4オイコノミア「どうしてカワイイ?人とペットの経済学」 2015.07.31


(猫)ご覧のとおり吾輩は猫である。
吾輩には常々抱いていた疑問がある。
なぜ母さんは言葉の通じない吾輩に悩みを打ち明けてくるのか?なぜ父さんは吾輩に晩酌の相手を務めさせるのか?そしてなぜ人は我々を触りたがるのだろうか?吾輩の疑問「オイコノミア」で解き明かしてはくれないだろうか?
(テーマ音楽)
(又吉)はあ…。
(大竹)又吉さん。
はい。
なんだか今日テンション低いですね。
いやあちょっと憂うつですね。
ペットでしょう?そういえば又吉さん動物苦手でしたね。
そうなんですよ。
いやもちろん動物をね見たりするのは好きなんですよ。
あと動物の命も好きなんですよ。
ただ触れ合うのが苦手なんですよ。
なるほど。
はい。
どうして触れ合うの苦手なんですか?何でなんですかね?なんかこう感情がすごくこう伝わってきてあのうそれがちょっと苦手なんですね。
感情は伝わるけれども何を考えてるかわからないという感じですか?何を考えてるかもまあまあわかるんですよね。
だから人間と一緒です。
知らない人と初めて会った時と同じ感覚です。
ああ!なんとなくわかるけど完全にはわからない。
はい。
そこが不安だっていう。
そこが不安なんですよ。
まあねでも今日はね人によってペット好きな人も嫌いな人もいろいろいるじゃないですか。
でそれを経済学でどうしてペットをかわいがる人がいたりとかそれからペットを飼ってみたいと思う人がいるかとかという事を考えてみたいと思うんですよ。
なるほど。
「なぜ飼うか」ということですか?そうです。
わかりました。
じゃあ今回はちょっと大竹先生1人でのロケになっちゃいますけどよろしくお願いします。
いやいや。
ちょっと帰りますんで。
いやいや。
ここで帰ってもらうと困りますよ。
そうですか。
はい。
わかりました。
行きますかじゃ。
行きましょう。
はい。
今回のテーマは「ペット」!最も身近な動物であるペットと人の関係を経済学で読み解きます!にゃ〜!この部屋ですねぇ。
こちらですか。
はい。
猫がいますよ。
いや〜カワイイですね。
又吉さんどうですか?いやいや…カワイイっすよ。
カワイイっすか。
はい。
ここから見てる分には。
こっちにもいますね。
ウフフッ。
まあまあ行けるんですけど…。
おっ!こっちもおるやん!いろんな所にいますね。
はい。
今日の収録場所は千葉県にある猫ラウンジ。
犬や猫が苦手という又吉さんこんなにたくさんの猫に囲まれて大丈夫なんですかね〜?にゃ〜。
まあ又吉さんはやっぱりね動物苦手なんでなかなかつらいですよね。
今日のロケは。
そうですね。
ということで猫好きのゲストの方に今日は来ていただいてるんですよ。
はい。
この方です。
あっ!
