土曜ワイド劇場「温泉若おかみの殺人推理」 2015.08.01


(殴る音)
(警笛)
(中川美奈)
石川県金沢市は北陸新幹線が開通し話題のスポットになっています
加賀百万石が栄えた城下町には歴史ある文化財があります
それに近海でとれる海の幸も豊富です
そこから車でおよそ1時間能登半島の中部に位置する和倉温泉に私が若おかみを務める観光旅館のと楽があります
海を望める絶景のロケーションが売りの私の自慢の宿です
ねえこの若田玲さんの原画展とサイン会半年前から決まってたのよ。
(中川新太郎)そうだよな。
そうでしょ?なのにお義母様ったら2カ月前になって同じ日程で次の人間国宝の先生の展示会を開催しますからって…。
本当にもう…。
お母さん勝手なんだよ。
でしょ?もう参っちゃう。
でもさ両方やるって事になっちゃったんだからさなんとか2人で…なっ?うまい事。
やるわようまい事。
やるわよ。
やってよ手止めないで。
ああごめんごめん…。
ちょっと…美奈ちゃん雑だなもう!本当にもう…。

(小百合)皆さん注目。
(仲居たち)はい。
(中川政子)皆さんもう聞いてると思いますけれどこれはのと楽始まって以来の画期的な大きな催しです。
(仲居たち)はい。
(政子)九谷焼の世界で次の人間国宝と言われる薮下先生の作品の展示即売会ですから。
(仲居たち)はい。
(小百合)薮下先生ってロマンスグレーのとっても素敵な紳士なんです。
ウフフ…。
そういう事はどうでもいいです。
あっはい…。
まあ素敵!
(小百合)まあ60万。
結構するのね。
(石川咲子)小百合さんゼロ1つ間違ってます。
えっ?一十百千万十万百万…。
600万!?そんなにするの?そのとおり!これはとても高価で希少な作品です。
皆さん取り扱いに気をつけてくださいよ。
はい!
(仲居たち)はい。
割ったりしたら一大事一大事一大事…。
(小百合)へえこっちはこんなふうになってるんだ。
小百合さん咲子さん。
若田玲代表作『巫女戦隊フェアリーズ』。
このシリーズ累計5000万部の大ヒット作ですよ。
えーっ!ご本人のサイン会もあります。
若田玲さんってネットでも評判になってる美女なんだよね。
(咲子)薮下先生の展示会と若田さんの展示会どっちにたくさんの人が集まるかこれ競争ですね。
同時に2つの展示会を開催するのは初めての事だから絶対こっちが勝つ!いよいよ嫁姑戦争勃発!勃発!ですよ。
一人でも多くの入場者を確保しますよ。
まあまあまあ…そうムキにならないの。
こういう時はね母さんに勝ちを譲って花を持たせるとかさ。
新ちゃんなんでそんな事言う…あっ!若田先生!
(若田玲)玲で結構です。
若おかみ今回はお世話になります。
こちらこそお世話になります。
あの『巫女戦隊』をイメージしてこんなふうに展示してみました。
いかがでしょうか?へえ〜…なかなかいいと思います。
あっよかった。
紹介して。
あの夫の中川新太郎です。
若田先生だ…大ファンです。
あのよろしくお願いします!こちらこそ。
薮下先生お着きです!はいすぐ行きます!いってらっしゃい。
新ちゃんも!もうほら。
いけねえ俺も時間だよ。
(政子)先生ご無沙汰しております。
(薮下弘敏)大おかみもお元気そうで。
おかげさまで。
奥様はじめまして。
大おかみの政子でございます。
若おかみの美奈です。
(塚本久)薮下先生の作品を扱わせて頂いておりますこういう者です。
塚本画廊の塚本様…。
存じ上げております。
金沢で塚本様を知らぬ人はおりませんもの。
嬉しい事をおっしゃいます。
さあどうぞ。
どうぞ。
(薮下早苗)あっ駄目!
