森村誠一サスペンス「捜査線上のアリア」 2015.07.31


(オペラ)ジャンニ・スキッキのアリア私のお父さん〜
(刑事)ほぁ〜。
(刑事)はあ〜…。
(戸倉肇)そう苛つかないでもうじきですよ。
しかしいくら落としの那須警部でも掛かりすぎじゃ…。
こっちは充分過ぎるほど証拠を固めたじゃないですか。
警部を信じましょう。
(警官)零時23分。
被疑者自供により送検!
(刑事)やった!
(刑事たちの歓声)
(刑事)警部お疲れさまでした!お疲れさまでした。
(刑事)警部お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
(拍手)
(拍手)おい撤収だ撤収!
(刑事)いろいろあったけど那須警部には教えられました。
(那須圭吾)それはお互いさまだ。
私も勉強させていただきました。
どうです打ち上げをかねて1杯?オイオイ何時だと思ってるんだい。
そうかハハハ。
警部は直帰ですか?今から本庁です。
あ〜。
苦手な報告書の山が待ってるんでね。
(エンジン始動音)〜私のお父さん〜
(宿泊客)ククソ!〜ね!ラジオのボリューム〜下げてもらえませんかね?〜明日早いんですよ…。
おい!うるさいってんだよ!クソ!!〜〜〜あの…ラジオ!ボリューム…。
私のお父さん〜ヒッ!人殺し…!
(津村豊和)ち違う。
違う。
違うんだ!私じゃない。
私じゃないんだ!〜車両ナンバー102応答願います。
ナンバー102現在永代橋通過中。
千代田区神田南「東京ビジネスホテル」で女性の変死体発見の通報あり。
現場に急行願います。
了解。
(パトカーのサイレン)〜
(シャッター音)
(助川裕一)うあ〜あっ…。
(シャッター音)
(水落京太郎)何やってんだ!巡査上がり指紋がつくだろう!手袋どうした手袋?忘れました!ポケットに手をつっこんどけ!ど素人が。
はい。
本庁捜査一課の那須と戸倉です。
ご苦労さんです。
西神田署一課の水落です。
随分早いお着きで…。
ホトケさんを拝ませてもらおうか。
絞殺ですね。
即断は禁物だ。
宿帳は?え?
(警官)フロントから借りてきました。
これか…野々宮さよ子。
目黒区祐天寺6丁目。
偽名ですね。
即断ですな。
祐天寺に6丁目なんてないですからね。
嘘の住所に嘘の名前ですよ。
ガイ者の遺留品は?衣服や靴などは残ってんですが身元を特定できる貴重品などはハンドバッグごと持ち去ってますな。
ハンドバッグ?フロントの証言ではガイ者がバッグを持ち歩いていたと。
物取りの…可能性もありますな。
身元不明の死体が1つだけってことか。
目撃者を確保しております。
目撃者?犯人を見たのかね?えぇ死体の第一発見者なんですがね。
逃亡する犯人を目撃したとか…。
まぁどこまで信用できるか。
何か引っ掛かることが?第一発見者を疑えというのが初動捜査の鉄則では?まるで容疑者扱いですね。
(河西治)協力者指紋ってヤツです。
出入り業者から掃除のオバチャンまで協力してもらうものですから。
私が代わろう。
あなたが第一発見者の…?津村豊和です。
お仕事で小説をお書きになっていたんですね。
関係ないでしょう事件には。
関係あるかどうかの判断は警察に任せていただけませんか?今はどんな些細な情報でも重要なんです。
まこんな気分じゃ小説なんか書けやしませんしね。
これおい急いで。
(鑑識)はい。
おい何の真似だ!この部屋も調べさせてもらいます。
被害者がいたかもしれませんからな。
いるわけないだろ!ロビーに移ってもらえますか?津村さん捜査にご協力願います。
私のお父さんホテルは担当の編集者が〜用意してくれました。
ところが隣の部屋のラジオが〜うるさくてどうしても集中できずに〜注意しに行ったんです。
うるさいな!〜〜男が慌てた様子でエレベーターに乗り込むのがチラリと見えました。
〜すみません。
ラジオのボリュームなんとかなりませんかね?〜ちょっと聞こえない…!〜私のお父さんそれで死体を発見したんですね。
はい。
知ってる人でしたか?とんでもない!見たことも会ったこともない女ですよ!この続きはウチの署のほうでやってもらいましょうか。
部屋は準備させました。
なんだって!私は目撃者だよ。
これじゃまるで犯人扱いじゃないか!今日のところはいいだろう。
しかし…。
今夜はホテルに別の部屋を取ってもらいましょう。
明日またお迎えに上がります。
(牧村詩織)おじさんも飲む?ハーブティー自家製なんだけど。
(運転手)もうじき着きますよ。
え!ちょっと待って。
どうもありがとうございました。
あお客さんお釣り!いいですいいです。
死因は絞殺。
死亡推定時刻午後11時から午前1時の間。
首の索溝以外に死体に損傷はありませんでした。
(田所克巳)被害者の身元は?まだ判明しておりません。
フロントの証言によりますと被害者は偽名のまま1週間連泊していたそうです。
現場には衣類や靴は遺されているんですが身元を特定する財布やケータイなどの遺留品は現場から消えております。
物取り…か?物取りと怨恨両方の線で捜査を進める必要があると思います。
(ドアの開く音)遅くなって申し訳ありませんでした。
本庁の牧村詩織警部補だ。
特別事務職なんだが現場を勉強したいらしい。
那須班で面倒を見てもらうことになっている。
聞いてるよね那須警部?えぇ。
本庁と所轄の混成チームだ。
牧村君にとってはいい勉強になるだろう。
はい。
みっちり勉強させていただきます。
今報告中だ。
後ろの席に座りなさい。
はい。
管理官続けていいですか?あ続けてください。
深夜なのでフロントは控え室にいることも多く事件当夜何者かが侵入することは可能だと判断しました。
しかし第一発見者の津村さん以外外部からの侵入者を目撃しておりません。
信頼できる情報だと思うか?一応津村氏の部屋は調べました。
今のところ被害者との関連は見当たりません。
現在は津村豊和氏に任意で協力いただいております。
わかった。
とにかく現段階では被害者の身元の確認と目撃者の情報。
各班とも捜査を急ぐように。
解散!本庁の腕利き警部が教育係か。
本店は気楽だな。
水落さん。
なかなか良さげなお嬢さんじゃないですか?そうですね。
美人だし…。
ねぇ〜1年で警部2年で警視。
あっという間に雲の上。
助川…今がチャンスかもしれないぞ。
ゴマすっとけよハハハ。
け面白くねぇ!キャリアのお嬢様は取調室でお勉強中でございますか。
こっちもお勉強に行くとするか!お前のことだよ巡査上がり!地取りだっ!はいっ!彼現場初めてなのかい?あ助川ですか?今月付けでこっちに配属になりました。
今回ウチはとんだ混成部隊ですよ。
仮免デカとお嬢様キャリア。
本庁きっての名物警部に対抗するは西神田署名物「怒れる重戦車」。
さらにはロートルに皮肉屋が加わるわけですかウハハハ。
さ私たちも行きますよ。
私もともと銀行マンでしてね。
出世コースから外れて地方の温泉地にある支店でくすぶってたんですがその銀行マンの体験をもとに書いたミステリー小説が新人賞を受賞しました。
ほう才能があるんですね。
筆一本でやっていけると思って銀行を辞めましてね。
女房も応援してくれました。
ところが…見事に当てが外れました。
当てが外れて…?次回作が全く書けないんです。
〜書くぞと思って机の前に座ってみるんですが頭の中に何も浮かばないんです。
銀行時代の貯金はあっという間に底をつき温泉街ということもあって女房が芸者をして生計を支えてくれた。
〜ちょっとさ…資料を買いたいんだけどその…。
〜悪いな。
(津村規子)随分と筆が進んでいらっしゃるみたいね。
〜仕事がんばってな…。

(ユキ)今度の小説には私も出してくれるんでしょ。
ねセンセ。
もちろんだよ。
ユキちゃん今ね凄いの書いてるからね。
え〜楽しみ〜。
いつ出来るの?ん?だから今はこうやってさ構想を練ってるんだ。
(のぶ)何が構想を練ってるだ。
アンタず〜っとそればっかりじゃねえか。
女房のヒモが。
それ言っちゃあ…のぶさん〜でも二作目が書きあがったんです。
それはよかったですね。
私は実体験を通してでしか書けない作家なんだということに気が付いたんです。
それで何かが吹っ切れました。
男としての市民権を失ったヒモの生活を描いたミステリーなんですけど結構自信作なんですよ。
今回はその原稿を持って上京しました。
それいつ出るんです?読んでみたいなあ。
それが…。
本にできない?R賞受賞後第一作ですよ!