(内藤)あっ!よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ゲストは俳優の内藤剛志さん。
硬派な役柄のイメージが強い内藤さんですが実は大の猫好きなんです。
駄目なの?駄目なんですよ。
僕。
なんで?カワイイやん。
これメッチャカワイイやん。
見てる分にはすごいカワイイんですけど触れ合うのが苦手なんです。
全然大丈夫。
触ってみいな。
こうやってほら。
いいい〜い?無理です。
何でやねん。
抱いてみる?無理です。
あっ内藤さんも猫を飼ってらっしゃるんですか?飼ってます。
子どもの頃からず〜っと。
犬と猫は。
猫っていう共通点はないですけどお二人とも寝屋川出身なんですよね。
内藤さんもそう?隣の香里幼稚園で育った。
あっそうなんですか。
隣なんです。
すぐ。
僕も18までは寝屋川で。
今日は大阪弁でやらしてもらいますわ。
よろしくお願いします。
アハハッ。

(猫)おお美しい!又吉さん。
はい。
今ね日本でペットとして飼われている犬とか猫はどのくらいいると思います?いや相当いるでしょうね。
うん。
イメージ的にどうでしょうね?飼ってる人は多いですからね。
10人に1人。
10人に1人。
はい。
1億人として1000万?1000万ぐらいいるかね?そんなにいてへんとちゃいますか。
いやこれね…多いですね。
はい。
だから両方で2061万頭がペットっていうことですよね。
そんなにですか!?僕は多いと感じる。
すごく。
多いですよね。
そりゃまあ見ますけどね。
たくさんこう。
そう。
だから人口で割ってみたら6人に1人が犬か猫を飼っている。
これに対してね日本に住んでいる15歳未満の子どもの人口は1617万人なんですよ。
え〜っ!だから今は子どもの数よりもペットの数が多い時代なんですよね。
子どもの数より…ああなるほど。
そうなんですね。
はい。
なんでこんなにペットが多いんですかね?まあ昨今言われるところだとやっぱり少子高齢化だからまあ言葉を選ばずに言いますよ。
子どもの代わりにというとあれだけどもそのさみしさを充当するためとかあるいはお一人の方も多いじゃないですか。
結婚されない方が多いからパートナーではないけども気持ちの面のパートナーとして飼うということでやっぱり子どもの数が少なくなると増えてくるってのはそこじゃないでしょうかね。
そうですよね。
内藤さんおっしゃるとおりねペットが多い理由の1つというのは…あのこのグラフ見てほしいんですけど。
はい。
5歳未満の子どもの人口と犬をペットとして厚生労働省に登録した数を過去15年間で比較したものです。
ちょうど子どもの数が減るのとちょうど逆に犬の数が増えていってますねぇ。
増えてるんですねぇ。
はい。
完全にそういう事になりますね。
子どもの代わりというと言葉がちょっとあれだけども。
そうですね。
これを見るとなんかそういう感じしますよね。
まあこれ見ると確かに子どもの数が減った分犬が増えたということで子どもの代替に犬がなってるんじゃないかというふうにも見える。
ならないですよね。
だって犬と子どもは違いますもんね。
(2人)別ですよね。
だからまあ「見せかけの相関」というのもありますけどね。
例えば子どもを育てるにはお金がかかる。
で所得がだんだんだんだん減ってきたから子どもは育てられないってなってきて子どもが減ってて。
一方別の理由でなんか犬だけ増えてるという可能性もありますからね。
う〜ん。
全く理由が違うかもしれない。
まあこれだけではね実はあの子どもの代替に犬がなってるかどうかわかんないんですよ。
でもデータとしてはこうなってる。
なるほど。
…ということなんですね。
でもアメリカのデータを使って本当に子どもとペットというのは代替関係なのかどうかを調べた研究があるんです。
アメリカで行われた研究。
およそ12万世帯のデータの中から所得が同じような世帯同士を比べてみると子どもの数が増えるとペットの保有確率が下がることが分かったんです。
へぇ〜!でもそれはそうかもしれないですね。
お金は限られてますからね。
はい。
どっちが大事かみたいな事になりますかね。
どっちにお金をかけるかとなると。
こうやって子どもの数が増えるとやっぱりペットの保有確率が減ってペットへの支出が減るということはやっぱり子どもとペットはある程度代替関係というふうに言えると。
