「チョイス」。
それは選択肢。
病気になる前病気になったとき実はお勧めの選択肢があるんです。
それこそが「チョイス」
つらい胸焼け。
英語でもハートバーンと呼ばれています。
皆さんどんな時に襲われますか?
人前とかそういうところでちょっと緊張するんでそういう時にちょっと込み上げるものがあります。
しかしたかが胸焼けと思って侮っていると…
ショックは受けましたけどね。
考えてませんでしたからね。
そう。
胸焼けがなんと命に関わる病気を引き起こす事もあるんです
更に胸焼けは胃腸の不調と思ったら大間違い。
大切なあの臓器が悲鳴を上げているという事も…
でもご安心。
あるチョイスをすれば…?
今日は危険な病気も隠れている胸焼けのチョイスをご紹介しま〜す!
(星田)今日の「チョイス」は「胸焼け」。
これは何か普通に起これへん?大人になったらっていうような感じで。
あるある。
私ね妊娠中妊娠後期毎日胸焼けでまあ大変でした。
えずくの?それはもう…。
そうそう。
込み上げてくる?そうそう…。
おなかが大きくなってきて圧迫されて胃酸が逆流して食べ物も逆流して「う〜っ」て…。
大体あるよね。
油っこいもの食べた時とかお酒飲み過ぎた時って言ってるとおりの事が。
気持ちが悪いのね。
でもそれはもう何かある意味大人のたしなみじゃないけどさ大人ってこういうもんやろなって言うて結局ほっとくよね。
(徳田)それはありますよね。
普通にあるんだって…。
病気とは思わないんですよね。
けどこの胸焼けは実はいろんな原因があるんですよね。
一番胸焼けの原因の多いこのタイプからまず見て頂きます。
洋服のリフォームをしている奥野妙子さんです。
仕事中に襲われる胸焼けが大きな悩みでした
食べるものを食べたあとに出てくる。
そして何もしてないのに出てくる。
むかむかむかむかして胃液がず〜っと出てきて…。
もう酸っぱいやら…ひどくなるとね。
大体胃が弱い事が昔からあるのでその程度だと思ってたんです。
だから別に病院に行ってどうのこうのっていうのはございませんでしたけどね。
奥野さんは単に胃の調子が悪いと思い市販の胃腸薬でしのいでいました。
しかし食後だけでなく空腹の時でも胸焼けに襲われるようになりました。
更に…
寝てる時も2〜3回?ひどい時は…食道が焼け付いたみたいに痛いし。
だから夜そういうふうに眠れないので昼やっぱりこういう細かい仕事してますから何かふらついたりしますし食事もあまり進まないけれども食べなくちゃいけないのでだから…
そんな時胸焼けを改善するチョイスに出会いました
たまたまおじが病院に行くっていう事でそれで私も付き添いで行きまして消化器だったのでそうしたらおじが…それで私も一緒に消化器の先生を紹介してもらいました。
たまたま訪れた消化器内科で診てもらう事になったんです。
そして内視鏡で検査をする事になりました。
その結果ある病名を告げられました
これがその時の奥野さんの食道です。
丸で囲んだ赤く見える部分が炎症を起こしています。
これが胸焼けの原因だったのです。
一体何が起こっているのかというと…?
口から食べたものは食道を通って胃に送り込まれます。
胃に入った食べ物は胃酸で溶かされます。
本来は胃と食道の境目はキュッと閉まって食道に胃酸が流れ出る事はありません。
しかしきちんと閉まらなくなる事があります。
すると胃酸が食道に逆流。
胃酸が食道の壁を溶かすため炎症が起こり胸焼けに襲われるのです。
これが逆流性食道炎です
これは胃カメラで見た胃と食道の境目です
奥野さんの場合は開いたままでした。
すぐに薬で治療する事になりました
奥野さんが処方された薬です
この3つのタイプを組み合わせました。
そしてもう一つ奥野さんが心がけた対策はこちら
姿勢をよくしてます。
仕事柄猫背になっている時間が多かった奥野さん
猫背になると胃が圧迫され胃酸が逆流しやすくなるのです
そこで奥野さんは姿勢をよくするように常に気を付けています。
そしてもう一つ。
運動も心がけ生活を見直しました。
その結果がこちら
治療後の奥野さんの食道です。
赤く見えた炎症の部分が無くなっています。
奥野さん胸焼けはいかがですか?
