2015.08.03
4
「いつも機嫌のよい女性でいるための努力をしたい」- ほぼ日CFO 篠田真貴子 -
ウェブ業界で活躍する女性に、美の秘密を聞く本連載。第4回目は、多くのファンの心をつかんで離さないウェブメディア「ほぼ日刊イトイ新聞(以下、ほぼ日)」CFOの篠田真貴子さんだ。「ほぼ日手帳」の販売でも有名な同社で、毎日忙しく働く彼女が美しい理由とは?
by 佐野 知美
多くのファンの心をつかんで離さない「ほぼ日刊イトイ新聞(以下、ほぼ日)」。1998年6月6日の創刊以来、1日も休まず更新されているこのウェブサイトを、陰で支える女性がいることをご存知だろうか。彼女の名前は、篠田真貴子さん。運営会社の株式会社東京糸井重里事務所のCFOだ。最近では『ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用(ダイヤモンド社)』の監訳も担当するなど、多忙を極める彼女が語る美しさの秘密とは?
1998年の創刊から毎日更新される「ほぼ日」
私が運営会社である株式会社東京糸井重里事務所(以下、当社)に参画したのは2008年のこと。最初の数年はこれまで働いてきた金融業界や外資系企業などでの経験を生かして、組織体制を整えることに注力しました。今は、おもに「ほぼ日をいかに永続的な組織にするか」を考える日々です。
ですから私は、「ほぼ日の仕事をしています」と言ったときに、みなさんがぱっと思い浮かべるような「コンテンツを作っている人」ではなく、ファイナンス面や人事制度、在庫管理などの「表からは見えない部分の仕事をしている人」ということになりますね。……少し分かりづらいかしら(笑)。
篠田さんの仕事スタイル
基本的に、平日働いて週末はお休みというスタイルです。母親なので、子どもと過ごす時間を大切にしたいなと思っていて。
出勤時間は朝8時半から9時くらい。子どもの登校時間に合わせて一緒に家を出ます。午前は自分の考えを整理したり、今後の計画をたてる時間と決めています。逆に、午後は打ち合わせなど人と会う時間として活用。午前と午後で時間の使い方を分けて、メリハリを持って働くことを意識しています。
夜は子どもの帰宅に合わせて17時半には退社。そこからご飯を作って、お風呂に入らせて、子どもを寝かしつける……日中も忙しかったけれど、夜はもっと忙しい! なんてことは日常茶飯事です(笑)。
美の秘密は「いつも機嫌よくいたい」と思う気持ち
忙しい毎日の中で、心のバランスをとって気持よく過ごすことは、やっぱり簡単ではありません。でも、「いつも機嫌よくいたい」とは思っていますね。機嫌よくいることは天性の才能などではなく、本人の意思ですから。疲れているから子どもの前で不機嫌だというのはできれば避けたいものです。
そのために必要なのは、とにかくきちんと眠ることと、食べること。忙しくてもなるべく7時間は眠るようにしていて、5〜6時間しか眠れない日があったら、翌日は子どもと一緒に21時台には寝てしまいます。
食事は、有機野菜など安心安全でおいしい食材を宅配してくれるネットスーパーの「Oisix(おいしっくす)」を活用。会合などがなければ、基本的には自宅で自炊しています。時間が足りない時は、会社のお昼休みに近所のスーパーに食材を買い足しにいくことだってありますよ。お味噌とかね。スキマ時間は効率的に利用するのがおすすめです。
「働く美しさ」は「受け入れられるための努力」
「自分の意思で動いている」「やりたいことがある」など、自分の中から出てくるエネルギーで働いている人は、やっぱり魅力的だと思います。仕方がないとか、やらされているという受け身の体制だとどこかで辛くなってきてしまいますから。
私は「個人と仕事で求められることが近い」ことが心地いいタイプなんです。当社は、そう思っている人間にとっては本当に働きやすい場所です。自分を律することは思っている以上に難しいことですから、自己裁量、自己管理がベースにある当社が合わない方ももちろんいらっしゃるとは思いますけれどね。
でも、私は今とても楽しく働いています。自分や周りに嘘をつかず、「好きなことは何か」に加えて「嫌なことは何か」を把握できてきた頃から、暮らしがぐんと楽しくなってきた気がします。
「働く美しさ」が何かはまだ私にも分かりませんが、何か秘訣があるとしたら、ひとりよがりな頑張りではなく、周りの方に受け入れられるための努力をすることかもしれません。それが上手くいけば、自分以外の誰かに喜ばれる。そうすれば、仕事でもプライベートでも、よい循環が生まれるのではないでしょうか。
私もまだまだ勉強中の身です。みなさま、これからも「ほぼ日」をどうぞよろしくお願いいたします。
篠田 真貴子(しのだ まきこ)
東京糸井重里事務所のCFO。2015年7月10日発売『ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』監訳。(ダイヤモンド社)プライベートでは二児の母。
Photo : (c)kaz_ataka(記事中3枚目)
- Text : 佐野 知美
- 記者・ライター。得意分野は美容と旅。日本全国どこへでも取材に行き、実践レポなども手がける。ベーシックなものも好きだけど、根っからのミーハー気質のため、海外のトレンドやランキングを追うのも忘れない。ドライ&オイリーの混合肌だけど、基本的に肌が強いので コスメはどんどん試してみる派。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』の編集長も務める。