まあお金がないとペット飼われへんというのありますし不思議なのがお金なくてもペット飼ってる人いますよね?いる。
これ絶対譲られへんみたいな。
それ何かなんでしょうね?お金とかじゃない何かなんやろうなとは思いますね。
なんか必要なんじゃないですか?やっぱり。
うん。
生きてくうえで人間て。
もしかしたら。
必要なんじゃないですか?又吉さんも。
えっ。
僕に飼わそうと思うのやめて下さい。
僕見るのは好きです。
見るの好き?はい。
街に出て聞いてみました。
子どもでありやっぱし何て言うのかしら?なにしろ家族の一員ということで。
弟みたいな感じですね。
結局孫っていうか。
うん。
子どもがいないので子どもの代わりですかね。
人生のパートナーだと思ってます。
自分のこと一番理解してくれて家族よりもわかってくれてるかもしれないからですかね。
これはねスタッフが街でペットを飼っている人50人に対して行ったアンケートの結果なんですよ。
ああ「子ども」と答えてる人がすごい多いですね。
そうですね。
ペットっていうのは子どもだと。
「ペット」という人も。
ハハハッ。
なるほど。
ペットはペットやと。
はい。
「恋人」という人もいますよ。
うん。
「友達」「兄弟」。
はい。
「兄弟」って答えたのは子どもなんでしょうね。
「友達」というのはわかりやすいですけどね。
うん。
子どもなんやあ!ねえ。
僕は思えない。
やっぱり僕生まれた時からいたんですよ。
猫も犬もね。
母が好きだったんで。
今も僕も飼ってます。
なんだけどねやっぱりこう家族じゃないような気がするの。
やっぱりこっちがコントロールしてるものだし餌をあげるわけだし例えば猫で言えば死ぬ時期も本来ならばどっか行きたいのに僕たちがずっとマンションの中に囲って。
なので確かに長生きはするんですよ。
もう本当にね18年とか20年生きるの。
猫って。
なんだけどそれは家族じゃなくてあえていえばチームだと思うけどこうヒエラルキーはあるような気がするんですよ。
1人しか乗せられないボートがあるんだったら誰ってなったらやっぱり俺家族乗せますね。
そこにペットは入らないとちょっと僕は思う。
だからあえて言えばパートナーかな?まあ昔はペットとかねいうふうに確かに思ってる人が多かったと思うんですが今はこういうふうに子どもというふうに思ったり家族と思う人が増えてきたということですよね。
それはそう思われる方もたくさんいらっしゃると思うの。
例えばお子さん亡くされたりとかあるいは連れ合いを亡くされてその代わりと言っちゃあれだけど人にとっては同等のものだからそういう方々それでいいと思います。
ちょっと僕極端に面白く言ってますけどでもそれはそれぞれがそう距離の取り方考えるべきだと思うからみんな子どもだよって思っちゃうのは違うと思います。
母が僕おなかの中にいるとき僕母のおなかの中にいるときに母がちょっと病気したんですよ。
で2つの選択肢があると。
僕を諦めて手術をする。
婦人科系の病気だったんです。
もう1個は麻酔なしで手術をする。
で母は後者を選んだんです。
だから妊娠したまま麻酔なしで婦人科系の病気の手術をしたんです。
で僕がまあ命。
僕今日います。
もらいました。
その事もあったんでしょう。
子どもができなかったんです。
父母両方とも8人兄弟なんです。
たくさんの子どもがきっと欲しかったんだろうけど僕は一人っ子なんですよ。
なのでちょっとあっちゃこっちゃ言うようですけども犬がずっといたのは多分弟だったと僕は思いますね。
彼らにとっても僕にとっても多分そうであれっていうふうに思って多分飼ってたと思います。
内藤さん自身はこういうふうには思ってなかった?思ってなかったかもしれませんね。
僕自身はね。
ペットはペットというものでありそこで最高の関係を築けばいいんだと僕は思うので。
まあただ父母に関してはきっと弟妹だと思ったと思いますね。
なるほど。
俺がさみしくないようにってね。
はい。
ほらあなたの近くにも経済学が。
経済学の窓を開けてみましょう。
ワン!忠犬ハチ公編。
う〜わっすごい数の人ですねぇ!ここは渋谷のハチ公前。
でもみんなどうしてここで待ち合わせをしているのでしょうか?ハチ公は昔から小さい時から知ってるし。
なんかもうなんとなく頭に自然に出てくるっていうのかな。