(早苗)この作品とこれを並べたら個性の殺し合いじゃない!塚本さんあなた指示を徹底してくれないと。
(塚本)いや私も忙しい身でして…。
この水差しと香炉入れ替えて。
(玲)薮下先生ですね?若田玲です。
ああ…。
お噂はかねがね聞いていますよ。
申し訳ありません。
子供向けの漫画と先生の作品一緒に並べたりして。
そんなお義母様…。
いやいやいや…。
若田さんの作品は能登の町おこしの大きな力になっているようでご一緒出来て光栄です。
こちらこそ。
(早苗)気をつけてください。
ご無沙汰していますお母さん。
お母さん…?お母さん?会うのは25年ぶりですね。
せっかくだからこの展示会の間にぜひ聞かせてくださいね。
どうしてあの時私と父を捨てたのか。
私あなたの事許していませんから。

(薮下)いやあ驚いたね。
あんな切り出し方をされるとは。
変わってないわ。
小さい頃から我の強い子だった。
どういう事情があるのか気になったでしょう?いえそんな…。
ハハハ…。
実はね若おかみ私とこの早苗とは再婚同士なんだよ。
はあ…。
早苗と前のご主人との間に生まれた子供がさっきの若田玲さんなんだ。
そうなんですか…。
でも気にしないで。
別に込み入った事情なんてないから。
はい…。
あなたどうして塚本さんなんか連れてきたの?彼はそばに置いておくべきじゃないわ。
人格下劣よ。
ハハハ…相変わらず辛辣だな。
この奥さんはね私の創作活動を支えてくれているプロデューサーみたいなもんなんだ。
だからね私も逆らえないんだよ。
ハハハ…。
込み入った事情のにおいがプンプンする…。
無事開催出来ますように。
(塚本)どうです?うちの画廊で若田先生の原画を販売させてもらえませんかね?損はさせませんから。
申し訳ありませんがそれは出来ないんです。
失礼します。
(舌打ち)
(沢井雄一)見たんだ。
あんたが揉み合ってるとこをな。
知らん。
なんの話か…。
ええ?証拠を見せようか?
(玲)おはようございます。
あっおはようございます。
お散歩ですか?まだ6時半ですよ。
七尾の魚市場を取材していたんです。
へえ。
いいですか?うわ〜さすがですね。
素敵。
若おかみも朝から大変ですね。
ああ…いいえ。
この海はのと楽の一番の眺めですからね。
きれいにしとかないと。
私手伝いますね。
えっ?いやいやそんな…お客様にそんな…。
大丈夫です。
えーっ!いよいよだわね。
いよいよです。
大おかみVS若おかみ。
勝負です。
おっと大きく出たわね。
あっはい。
今回はとことん勝ちにこだわっていきたいと思ってます。
あなたごときじゃ勝負にならないわ。

(政子)まああんなに!薮下先生すごい人気ですね。
ええ。
若田玲さんは?ええっ!?あらあっちは誰もいない。
そんな…。
(小百合)皆様お待たせ致しました。
展示会これよりオープン致します。
(咲子)順番にお進みください。
あっ…一緒の列だったんですね。
あっそう。
まあお久しぶりでございます。
この度はどうもおめでとうございます。
ありがとうございます。
(男性)ぜひうちのコレクションに…。
サインお願いします!はい。
(女性)ありがとうございます。
(玲)ありがとうございます。
先生お願いします。
最新刊初版で買いました。
ありがとうございます。
お願いします。
大盛況!よかった。
若田さんって意外と人気あるのね。
見直したわ。
大おかみの評価ゲット?よし!
(携帯電話)はいはいはい…。
(携帯電話)新ちゃん。
はいはい。
どうしたの?忘れ物?「今通報があってね」通漁港で死体が発見されたそうだ。
それがどうやら美術商の塚本さんらしいんだよ!えっ!?
(パトカーのサイレン)ご苦労さまです。
(野村優奈)お疲れさまです。
(殿山警部)ご苦労さん。
どうだい?
(野村)腹部を鋭利な刃物で刺されてます。
死因は失血死かと。
死亡推定時刻は?
