(恭子)私にもしものことがあったとき律のことあなたに託したいの。
(調)母ちゃん。
遅えな。
(奏)どこ行ってんだろうね?・
(恭子)ただいま。
(調)母ちゃん。
遅えよ。
(恭子)ごめんね。
いい匂いね。
(奏)しー兄ぃのスペシャルカレー。
お母さんの好きな牛肉もいっぱい入ってるよ。
(恭子)ホント!?俺の財布から奮発してやったよ。
(恭子)ありがとう。
調。
(調)何やってんだよ!?
(恭子)いいじゃない。
減るもんじゃなし。
(奏)ずるい。
カナも。
(恭子)カナ!
(律)ほらほら。
そんなことしてたらカレー食べる前にお母さん疲れちゃうよ。
(恭子)逃げようとしても無駄よ。
しー。
カナ。
律を押さえて。
(奏・調)ラジャー。
(調)律兄ぃ。
こうなった母ちゃんはもう止めらんねえぜ。
観念しろ。
(律)調。
カナ。
(恭子)はい。
ハグの刑。
ぎゅー!調。
カナ。
(奏・調)はい。
カナも。
(一同)ぎゅー!
(調)入院の準備。
奏一人でやるって。
(律)今日はカナとお母さん。
二人っきりにしてあげよう。
(調)うん。
あいつすげえ頑張ってる。
母ちゃんの前で泣かないように。
(律)うん。
俺たちもちゃんと笑顔で母ちゃんのこと送り出してやらないとな。
(律)そうだね。
(奏)1カ月か。
夏休み終わっちゃうね。
ごめんね。
海とか旅行とかホントなら路加君たちとも行けたのに。
(奏)別にいいよ。
だって治ればどこにだって行けるじゃん。
そうだ。
今度おばあちゃんにイタリアのいいところ教えてもらおうよ。
そっか。
おばあちゃん。
イタリアなら何でも分かるものね。
でも海外旅行じゃすごくお金が掛かっちゃう。
大丈夫。
大人になったら私がお母さん連れてくから。
えっ?カナ?お母さん。
大人になったら行こうね。
私連れてってあげるから。
カナ。
おいしいもの食べてお買い物していっぱい笑って。
お母さんとの二人旅。
行こうね。
約束。
約束ね。
・
(みつ子)お姉さん。
車に荷物積んどきましたから。
みつ子さん。
ありがとう。
(環)ちょっと。
2人とも何へこんでんの?
(調)だってよ…。
(絹江)恭子。
うちのことは心配しなくていいよ。
(絹江)私たちが付いてるんだ。
だからあんたは治療にだけ専念するんだよ。
お母さん。
ホントにありがと。
・
(ドアの開く音)圭介。
ありがとう。
(圭介)うん。
お母さん。
頑張ってね。
うん。
じゃあ行ってくるわね。
うん。
・
(調)母ちゃん!・
(奏)お母さん!
(調・奏)母ちゃん!お母さん!母ちゃん頑張って!頑張って!・
(調)母ちゃん!・
(奏)お母さん!
(調)母ちゃん。
(奏)お母さん。
(真也)これは?
(隆)受け取ってくれ。
前から用意してたんだ。
(真也)ああ…。
(隆)嫌だとか言うなよ。
君も同じことしたんだ。
(真也)このこと志穂さんも承知してるの?
(隆)ああ。
分かった。
じゃあありがたく受け取らせてもらうわ。
(隆)ありがとう。
それと志穂とのことなんだが。
別れたりしたら許さないわよ。
(真也)路加にとっても志穂さんはもう大事な人だから。
だからたまには遊びに来て。
路加も待ってるから。
ありがとう。
真也。
お礼なら律のお母さんに言って。
あの子をあんなにいい子に育ててくれたのはあの人なんだから。
(隆)そうだな。
(調)げっ。
渋っ。
(絹江)嫌ならいいよ。
持って帰るから。
(調)ごめんごめん。
おいしそうだね煮物。
今日はおばあちゃんと奏で?