誰もが知ってるんで。
はい。
今でこそみんなに愛されているハチ公ですが実は…当初ハチ公はですね非常に利用者とか駅員からは邪魔だというふうに扱われて蹴られたりとかですねひどい場合には顔にすみで落書きされるとかですねそういういわゆるいじめられてたんですね。
そんなハチ公が打って変わって愛されるようになったきっかけは1つの新聞記事でした。
亡き飼い主を待ち続けた忠犬のエピソードは人々の心を打ち一躍人気者になったのです!ハチ公が亡くなってからも人気は衰えず多くの人が渋谷駅のハチ公像を訪れるようになりました。
するとここで意外なことが起きます。
いつの間にかみんなハチ公像の前を待ち合わせスポットとして利用するようになったのです。
これこそ経済学でいう「ネットワーク外部性」。
例えば又吉さんが友達と待ち合わせをする際あまり知られていない場所を指定すると説明するのに時間がかかってしまいます。
しかし多くの人が知っている場所ならお互いに説明したり探したりする手間が省けます。
つまりハチ公像が待ち合わせ場所として使われれば使われるほど便利になるというわけです。
今や世界中の人が集まるようになったハチ公前。
忠犬ハチ公は世界一有名なペットになりつつあるのかもしれません。
又吉さん内藤さん。
はい。
最近ではね……とかとってもユニークなペット向けサービスがあるんですがご存じでした?それはどうなんですかね。
「ちょっとちゃうやん!」って思ってますよね?僕はもう「ちゃうやん!」ですね。
僕も「ちゃうやん!」ですよ。
アメリカだとねもっとあって……もある。
「ちゃうやん!」ですよそれは。
それはちゃうやん!ちゃうちゃう!喜んでないでしょそれは。
喜んでると思ってるだけですよ。
まあペットにもいろいろいるじゃないですか。
喜んでくれるペットもいたら喜んでくれないペットもいると思うんですよ。
ホンマですか?まあただねこういうふうなペット用サービスへの消費の形は経済学的にはとっても興味深いんですよね。
そうですか。
はい。
物を購入したりサービスを受けるためお金を支払う「消費」。
通常経済学では自分が消費するのは自分の効用を上げるためだと考えます。
効用とは満足感。
ところがねさっきのペットに温泉に入ってもらうというケースはちょっと違うじゃないですか。
うん。
自分のための消費じゃないですよね。
ペットのための消費。
でも自分の効用が上がるということですよね。
う〜ん。
それを考えるとこんな感じになると思うんですよね。
ペットのための消費をするとペットが満足してくれる。
それが自分がうれしいと。
ああ。
う〜ん。
この場合飼い主がペットのために消費するとペットの効用が上がります。
そして喜んでいるペットの姿を見てお金を払った飼い主の効用が上がるんですね〜!わっひょい!だから飼い主はですねペットのための消費をしたことが自分にとってうれしいんじゃなくて…
(2人)う〜ん。
喜びますか?ここはどうなんですかね?喜んでるかどうかはわかんないですよね。
はい。
あとなんか猫とか犬が喜ぶことっていうのはそもそも猫とか犬が喜んでるものの延長上にあると思うんですよ。
それを人間に当てはめて温泉とかテレビとかはなんかすごい難しいことをやろうとしてんなぁと思いますね。
まあでもこういう事で喜ぶ人はペットはこういう事をしてあげると喜ぶんだと。
だから喜んでくれるペットを見るのがうれしい。
6歳ぐらいの子どもにハイブランドのカバン買い与えてるみたいな。
ああ。
本人のホンマに欲しいものはそれかわからんから結局ここがここに直結してるような気するんですけどね。
なるほどね。
これ相手が人だったらこういう事あるじゃないですか。
恋人に何かプレゼントをするという場合だったらプレゼントをする自分がうれしいんじゃなくてプレゼントをした結果恋人が喜んでくれていることが自分の喜びになってるわけですよ。
そうですね。
だから家族についても普通はそうですよね。
だから子どもをどこかに連れていくとすると子どもが喜ぶと。
その喜んでいる子ども自体が自分にとって喜びになるんだという。
そうですね。
ほとんどお父さんお母さんその思いでやってらっしゃいますねうん。
これ経済学でこういう喜びを「純粋な利他性」って呼ぶんですよ。
ああ。
純粋な利他性。
相手が喜んでもらってることの。
そう。