このコーヒー飲んだら出てくるんじゃないかなとかねこれ食べると出るんじゃないかなっていう心配事なく食事もできるし遊びに行く事もできるし。
(2人)う〜ん。
これ僕まさに言われましたよ。
逆流性食道炎は。
あ〜そう。
人間ドックで。
へえ〜。
でもねあんなに激痛とかそういう我慢できない不快っていうのがないから僕は何にも治療してないっすけど…。
あんなに痛いっていうところまでないんですが奥野さんの場合は今おっしゃったようにもう痛くてしょうがない。
むかむかするという事でそれは胃や食道が原因で起こった逆流性食道炎。
…でたまたまおじさんと一緒に行った病院で診て頂くというチョイスをしてその結果薬とそれから姿勢をよくすると。
どうしても仕事柄前かがみになる事が多いので姿勢に気を付けるというような事で今では胸焼けに悩まされる事はなくなった。
その辺り詳しくスペシャルチョイスアドバイザーに伺う事に致します。
国立国際医療研究センターの秋山純一さんです。
どうぞ。
(星田浜島)よろしくお願い致します。
先生これやっぱり一番多いパターンっていうか病気って事ですか?普通の方でも月に何回か例えば食べ過ぎた時とかそれから食べ物の内容によって胸焼けするって事はあるかと思うんですけれどもそれがやはり頻度がだんだんひどくなってきて内視鏡で見てみると逆流性食道炎という診断が下るという事はよくある事です。
そもそも原因って何なんですか?これは。
胃と食道の間というのはここに噴門という所がございましてここはキュッと筋肉がございます。
これはギュッとなってますので一度胃の中に落ちました胃の内容物が逆流しないようになってるんですね。
例えばお子さんがちょっとごはんを食べてそのあと逆立ちしても胃の中のものは逆流してこないというのはこれはキュッというこの噴門がしっかり閉まってるからという事なんですけれどもこれが何かしらの原因でパッと開いてしまう。
そうすると胃の中のものが食道に逆流して炎症を起こすと。
その何かしらの原因っていう原因は何なんですか?何で開いちゃうんですか?やはりお年とともに筋肉が少しずつ緩んできてしまう。
筋肉の力が弱くなってくる。
そういう事が一番関係ございますでしょう。
さっきのビデオでも奥野さんのは必ずキュッと閉まっていなかったと見えるんですが常にああいう感じになってしまう…?そうですね。
やはり開きやすい状況になっているという事…。
あれでは戻りますよね。
そうですね。
あれで例えば奥野さんみたいに薬で治療してもその噴門が閉まるようになる事はないって事ですか?なかなか一度弱くなってしまった筋肉というのは元に戻るって事はなかなか…。
物理的に戻る事はないという事…。
やっぱり加齢でだんだん緩んでくるっていう事ですか?若い方でも食べ過ぎると。
特に脂肪分の多いものですね。
食べ過ぎますと…。
油っこいもの食べると。
次のパターンとしては十二指腸にそれが流れ込んでいってそこで脂肪を消化するホルモンが出るんですけれどもそのホルモン自体が筋肉を弱めてしまうというそういうホルモンが…。
じゃあ過食によって逆流性食道炎になる場合もあるって事ですか?そうですね。
だから油っこいもの食べて胸焼けするっていうのはそういうホルモンが利いて開いちゃって胃酸が逆流しちゃう。
そうですね。
ですから若い方でまだそんなに筋肉が弱ってなくてもやはり食べ過ぎ特に脂肪分の多いものを食べ過ぎますとホルモンの影響で開いてしまって逆流が起こると。
飲酒とかはどうなんですか?アルコールも関係あります。
アルコール自体がこの筋肉を弱める…。
ちょっと何かふわ〜ってなるのと一緒でこの噴門もふわ〜ってなるのね。
逆流性食道炎は胃と食道の境目の噴門が開いてしまい胃から食道へ胃酸が逆流して起こります。
噴門が緩んでしまう原因はこちら。
