(雅志)どうぞ。
(樫山古田)おお!
(古田)お前が作ったのか?まあな。
うん。
結構いけんな。
これで食っていけるな。
ハハッそうかな。
そうだ。
お前に知らせたい事があってよ。
ん?実はおれたちしばらく地方巡業に出る事になったんだ。
ああそうか。
えいつまで?1か月ぐらいかな。
あ〜大変だな。
(野沢)マーちゃんイカの刺身あがったよ。
はい!お待たせしました。
は〜いどうも〜。
そうか…マーちゃんバイオリンやってたのか。
あっはあ。
長年必死にやってた事を諦めるって大変な事だな。
つらかったろう。
まあ。
でもそれよりも次の目標が見つからない方が…。
目標ねえ…。
そうだねえ。
マーちゃんもそのうち見つかるよ。
…だといいんですけど。
(横山)野沢ちゃんメザシくれるかな?それとビ−ルもう一本ね。
はいビール!はい。
野沢ちゃんちょっと。
ちょっと。
はい。
あっマーちゃんいいよ。
はい。
(笑い声)
(横山)任しとけよ。
今日はありがとな。
いや。
けど…いいのかよバイトするにしてもこんな店で。
結構楽しいよ。
何言ってんだよ。
好きな仕事して金もらった方が楽しいに決まってんだろ。
バンドはいいぞ〜。
お前も来ればよかったのに。
いいよ。
おれは。
まあ頑張れよ。
そっちもな。
じゃあな。
おう。
おい。
みんなのおしぼりも用意しとけよ。
もうやりました。
何だよその態度は?おれも演奏させて下さいよ。
もうちょっと上達したらな。
古田を見習え。
くそっ!えっ?マーちゃん。
あっど…どうかしたんですか?ごめん。
急にかみさんの実家に行かなきゃいけなくなってさ…。
ああそうですか。
何日ぐらい?そうだな…2〜3日で帰るよ。
あの戻ってきたら下宿の方に電話するから。
分かりました。
待ってます。
でもあの…。
ごめんね〜。
わざわざ来てもらったのに。
ああ〜。
しまった!今日給料日か〜!はあ。
忘れてた〜。
時間ないんで帰ってきてからでもいいかな?まあ2〜3日なら…。
悪い!それじゃ!あっあの…き気を付けて!
(陽造)雅志君。
雅志君?ああどうも。
家賃いいかな?あっそうでした。
ハハハッ。
ひいふうみいよ。
はい確かに。
あっ何か困った事ない?いえ特に。
そう。
それじゃ。
2〜3日なら大丈夫か…。
(おなかが鳴る音)
(笑い声)回想
(野沢)2〜3日で帰るよ。
もう1週間じゃねえかよ!う〜腹減った。
あっあっ!おお〜!
(ため息)くそっ…。
・「僕の部屋の片隅に」・「忘れ去られてたパンが」・「コッチコチに硬くなって」・「ポロリポロリポロリ」
(鼻歌)
(鼻歌)…すみに。
忘れ…忘れ…。
・ああ…。
いらっしゃい。
どうも。
あの…これなんですけど。
いかほどお入り用ですか?いくらになりますか?そうですねえ…3,000円でお預かり致しましょう。
えっ…さっ3,000円?はい。
あの〜これはですねもっと価値のあるものなんですよ。
買うとうん十万とすると思うんですけど。
価値のあるものだからですよ。
えっ…?これ…流してしまっていいんですか?高くお入れになると出す時大変になりますよ。
月々の利子だって…。
悪い事は言いません。
安くお入れなさい。
これがちゃ〜んとあなたのところへ戻ってくるようにね。
大事なものなんでしょ?ありがとうございます。
お前何してるんだ?バイオリンのなかと…。
バイオリンのなかと…。
捜したってないよ。
どこへやったと?すまん…。
すまんじゃなか!バイオリンばどげんしたと?もうどうしようもなかったんだ!このままじゃ腹が減って死にそうで…。
ほかにどうしようも…。
それにほら。
もうすぐあいつらが帰ってくるんだ。
何かうまいもんでも食わしてやりたいだろ!そうですか…。
そげん事ですか…。
あなたは自分の魂ば…売ってしもうたとですよ。
違う…。
売ったんじゃない。
そのうちちゃんと…請け出してくるつもりだから。
だからちょっとの間…。
聞けよ!
(叫び声)
(叫び声)
(叫び声)今のお前か?え?すみませんね。
おい何だよその態度はよ!ちょっと面貸せ。
貸してもいいけど後で返せ!何だと!おらっ!おいどうした?ボウズ。
この野郎〜!