(吉田辰夫)賞を獲ってから何年経つと思ってるんです津村さん。
あなたは読者にとって忘れられた作家なんですよ。
忘れられた作家。
あ〜んさんざん私が催促しても書けない書けないの一点張り。
次から次へと新人は出てくるわけでま津村さんは作家としてのタイミングを逸したんでしょうね。
わかったもういい!モノはいいと思いますよ。
個人的には…。
次号に丁度空きが出ましてね。
印刷の締め切りに間に合うように書き直してもらえれば…。
書き直す…?えぇ。
これじゃちょっと長すぎますね。
空いた枠が短編なんで3分の1ぐらいにしてもらえますか?それじゃ別物になってしまう!今のあなたは作家性だの何だのと言ってられる時期ですか?読者が求めるものを書けばいいんです。
ウチの常用のホテルがありますんでそこに缶詰になってください。
じゃよろしく頼みましたよ。
あっ!これは美崎先生!
(美崎敏行)おう吉田君航空チケット取ってもらて済まなかったな。
いえいえ美崎先生には儲けさせていただいてますからはい。
それじゃな。
おい拾え!何の言いがかりだ?誰この人?一昨年R賞受賞の津村さんですよ。
ああ一昨年のR賞の津村君か。
よく憶えてますよ。
あれは仲々良くできていた。
うん。
先生の選評酷評でしたよ。
ああそうじゃあ良かったのは二作目だったかな?まだ二作目は出してませんよ。
そりゃ楽しみだ。
ヒッチコックは最高傑作は次回作だといつも言ってたそうだから。
おい!津村さん!待てよおい!とにかく私は忙しいんだ。
明日から鹿児島へいく予定なんでね。
関係ないよそんなの。
津村さん!おい!全く。
書けなくなった作家というのは手に負えないな。
もっとも新人賞獲ったぐらいで作家気取りなんていうのもハハハおこがましい話だけどもな。
おい!津村さん落ち着いて!おい!落ち着いて!いいですね!頼みましたよ…。
先生!こうして缶詰になった2日目の夜…。
私のお父さん〜うるさいな!〜泣きっ面に蜂ってんですかねこんな災難に遭って。
お気の毒です。
被害者の部屋からあなたの指紋が多数検出されています。
目撃者としては不自然なほどだ。
刑事さん!ちょっと待ってくださいよ。
私のこと疑ってるんですか?見たことも会ったこともない女ですよ!お互い隣の部屋に連泊していたんだ。
接触の機会があったんじゃないですか?濡れ衣だよ。
こうやってあんたたち警察は無実の市民を陥れるわけか!?〜那須警部…。
〜いや職業柄あらゆる可能性を考えてしまうもので。
(カメラのシャッター音)那須さんどういうことですか?何か?津村のことですよ。
帰したそうじゃないですか?アイツは真犯人かもしれないんですよ!証拠は?勘ですよ。
俺の刑事の勘がそう言ってるんです。
悪いけど水落さん私は勘なんて信用しないんだ。
〜家内は?
(刑事)ただいま救急車で病院に〜
(那須かなえ)フフフ…。
どうした?頭の中は事件のことでいっぱいなのね。
そんなことないさ。
戸倉さんが言ってたわ…最近警部は慎重になったって。
少し臆病になったのかもな。
私のせい?馬鹿なこと言うんじゃない!歳のせいだよ。
私のお父さん〜あら?〜あ…プッチーニだな。
〜オペラジャンニ・スキッキのアリア〜私のお父さん〜昔よくコンサートに行ったわね。
また行くか?〜いやよ。
〜いつかみたいに鼾かいてぐうぐう眠られたら〜たまらないもの。
〜ハッハハハ。
(汽笛)R賞獲ったときは私も舞い上がっちゃってアンタが銀行辞めるのも反対しなかったけどまさかあれで終わりだなんて思わなかったしねぇ…。
次だってちゃんと書き上げたじゃないか。
でも駄目だったんでしょ。
直しもできないしあんな事件まで起こしちゃって。
俺が起こしたんじゃない。
巻き込まれただけだ!〜こんなときだけはちゃんとR賞の肩書きも役に立つのね。
おかげで仕事がしづらくてしようがないわ。
今日は仕事場に来るのは勘弁してくださいね。
〜わざわざお越しくださらなくてもこちらから…。
原稿を持ってきた。
例の直しですかそれならいつでもいいんです。
はい。
違うんだ。
新作を書き上げたんだ。
新作?捜査線上のアリア…。
あの事件のことを書いた。
あの事件のことを?私が見てきたことをありのまま書き上げたんだ。
ありのまま?警察から受けた屈辱世間の好奇そして美しい死体何もかもありのままだ。
実際の殺人事件の重要参考人が書いた実録小説。
話題になると思いませんか?ちょっとちょっと拝読させていただきます。
み水落さん!何だ?靴擦れが…。
お前はどっかのビジネスマンか。
は?何だってそんなピカピカの靴履いて来やがったんだ!しかし犯罪捜査がこんなに地道に歩くだけだなんて。
靴が痛けりゃ裸足で歩きゃいいだろうが!あっあ!この服はみんなお宅のオリジナルですよね?