一つが年齢。
年とともに緩んでしまいます。
2つ目が食生活。
お酒や脂肪分が多い食事でも噴門を緩めてしまいます
奥野さんの行った治療はさっき薬っていう事がまずあったんですけどこの薬も秋山さん3種類あるんですね。
はい。
まず酸分泌抑制薬というのがありますけど…。
胃の中の内容物で一番食道に傷害性があるというのはそれは胃酸です。
ですから胃酸の分泌を少し抑えてあげる事によって逆流する胃酸の量を減らして炎症を軽くしてあげるという治療ですね。
逆に胃酸って食べ物溶かすって大事な役割あるからそれを抑えてしまうと副作用で何か起こるって事はないんですか?このPPIってお薬もHブロッカーというお薬も2つございますけれども2つとも完全に抑えるというお薬ではありませんので多少は酸がまだ出てる状況が作られますのでそれほど副作用に心配しなくてものんで頂けるお薬です。
そして制酸薬…。
これは胃酸を中和するんですか?そうですね。
胃酸の分泌自体は止めないんですけれども出た胃酸を中和してあげる。
古くは重曹とかですね。
それから最近では胃酸を中和するいいお薬がいくつか出ておりますけれどもそういったもので逆流してきた時に症状がつらい時にそういったものをのむとちょっとよくなる…。
胃酸を中和するから逆流しても胃を傷つけるのが弱くなるって事ですね。
食道を溶かさないっていうかあんまり。
そして消化管運動改善薬というのは…。
胃と食道のつなぎ目の筋肉を強めるというのはなかなか難しいんですけれども一つは逆流したものを押し出してあげる力を少し強くしてあげるという事とそれから胃の中の内容物を早く十二指腸の方に流してあげるという事で逆流の量を少なくしてあげると。
そういったお薬ですね。
逆流の量を減らすと逆流してもすぐファッて下に流すようにするっていう…。
実際にはこういったお薬を全部使わなくちゃいけない場合もございますしもしくは1つ2つのコンビネーションでうまくいく場合もございます。
お医者さんと相談してこれとこれやりましょうっていうのはお医者さんが組み合わせてくれたりっていうのはあるんですね。
その方その方の状況によりまして調整していくという事になります。
なるほど。
これものみ続けなければいけないんですか?そういう事ではありません。
一度ですね重症度。
どのぐらいひどいかっていう事ですけれども内視鏡で見てそれほど炎症がひどくない方はその症状がある時にのんで対処するという事でも大丈夫な場合もあります。
なるほど。
治療するとかしないとかの基準っていうのはお医者様に相談してそこでどの薬をのむかとかはお医者様との相談になりますよね。
そうですね。
我々は内視鏡で見て荒れてるよとは言われたけれど先生が何もおっしゃらなかったという事はまあ「様子見て」っていう事だと思っていいんですかね?内視鏡で見た逆流性食道炎というのはそれから逆流によって引き起こされる症状というのが必ずしもかみ合わない時がございます。
患者さんが感じられる症状というのでやはり重さで薬の調整というのを致します。
もしもほっしゃん。
が胸焼けがあったとして「う〜っ…。
よし薬局で市販の薬」っていうのでも大丈夫なんですか?そういったもので症状がよくなるという事であればそれで対処して頂いてもいいと思います。
ただそれがなかなか治らないとか長く続くとかそういった時には是非次の検査を受けて頂くという事が重要だと思います。
結構食道診てもらったら逆流性食道炎っていう症例を言われる人って結構多いですよね?私どもの施設で統計とりますと内視鏡にいらっしゃる方の大体10パーセントぐらいの方が逆流性食道炎をお持ちという事で統計が出ています。
男女比でどっちが多いとかはあるんですか?逆流性食道炎に関しては男性の方が多いという事になっております。
