導すること。
すると、向きが伝わり安心して座ってもらえます。
そして、歩く先に障害物があり危険を教えてもらうとき。
肩をたたいて具体的に何が危ないか知らせてくれると助かるといいます。
さらに、階段の存在を教えてもらうときも…。
江浪さんは上りと下りの階段を勘違いし転げ落ちそうになったことがあります。
上りか下りか、はっきり伝えてほしいといいます。
見えないということは周囲の状況が分からないということ。
そうした不安な気持ちをくんで接してもらいたい。
そう、江浪さんは願っています。
声をかけていただけるのはとてもうれしいことなんですね。
ただ、いきなり白杖や腕を引っ張られると怖いですし危ないことでもあるんですね。
手を握ったりしてはいけないということなんですね。
具体的にはどういう声をかければいいんですか?
何かお手伝いしましょうか?という、お声がけをいただいて肩とかひじを貸していただけるとうれしいです。
ついつい大丈夫ですか?なんて言ってしまっていたんですけど。
大丈夫ですか?って聞かれるとなんとなく大丈夫ですと答えなきゃいけない感じになってしまうんですね。
これからは具体的に聞けばいいんですね。
ほかにも、さまざまな困り事がカキコミやメールで届きました。
ご紹介していきます。
お尻を洗浄するボタンだったりで大変なんです。
ボタンだったりセンサーだったり全然違いますよね。
共通したデザインになってないということですね。
盲導犬は…。
これ、違法ですね。
身体障害者の補助犬法という法律があって、そこでは例えばこういった乗り物とか公共機関は断ってはいけないっていうふうになっているんでこれは、法律違反ということで都道府県が相談窓口を設置していますのでそうしたところにしっかりと通報する。
こんなことがありましたってしっかり知らせるということが大事になります。
周りの人も気付いたらそれおかしいですよって言ってあげなきゃいけない。
法律で定められているにも関わらず実際、こういうこと宇野さん、たくさんあるんですか。
私も実際にホテルとかレストランで私の知り合いが断られたってケースをいくつか知っていますね。
見える人、見えにくい人視覚障害といってもさまざまな方がいらっしゃって。
視覚障害者、日本に約130万人いるといわれているんですが弱視の人が実は7割程度といわれています。
それから、点字を使用する人はおよそ1割、約3万人ということなんですね。
視覚障害者に情報を提供するときは点字だけということではなく大きな文字とか音声というのも併せて提供していただけるとうれしいですね。
いろんな選択肢をということですね。
きょうは生放送です。
皆さんからツイッターが続々と届いております。
きょうの機会をもって皆さんに知ってもらうっていうのは大事ですよね。
今は例えば、アイマスクをして当事者を体験してみる。
それで、周りにどう助けてもらいたいのかを知るというのをいろんなところでやっていたりしますから一度でも経験すると見え方が変わりますよね。
世界に対する接し方。
私たちも想像力を働かせるっていうことが宇野さん、大事だと思うんですね。
ちょっとした配慮で本当に障害者が暮らしやすい社会になっていくと思うんですね。
ですから、ともに生きる共生社会なんていわれますけど皆さんちょっといろんな考えをめぐらせてくれるとうれしいですね。
こういう気付きから私たちの行動を変えられることがあるんではないかなと。
きょうから変えられますもんね。
歩きスマホきょうから変えますとか。
毎日、言っていますからね。
歩きスマホやめましょうって。
やめないですからね。
やめましょうね。
ここまで視覚障害者の悩みでした。
今月、イギリス・グラスゴーで7日間にわたり繰り広げられたトップアスリートたちの戦い。
およそ70の国と地域から600人近い選手が参加。
障害の種類や程度によって分けられたそれぞれのクラスで競い合い連日、多くの世界記録が生まれました。
日本代表はリオパラリンピックを目指す20人のアスリートたち。
大会初日いきなり見せてくれたのが100m平泳ぎ知的障害のクラスに出場した田中康大選手です。
レース前半なかなかスピードが上がらず50mの折り返しでは5位と出遅れてしまいます。
しかし、力強いフォームで猛烈な追い上げを見せます。
結果は2位。
見事、銀メダルを獲得しました。
視覚障害のクラスではこのクラスならではの逆転劇がありました。
全盲の木村敬一選手が出場した100mバタフライです。
折り返しの時点まではトップだった木村選手。
しかし、ウクライナの選手に追いつかれ、僅かにリードを許し最後のデッドヒートへ。
逆転で1位!その差は0.07秒。
この金メダル実はチームワークの勝利でもありました。
木村選手のクラスではコーチが棒を使って壁が近いことを知らせるタッピングが義務づけられています。
もう一度レースを見てみると…。
ウクライナの選手は早めに合図を受け壁にタッチする体勢に入ったのに対し、木村選手はよりゴールに近いところでタッピングを受けています。
最後の、ひとかきの差が金メダルにつながったのです。
木村選手は、100m平泳ぎでも金メダルを取るなど合計4つのメダルを獲得しました。
こちらは50m平泳ぎ。
このクラスの世界記録保持者鈴木孝幸選手です。
序盤はトップ。
しかし、スペインの選手にリードを許し、そのままゴール。
優勝を狙ったこのレースで2位という結果に鈴木選手は…。
悔しい銀メダル。
この雪辱はリオで…。
そして、日本チームのキャプテン山田拓朗選手も50m自由形で銀メダルを獲得。
さらに若手選手たちが日本新記録を樹立するなどリオパラリンピックへの期待が膨らむ結果を残しました。
日本は、この大会でリオへの出場枠を4つ、獲得しました。
この大会の様子は番組のホームページで動画で見ることができます。
日本人選手の活躍そして、世界の強豪選手の泳ぎをご覧いただきます。
日本競泳陣これからも応援していきましょう。
ここまで「RoadtoRio」でした。
視覚障害の悩みをきょう、お伝えしてきました。
ツイッターたくさん届いています。
やっぱり声がけのしかたによってむしろ、それが邪魔になるとか迷惑になることもあるので何か手伝いましょうかとかそうした形でニーズを聞く相手の気持ちを聞く必要なことを聞くコミュニケーションが大事ですね。
つえの話ですよね。
そういうことをきょう、知ったわけですから。
こういうご意見いっぱいいただきました。
ありがとうございます。
まだまだ、やれることはあると思いますし、宇野さんいい社会を作っていきたいですね。
2015/07/30(木) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV チエノバ▽視覚障害 これだけは知って欲しい街中に潜むキケン[解][字]
WEB連動企画「チエノバ」。7月は視覚障害者の悩みについて考える。当事者以外の人に対し「これだけは知っておいてほしい!」という悩みごとをとりあげ、解決策を探る。
詳細情報
番組内容
WEB連動企画「チエノバ」。今回は特に、視覚障害の人たちが最も悩んでいる「街中の安全」をテーマに考えていく。「駅のホームに転落した」「点字ブロックに自転車があってぶつかった」などの体験をWEBで大募集。視覚障害のある人たちの日ごろの悩みを共有し、理解を深めていく。そしてどんな支援が必要なのかを皆で考える。リオパラリンピック出場を目指す選手たちを紹介するミニコーナーも放送する。
出演者
【ゲスト】荻上チキ,【出演】筑波大学附属視覚特別支援学校教諭…宇野和博,【司会】山田賢治,久保純子
ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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