(店員)はい確かにそうですけど。
このお客さまに見覚えありませんか?いやちょっとこれじゃあよくわかりませんね。
人間ってケータイや免許証といった遺留品がないだけで簡単に身元不明になっちゃうんですね。
捜索願が出ていない行方不明者は多いからな。
あ…。
津村さんあの事件について小説書き始めたんですね。
そんなものの中に手がかりはない。
行くぞ。
被害者の衣服の購入先が特定されました。
仙川のブティック「ミカド」で購入したことが判明しました。
絞られたな。
被害者の生活圏は京王線仙川駅を中心とした調布周辺である可能性が高い。
ここら辺りを集中的に当たってみてくれ。
身元が特定できるかもしれん。
さぁて〜どっから攻めたもんかな?よっしゃしらみつぶしに〜歩きまわるとするか。
〜はい。
〜よっしゃ次行くぞ。
〜はい。
〜おい何してる早くせい!はい。
〜〜あ…。
どうした?あのカメラに被害者が映ってたりしませんかね?え!?おい!はい。
(駅員)VTRに保存はしてますが数日間で消去してしまうんです。
あ〜そうですか。
この女性なんですがね見覚えありますか?ん〜どこかで見たような…。
え!どこですか思い出してください!?あ思い出した!誰ですか?先月スリ事件がありましてその被害者の1人ですよ。
本当ですか?何か確認できるものありますか?その時の監視カメラの映像は証拠として所轄の調布南署に提出しています。
〜調布南署の調書から東京ビジネスホテルに野々宮さよ子という偽名で宿泊していた被害者の身元が特定できました。
被害者の氏名宮下千代子。
住所は調布市仙川3丁目3の15メゾン・エルミタージュ401号室。
被害者宮下千代子の家族ならびに交友関係は?ええ。
はい。
宮下千代子昭和47年生まれ現在31歳。
本籍地岐阜県飛騨高山市家族は両親ともに死去しており弟が広島に住んでいますが交流はありません。
なお結婚暦があり平成10年に離婚。
現在は無職。
詳しい交友関係は調査中です。
じゃ次に鈴木班…。
お手柄だったな。
いやいやコイツのお陰ですよ。
いや僕は別に…。
凄い所に住んでるな。
何者なんですかね生活感がまるでない。
可哀そう。
すっかり枯れちゃって。
どうしたんだ?これ自家製のハーブティーなんです。
ハーブって育てるの結構面倒なんですよ。
なんだかこの宮下って人私に似てるような気がして。
こういうところも似てるんじゃないのか?嫌味ですか?見たところ美崎敏行という作家の作品が多いようだがサイン本まである。
密室やアリバイ崩しといったトリック重視の本格派です。
ま警部には縁遠い世界かもしれませんけど。
フンこれから勉強するよ。
警部!こんなものが…。
〜京都までの切符とホテル。
2人分ある。
〜日付は事件の直後ですね。
誰と行くつもりだったんでしょう?関東交通公社…。
倉さん。

(所長)間違いありません。
宮下様です。
ウチのお得意さまです。
京都旅行のクーポンを2人分購入されてるみたいなんですがどなたと行かれる予定だったのでしょう?いや〜そこまでは…。
宮下さんがこちらを利用されるようになったのはいつからですか?どんな些細な情報でもかまわないんですが…。
ねぇ福田さん宮下さんって誰かの紹介だったよね?
(福田)梅谷さんですよ。
ああ梅谷か…。
梅谷さんってたしか宮下さんとつきあってましたよ。
「新しい金蔓だ」とか何とかって言ってましたよ。
アイツらしいなハハハ…。
その梅谷さんって?あっ梅谷隆一。
昔ウチに勤めていた従業員ですよ。
金に汚い男でして使い込みがバレて辞めたんですが…。
梅谷さんの写真があったらいただけませんか?
(会場の騒音)先生どうされたんですか?こういう場所慣れてないもんだから。
慣れてもらわなきゃ困りますよ。
ウチとしては先生をこれからドンドン売っていくつもりなんですから。
それはありがたいんだけどさ美崎先生とはこの間の件もあるし。
いい機会じゃないですか仲直りの。
ああ先生!吉田さん!ちょっと失礼します。
恐れ入りますちょっとこちらへ。
じゃあどうも失礼。
おうこれはこれは珍しいヒトに会っちゃった。
その…先日は大変失礼なことをしまして…。
ウーン…何かあったかな?ハッハッハッよかったよかった。
津村先生には今捜査線上のアリアをO”:¥させてD:いており読者の反響も非常にいいんですよ。
私も読んだよ。
ま読者ウケはするだろうねあのテのキワモノは。
キワモノ!?ま津村君にとっては最良の企画だと思うよ。
何しろ実体験がモノをいうらしいからね。
お言葉ですが美崎先生自分の内実を表現したいから作家は作家になるのではないでしょうか?だったら日記でも書いときなさいよ。
殺人者を描くのに実際に人を殺すヤツはいないよ。
おっしゃるとおりでございます。
「事実は小説よりも奇なり」といいますよね。
それを発見するのもまた文学でしょう?これまたおっしゃるとおり。
たとえばミステリー作家が自分の考えたトリックを実践して殺人を犯すとか…。
自分のことを言ってるのかね?ご想像にお任せしますよ。
では失礼。
(人とぶつかる音)〜ご自宅にご連絡したらこちらだとうかがったもので。
〜実は確認していただきたいものがありましてね。
〜〜〜これは?あなたが目撃した〜人物ですか?〜えぇ間違いありません。
確認できれば〜それで結構です。
では…。
ちょっと待ってくださいよ。
〜誰なんですかソレ?捜査に関することはお答えするわけにはいきませんので。
〜〜
(管理人)ああ梅谷さんですね?ええ。
確かにウチのアパートにいましたよ。
でも半月程前に出ていきました。
引越し先はわかりますか?いいえ。
そうですか。
どうも。
ありがとうございました。
だめか…しまっておけ。
(電車の走る音)〜念のため不動産屋にも〜回ってみますか?〜〜どうしたんです?〜振り返るな!つけられてる。
えっ!〜〜おい!何するんですか訴えますよ!〜〜公務執行妨害だ。
警察の横暴だ!〜刑事による暴力事件だ!〜うるせえなこのヤロウ!梅谷はギャンブルにのめりこんで暴力団とも金銭トラブルがあったらしいですな。
待てよ!
(戸倉)2人の間には別れ話が進んでいたみたいです。
何すんのよ!ぶっ殺してやる!お前俺の言うこときかねえとどうなるかわかってるな!梅谷隆一はかなりキレやすい性格だったらしいですね?宮下千代子は殺されるかもと知り合いに話していたとか…。
なるほど。
梅谷が引っ越したのは事件の数日後です。
やはり今回の事件に何か関係があるんじゃ…?とにかく梅谷隆一の所在をつかまないことには…。
指名手配に回したらどうですかね?いやまだ容疑者と決まったわけじゃない。
被害者と交際があったというだけではな。
でも津村さんが現場で目撃したわけでしょう?しかしそれは津村さんの証言でしかない。
何の裏づけもないということですね。
そういうことだ。
ふ〜んっ!那須警部大変です!この捜査線上のアリアの?7しい2sなんですが!D。
どうしたんです?梅谷隆一が実名で登場している。
えっ何ですって!?梅谷はまだ自分が捜査線上に浮かんでることを知らない。
…がもし彼がこの小説を読んだとしたら…。
本ボシだったら間違いなく姿をくらますでしょうね。
鉄道や空港の保安部に連絡をとってくれ!一刻も早く梅谷の身柄を押さえるんだ!