これもよく分かってないんですけれどもやはりだんだん逆流性食道炎っていうのは中年以降で少しおなかが出てきて腹圧がかかってくるというような状況になりますと出来やすいという事がございます。
そこでそのおなかの話で姿勢になってくる訳ですけど胃酸の逆流を防ぐポイントとして今の奥野さんもちゃんと猫背じゃなくて背筋伸ばしなさいと言われた。
このいくつかがある…。
まず姿勢はそういうちょっと前かがみになっても問題のある場合はすぐに逆流しちゃうんですね。
そうですね。
おなかに圧力がかかりますのでそれで胃が圧迫されて胃の内容物が逆流するという…。
妊娠した時はもっとそういう…。
そうですね。
すごかったです。
私も妊娠後期でおなかがどんどん大きくなった時に胃を圧迫して…。
出てくんのや。
そうそうそう。
食べた直後にちょっと横になると本当に「う〜っ」てなるからしばらくもう直立不動。
もうちゃんと縦にならないとどんどん逆流するから。
そういうのはあるんですね。
食べてすぐ寝たら駄目っていうのはそれはやっぱりそうですか?お食事を食べたあとすぐですね。
1〜2時間の間にやはり胃酸がわ〜っと出てる時にその時に横になりますと逆流しやすい…。
だから横になり方があるんだそうです。
どっち向きに寝るか。
なるほど。
胃がある方に寝たらいいんじゃないですか?実は反対で左なんですね。
やっぱり左に…。
左を下にして寝た方が逆流が少ないと。
どうしてですか?その理由なんですけども喉から食道がございまして噴門があってそのあと胃に入った時に胃の袋というのは左側に広がっていくんです。
ですからものが左側にたまりやすい。
ですから左を下にして寝ますとそこにたまる空間があるので…。
ちゃんとそっちが底になってるって事ね。
胃がね。
すぐ逆流しないという事ですね。
左下で寝た方がいいっていう…。
そういうのもやっぱり大事なんすね。
胃酸の逆流を防ぐもう一つのポイントは肥満の解消。
太っているとおなかについた脂肪が胃を圧迫して逆流しやすいからです。
そして食生活の改善。
脂肪の多い食事や食べ過ぎは控えましょう。
早食いに気を付ける事も大事です。
一体早食いは胸焼けとどう関係するの?
早食いというのが一番問題になります。
早食いを致しますとやっぱり胃の中に入ってく量が多くなりますのともう一つは一緒に空気を飲み込んでしまうのでゲップが出やすくなります。
やっぱりゲップはあんまりよくないという事なんですか?ゲップが起こった時に一緒に胃液の逆流も起こる場合が多いのでそれを防ぐためには早食いを直していくという事が重要になります。
ゲップが出ると胃液が逆流するって可能性は相当あるんですね?100パーセント逆流する訳ではないんです。
空気だけって事もありますけれどもやはり逆流性食道炎の方っていうのはその時に液体が一緒に戻ってくる場合が多いというふうに…。
そういう逆流性食道炎の方は炭酸のものはあんまり飲まない方がいいとかはないんですか?やっぱりゲップが出ますから…。
おっしゃるとおりでして炭酸というのはここら辺が胸焼けする時にモヤモヤしてるのでスカッとしたいという事で炭酸飲料よく飲まれる。
もしくはビールを飲まれるって方は多いんですけれども炭酸がやはりゲップを起こしますのでなるべく逆流性食道炎の方は炭酸飲料控えて頂くのがよろしいと思います。
そうか〜。
お茶とかコーヒーとかカフェインのものとかもあんまりよくないって聞いたんですけど本当ですか?カフェインは噴門の筋肉を少し弱めるっていう作用もございますしもう一つは胃酸を少し刺激していっぱい出すという効果もありますので過度な取り過ぎには注意して頂きたいと思います。
生活習慣の改善って非常に重要ですけれどもやはり厳しくやりますとかえっていろんな楽しみが少なくなってしまうので…。
ストレスがね。