(野村)今朝の6時から7時の間だと思われます。
財布は残されてるが携帯が消えてるな。
顔見知りの犯行か…。
怨恨の線が強いかと…。
うわっビックリした!美奈来てたのか。
関係者以外は立ち入り禁止ですよ。
いいんだいいんだ。
のと楽の若おかみで新太郎のかみさんだよ。
失礼しました。
先月和倉署に配属になった野村です。
はいお噂は夫の新太郎から伺ってます。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
塚本久。
ゆうべのと楽に宿泊したんだってね?はい。
金沢の美術商の方です。
うちで展示会開催中の九谷焼の薮下弘敏先生と奥様の早苗さんといらっしゃいました。
展示会の初日にこんな事件が起きるとはな。
信じられない。
うん…。
じゃあ。
(カメラのシャッター音)あっあの方もうちのお客様…。
塚本君との付き合いは30年近くなりますかね。
私の作品はほとんど彼の画廊が取り扱ってましたから。
いやあまさかこんな事になろうとはね。
つまり薮下さんにとって塚本さんは右腕のような存在だったんですね。
ええ。
主人の今日があるのは塚本さんのおかげです。
塚本さんが誰かに恨まれてたような事は?それはなかったと思うが…。
これは関係者の方皆さんにお聞きするんですが今朝6時から7時の間どちらにいらっしゃいましたか?私も妻もずっとこの宿にいました。
(政子)殿山さん。
はい。
殿山さん小百合がねゆうべ塚本さんがここにいるのを見たんですって。
ここで?お一人でしたか?いいえ。
若田玲さんとご一緒でした。
若田玲さん?ご主人刑事さんだったんですか?私てっきり旅館の方だと…。
えへへへ…。
大おかみからはさっさと旅館を継ぎなさいって言われてるんですけどね本人は本部長賞を狙ってるんです。
もう夢はでっかくですよ。
何が夢はでっかくだ。
若田さん。
はい。
昨日塚本さんと何かお話しをされてましたね。
確か初対面だったんでしょう?はい。
この原画の販売について相談があると言われて…。
確かに先生は次の人間国宝と言われていますがここだけの話九谷の作家としての旬は過ぎてるんですよ。
どうです?うちの画廊で若田先生の原画を販売させてもらえませんかね?そんな事を?それであなたはなんとおっしゃったんです?はい。
私の原画は出版社に全てお任せしてあるんです。
ですからご期待には添えませんと申し上げて部屋に帰りました。
なるほど。
今朝6時から7時の間どこにいましたかね?6時ごろから七尾の町を取材していました。
私玲さんと遊歩道でお会いしてます。
(美奈の声)確か6時半でした。
そうですか。
いやどうもお時間を取りましてすいません。
玲先生!あの〜…。
ああ…聖地巡礼の写真ですね。
お預かりしましょうね。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
あっツインブリッジだ。
貼っておきますね。
聖地巡礼?ファンの人たちがね漫画の舞台となった観光地を漫画のキャラクターと同じように旅をして歩くのを聖地巡礼って言うんですよ。
記念に撮った写真を皆さんこうして持ち寄ってくださるんで原画の下に貼るようにしてるんですよ。
ありがたいです。
私の作った物語の世界を大切にしてくださって。
なるほど。
あっこれ殺害現場となった通漁港だな。
薮下先生が旬を過ぎたなんてそんな事言ったんですか?塚本さん。
ねえ警部こうは考えられませんかね?原画の販売を断られて根に持った塚本さんは若田玲さんといさかいになった。
それで若田玲さんが塚本さんを殺害した。
それはない。
玲さんは6時半まで七尾の市場にいたの。
七尾の市場と殺人現場の通漁港とは逆方向だよね。
死亡推定時刻は6時から7時の間。
6時半にうちの宿に戻ってたって事は若田さんに犯行は不可能ですね。
警部さっき奥様の早苗さんは今日の主人があるのは塚本さんのおかげだっておっしゃってましたけど夫婦の部屋では違う事を…。
彼はそばに置いておくべきじゃないわ。
人格下劣よ。