(一同)はいっ!〜〜ふざけやがってテメエ!〜
(パトカーのサイレン)〜
(カメラのシャッター音)〜警部どうです!〜梅谷ですか?う〜ん偽名でこの近くの〜アパートに住んでいたらしい。
死亡推定時刻は〜昨夜の零時過ぎ。
凶器は犯人が〜持ち去ったみたいです。
口封じのために〜殺されたのかしら…。
〜梅谷が唯一の〜手がかりだったのに。
津村のせいだ。
ヤロウあんな小説書きやがって!〜〜もう酷い目に遭っちゃいましたよ。
警察の横暴もちゃんと書いてやるよ。
でも先生資料集めといっても捜査妨害になりゃしませんかね?おタクの雑誌の売り上げを伸ばしてるの誰だと思ってるの。
返す言葉もございませんですはい。
ときに先生あの原稿どうなりましたかね?あの原稿?例の螺旋の悪意ですよ。
今ウチで本にさせていただく話がございましてね。
しかしあれボツになったんじゃないの?何しろ今や先生は世間で注目の作家でございますからね。
私一行も直すつもりはないからね。
そりゃもう結構でございます。
あのままの原稿を出版させていただきます。
しかし君たちはホント勝手だな。
はあこれまた返す言葉がございませんですはい。
吉田君。
はい。
私ホントに一行も直さないからね。
ハハアッ!後で渡してあげよう。
ありがとうございます!あなたお客さまなんですけど…。
今仕事の打ち合わせ中だよ。
帰ってもらえ。
そう言ったんですけどお仕事終わるまで待つとおっしゃって…。
何ですって!?…アリアのO”:¥5Y;_しろ!)ええ。
梅谷さんはあの連載で命を落としたのかもしれない。
私の小説が人を殺したって?言いがかりはよしてくださいよ。
お気に障ったんでしたら謝ります。
しかしあなたがたの取材が我々の捜査を撹乱してるのも事実です。
那須さんあなたには容疑者にされた者の気持わかりますか?いやあなたならわかるはずだ!それはどういう意味ですか?あなたのことを調べさせてもらいましたよ。
那須さん私冤罪なんですよ。
助けてくださいよ。
それがあなたの過去の罪を償うことになるんじゃないんですか?あんただったのかハーブに水をやってたのは?何だか可哀そうで。
連れて帰るにも証拠品扱いでしょう。
まもういいんじゃないか?えっいいんですか!警部にさえバレなきゃな。
細かいことに異常に厳しいですもんね。
戸倉さんつきあい長いんでしょ?あぁもう20年以上になるかな…。
那須警部っていったいどんな人なんですか?う〜ん。
(戸倉)今でこそ慎重で温厚な警部だがなあれで昔は猛者ぞろいの捜査一課でも抜きん出た強面で通ってた。
刑事としての勘をたよりにここぞとばかりに猛進するタイプだったんだ。
(牧村)今と全く正反対ですね。
(戸倉)ある時警部に容疑をかけられた男がいた。
第一発見者だったよ。
警部はいつものように執拗に取り調べた。
後に真犯人が逮捕されて彼の潔白は証明されたが周囲の疑惑の目は消えなくってね。
会社も辞めて家庭も壊れてしまったんだ。
その男は警部を恨んだ。
そして思いつめた挙句警部の自宅を突き止め玄関口に立った。
包丁を持ってね。
(インターホンの音)でも警部はその時不在だった。
そのかわり応対に出た奥さんが…。
いや〜っ!くそっ!あっあっあ〜っ!あ〜っ!?わ〜っ!?
(シャッター音)家内は!?〜ありがとうございました。
(戸倉)命は取り留めたものの奥さんは下半身不随になっちまったのさ。
〜ありがとうございました。
〜ありがとうございました。
〜またチケット1枚〜無駄にしちまったな。
いつか一緒に行けるときが〜くるわきっと…。
〜そうだな…。
〜先日は失礼しました。
お陰さまで捜査線上のアリアはBg9%I
でしてね。
いよいよ事件の真相を追っていく展開になりました。
存じ上げております。
専用のホームページを開設したんですよ。
パンク寸前の状態でしてね。
何万人もの読者が探偵気取りで事件の情報を提供してくれるんですよこれが。
私の経験から言わせてもらうと匿名の情報はあまり当てになりませんけど。
那須さん取引しませんかね。
取引?私たちの目的は同じです。
事件についてのお互いの情報を交換するってのは決して損にはならないでしょ。
生憎ですが捜査情報は秘匿義務があります。
それなら善意の一般市民の情報として提供する。
それなら歓迎ですよね?捜査を撹乱しないのなら。
美崎敏行という推理作家はご存じですよね?えぇ。
この中に午後の予感という半年前に彼が発表した短編があります。
書き飛ばす美崎にしては珍しく出来がいい。
にも拘わらずその作品だけ最新の短編集に収録されてないんですな。
担当編集者に訊いたら美崎本人の希望らしいんです。
それが事件とどんな関係が?読んで私もビックリしましたよ。
今回の事件をまるで予告したかのような内容なんですなそれが。
予告?えぇ舞台も明らかにあのホテルだし手口も似ている。
それで怪しいと思って美崎のこと調べたんですよ。
どうやら殺された宮下さんとは繋がりがあるみたいですよ。
それだけじゃ何ともいえません。
私たちは証拠を優先しますから。
いいでしょう。
私は自分なりに事件と真相を導くつもりです。
先を越されて恥をかくのはどっちなんですかね…。
どうぞ。
那須さん頑張りましょう。
ファンと名乗る女と関係ができた小説家がその愛人に恐喝され逢引先のホテルで女を殺すという内容です。
確かにホテルのモデルになっているのは東京ビジネスホテルですね。
登場人物の女性の特徴も宮下千代子に似ています。
彼女の部屋には美崎のサイン本もたくさんあったしひょっとして津村さんの言うように…。
こんなものの中に真実は無い。
相変わらず頑固ですね。
テープがあったろう?那須班全員でもう1度監視カメラの映像を検証する。
みんなを集めてくれ。
はい。
〜〜とにかく真実を見極めろ。
どんな些細なことでもいい。
見逃すな!