やはりそれがストレスになってまた逆に続けられないって事がありますからやはり適度な生活習慣の改善。
そして減量…。
姿勢のこういった注意をしてもそれでもよくならないという方は是非病院の方に受診して頂きたいと思います。
これは覚えとこう。
寝方とかもね…。
その奥野さんですが逆流性食道炎の治療を行って薬や姿勢でよくなったという事なんですがその逆流性食道炎をほっておいたら…これが…。
改善してないのをほっておいたって事ですね?つらいのにずっと…。
つまりバッドチョイスをしてしまったんですね。
悪い選択をしてしまったがために大変な病気になってしまった方もいらっしゃるんですね。
ではそのケースです。
胸焼けの原因が思いもかけない病気だった…
太田さんが胸焼けに襲われるようになったのは10年前
夕飯時食べてすぐゴロッとテレビ見ながら横になっちゃってるとグッと込み上げてきて胃液がね。
酸っぱいものが上がってきて口から鼻からちょっと出てきちゃう。
胸の辺がちょっとむかむかするようなですね…。
横にならなきゃそんなに起きなかったから…
特に病院で診てもらう事もしなかった太田さん。
この胸焼けを放っておいた事が悪い選択でした
なんと命の危険に直面する事態に見舞われたのです
毎年行われる会社の健康診断。
太田さんは胃のバリウム検査で精密検査を受けるように指摘されました。
初めての事でした
これが太田さんのエックス線画像です。
この部分が食道。
その下につながるのが胃です。
食道と胃の境目噴門の少し上に異変がありました。
大きさ1.5センチのポリープが見つかったのです。
太田さんはすぐに詳しい病院で精密検査を受けました
内視鏡でポリープを調べた結果なんと食道がんと分かりました
ショックはショックで…。
うちに帰ってくる時は「顔色が青い」って女房に言われましたけどね。
主治医の川田医師です
川田医師は太田さんの食道がんの原因は長年襲われていた胸焼けが関係していると考えました
食道の壁が長い間胃酸に襲われ続けた事でがんを作り出してしまったのではないかというのです
幸い太田さんの食道がんは手術で取りきれる可能性があるものでした。
川田医師は内視鏡での治療を行う事にしました
太田さんはすぐに内視鏡でがんを取り除く手術を受けました
手術は無事成功
これが太田さんの治療前後の食道です。
早い段階で治療できたためがんをきれいに取り除く事ができました。
手術から6年が過ぎました。
がんの再発はありません。
太田さん胸焼けはいかがですか?
もうその後は…おかげさまで快調で。
今太田さんの目標は中学生の孫の人生の節目を見届ける事
最低成人式まではね。
それで嫁さんもらう…。
結婚式出られればいいかなとは思ってますけどね。
チョイス。
(2人)う〜ん…。
だから逆流を繰り返してて食道部分に刺激が行って悪いがんが出来てしまうっていう。
よっぽど胃酸って食道にとっては悪い影響…。
じかにもの溶かす食べ物溶かすようなやっぱりすごい成分やからね。
でもそれ長年でなってるねんけどご本人にとったら胸焼け即がんやから。
一気に胸焼けからがんっていう…。
でも実際体の中では長い間かけてがんになったっていう事…。
これは気付かなかったって事ですよね。
だから逆流性食道炎なんだけれども胸焼けだからという事でずっとほっておくという悪い選択をしてしまったためにがんになってしまったと。
この辺の事をスペシャルチョイスアドバイザーに伺います。
東京医科歯科大学の川田研郎さんです。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先生これやっぱりご本人は胸焼けから急に食道がんってなるけれども全然急ではなくて体の中ではちゃんとがん化なっていく理由があったって事ですね?逆流性食道炎で食道の粘膜が傷ついてそれからそれを修復しようとして胃の粘膜が下の方からはい上がってくる現象が…。