ここがポイントなんです。
ここをこう。
だからやった事がその人が喜んでくれるという事が自分の喜びなんです。
そうそうなるほど。
ここがポイントなんですね。
だからこれは喜ばないことをしてあげたら自分はうれしくない。
そうですね。
う〜ん。
まあこれが純粋な利他性なんですけれどもお二方がおっしゃるペットへの消費のあり方っていうのはこういう事だという事ですよね。
ペットのための消費をしていること自体がうれしい。
そうです。
そうですね。
そうです。
そのとおりですね。
これは経済学でいう「不純な利他性」。
ペットのために消費すると直接飼い主の効用が上がります。
このケースではペット自身が喜んでいるかどうかは関係がありません。
飼い主にとってはペットのために消費すること自体が満足なんです。
不純な利他性!だから本人のためのことを考えてないわけじゃないですか。
だから利他的な行動に見えるけどこれは自分のためだと。
そうですね。
似てるけど随分違うんですよ。
違いますね。
はい。
だからペットを温泉に入れるとかというのはねこっちかもしれませんね。
そっちに思っちゃった方がいいですよ。
なんか自分の言い訳としてこっち側を使うのはちょっと損やんね。
だから自分が幸せになるためにそうするんだと思った方がよくてペットを介在すると何かこの子らどう思ってるかわからないもんね。
むしろ言い訳に感じますよね。
なるほど。
純粋と言いますけども。
むしろ不純なと思っといて自分がよりよい…。
僕こっちですね。
確実に。
こっちですか?うん。
そうですね。
ペットに「すまんな。
一緒に入りたいんや」って言って温泉入っといてほしいですね。
そうそう。
「入れてあげてうれしいでしょ?」じゃなくて。
前提欲しい。
前提やそこ。
飼うことに対するある種の罪悪感というか。
つまりこちら側が全てその生殺与奪権っていうんですか。
…を持ってる事はずっとやっぱりあるんですよ。
申し訳ないと。
なんだけど精いっぱいはするよ。
ただその精いっぱいは本当に彼らにとって気持ちいいことかどうかわからない。
ただもうもらう物が大きいからそういうふうにしてはいるけど僕はずっとそれがあるんだよ。
やっぱりね。
まあペットからもらってるものも結構あるっていうことですか?又吉さんそういうペットなら何かペットを飼うことも理解できるっておっしゃってたような気がするんですけど。
そうですね。
例えばどんなペット?なぜ飼うのかということで僕が納得できるというかそれは絶対その人にとって必要やなと思うのはそれこそ家族というかそのね早く誰か亡くしてとか。
で自分がペットから何かを与えられるっていう状況やとわかるんですよ。
番犬とかっていうのは?番犬も働いてますから。
で餌をもらって仕事してるから。
自分を守ってくれるという仕事をするんだったらいい。
すごくわかりやすいですよね。
はい。
そういう意味では今お二方おっしゃったのは……っていうふうに考えられますよね。
でそれは経済学で「互恵性」と言うんですよ。
で互恵性というのはこういう形ですね。
ペットのための消費をするとペットからサービスがもらえると。
だから自分の効用が上がるんだと。
ペットのために消費した見返りとしてサービスを受けそのサービスにより効用が上がるのが互恵性。
番犬や盲導犬と飼い主の関係もこの互恵性に当たるんですね。
ここでもう一度それぞれのペットへの消費と効用の関係の違いを見てみましょう。
相手のために消費して喜んでもらうことがうれしい純粋な利他性。
相手のために消費すること自体がうれしい不純な利他性。
ちなみに消費する見返りとしてサービスを受けるのが互恵性。
あなたとペットのつきあい方はどれでしょう?私の場合は完全なる互恵性です。
いつもぬくもりありがとう!例えばね又吉さんがペットと一緒にして申し訳ないんですが後輩の芸人さんにおごる時ありますよね。
はい。
それはどれですか?それはやっぱり互恵性になるんじゃないですかね。
後輩に御飯をおごると後輩からサービスを受けると。
う〜んそうですねぇ。
じゃあこれは?これも違いますよね。
もう後輩のために御飯をおごっている自分がうれしいっていうんじゃないんですか?考えますね。
それだったらもう誰でもいいじゃないですか。
ああ。
なるほど。
相手を選ぶ。
はい。
後輩におごってるんですって言えたらOKですよね。