(奏)うん。
おばあちゃんに昆布だしの取り方教えてもらったんだ。
今度私が作ってあげるね。
ニューレシピノート。
どんどん埋まってくね。
(奏)うん。
(絹江)じゃあ私は店に帰るけどあんたたちはいつもどおりに過ごすんだよ。
それが恭子の願いでもあるんだからね。
うん。
(調)うん。
ありがとう。
おばあちゃん。
(一同)ごちそうさまでした。
(調)母ちゃん。
大丈夫かな?大丈夫だよ。
だから僕たちは笑顔でいないと。
(調・奏)うん。
うん。
・
(チャイム)
(調)誰だよ?こんな時間に。
真也さん。
(真也)ありがとう。
あのう。
路加は?店の人間に預かってもらってるわ。
えっ?たぶん大暴れだろうけど。
ところであなたにちゃんと伝えてなかったと思って。
えっ?生まれてきてくれてありがとう。
それとこんな私のこと信じてくれて本当にありがとう。
その顔は何?あなたが素直になれって言ったんでしょ?ちゃんと気持ちを伝えろって。
はい。
満足した?はい。
そう。
じゃあここからは生みの親として言わせてもらうけどあなたも自分の気持ちに素直になりなさい。
えっ?お母さんの病気のこと聞いたわ。
あなたも気付いてるんでしょ?あの人が悩んでること。
何で止めないの?それは…。
本当に大切な人のことあなたが守りなさい。
私の話はこれだけ。
じゃあ。
・
(ドアの開閉音)
(徹平)何で俺がこんな目に?
(路加)お兄ちゃん。
早く。
(徹平)はいはい。
(徹平)イェイ!
(路加)やった!「誰だ?」
(路加)ママ。
あれ?当たっちゃった。
路加。
待たせてごめんね。
(路加)ううん。
(徹平)こんなことはもう今回だけにしてくれよ。
分かってるわ。
でもありがとう。
路加。
夕飯何がいい?
(路加)うーんとね。
ハンバーグ。
(真也)ハンバーグ?
(路加)うん。
(真也)よーし。
じゃあ帰って作ろうか?
(路加)うん。
(真也)うーん。
毎日ハンバーグ作ってあげる。
(路加)やった!《病気にならなきゃお母さん気付かなかったもの》《律と調と奏と一緒にいられるのがどれほど幸せなことだったのか》《律は何があってもお父さんとお母さんの子よ》《お母さん》おはよう。
おはよう。
お母さん。
律。
早いのね。
調たちは?うん。
まだご飯食べてる。
昼前には2人も来ると思うよ。
律もゆっくりしてくれてよかったのに。
ちょっとお母さんと話したくてさ。
えっ?昨日真也さんがうちに来たんだ。
そのとき自分の気持ちをちゃんとお母さんに伝えろって言われた。
お母さんが治療法のことで悩んでたのずっと気付いてたんだ。
でも何も言えなかった。
言ったらもっと悩ませてしまうと思ったから。
でもそれじゃ駄目だったんだ。
僕はお母さんにどうしてほしいんだろうって一晩中考えてみた。
これまでお母さんが僕にしてきてくれたことを一つずつ思い返して。
ねえ?お母さん。
手術しよう。
えっ?花山先生に聞いた。
手術にした方が再発の可能性は低くなるって。
でも手術した後はどうなるか分からないって。
お母さんが僕たちのことを思って今の治療法にしてくれたことは分かってる。
だから僕たちも笑顔でいようって思った。
でも…。
僕たちが笑うためにはお母さんがそばにいてくれないと駄目なんだ。
この先調がバスケの大会で優勝したりカナに好きな人ができたり僕が建築家になったときお母さんがいてくれないと駄目なんだ。
僕たちは笑えないんだ。
お母さんが働けない状況になったら僕がお母さんを支えるから。
だから手術しよう。
調たちも同じ気持ちだよ。
えっ?朝2人に相談したんだ。
そしたら調は高校に入ったらバイトしてくれるって。
カナも。
お母さんの代わりに掃除も料理も洗濯も頑張るって言ってくれた。
だから生きてて。
最初で最後のわがままにするから。
だからずっと生きてて。
それが僕たち3人の本当の願いだから。
律。
分かったわ。
今までいい子過ぎた律の最初で最後のわがままだもの。
聞かなかったらきっと天国のお父さんに叱られるわ。
お母さん。
ありがとう。
律。
お母さん。
頑張って生きるから。
うん。
先生。
お母さんと話しました。
手術お願いします。
すみません。
急に方針を変えてしまって。
でも僕たちは何があってもお母さんを守りたいんです。
(花山)律。
(花山)ありがとな。
はい。
・
(絹江)律。
はい。
(絹江)水やり終わったのかい?はい。
(絹江)何のんびりしてんだい。
もうすぐ店開けるよ。
すいません。
あれから1カ月。
母はまだ入院している
手術自体は成功だった
ただがんは予想していたより大きなもので肺の一部を摘出したお母さんは体調を戻すのに時間がかかっていたんだ
それでも僕たちは笑顔で毎日を過ごしていた
それがお母さんとの約束でもあったから
(若月)律。
聞いてくれよ。
斎木のやつまた性懲りもなく一目ぼれしたんだってさ。
(斎木)うるさい。
今度こそ本物の恋だ。
(若月)はいはい。
でもまさか律が本当に休学するなんてな。
うん。
お母さんの体調が戻れば復帰できるし全然問題ないよ。
(斎木)母上はその後どうなんだ?よくはなってきてる。
今日も後で病院行ってくるんだ。
(若月)早く退院できるといいな。
(斎木)早く退院できるといいな。
(若月)まねすんな。
(斎木)お前こそまねすんなよ。
(若月)お前が先にまねしてきたんだろ?