治そうとして…。
(川田)あります。
今その写真があるんですけれどもこれが食道。
口の方から見た映像です。
この黒い方が胃ですよね。
ちょうどここが噴門の所なんですがこの辺がどうやら胃の組織になってきちゃった…。
(川田)ここがべろみたいに飛び出してます。
もともとはここがずっと筒みたいになっていてここが食道の一番下の下端。
一番下のとこ…。
…で炎症を繰り返してそれが治ってく過程でこの胃の粘膜がずっと上の方に上がってきて組織がこちらは食道固有の…。
食道の素材がこうなんですねもともとは。
胃の粘膜が赤っぽいですよね。
ああ本当だ。
胃の素材になってるっていうか…。
組織が変わってきたんです。
この部分が食道に広がった胃の組織です。
何度も逆流性食道炎を繰り返すと傷ついた食道の部分が胃の組織に入れ代わってしまうのです
本来はここももともとは食道なんだから…。
でも胃が上がってきてるっていうか…。
そこにがんが出来てしまったと。
(川田)そうですね。
恐らく胃酸に強い粘膜に置き換わってるって事ですから胃の組織の方が胆汁とか胃酸には強い組織になってるので修復過程としてはそういうふうになっていくんだろうと。
本来言うたら食道が胃液と触れ合うようには出来てないって事ですよね。
出会ったら駄目なんですもんね。
だから今まで砂浜やった部分まで海が来てもうてるって事ですね。
(川田)まさにそういう事です。
そういう組織の中では一部にがんになってしまうタイプもあるという事…。
欧米の方では実際多いんですけども今すごく増えていて問題になっているんですね。
食生活みたいなもんですか?ではなく体質…?それは体質人種の差なのだろうと思うんですけれどもただ今後日本人が油っこいものを食べたりとかいろんな生活習慣がどんどん悪化していくともしかしたら今後増えるんじゃないかといわれてます。
これが一般的になっていく可能性もあるって事ですよね。
食道がんは実際はもっと上の…お酒が原因のがんが一番多いのでむしろこっちのがんはタイプとしては少ないがんになります。
でも内視鏡手術で…。
本当にこれはすごくうまくいったケースで本当に太田さんの場合はもうちょっと進むと転移が始まるところだったので内視鏡で済んだからよかったんですけどももうちょっとあと1年ほっておいたら恐らく手術を受けないといけなかっただろうしあるいは抗がん剤であったりとかそういう大きな治療をしなきゃいけない…。
胸焼けが続くっていう事はやっぱり内視鏡を入れて診てもらった方がそれが一番いいって事ですね。
(川田)そうですね。
やっぱり続いているというのは何かおかしい証拠ですしがんの初期って症状がまず出ないですからそれが一つのサインとなって見つけるきっかけになればこれは太田さんみたいに…。
まだ症状が出ない時に見つけないとなかなか感じてないっていうそこのジレンマがあるから…。
内視鏡で手術されれば費用の方も安く済むと…。
手術よりはうんと安くできますし…。
大体おいくらぐらい?
(川田)大体3割負担で12万とか15万とかそのぐらい…。
入院で何日ぐらい入院?太田さんの場合は4日ぐらいで入院が済んだので非常に早いですね。
胃の組織が出来てきちゃったのはもう二度と治らないんですか?これは薬で少し縮む説もあるんですけども一般的には大体こういうままでそのまま変わらないって事です。
という事はやっぱり気を付けてなきゃいけないって事なんですね?年に1回でも自分の健康診断だと思って検査を受けた方がいいとは思います。
胸焼けがある時は是非内視鏡検査を受けて食道の状態を調べましょう
食道がんを取り除く事ができた太田さん。
手術後胸焼けも改善しました。
一体なぜなんでしょう?