塚本さんの事を人格下劣だって。
もしかしたら2人の間に何か揉め事があって早苗さんがエイッて…。
美奈さん!なんて事言うんですか。
お客様を安易に疑うなんてとんでもない事です。
それが若おかみとしての態度ですか?申し訳ありません。
(小百合)大おかみ〜!また…。
(小百合)大おかみ…!大おかみ…!何?どうしたの?ろろろ…600万が…。
えっ?なくなったんです!600万が!!えっ!?えっ!?ありませんお義母様。
まさか…。
どうかしたんですか?お茶碗が盗まれたのよ〜!盗まれた!?シーッ!皆さん落ち着いてください。
皆さん冷静に!大丈夫ですから。
(政子)皆様申し訳ございません。
このスペースはいったん閉鎖させて頂きます。
申し訳ございません。
美奈さんお客様を外にお連れして。
あの…私に続いてください。
どうぞ皆さんこちらに。
ご退室お願い致します。
いったんこちらまでお願いします。
(玲)どうかしたんですか?あの…薮下先生の作品がね消えちゃったんです。
えっ?申し訳ございません。
消えた九谷焼のお茶碗はこれです。
皆さん手分けをして探してください。
お客様のお荷物を改めるんですか?はいもちろん。
いけません!若おかみ600万のお茶碗がなくなったんですよ!私たちがお客様を信用しないでどうするんですか!そうです!これは盗難ではありません。
アクシデントです。
さあ探してください。
(一同)はい!
(ため息)本当にこんな事になってしまってなんとお詫び申し上げていいか…。
このまま茶碗が出てこなかったらどう責任を取るつもりなんだ?あなた展示会場に警備スタッフを用意しなかった私たちにも責任があります。
うちの管理が甘かったんです。
もしもお茶碗が出てこないような事がありましたら私どものほうで弁償させて頂きます。
無論もう一度全力で探しますけれども…。
問題は今後展示会をどうするかだわ。
はい。
なんとかお詫びして展示会を続ける事は納得してもらったそうよ。
そっか。
警備さんはねそれぞれの会場に配置する事にしたの。
ふーん。
ねえ。
ん?塚本さん殺しの進展あった?ああ…現場付近で不審な人物を見かけなかったか聞き込みしてんだけど今のところはまだ。
(携帯電話)そうなんだ。
(携帯電話)はい中川です。
「新太郎」ちょっと気になる事実が判明した。
そっちで原画展をやってる若田玲さんの父親が半年前に金沢の浅野川で死体となって発見されているそうだ。
ええっ!?どうやら何者かに殺害されたらしい。
殺害…。
ねえねえちょっと…。
早く!ねえわざわざ金沢まで行く必要あるの?なんでそう消極的なの!本部長賞取りたいんでしょ?うん。
(野村)中川さん!おはようございます。
若田玲さんの父親の件で早速金沢行かれるんですね。
さすがです!運転します。
キーください。
あっはい。
君行くの?はい。
だったら俺も行こうかな。
「だったら」なの?主体性ゼロ!だったら私も行く!若田玲さんのお父さんね昔薮下先生の弟子だったそうだ。
えっ?じゃあ玲さんのお父さんも九谷焼の職人さんだったの?そう。
ちょうど…この辺り。
この辺りで死体が見つかったらしい。
溺死?ううん。
解剖の結果肺に水は入ってなかったそうだ。
頭蓋骨陥没の痕があった。
それで事件性ありとみたのね。
金沢中央署は殺人事件とみて捜査をしている。
だけどね物証に乏しくてこれといった手掛かりつかめてないみたい。
ねえ玲さん展示会場で男の人の写真置いてたじゃない。
あ…。
あれ亡くなられたお父様だったんだ。
うん…。
いやだけどさこのヤマと塚本殺し繋がりないんじゃないの?もう帰ろうよ。
新ちゃんなんでそうなの…。
中川さん!頂いてきました。
えっ何を?若田さんが亡くなった夜この近所に設置されていた防犯カメラに映っていた不審な人物の写真です。
(新太郎・美奈)ええっ!よく金沢中央署出してくれたな。
精いっぱいお願いしたんです。
あっそう。
はい。
新ちゃんちょっと…。
ねえ野村刑事おっとりしてるように見えるけど結構ガッツあるわよ。
しっかりしないと手柄持ってかれちゃうから。