(一同)はい。
〜どうだ〜何か気づいたことは?あの彼女のバッグがちょっと気になるんですがいいですか?〜〜このエミールバッグ…日本に数点しか入ってないレア物です!〜キャリアといっても〜やはり若い娘だな。
日本に数点しか〜入ってないってことはナンバーリングされてる〜可能性があるな。
代理店に問い合わせてみてくれ。
はい!〜〜〜もう少し巻き戻してみよう。

(戸倉)あっちょっと。
〜〜
(戸倉)何か話しかけてますね。

(河西)音声が聞こえればなぁ…。

(水落)どうみても知り合いにはみえねえぜ。
〜よしっこの男の足取りを追う。
手がかりを見つけるんだ。
〜はいっ。
〜よし助川テープ。
(駅員)あ〜この人ね。
憶えてるんですか?えぇ道を尋ねてこられたんです。
息子さん夫婦と同居するため青森から上京されたばかりだったんです。
この人かあの後捕り物騒ぎがあったもんでよく憶えています。
これこれ何かしゃべってますね。
これ何て声かけてきたんですか?私の電話がうるしぇって静かにしてくれって。
注意されたんですね。
彼女の電話の内容は聞こえましたか?叱られた後ちっせえ声で話したもんだから隣の電話の声がよ〜く聞こえました。
あの女も結構でっかい声でしゃべっていてな。
東京モノは勝手ですな。
あはっ…。
それでどんなことをしゃべってましたか?途中から聞こえたんですけんども始めのショーは7時からだとかってしゃべっていたな。
第1回めのショーは7時からってことですよね?えぇそれどパエジャが旨かったとか。
パエジャ?きっとパエリアのことですよスペイン料理の…。
ああ〜。
(フラメンコの音楽)〜
(オーナー)ああこの人なら美崎先生のお連れさんですよ。
美崎先生?作家の美崎敏行先生です。
贔屓にしていただいているんです。
あのエミールバッグには通しナンバーがふってあり数点特定できました。
その購入者の中に美崎敏行氏の名前がありシリアルナンバー135番でした。
勿論あのバッグである証拠はありませんが。
とにかくバッグだ有力な証拠となる。
何としても見つけ出そう。
美崎敏行か…こっちの情報と繋がりましたね。
ミゾさん梅谷の事件はどうなってる?暴力団とのトラブルの線で捜査中みたいですね。
美崎はノーマークってところか…。
どうします…ひっぱりますか?いや現段階では無理だ。
私が行くことにしよう。
牧村クン君も一緒に来い。
はい。
水落さんこれは…。
(小鳥のさえずり)刑事さんを取材したことはあるがされるのは初めてだよ。
小説を書くお仕事は大変でしょうね。
私など捜査書類を書くだけで四苦八苦しておりますよ。
嘘っぱちばかり書いてるから傍目ほど大変じゃありませんよ。
ときに先生は宮下千代子という女性をご存じですか?知らんね…。
いや待てよ聞いたことがあるな。
どこだったけな…。
あっ思い出した。
津村君の捜査線上のアリアに=PてきたHo32
Tの=w@−だ。
宮下さんは先生のファンでした。
部屋にもサイン本がいっぱい。
そうですか…私の愛読者ですか。
そりゃ気の毒なことをした。
午後の予感を先生はご本になさってませんが何か理由がおありになるんですか?この牧村も先生のファンでしてね。
ほうハッハッハッいやおどろいたよ。
随分前に雑誌に発表した短編の名前が出てきたもんだから。
そうですかあなたも私のファンでしたか。
午後の予感を単行本に収録しない理由ね。
う〜ん簡単ですよ気に入らないからだ。
あの作品のどこが気に入らないんですか?先生のお作の中でも完成度が高い作品だと思いますけど。
そんなことをあなたに説明する必要はない。
私の作品に関しては私が決める。
10月27日の夜どちらにいらっしゃいました?27日…自宅で原稿を書いてたと思うが。
どなたか証明してくださる人は?はは〜ん読めたぞ。
10月27日といえばあのホテルの事件の容疑者が殺された日だ。
あんたたち私を疑ってるのかね?見たことも聞いたこともない人間をどうして私が殺すんだね?渋谷のスペイン料理店へ宮下千代子さんを伴って行かれてますね?さらにネットオークションで限定品のエミールバッグを購入されています。
それ宮下さんに贈ったものではありませんか?なるほど津村が体験を小説に書きたくなるわけだハハハッ…。
だが私はヤツほど厚顔じゃないから書かないがね。
10月2日の夜はどちらにいらっしゃいました?アリバイかね…いいだろう調べてみよう。
10月2日と27日だね。
アリバイ…!そうです。
美崎敏行氏には完璧なアリバイがありました。
梅谷隆一の事件の夜は原稿執筆という曖昧なものですが宮下さんが殺された夜は鹿児島の霧島温泉にいたと…。
鹿児島!?えぇ事件の起きた10月2日から4日までは鹿児島で取材旅行だったと言うんです。
証拠は?写真を借りてきた。
日付が入ってますね。
ウラをとろう。
ミゾさん助川君。
(2人)はい!鹿児島に飛んでくれ。
(2人)はい!〜
(貝島)美崎先生は私の大学の大先輩でして自分らで同人誌をだすとき一文を寄せていただきました。
(田沢)先生が鹿児島に来るというので2人で案内役を買って出たんです。
美崎先生は何度か鹿児島にはいらしてるんですか?はじめてです。
突然のことに驚きましたよ。
なんでも鹿児島を舞台に新作を出すので取材をしたいと…。
私が車を運転をしてコイツが先生のカメラで写真を撮ったんです。
1日目の10月2日は桜島と市内観光をしてその夜は霧島温泉の「クラウンホテル」でお泊りになりました。
2日目は知覧の方を回って指宿で一緒に泊まりました。
ふ〜ん。

(支配人)えぇ美崎様はこちらで1泊されてますね。
2日の18時にチェックインされて翌日の10時にチェックアウトされました。
その間外出されてませんか?外出される際カギを私どもに預けないお客様もいらっしゃるのでそれはちょっと確認できかねますね。
仮に外出してもわからないってことですよね。
えぇ。
夜部屋に入った客室係の人はいませんか?原稿を書くので誰も入れないでくれとのことでして。
貝島君と田沢君と霧島のホテルで夕食をとり翌朝10時に迎えに来てもらう約束をして別れました。
その夜は温泉に入ったり原稿を書いたりのんびりさせていただきました。
なにしろ翌日のスケジュールがハードだったもんですから。
お2人と別れたのは何時でした?ああ彼らと別れるとき従業員に記念写真を撮ってもらったんだ。
あっほら時計が写ってる。
ちょうど7時30分だね。
霧島温泉から空港までってどれくらいなんです?時間ですか?タクシーで大急ぎで飛ばして30分ってところかな。
ちなみに東京行き最終便は19時25分…7時25分絶対に乗れませんよ。
いったいどうやって東京に帰れるってんです?これで私が犯人じゃないってわかったでしょうこの時計をバックに写真を撮られるお客様って多いんですか?
(従業員)あんまりいらっしゃいませんね。
ごらんのとおりこれといって珍しい時計じゃありませんから。
場所よりむしろ時間を強調するってことかな?先生。
何だ?写真撮るなら中庭をバックにしたほうが…。
そうだいっそのこと表で撮りますか?かまわんここでいいんだ。
いきますよはいチーズ!