これが不思議なんですけど…。
(笑い声)これはいわゆる精神的なもんなんですかね?自分が病気をした事で生活習慣を変えようと努力されたんだと思います。
最初はお薬もしかしたらのんでたかもしれないですけど多分今のまなくて食べてすぐ横になったりとかそういった事をしなくなったので多分よくなったんじゃないかと…。
やはりさっきおっしゃった生活習慣というのは薬よりもよく効くのかもしれない…。
そうですね。
生活習慣をちょっと改善して頂くだけでお薬が要らなくなるというケースもございますので非常に大切だと思います。
それが一番ベストですもんね。
お薬をのまなくて済むっていうのは…。
という事でここまでは逆流性食道炎が引き起こすという胸焼けだったんですがでも胸焼けを起こす病気というのは逆流性食道炎だけではありません。
命の危険につながる意外な臓器が原因で起こる場合もあります。
そのケースです。
命に関わる意外な病気で胸焼けに襲われた…
鈴木さんはひどい胸焼けと更にだるさにも襲われるようになりました
しかしたかが胸焼けと考え病院に行く事をためらっていました。
そんな鈴木さんを救ったのは妻の決断でした
実は…
(2人)チョイス。
鈴木さんの住まいは静岡県。
月に数回東京の病院に持病の治療のため通っていました。
その病院で胸焼けを診てもらう事にしたのです。
すると循環器科で詳しく診てもらうよう勧められました
その時検査を担当した医師は…
胃を調べても異常がなかったためほかの病気を考えました。
え〜っ心臓!?心電図検査を行ったところ心筋梗塞と分かりました
心筋梗塞で非常に危険な状態だったのですぐに手術をしました。
これは鈴木さんの心臓の血管を見たものです。
矢印で示した所2か所が詰まりかけていました。
心筋梗塞は心臓の筋肉に酸素や栄養を送る血管が詰まって起こります。
やがて心臓の筋肉が死んでいってしまいます
心臓を救うため詰まった血管のう回路を作るバイパス手術が行われました
手術は無事成功。
鈴木さんは命の危険を脱しました。
そしてなぜか胸焼けもなくなりました。
胸焼けと心筋梗塞一体どんな関係があるの?
それは放散痛といいます。
心臓の痛みは脊髄神経を通って脳に伝わります。
腕の痛みや肩あるいは胸焼けもそうですがその痛みは心臓の痛みを伝える脊髄神経と同じ所を通って脳に伝わるので…
心臓の痛みは脊髄を通って脳に伝わります。
ところが心臓の神経がつながる脊髄の近くには手や肩胸など上半身のさまざまな神経もつながっています。
そのため心臓の痛みの信号が脳に届いた時それを胸焼けと混同してしまったのです
「お前は心配し過ぎだよ」っていつも言われるんですけどね。
おせっかいしてよかったなと思います。
あの時行かなかったらって思うとやはりすごいグッとくるかなという感じですけどね。
(2人)チョイス。
(2人)う〜ん…。
心筋梗塞が原因でっていう…。
これ前もやったよね。
誤信号っていうか信号が脳に届いた時に間違えて部分…症状胸焼けとかに置き換えられるっていうのは。
それぐらい人間の中って複雑なっててっていうのはね。
そうですね。
だから鈴木さんの原因は消化器ではなくて心臓だったと。
胸焼けの原因は。
奥さんの勧めのチョイスでもってお医者さんに診て頂いたら心筋梗塞。
即バイパス手術をして快方に向かったという事ですけど非常に危険な状態で一歩間違えればこちらも命の危険があったという事なんですね。
びっくりしたでしょうね。
胸焼けだと思ったら心臓って言われて。
「え〜っ心臓?」。
なかなか結び付かないですよね。
胸焼けで…。
今も先生のお話にあったように心臓の痛みが脊髄を通って脳に伝わる時にそれまでにある手だ肩だ胸だっていろんな神経がここで一緒になっているんですね。
それがここで混線をしてしまってあたかも胸焼けのような痛みになったという事で川田さんいいんでしょうか?そうですね。
これだからいわゆる肩が痛いっていうふうに伝わる場合もあるって事ですよね。
心臓の痛みが肩として…。
そうですね。
それがたまたま胸焼けって事になったっていうとこで…。
こういうケースは多いんですか?心筋梗塞の場合はそういったほかの所が症状が出てくるっていう事は少なくないと思います。