負けないよあんな新人に。
しっかりしてよ。
いつも素敵なお着物ですよね。
えっ?あっそう?ありがとう。
いいですよね体形が隠れるから。
つまり私の体形は隠さなきゃいけないって事?ねえもはや彼女はおっとりなんかしてないわよ。
言いにくい事をはっきり言うタイプよ。
ちょっと聞いてる?新…。
あーっ!何!?この人塚本さんが殺された事件現場にいた!うちのお客様。
本当?本当。
えー…。
ごめんね。
あっゆうかちゃん。
ねえ。
沢井さんっていうお客様見なかった?沢井様?あちらのラウンジにいらっしゃいました。
そう。
ありがとう。
沢井さんですね?なんです?和倉署の中川です。
ちょっとお聞きしたい事があります。
仕事中。
ネットニュースの記者なんだそうですね。
そう。
だから今も原稿書いてるでしょう。
あなた半年前の12月の3日夜10時ごろ金沢市の浅野川付近にいましたよね?そんな前の事覚えてるわけないでしょう。
失礼します。
その夜この若田竜二さんが浅野川で…。
遺体で発見されました。
その現場近くの防犯カメラに映っていた映像がこれです。
これあなたですよね?そうですね。
失礼します。
署までご同行願います。
あなたはこの晩この場所で一体何をされてたんですか?塚本久という男を追いかけていたんです。
塚本って金沢の美術商のですか?ああ。
昨日の朝殺された男だ。
じゃあ事件のあった夜塚本も浅野川付近にいたって事ですか?ああそうだよ。
なんのために追いかけていたんです?俺はジャーナリストですよ。
取材に決まってるでしょう。
それは一体どういう内容なんですか?取材内容は簡単に答えられませんねえ!ちゃんと答えろよ!新太郎やめておけ。
塚本さんと会ってどうされたんです?話はしていない。
俺は見失ったんだ塚本を。
見失ったって…。
(沢井の声)だからそのままオフィスに帰った。
では一昨日の事について話してください。
あなたがその塚本と言い争っていたという仲居の目撃証言があるんです。
いさかいの原因はなんですか?取材上の秘密だと言ってるだろ。
ここに泊まっていきたいのならいつまでも黙っててもいいんですよ。
いいんですよ。
わかったよ。
教えてやるよ。
俺はあの薮下大先生に関するスキャンダルをつかんでいた。
それをネットに流すと言ったら塚本は怒り出したんだ。
どんなスキャンダルを?あのじいさんにやり手の女房がついてるだろ?あれは昔自分の弟子から寝取った女なんだよ。
寝取った…?そう。
やり手の女房?それって早苗さんの事でしょ。
ああ。
薮下先生は弟子の若田さんの腕に嫉妬して若田さんを潰したいと思ってた。
それで早苗さんを奪ったって言うんだよ。
うわあ…九谷の世界の秘めたドロドロ劇!はあ〜…あれ?あれ?でもだとしたら…。
どうしてあの時私と父を捨てたのか。
私あなたの事許していませんから。
薮下先生が早苗さんを奪った事を娘の玲さんは恨みに思ってるって事?うーん…そこはまだよくわかんない。
ただねどうして沢井が25年も前のスキャンダルに飛びついたかだ。
え?新ちゃんそこは簡単じゃない?すごく。
ええ?何?若田玲は超有名な漫画家。
うんうんうん。
その彼女の両親のスキャンダル。
これ記事としてすごく美味しいでしょ。
そうだよね!あっそうだよ!うんそうだ。
あっだけどね沢井が言うには亡くなる前の若田さんと薮下早苗はよりが戻ってたかもしれないって。
えっ!?よりが戻ってたかも?うん。
ちょっと待って。
という事は薮下さんは若田さんを殺す動機があった…。
(2人)ええーっ!ちょっ…薮下先生は九谷の世界の大物だぞ。
そうよ。
次の人間国宝。
その人が殺人犯?ああもう!こんな事してらんないじゃん。
大変だ!ああちょっとちょっと…美奈ちゃんストップ。
妄想はそこまで。
あっ妄想だよね。
ねえ妄想だよ。
そうそう。
でも…。
熱い!ここ。
ああ…。
(ため息)疲れてるようね。
塚本君はあんな事になるし茶碗はなくなる。
まったく何がどうなってんだか。
明日気分転換にでも出かけてみる?