これの場合やったら。
おごる先輩になりたいのであれば。
割と選んでるというか。
(笑い声)ええ。
やっぱりこれですか?そうですね。
面白い人好きですね。
う〜ん。
だけど恋人に対してはこれなんでしょ?ああ。
あ〜!ああありますね。
そういうのも。
ええ人やな。
そうすると。
はい。
恋人はでも喜んでないんですよ。
多分。
喜ばせるためやんな。
喜ばせるためにやってるのがうれしいというのはありますね。
う〜ん。
だからこうは言うもののここゼロじゃないと思うのは後輩と御飯行ったときにここの関係性なんですけど何でも好きなもん食べていいですって言ったときにすごい後輩が遠慮してお茶漬けとか頼んだときになんかえ〜なんかもうちょいなんかさあって。
なんかあるじゃないですか。
だから完全なここではなくてこれもちょっと混ざってるんですよね。
混ざってますよ。
私たちは。
こんな極端じゃないですよ。
シンプルにはできない事もありますよ。
相手にもよりますしね。
関係性と。
ただ整理する事はできますよね。
経済学の考え方を使うとね。
はい。

(父)タマの場合は純粋な利他性だなあ。
(猫)いやいや毎日サービスしてますよ。
癒してるでしょ?忘れちゃった?癒しっていうのは心だけじゃなくて人の身体にも具体的な効果があるってことが言われてるんですよね。
例えば欧米の研究で心臓疾患で入院した患者が退院する。
その1年後の生存率を調べるとペットを飼ってる人の生存率が94.3%。
飼ってない人は71.8%の生存率に下がってる。
少ない。
低いんですよね。
だから20%も差が出るっていう研究があるんですね。
癒しですかね?癒しもそうかもしれないけども頑張ってこの子よりも生きようというのもモチベーション起きますよね。
はい。
それはある。
それだけじゃないような気はしますよね。
そうですね。
それともうひとつはペットを飼ってる人は犬の散歩なんかをして運動するっていうのもあると思います。
う〜ん。
…っていう研究結果あるらしい。
人間の方のですか?はい。
ああすごいそれは。
こんにちは〜。
日本でも今動物が持つ癒しの力に関心が寄せられています。
この介護施設ではその癒しの力に注目し月1回アニマルセラピーが行われています。
いいねえ。
まあ久しぶりで触ったわ。
アハハハッ。
(介護士)やはりあのすごくこうリラックスされてそう。
明るくなってくる感じですよね。
ふだんこう声とかも出されない方でもやはりこういう機会のときに……と私は感じています。
はい。
又吉さん今日はどうしてこの場所で収録しているのかわかります?やっぱり僕が猫を怖がるのを皆さんで楽しもうと思ったんですよね?いやそんな嫌がらせしません。
僕ずっと落ち着いてないですよ。
あのねこの場所にはちゃんと意味があるんですよ。
そこの壁見てくださいよ。
はい。
え〜?何ですかね?名前書いてますね。
ホンマや。
う〜ん。
「募集中!」って書いてありますよ。
そうですね。
(2人)「パパ☆ママ募集中!」。
あっ「お見合いチュ★」って書いてある。
先生これは飼い主を募集してるってことですか?そうなんですよ。
ここにいる猫たちはね個人とか団体で保護されて殺処分を免れていた保護猫なんですよね。
なるほど。
それで飼い主を探しているんですよ。
なるほどね。
福島県の帰宅困難区域で保護されましたいう子やから捨てられたんじゃない子もいてるってことですね。
これね。
2013年にオープンしたこの猫ラウンジ。
今いる猫たちはみんな現在飼い主募集中です。
捨てられてしまった猫や犬というのは保健所などで引き取られますよね。
で最終的に殺処分されてしまうというのはご存じですか?聞いたことありますね。
ねぇ。
へぇ〜!多いですね。
…っていうことですよね。
多いね。
なんでやろ。
なんで…自分で飼い始めたんですよね。
まあまあさっきねえあそこに貼ってあったように必ずしも捨てたってことじゃない場合もあるでしょうし飼い主が亡くなってということもあるかもしれないですよね。
にしても捨てる人も少なからずいるということですよね。
そうなんですね。
なぜなんでしょうね?手放す理由というのはさまざまだと思うんですよ。
はい。
例えばねこんな理由があるみたいなんですね。
そうかな。
ああ。
「飼い猫が子猫をたくさん産んでしまった」。