(洋子)大丈夫?ねえ。
ねえ。
大丈夫?フフフフフフフ。
あの世か…。
何言ってんの?痛っ。
イテテテテテ。
大丈夫?岡倉さん?イテテテテ…。
動かないで。
はい。
いぃ〜。
大丈夫。
ここお母さんの店?そう。
私この店手伝ってんの。
え…?女優になるのはやめたから。
劇団の研究生になったんだ…。
でもそこには才能のある人なんていっくらでもいてさ…。
それでも頑張ろうと思ったんだけどオーディションはちっとも受からないしお金は無くなるし…。
飛び込んだだけ偉いよ。
え?いや…おれなんて…芸大を受ける前にバイオリン諦めた。
諦めるなら早い方がいいよ。
そうかな…。
今大学生?うん。
あんまり行ってないけど。
あっ…。
フッ…フフフ。
ん?何か笑っちゃうぐらい駄目じゃん私たち。
あっ…。
そうだな。
はい。
うっ…あっ…。
(笑い声)バ〜カ。
フフフフ。
死ぬかと思った。
でもうまい!でしょ?会えてよかった。
何か…ちょっと元気出た。
おれも。
また会う?いつか…お互いに自分の道を見つけた頃にまた会おう!うん。
おっ!お〜!豪勢だな!お前らが来るからにはな。
さあ食ってくれよ!
(2人)頂きます!ほい。
うんうまい!うんうまいよ!おお。
でどうだった?地方巡業。
ああ。
楽しかったよ。
なあ?うん。
まあな…。
何しろ好きな事やって金もらえるんだ。
こんな最高な事はないや。
お前も来ればよかったのに。
まあ嫌な事だってあるよ。
どんな事?あるある。
あのマネージャーだけは許せねえ。
音楽の事だよ。
つまんない曲ばっかやらされてさ。
でもそれは分かってた事だろ?うん。
まあな。
いい経験にはなってるよ。
だったら頑張れよ。
おれはおれで頑張るよ。
チッ。
何を頑張るんだ?どこをどう頑張れってんだよ。
ん?どうした?おれに気ぃ遣って黙ってる事ないだろ。
ん?何…?え…言っていいのかよ?雑用しかやらされてないって。
えっ!?ああそうだよ!あんなくっだらないバンド。
お前だって…あんなチンケな店で頑張るなんて笑わせるぜ。
野沢さんが必死にやってる店だ。
そんな言い方すんな!2人とも…恵まれてるくせに文句ばっか言ってよ。
恵まれてる?そうだよ!おれより音楽の才能があるのに生かせないで何やってんだよ!古田はまだいいよ!佐野は何だ?バイオリンやめて居酒屋の店員か?マーちゃんビール1丁。
やんのかよ!ふざけるなこの野郎!お前こそふざけるなよ!謝れ!甘えんじゃねえ!やめろ!おい。
バイオリンは?質屋に入れたよ。
はあ?何でだよ?金なくてさ…。
どうせバイオリンやめたし持ってたって…。
じゃあこれ…バイオリン質に入れた金で…。
気にすんなよ。
でも…流す気はないんだろ?それも未練のような気がしてさいっそこのまま流れた方がいいのかもな。
(雅人)本当に申し訳ありません。
(宮下)まあまあ。
私の力の足りんばっかりにこげん安か値で先生の土地ば売る事になってしもうて。
ハハハ。
まああん土地はあの値段がよかとこじゃろう。
そそうでしょうか。
あんたはようやってくれた。
いや〜そう言って下さると…。
(2人)ありがとうございます。
時に…雅志の事じゃが…。
雅志がどげんかしましたか?バイオリンばやめたて…全くもったいなか事ばしたもんたい。
それはもう…。
わしはあん子に音楽の才能のあると思うとった。
ばってんわしの見込み違いじゃったとか…。
そいとも…。
え?そいとも…?いや…。
村尾って人。
ああどうも。
もしもし?佐野です。
(村尾)おうおれだ。
村尾工務店。
ああお久しぶりです。
よう。
悪いな急に。
ああいえ。
こっちも苦しいとこだったんで助かりました。
そうか。
ヘヘッ。
ちなみにあれからどうしてた?胸張って言えるような事は何もありません。
まあ焦るこたぁねえよ。
じっくりやんな。
はい。
頼んだよ。
チェスト買ってきました。
ああ!?おれが言ったのはチェロスターだよバカ!すいません。
使えねえやつだな。
演奏が下手なら雑用ぐらいちゃんとやれ!