(シャッター音)申し訳ありません。
無駄な出張費使うことになって…。
美崎の行動が不自然だということがわかっただけでも収穫だ。
何かトリックがあるはずです。
でも写真が偽造でないのは証言がとれてますよね。
陸路だとどうなりますか?寝台特急があります。
午後9時鹿児島駅発なので乗車にはギリギリ間に合いますが。
それを使ったんじゃ?待って東京駅に何時に着くの?東京駅着は翌朝の7時ですね。
・はい那須班。
警部に?どうした?津村かららしいんですが繋ぎますか?津村から…?はい那須です。
・いやぁ那須さんこんな時間まで大変ですね。
美崎のアリバイに苦戦してるんじゃないですか?驚いて声も出ないようですね。
我々のスタッフは優秀ですからね。
警察が何を調べてるかは手にとるようにわかるんですよ。
美崎が捜査線上に浮かんで宮下千代子殺しについて完璧なアリバイがあることも調べ上げましたよ。
我々のほうではすべてトリックも解けましたし小説で発表させてもらってもかまいませんか?・あなたが勝手にフィクションを書いてるだけです。
相変わらず強がり言ってるな。
那須さん警察の無能さを世にさらすことになるかもしれないんですよ。
この際お互い協力して事件を解決するほうが得策じゃないですか?お断りします。
私は自分のチームを誇りに思っています。
事件の断片を一つひとつ自分の足で掻き集めて証拠で埋めていく。
みな優秀な捜査官ですよ。
優秀…どこが優秀なんですか?事実インターネットの情報よりはるかに遅れをとってるじゃないですか。
・津村さん私もあなたと同じなんですよ。
どういう意味です?あなたは実感がわかないと小説が書けないとおっしゃった。
私もそうなんです。
実感と確信がないと捜査が進められない。
かつて勘に頼って痛い目に遭ってますから。
では失礼。
まいど「オッティモピザ」で〜す。
誰だピザなんて頼んだのは?みんなお腹すいてるかなと思って…。
腹なんか減ってねぇよ!
(お腹のなる音)ハハハハいいじゃないかメシにしよう。
あ〜旨そうだな。
はい警部。
ありがとう。
コーヒーいかがです?おありがとう。
どうぞ。
ありがとう。
三角形!?河西君時刻表を取ってくれ。
ははい!〜〜なるほどそういうことか…。
ミゾさん帰ってきたばかりで〜わるいけどまた出張だ。
今度も鹿児島ですか?〜関空関西空港だ。

(管理官)空港の監視カメラは保安の意味でわりと長く保管してるんです。
密入国や犯罪逃亡者などの対策のためにね。
あの10月2日の21時25分から22時5分までの映像が見たいんですがねありますか?ありますけどかなりの量ですよ。
かまいません。
お願いします!今水落さんが美崎の行動のウラを取りに関空に行ってます。
まもなく連絡がくるはずです。
はい。
あそうですか。
・はい…。
警部!水落さんから電話です。
そうかやはり見つかったか。
うん。
ご苦労さん。
これでアリバイは崩れましたね。
ミステリー作家にしては簡単なトリックなのが気になるがな…。
でも…。
とにかく美崎敏行を任意で呼び出そう。
はっきり言って迷惑です。
私には完璧なアリバイがあるんだから…。
あなたは10月2日深夜東京に戻ってきていましたね?だからそれはありえないと言ったでしょう。
ウフフ…。
ほらこの写真…。
時刻もはっきりと写っている。
午後7時半。
ちょうど東京行きの最終便が出た頃だ。
どうやって私が東京へ帰れるっていうんですか?確かに最終は7時半。
どんなに急いでも霧島温泉から空港までは30分はかかります。
ウフフフ…わかってるじゃないですか。
しかし鹿児島と東京はこの直線だけではありません。
別な場所を経由しても東京に到着できるんです。
貝島:じゃ明日10時に…。
〜今日はどうもありがとう。
〜じゃあ失礼します!じゃあ明日また…〜〜2人と別れた後あなたは鹿児島空港に向かった。
〜東京行きの便がすでに終わっています。
〜しかしあなたが乗ったのはその便ではなかったとしたら〜どうでしょう。
〜〜鹿児島発関空行きの最終便は20時35分。
〜〜関空到着時刻は21時40分です。
〜関空発羽田行きの最終便の時刻は22時5分。
〜飛行機が延着しない限り〜充分乗り換えに間に合う時刻じゃないでしょうか?〜そんなものは〜単なる推測だ!証拠は…〜証拠はどこにある!〜関西空港の監視カメラの映像です。
〜〜〜JAL348便の〜羽田到着時刻は23時。
そこから東京ビジネスホテルまでは1時間もあれば充分です。
帰りは羽田発の早朝便ANA619便を利用しましたね。
羽田発6時55分鹿児島着8時35分です。
10時のチェックアウトには充分間に合います。
ちなみにこのトリックが成立するのは鹿児島だけです。
今回の取材旅行はあなたから申し出たそうですね。
だからといって…私が殺した証拠はない!私は殺してない!殺してないのならなぜこんな周到なアリバイを用意する必要があるんですか!?違う…違うんだ!本当に私じゃ…。
わかってますよ。
あなたは本格派の推理作家だ。
本当に人を殺すつもりなら二重三重のトリックを用意するでしょう。
この殺人は計画性よりも衝動性のほうが強いと私には思えます。
違いますか?
(フラメンコの音楽)〜
(美崎)サイン会でファンだと近づいてきた千代子と私はいつの間にか男と女の関係になりました。
〜千代子:ウウッ!痛い!
(梅谷)こらっ!こらっ!やめろ!千代子…。
待てよこらっ!やめてくれ!やめてくれ!やめろ!おい俺を裏切ったらどうなるかわかってんだろうな!クワッ!やめてくれ!邪魔だよ先生!離れてな。
千代子が悪いんじゃない!私が悪かったんだ!君の納得のいくようにするから…。
じゃ先生!俺の言うとおりにするんだな?ああっ!何でもする
(美崎)あの女もグルだったんです。
想像の世界で私が小説に書いたのと現実が全く同じ展開になってきたのです。
そんなとき千代子から連絡がありました。
もしもし…君か…。
どういうことだ?これ以上私をコケにするつもりか?違うのよ先生!あたし梅谷に殺されるかもしれないの。
殺される!?アイツ頭おかしいのよ!きっとクスリかなんかやってるんだわ。
マンションにずっと張り付いているから怖くて帰れないし…。
あたしずっとホテル暮らしだからお金も底をついちゃって…。
自業自得だな。
梅谷に脅されてしかたなくやったことなの。
アイツヤクザに借金があるから…。
あたしは今でも先生のことが好き。
本当に尊敬してるわ。
先生!信じてちょうだいコイツはまた俺をペテンにかけようとしている。
彼女に対して殺意にも似た怒りが再燃したのです。
もちろん本気で殺すつもりはありませんでした。
自分が考えたトリックが実際に成立するかどうか確かめればそれでよかった。
殺意だって消えてなくなるだろうと思っていました。
しかし殺意は消えることはなかった?いいえ結局千代子とは会えずじまいでした。
本当なんです!あのトリックを使ってホテルに行ったものの千代子はいなかったんです!信じてください!