秋山さんそういうふうに消化器と関係ない事があってお医者さんに行って胸焼けじゃあ胃薬を出しましょうとこういう事になっちゃう事もある訳ですよね?そうですね。
やはり通常の診療でなかなか症状が改善しないとかそれからますます悪くなるというような事はほかの原因も探っていかなくちゃいけないという事になります。
最初にもし胃腸薬を処方されても1週間とかしても治らなかったらもうこれはほかの事考えた方がいい…。
これは我慢しないで先生にはっきり言って頂いてほかの検査に移るという事が必要になりますね。
患者とお医者さんが一緒になって一個ずつ可能性を潰していって何かっていうのをって事ですね。
胸焼けが長く続く時や薬をのんでもよくならない時はきちんと医師に伝えましょう。
たかが胸焼けと思ってはいけません
という事で今日は胸焼けの原因を探っていったんですが大きく分けてこうやって胃や食道のいわゆる逆流性食道炎で起こるものそして循環器で起こるものと大きく2つ胸焼けというものを見てきたんですけれども胸焼けのチョイス浜島さんいかがでした?妊娠後期の胸焼けが私ねつわりよりも正直つらかったんですよ。
本当においしいものをおいしく食べられない。
食べたあとのヒリヒリヒリ〜っていう痛さ。
産んだあとにその胸焼けがすっとなくなった時の開放感。
本当においしくごはんを食べられるって幸せって痛感したんです。
胸焼けも何らかの大病のSOSだと思って甘く見ずにちゃんと診た方がいいんだなっていうの今日勉強になりました。
おいしくごはんずっと食べたいですもんね。
ほっしゃん。
いかがですか?だから逆流性食道炎で診てもらって違かったらいろんなっていうのはどんな病気でもそうなんでまずは胸焼けっていう胃が逆流するっていうとこからいろんな事が起こるんやよっていう事なんですね。
川田さんは?逆流性食道炎からがんが出来るって事はそんなに多くないんですね。
もっと上の方にがんが出来る事が多いのでやっぱりそっちの方がお酒を飲む方は心配です。
ですからやっぱりお酒の量が多い方はやはり自分の健康を考えてしっかり検査を受けた方がいいと思います。
秋山さんはどんなチョイスが重要だと思われますか?一番初めにお話ございましたけれどもやはりどんな方でも胸焼けってあるんだと思うんです。
ただその頻度がやはり増えていって週に2〜3回起こるようでしたらやはり一つの危険な信号と考えて頂いて一つは病院に行って頂いてしっかり検査を受けて頂く。
その方法として最近内視鏡検査も細い経鼻内視鏡だとかそれから鎮静剤を使って検査をする事もできますので…。
昔より全然しんどくないですもんね。
そこら辺怖がらずに是非受診して頂いて検査を受けて頂きたいと思います。
そこで安心すればいいんですもんね。
そこからまだあればそこからまた別の段階がある訳でまずは検査という事もあると思うんですが。
どうもありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
2015/07/31(金) 12:00〜12:45
NHKEテレ1大阪
チョイス@病気になったとき「胸焼けで悩むとき」[解][字][再]
ただの「胸焼け」と侮ってはいけない。食道が炎症を起こし、きちんと対処しないと、命に関わる病に陥ることもある。「胸焼け」の注意すべき病気のポイントを紹介する。
詳細情報
番組内容
ただの「胸焼け」と侮ってはいけない。食道が炎症を起こし、きちんと対処しないと、命に関わる病に陥ることもある。「胸焼け」の注意すべき病気のポイントを紹介する。【出演】星田英利、浜島直子、徳田章アナウンサー ほか
出演者
【ゲスト】国立国際医療研究センター消化器内科…秋山純一,東京医科歯科大学消化管外科学講師…川田研郎,【司会】星田英利,浜島直子,【リポーター】徳田章,【語り】佐藤真由美,江越彬紀
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者
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