(早苗)おはようございます。
(従業員)おはようございます。
私たちちょっと出かけてきますね。
(仲居)はいかしこまりました。
いいお天気でよかったわね。
(薮下)ああ。
じゃあ行ってくる。
いってらっしゃいまし。
あの2人怪しい。
どこへ行くんだろ?確かめなきゃ。
あっ!ビックリする事ないでしょ。
何をしてるの?えっ…掃除を…。
まだねお茶碗は見つかっていないんですよ。
はいそうですね。
はい。
ああ…。
(薮下)いやあ思いきって出かけてきてよかったねえ。
(早苗)私お手洗い行ってきます。
ここに居てくださいます?
(薮下)うん。
いやあいい眺めだなあ。
あっ…。
あっああっ…!あなた?あなた?あっ!ちょっ…!
(早苗)あなた!
(早苗)あなた!ねえ…。
本当に病院に行かなくてよろしいんですか?まあ軽くくじいただけだからね。
どうしてもうこうやって次から次へと…。
失礼します。
新太郎!だから警察沙汰にする気はないって言ってるだろう。
いいえ。
薮下さんとそれから奥さんにもう一度お話を伺いたいんです。
何?先生そのお怪我ご自分で足を滑らせたとおっしゃったそうですが先生が落ちた直後崖付近から女性が走り去るのを観光客が目撃しているんです。
本当は突き落とされたんじゃないですか?違うね。
私の不注意だ。
奥様はその女性をご覧にはなりませんでしたか?私は主人のほうに気を取られていましたので。
では薮下先生最近誰かに恨まれていたというような事は…。
だからないよそんなもの!いやしかし展示会場にあった茶碗も紛失しましたよね?誰か先生を敵視する人物が…。
ありえん!そんな事なら失礼する。
待ってください。
塚本さんが殺されて以降先生の周囲で不審な事件が続いています。
それに半年前には奥さんの別れたご主人が殺害されています。
我々としては見過ごす事は出来ません。
君たちは何が聞きたいんだ!先生と奥様に関する事です。
確かお二人は25年前に再婚されたんですよね?ああ。
実は薮下先生は奥さんの前のご主人の若田さんの才能に嫉妬し若田さんを潰すために奥さんを寝取ったという噂を聞いたんですが。
なんだと!?冗談じゃない!
(薮下)私はそんな卑劣な男ではない。
わかった。
ではきちんと話をしよう。
確かに若田君は私の弟子の一人だった。
ただ「居眠りの竜」と言われていてなかなか才能が花開かなくてね。
(若田竜二)駄目だ。
駄目だ。
駄目だこんなんじゃ!この野郎何すんだよ!もっとちゃんとした絵付けしろよ!