(斎木)はあ?2人ともありがとう。
・
(圭介)おう。
律。
休みの日なのにありがとうございます。
(圭介)いやいや。
休みの日にしか来れないからな。
(みつ子)でもお姉さん。
顔色もずいぶんよくなって。
この分じゃもうすぐ退院じゃないんですか?実はそうなの。
(一同)えっ!?さっき大輔君が来て来週には退院だって。
(圭介)何だよ。
だったら先に言ってくれよ。
まずは律にって思ったから。
(圭介)だからってさ。
(環)パパ。
いいじゃない。
おめでたいことなんだから。
(圭介)うん。
いや。
でもさ。
(みつ子)あなた。
ちょっとシッ。
お母さん。
おめでとう。
ありがとう。
律。
僕のお母さんはすごい人です
お母さんはいつも笑顔で僕たちのことを見守ってくれていた
笑顔の大切さを僕たちに教えてくれた
お母さんの病気が分かってからつらいことも悲しいこともいっぱいあったけれどそれでも頑張れたのはそこにお母さんの笑顔があって家族との温かな食卓があったからなんだ
お母さんの病気がこの先どうなるかなんて分からない
でもだからこそ今この瞬間を大切に僕の大好きな家族と過ごしていきたい
そうすればきっとあしたもおいしいご飯が待ってるから
・
(調)律兄ぃ。
母ちゃん帰ってきたぜ。
お母さん。
おかえり。
ただいま。
わあ。
すごい。
これ律が?うん。
約束だからね。
ありがとう。
(調)っていうか早く食おうぜ。
腹減った。
(奏)しー兄ぃ。
ちゃんといただきますしてからだからね。
(調)分かってるよ。
じゃあ食べよっか?
(一同)いただきます。
2015/07/31(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
[終]明日もきっと、おいしいご飯 〜銀のスプーン〜 #45[字][デ]
母・恭子(富田靖子)の病気の再発、実父・隆(和田聰宏)との確執、そして実母と実弟の幸せ…。律(高杉真宙)たちと料理が紡いできた、家族の絆の物語。その結末とは…。
詳細情報
番組内容
律(高杉真宙)が起こした路加(山口祐輝)の誘拐騒ぎ。しかし、そこで律はようやく真也(河井青葉)に本心を伝えることができる。
「いきなり結果だけ押し付けて、子供は受け入れるしかないんですか?そのせいでどんなに悩んだり傷ついたりするか分かってるんですか?たとえ選ぶ道がどんな道でも…僕たちの気持ちも聞いてください。それだけで子供は救われるんです!僕は…生まれてきて幸せでした。
番組内容2
だから忘れろって言われても、僕を産んでくれた大切な人のこと絶対に忘れませんから」
律の言葉に泣き崩れる真也。心の氷が溶け、真也は路加のもとに戻ってくる。そんな中、恭子(富田靖子)はある覚悟を決め始めていた。
「私にもしものことがあった時、律をあなたに託したいの」恭子は、真也に癌の再発を明かした上で、そう告げる。
番組内容3
律が苦しんだり悩んだりした時に、誰よりも苦労を重ねてきた真也なら、彼の気持ちに寄り添ってくれるから、と。恭子の強い想いに真也は…。
ずっと笑顔でいてくれた。どんな時も味方でいてくれた。そんなひとりの母親と、血は繋がらなくても誰よりも深い絆で結ばれた息子の物語。ついに完結。
出演者
早川 律:高杉真宙
早川恭子:富田靖子
花山大輔:山田純大
雨宮真也:河井青葉
鈴井 環:岩田さゆり
茂木和彦:木本武宏
・
早川 調:前田旺志郎
早川 奏:田附未衣愛
雨宮路加:山口祐輝
・
一柳 隆:和田聰宏
鈴井みつ子:芳本美代子
小川絹江:藤田弓子 ほか
スタッフ
【原作】
『銀のスプーン』小沢真理(講談社「Kiss」連載中)
【脚本】
森山あけみ
【演出】
金子与志一
【プロデュース】
松本圭右(東海テレビ)
西 麻美(松竹)
原 克子(松竹)
竹内絵唱(松竹)
【音楽】
市川 淳
【主題歌】
高橋 優「おかえり」(ワーナーミュージック・ジャパン)
【制作著作】
松竹株式会社
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
http://tokai−tv.com/ashita_gohan/
【公式ツイッターアカウント】
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ドラマ – 国内ドラマ
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