「引越し先がペット禁止だった」。
うん。
ということですねぇ。
そうかな。
実は…経済学で考えると?はい。
どれだと思います?いやう〜ん例えば……とかは経済学を使わなくてもわかるやんみたいな。
なるほど。
はい。
というのはありますよね。
じゃあこれはなしと。
そうですね。
これはどうでしょうね?これ経済学の考え方で改善できると思うんですよ。
できます?はい。
そうですか。
これはね経済学でいうとペットというのをちょっとある種の財商品と考えるとですねペットが経験財だということなんですね。
この経験財に対し…例えば新車やコンピューターはスペックを見れば買う前からおおよその特徴を理解することができるから探索財。
結婚は一緒に暮らしてみないとうまくいくかわからないため経験財になります。
う〜ん。
だから……ということがありますね。
だからそういう……だと思うんですよ。
経験財だとしてそこを努力することはカウントしないんですかね。
ええまあどんなものかわからなかったけどそこをある程度こっち側が要求するんじゃなくて相手に。
自分が変えていくことによって経験財をよくするという考え方はそれちょっときれい事ですか?いやいやそれも1つあると思います。
だから自分のえ〜と性格とかあるいは相手の性格をだんだん変えていくと。
教育をしていくということ。
自分自身も教育をするし相手も教育すると最初はうまくいかなかったけれどうまくいくという事もありますよね。
ホントええかっこしすぎかもしれませんが猫ってそうだと思うんですよ。
例えば猫でも一緒じゃないですから。
そことどこかあっこれは喜ぶんだとかこういう事すると喜ぶんだって事を発見する事も1つの僕は楽しみだと僕は思うんですよ。
それを荒らしてしまうからというふうにすぐするよりも荒らされてもこうしたらいいんじゃないかとか荒らされてもおもろいやないかとこちらが考えるというかそういうのもカウントした方がいいような気はしますけどね。
だからある程度はどんなものでも学習していったり教育したりすることでだんだんこうよりよくなるということはあると思う。
人間は変わるものですしまあ動物だって性格も変わるというところはある程度あると思うんですよね。
それが捨てるに直結するのが怖いですよ。
そう。
それでだけどどうしても合わない人ってやっぱりいるじゃないですか。
だからそういう場合に事前に対策をするということをすれば捨てられることも減っていきますよね。
経済学で考えるとペットは経験財。
事前にどのようなことができるのでしょうか?ヒントはこの保護猫ラウンジにありました。
代表の小倉さんにお話を伺ってみましょう。
具体的にはどんな工夫されてるんですか?
(小倉)はい。
ホームページで猫の紹介などの写真を載せているんですけれど写真だけで申し込みをしてきた方であっても必ず何度かこのラウンジに実際に足を運んでもらっています。
猫によって一匹一匹性格が違いますので。
それと希望される方のライフスタイルも違います。
共働きなのに子猫が欲しいという方もいらっしゃるんですけれどお留守番が長いと子猫は病気もしますし難しいんですね。
それを実際に見て感じてもらって自分たちにはどういう猫が生活スタイルに合ってるんだろうとか考えに合ってるんだろうというところでマッチングっていうんですがそういうような仕組みを作っています。
ものじゃないですからね。
それこそホントに。
そうなんです。
私たちと同じ赤い血が通っている生き物なのでぬいぐるみでファッション性でカワイイっていうのとは全く訳が違ってきますからね。
例えば住んでみて駄目だったら「ごめんなさい」っていうのはありなんですか?そうですね。
なるべくそういうことがないように譲渡の流れは進んでいくんですがまああのトライアルというのが期間を設けてますね。
2週間から大体1か月ぐらい。
なるほど。
それで一緒に住んでみて。
はいそうですね。
あとは先住の猫がいる場合に相性の問題というのも。
今度は初心者ではなくって実際に今家にいる猫と性格が合うかという問題もまたありますね。
そのトライアルの期間というのはどちらかというとまあ口では「こんなこともします。
あんなこともします」というのは言いますけれどやっぱり実際に暮らしてみないとわからない点はありますよね。