(美崎)私はほっとしました。
その瞬間彼女に対する殺意もすっかり消えてしまっていたのです。
もしやましいことがなかったとしたらなぜ名乗りでなかったんですか?宮下さんはずっと身元不明だったんですよ。
私には…築き上げてきた地位と名誉がある。
その地位と名誉のために梅谷に脅迫されていたんですね?千代子の死はニュースで知りました。
あの日以来梅谷は何度も私の元を訪れて小遣いをせびっていきました。
アイツは私が殺したと思い込んでいるようだったから…。
でもとんだ食わせものだった!実際はアイツが殺していたんですね?それは梅谷本人から聞いたんですか?津村が梅谷をホテルで目撃したとヤツの小説に書いてあったじゃないですか。
事実は小説のストーリーのようにいかないときもある…。
わかりました。
お話しましょう。
〜金は持ってきたかい?〜私じゃないって何度も言ってるじゃないか!〜私には〜鹿児島でのアリバイがある。
他人でも雇って〜殺したんだろう?千代子を殺しておいて厚かましい野郎だぜ。
〜厚かましいのは〜お前のほうだ!ここにお前が殺したと書いてあるなんだと!?〜津村が目撃したのはお前だと実名で載せてある!〜馬鹿な!?〜〜何だよこれ…?ふざけやがって!〜テメエ!コイツとグルになって俺をハメようとしてるなっ!〜コイツに幾ら払ったんだ!〜ちくしょう!図星か!?図星か!〜俺じゃねえって〜言ってるだろう!白状しろ!白状しろ!〜〜
(美崎のうめき声)〜〜〜〜〜ハッハッ…ハッハ。
〜ハッ…ハアッ!〜ハアアッ…!〜殺すつもりは全くなかった。
正当防衛…正当防衛なんだ!でも千代子を殺したのは私じゃない!梅谷なんだ!美崎さん落ち着いて…。
千代子殺しは私じゃないんだぁ!ハーッ!ハーッ!千代子殺しはやはり梅谷ですかね?そっちの線でもう一度洗い直しますか?別班の見解も梅谷説でほぼ一致してますしね。
被疑者死亡のまま送検てやつか。
やりきれないなぁ。
警部…出席されるんですか?いや。
津村さんの人気は今凄いみたいですね。
…アリアも6[5^=PHGだし!D。
あの例のボツになった原稿も陽の目を見るそうですよ。
例の原稿って事件の夜に書いていた原稿のことか?ええ加筆も訂正もなくあのままの原稿で本になるみたい。
出版社は「明水社」だったなぁ。
今すぐその原稿を手に入れてくれ。
はい。
(会場のBGM)おい右側が下がってるよ。
もうちょっと上げて…。
右側ちょっと下がってるぞ。
あと3cm…もうちょっと。
よ〜し!オーケー!吉田君!いや先生!ハァ!?見違えましたね。
原稿を持ち込んでも相手にされなかった時と比べてか?もう嫌だなぁ。
正装姿が決まってるってことですよ。
まさに今日のパーティーの主役にふさわしいですはい。
こういうパーティーにも慣れておかないとね。
ごもっとも。
そうそうこの間刑事さんが来られましてね先生の生原稿がほしいとか…。
生原稿…!?はい。
生原稿って…アリアのか!)いいえ。
この前いただいた螺旋の悪意の原稿です。
ちょうどチェックも終了してたのでお渡ししてしまったんですが…。
螺旋の悪意を…?はい。
ああ…。
よろしいですか?美崎敏行は自供しましたか?ここへきて宮下千代子殺しだけを否認するのがどうにも腑に落ちないんですよ。
少しでも刑を軽くしたい一心ですよ。
計画犯罪は罪が重いですからね。
ま全面自供は時間の問題かと…。
でもあなたがホテルで目撃したのは亡くなった梅谷さんでしたね。
美崎氏ではなくて…。
そこなんですが私の見間違いだったと思うんです。
しかし梅谷さんと美崎氏では背格好も年齢も随分違う。
見間違えますかね?普通。
事実美崎が犯人だったでしょ?美崎氏が犯人だとして物取りの犯行と見せかける必要があったでしょうか?あのようにアリバイを工作しておきながら…。
二重三重に手を打ったんです。
違いますか?でもラジオのボリュームを美崎氏が上げたのはおかしい。
まるで死体を発見してくれと言わんばかりだ。
ほ〜…それじゃ誰がボリュームを上げたというんです?第一発見者のあなたがボリュームを上げたと考えるのが自然なんですがね。
アッハハハ…私が…?ラジオのつまみからあなたの指紋が見つかっています。
最初はボリュームを下げる際についたものだと判断しましたが実際はボリュームを上げるときについたものだったのでは…?見たことも会ったこともない女の死体を発見してラジオのボリュームを上げたってわけか…。
那須さん…動機は?実体験を売り物にした作風のあなたはモチーフに行き詰まりペンではなく自らの肉体を使ってこれを書き上げようとしたのではないですか?吉田さんにお願いして事件の夜に書かれた生原稿をお預かりしました。
あの生原稿からおもしろいものが出てきましたよ。
ほ〜…何が出たっていうんです?宮下千代子の指紋です。
あなたが見たこともない宮下千代子が
(オペラ)私のお父さんあなたの〜生原稿を読んでいる。
どういう〜わけなんでしょうか?〜それは…。
〜あなたはあの部屋で宮下千代子と会っていた。
〜そしてなんらかのトラブルがあり衝動的に殺してしまった。
〜違う!デタラメ言うな!〜あなたは彼女を殺した後〜ラジオのボリュームを上げさも自分が第一発見者のように振る舞ったのではないですか?〜私のお父さんアッハハ…那須さん!アンタのほうがよっぽどミステリー作家だ。
〜よくまぁそれだけ作り話ができるなぁ。
〜その才能が羨ましいですよ。
〜その程度の証拠で私を追い込んだつもりですか?〜いくらでも覆せますよ。
〜〜続きは署のほうで…。
いいか那須さんこれ冤罪だよ!〜アンタはもう一度同じ過ちを犯そうとしてる。
俺は書くよこの茶番を!アンタたちの横暴を世間に曝してやるよ!〜〜・
(規子)あなた…。
〜〜そのバッグは…!?処分したつもり〜だったんでしょうが奥さんが〜見つけたそうですよ。
こんなに高いのを〜燃えないゴミの日に出して…。
ビックリしちゃった。
〜お友達の佐藤さんに譲ったの。
いけなかったのかしら…?〜そのお友達が質屋に売ったらしいですな。
〜見つけるのに〜苦労しましたよ。
〜シリアルナンバー135番。
美崎敏行が〜ネットで購入して宮下千代子に贈ったものに〜間違いありません!津村さん私たち警察官はミステリー作家と違って証拠を重要視するんです。
缶詰になって2日も経つのに一向に直しは進まない。
〜私はただひたすら酒を飲むしかありませんでした。

(ノック)〜〜あの〜…〜ラジオの音うるさいんでボリューム少し〜下げていただけます?ああ…すみません。
〜あっ!?あの…R賞作家の津村さんじゃ?〜最初にラジオの音を注意しに来たのは宮下さんでしたか?はい。
部屋に誘ったのは彼女のほうからなんですね?凄いねそんなところまで読んでるの?ミステリーマニアを自認する彼女とは大いに盛り上がりました。
ねぇ津村先生…う〜ん。