(小声で)この野郎〜!何だ?やんのか?いえ…。
掃除しとけ。
(野沢)すまなかったな。
長い間。
あ…それで奥さんの実家の方はどうだったんですか?ああ…。
(秋江)こんにちは。
よう。
すいません今日は…。
(横山)いいだろ?ちょっと。
どこ行くんですか?ちょっと。
ちょっとってもうすぐ店開けますよ。
ちょっとだけやっててくれるか?えっおれ一人でですか?いや…。
何しに行くんですか?ちょっとな。
あの人たちだいぶ前から来てましたよね?何なんですか?いいから!ちょっとだけ。
バイト代弾むからさ!な?おいおにいちゃん。
ビール!ビールまだ?お代わり頂戴!はい。
焼きそばお待たせしました。
サンキューね!おいマーちゃん焼き鳥まだ?あっはいただいま!あとはビール2本追加ね!はいビール2本。
はい!ああ…。
すまなかったな。
何してたんですか?いやちょっと…。
ちゃんと答えて下さい。
あの人たちと何やってんですか?博打だよ。
え?かなり負けが込んでんだ…。
かみさんにも「やめとけ」ってさんざん言われたけど…。
奥さんは?おれの博打に愛想尽かして出ていったんだ。
じゃあやめるしかないじゃないですか!今回でやめようと思った。
これまでの分取り返してそれできっぱりやめるんだ…。
そう思ってたんだけどな…。
また負けたんですか。
バカだな…。
こんなに…。
忙しかったんだな。
これ…。
要りませんよ。
いいんだよ。
やめて下さい!あ〜困ったな。
(田島)どうした?休みのやつがけがしちまってよ。
えっ?このあと囲いやんなきゃいけねえのに。
あ…僕残ってやりますよ。
そんな事までやらせられるか。
いやいいんです。
やらせて下さい。
おう。
おい。
どうしちゃったんだ?あいつ。
さあ…。
(ため息)あ…。
よう。
おう。
どうした?ちょっとな…。
あ…こないだは…ごめんな。
おれも言い過ぎた。
ほれ。
えっ…?あっ…。
お前のだな?ああ…。
えっ…どうして?大事なもんだろ?いや…でもどうやって…。
おれ…ベース売ったんだ。
え…?何で?いやもう要らないから。
え?音楽なんてくだらないもん飽き飽きしたって事。
そんだけ。
うそだ。
おれ…。
お前や古田みたいになりたかった。
え?おれみたい?ああ。
音楽の世界でいっぱしの人間になって活躍したかった…。
なのに…音楽の世界のほんの隅っこに引っ掛かる事もできねえでやんの…。
しょうがねえよ。
好きなだけじゃ駄目なんだ。
才能がねえんだよ…。
お前らみたいな才能がおれにはねえんだよ!でも…おれだって…。
お前…本当に…諦めたのか?じゃあな。
(朔太郎)おい!おい!大丈夫か?おい!どうした!おい!力哉!力哉!
(力哉)何だよ?これは救急車か?ああ!雅志君!雅志君!
(古田)おう。
あ…どうして?下宿で聞いたんだ。
大丈夫か?ああ…。
検査した。
バイトで徹夜したから疲れてたんだろ。
一晩寝れば大丈夫だ。
こっちは大丈夫そうか。
ん?どうした?実は…樫山がいなくなった。
えっ?バンド勝手にやめて…。
じゃあ…あの時…。
お前に会いに行ったのか?バイオリンを…質屋から出してきてくれた。
え?自分のベースと引き換えに。
そうか…。
いろんなものにさよならしたんだな。
音楽にも…。
どうした?高校の時…楽しかったなあ。
みんなでバンドやってさあ…。
おれあれから何やってんだ…。
これからどこ行けばいいんだよ…。
音楽じゃないのか?音楽以外に何かあるか?ない…。
ないけど…おれの音楽って何だよ…。
(院内アナウンス)あ〜まずいな。
えっ?こりゃあんた肝炎だよ。
肝炎?即入院だな。
入院?え…あ…。
それで手術とかは…?えっ?肝炎?そう。
うん。
入院ばするとね…。
そいで?おれ…ここ退院したらしばらくそっちに帰ろうかな…。
そいがよかよ。
そっちで体治してもういっぺん…一からやり直そうと思う。
うん。
そげんせんね。
ああ。
帰ってこい!よかね…帰っても?当たり前たい。
ここはあんたのうちやなかね。
長崎はあんたのふるさとなんやけんいつでん帰ってきてよかよ。
み〜んな待っとるけん。
なあ!うん。
ありがとう…。
帰るけん…。
俺長崎に帰るけん…。
2015/08/01(土) 00:15〜01:00
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ ちゃんぽん食べたか(8)「さよなら青春の日々」[解][字][再]
人気歌手・さだまさしの自伝的小説をドラマ化。昭和40年代、天才バイオリン少年がさまざまな経験をしながら夢に挫折しやがて歌手としてデビューするまでを情緒豊かに描く
詳細情報
番組内容
雅志(菅田将暉)は居酒屋でアルバイトをすることに。程なくして店主・野沢(皆川猿時)が都合により休業してしまう。収入の無くなった雅志は、バイオリンを質入するまでに追い込まれる。帰ってきた野沢は実はギャンブルにはまり借金を作っていた。仕事を全て雅志に任せ、またばくちに出かける野沢。憤りの中で雅志は何かを吹っ切るように働く。一方、樫山(間宮祥太朗)がバンドを辞めてきたという。その手には質入したはずの…。
出演者
【出演】菅田将暉,本郷奏多,間宮祥太朗,森川葵,徳井優,皆川猿時,澤部佑,寺田農,西田尚美,遠藤憲一
原作・脚本
【原作】さだまさし,【脚本】尾崎将也
音楽
【音楽】渡辺俊幸
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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