生活をかいま見るということでこんな事ではなかったというようなギャップをできるだけ防ぐような仕組みを作っていますね。
なるほど。
こういうふうにね猫を新たに飼うケースというのは猫にとっても飼い主にとっても互いにどんな相手かわからない。
それから今の話だともともといた猫との相性もという問題ですからやっぱり飼ってみないとわからないということなので。
一緒に生活してみていろんなトラブルが起きてしまうという事からえっとそれで長く本当に飼うかどうかというのをもう一度考えるということになってるわけですね。
それが結果的に長い間飼い主と猫との関係を保たせるという事で幸せな形になるというふうに思いますね。
はい。
さまざまな思いを抱き迷いながらも長年猫を飼っている内藤さん。
一体どうしてペットを飼い続けるのでしょうか?まずは癒しカワイイっていうのは大きい。
ありますよね。
気持ちよくなりますね。
その次は死ですよね。
僕たちは生きて死んでいくんだっていうことをもうリアルに目の前で見るって事は大きいと思うんです。
今はそういうのが向こう側にあるもの。
壁の向こうになってしまいました。
死はね。
もうひとつはね僕は不自由さだと思うの。
めんどくさいじゃないですか。
臭かったりあるいは病気になったりとか。
そのめんどくささを引き受けることだって僕はちょっと思うの。
だって人間社会もそうじゃないですか。
10人いればめんどくさいやつもいますもんね。
だけど一緒にやっていかなきゃいけないってことの最小単位の社会はそこにあるような気がしてしょうがないんですよ。
また猫はね大事にしてる所に来よるんですよ。
俺が大事にしてるのわかるから台本に来よるんですよ。
なるほど。
で具合悪かったらゲー吐きよるんですよそこに。
へぇ〜!バーッと吐きよるからもう。
何で大事な物に…。
多分かわいがってほしいと思うとるんちゃう。
俺に構ってほしいから俺が大事やと思ってる物の所に必ずいるわけですよ。
はい。
それでも彼女に置き換えたらすげえカワイイですね。
自分がネタ書いてるときに構ってくれへんってネタ帳にゲー吐き出したら。
俺にそんなことすんねん!だからそこをやっぱりそうか。
ゲー吐いたら取ったるわとか。
その彼女ウンコするんですここで。
そうですよね。
ブリッとしはる。
それをどうするか?どうするかや。
ああウンコしたなと。
そのかわいさはわかります。
そんなに遊びたかったんやっていうね。
こっちへこうね信号出してきとるわけですよ。
それはすごいですね。
だからそれはいい事も悪い事も含めて一緒に生きるってそういうことやと思うよ。
だから飼え飼えっていうのはそこもあんねんけどね。
カワイイだけちゃうで。
めんどくさいで。
だから飼えやっていうのもあるかもしれんね。
今までいろんなペットの話で一番あっ飼えるかもと思いました。
ホント?台本にゲー吐いたって。
(笑い声)すごい。
ゲー吐きますよ。
そういうめんどくさいものもペットですよね。
なるほど。
又吉さん今回は何を感じたのでしょうか?教えてください。
僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
2015/07/31(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「どうしてカワイイ?人とペットの経済学」[字][再]

ペットを飼う人が増えている日本。ペットは家族同然と考え、人間顔負けのサービスを与えることも。でも、その愛情は誰のため?経済学から、意外な“心”が見えてきます。

詳細情報
番組内容
少子化の進行とともにペットを飼う人が増えている日本。登録された犬猫だけでも2000万匹以上。多くの人が家族同様の愛情を注いでいます。さまざまなペット向けサービスが登場し、中には温泉や酸素カプセルといった人間顔負けのものも。でもそのサービス、本当にペットのためなんでしょうか?番組ではこの疑問を「利他性」の観点から徹底追及。人が、ペットから何を得て何を与えているのか、その関係を改めて考えてみませんか?
出演者
【ゲスト】内藤剛志,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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