あたしを小説に書いてよ。
君のことよくわからないしさ…。
はい…もっと深く知らないと…。
ウフフフ…。
そうねぇ。
あたし…?歳は秘密バツイチ無職。
無職!?どうやって生活しているの?女はねその気になれば何だって生きていけるのよ。
当ててみようかな〜。
ううん。
愛人生活!アッハッハハ…。
そんなことよりあたしのこと書いてよ。
なんかさモチーフになるようなものがないとさ。
あるわ。
あたしストーカーに狙われてるの。
ストーカー?腐れ縁の男が別れ話のもつれで逆上してんのよねぇ。
なんかありがちだなぁ。
そんなことよりさぁ…。
あ…ねぇさっき書いていたのって新作?うん?う〜んこれから手直ししてさ3分の1にしなきゃいけないんだよ。
全く理不尽な話だよな。
読んでもいいかなぁ?読ませて!ねぇ最初は軽い遊びのつもりでした。
まさかあんなことになるなんて…。
〜〜う〜ん…。
〜〜〜ねぇどうだった?なんだかよくわかんない。
〜わかんない?だって1人しか死なないし…。
〜人が死ねばいいってもんじゃないだろう。
〜ミステリーだと思ってたのにちょっとガッカリみたいな…。
〜〜ミステリーだよ。
トリックなんかどこにもないじゃない。
〜ねぇ君さ…ふだん〜どういうの読んでるの?そうねぇ本格系が好きかなぁ。
〜例えば美崎敏行とか…。
〜〜美崎敏行!アッハハハ…。
何がおかしいのよ?〜ほら狂った舞踏会でしょう狩人たちの触覚〜商店街殺人事件…どれもみんな最高じゃない。
〜あんなの作家と認めないね!ただ書きとばしているだけの売文家だ。
辻褄だって合ってないしリアリティーなんかこれっぽっちもないだろ!どこに人間が書かれてるんだ!全く笑わせてくれるよ!じゃぁ…〜アンタはなんなのよ?〜えっ…!?あんたなんかたかだかR賞獲っただけじゃない。
他に何か書いたの?小説家が聞いてあきれるわ。
単なるヒモじゃない。
実体験をねタラタラタラタラ読まされる読者の身にもなってみてよ!〜そうアンタの作品にはね想像力のかけらっていうものがないの。
〜クソッ!〜〜何すんのよ!放して!〜お前なんかに…〜お前なんかに何がわかるんだっ!〜ウッ!〜ウウッ…!ウッ!〜ハッ…!おい!〜〜私はとっさに物取りの犯行にしようと思いました。
〜〜とりあえずバッグは神田駅のコインロッカーに隠しました。
私の使ったグラスは私の部屋の真新しいグラスと交換したりしてなるべく私のいた痕跡を消そうとしたんです。
そんなときですね美崎氏がやってきたのは…?はい。
(ノック)てっきり彼女が言ってたストーカーだと思いました。
実際残念なことをしましたよ。
美崎だと確認できていれば最初からアイツに罪をなすりつけるように書いていたでしょう。
偽装工作をしながら私は自分が重大なミスを犯したことに気がついたんです。
重大なミス?それは指紋ですね。
ええ。
いくら偽装しても私がその部屋にいた痕跡は消しきれないでしょう。
そんなとき…悪魔が囁いたっていうか…。
悪魔が…?「お前は実体験をモチーフにしなければ書けないんだろう?殺人事件の容疑者。
最高のモチーフじゃないか。
これは創作の神がお前に与えた最大のチャンスだ」…。
(オペラ)私のお父さん〜皮肉なもんですよね。
実体験を書いてるようで全くのでっち上げなわけですから…。
宮下さんのバッグを持ち帰ったのも小説のためなんですね?ええ。
執筆のためにはどうしてもあの資料が必要だったんです。
情報が早くて当たり前ですよね。
私はあの田舎の温泉街でだんだんと自分が干からびていくようで…この人生が永遠に続くかと思うと怖くてたまらなくなっていたんです。
しかし私には書くものが…書くべきものが何もない。
実体験からでないと何も発想できないんです。
しかし今回は違った。
実体験を大いなる創作に変えたんだ。
今まで誰もやったことのない方法で…。
ウッフフ…ウッハハ…。
〜〜那須警部!なんだ?警部からは教わることばかりで…あの…そのなんていうか…本当にありがとうございました。
こちらこそ世話になったよ。
実はお願いがあるんですが。
なんだね?もう少し那須警部の下で学ばせてください。
私の一存では何とも…。
それに君はこの事件が終わったら警部に昇進するんだろ。
大丈夫君なら頑張れる。
警部…。
また一緒に仕事できるよ。
牧村警部。
まだ落ちねえかっ!もうすぐ落ちますよ!本日17時10分被疑者自供により送検!
(刑事たちの歓声)よくやった!頑張った!おい!頑張ったな!やった〜!何やってんだよ。
撤収だ撤収!はい!ありがとうございました。
あっ警部!お疲れさまでした!
(拍手と歓声)〜ミゾさん結局アンタの勘どおりだったな。
いろいろ無駄に動かしてすまなかった。
いやかまわんですよ。
こっちもなにかと楽しませてもらいました。
これから打ち上げなんですが一緒にどうですか?あいにくこれから本庁に戻らなきゃならないもんで…。
…ったくこんなに働く公務員は俺たちの仕事ぐらいのもんだな。
おい本庁に帰るんじゃないのか?戸倉さんに聞きました。
あんまりチケットを無駄にしちゃだめですよ。
うん…?これどなたかお知り合いにでも…。
喜んでいただきますよ。
あなたったら…。
アッハハ…ビックリしたか?うん。
2015/07/31(金) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
森村誠一サスペンス「捜査線上のアリア」[字]

捜査線上に意外な人物が浮上…。しかしその人には強固なアリバイがあった。

詳細情報
番組内容
警視庁捜査一課の那須圭吾は、「落としの那須」の異名を取る、冷静沈着で慎重主義の警部。今日も一つ犯人の自白を取り、事件を片付けたばかりだった。そんな矢先、新たな事件が起きる。東京・神田のビジネスホテルの一室で、女性の絞殺体が発見されたのだ。第一発見者は、隣室に宿泊していた作家・津村豊和。津村は現場から逃げ去る男を目撃したという。
番組内容続き
被害者の身元を特定できる貴重品はなく、宿帳に残された住所も名前もでたらめだった。警察は本庁と所轄の合同捜査本部を設置し、被害者の身元確認と目撃情報の確保に走る。那須は、見習い警部補・牧村詩織と共に津村の事情聴取を行う。
出演者
那須圭吾…加藤剛
 津村豊和…大杉漣
 牧村詩織…大谷みつほ
 那須かなえ…阿木燿子
 津村規子…丘みつ子
 美崎敏行…大和田伸也
 水落京太郎…江良潤
 助川裕一…脇田康弘
 河西治…河内浩
 戸倉肇…立花一男   ほか
原作脚本
【原作】森村誠一
【脚本】南木顕生
監督・演出
【監督】小平裕

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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