(薮下)いくぶん破滅的な傾向もあってね。
揉め事を起こしたのも1度や2度ではなかった。
その尻ぬぐいを全部早苗がやっていたんだ。
悩んでいるこれを見ているうちに私は年甲斐もなく惚れ込んだというわけで。
確か当時先生も家庭がおありでしたよね?ああ。
でも私たちの夫婦関係はもう冷え切っていたんだ。
だから若田君と話し合って早苗と離婚してもらう事に承諾してもらったんだ。
これが事実だ。
もういいだろう。
じゃあ失礼する。
玲さん。
もし本当に薮下先生が父の才能を潰す目的で母を父から奪ったんだとして母はどう思ってたんでしょう?やっぱり父が潰れればいいと?そうとは限らないと思いますよ。
お母様にはお母様の事情があったんじゃないでしょうか。
なんだかやりきれないな。
私ますます母が嫌いになりそう。
私たち親子3人仲よく暮らしていた頃よくこの海岸へ来たんです。
ああ気持ちいいなあ。
おい玲UFOなんか飛んでないじゃないか。
いいの。
あれはUFOの島なの。
あっUFOの島だったのか。
ちょっとじゃあここにさお父さん描いていいか?駄目。
じゃあUFOの中に…。
やめてやめて…。
父はうちではいつも穏やかだったから破滅的な人だなんて全く思いませんでした。
でもあの日…。
お母さんどこ行くの?行っちゃ嫌!お母さん行かないで!お母さん!行かないでーっ!お母さん!お母さん!お母さーん!母が家を出て行ってからは父もみるみる元気がなくなって。
ただい…。
(いびき)そのうち私を置いたまま能登を出て行ってしまって。
陶芸の世界からも姿を消したんです。
じゃあそのあとは玲さんお一人で?幸い私には東京に叔母がいて引き取って育ててくれました。
美大にも進学させてもらって。
いろいろ大変だったんでしょうねえ。
でもこんなに立派な漫画家になられて。
尊敬します。
いえデビュー出来たのは本当にツイてただけです。
ただ嬉しかったのは漫画のおかげで父と再会出来た事です。
1年前父と偶然ここで会ったんです。
私がスケッチをしていたら…。
お父さん?お父さん!玲…。
お父さん…。
お父さん…うう…。
(玲の声)24年ぶりでした。
父は随分老けてやつれてて…。
(若田)本当にすまなかった。
お前一人を置き去りにして。
ううん。
早苗がいなくなって生きる気力がなくなった。
能登を出て全国を放浪した。
けどな…どうしても家族で過ごしたこの能登が忘れられなくて。
俺にはやっぱりここしかない…。
(せき込み)大丈夫?ねえお父さん私と一緒に暮らさない?私ね金沢に仕事場があるの。
お前に迷惑はかけられないよ。
ずっと一緒にいたいの!もうどこにも行かないで。
ねえお父さん…。
それで2人一緒に暮らす事になったんですか?ええ。
父はまた焼き物をやる気になってたんです。
なのにたった半年であんな事に。
早すぎます。
悲しすぎる。
玲さん…。

(仲居)咲子さん403号室に水割りセットお願いします。
わかりました。
(仲居)お願いします。
あなた!咲子さんを見たわ。
もしかしてあなた知ってたの!?彼女がこの宿で働いてる事。
どうして黙ってたの!?これは私の問題だ。
君には…。
私にだって関係あるわ!
(沢井)来いよ!
(咲子)痛い!
(沢井)なんで出しゃばったまねをしたんだ?だって許せなかったから。
図面を引くのは俺だと言ってあったろうが。
でも…。
今でかい金が入るかどうかギリギリのところなんだ。
下手な動きをするんじゃねえ馬鹿野郎が。
あの…どうかなさいましたか?ええ…いや失礼しました。
沢井さん?お料理の事で少し苦情を頂いたんです。
それだけですから。
(鐘)ねえあの島行ってみよう。
(男性)ああいいね。
(女性)ねえ早く早く。
ちょっと待って!足元危ないって。
何?あれ。
キャーッ!
(パトカーのサイレン)おうご苦労さん。
死因は左腹部を鋭利な刃物で刺された事による失血死です。
塚本氏と同じ手口だなあ。
死亡推定時刻は?今朝の6時から8時の間です。
ああ…。
警部!薮下夫妻並びに若田玲のアリバイ確認してきました。
夫妻は2人とも犯行時刻のと楽内にいたと供述してます。
若田玲さんも同じです。
それに3人とも沢井とは面識がなかったって言ってます。
そう。
最初に殺された塚本は薮下の右腕だったが薮下に見切りをつけようとしていた。
一方この沢井のほうは薮下が公にされたくない25年前のスキャンダルをつかんでいた。
つまり薮下はこの2つの殺しの双方に関わっているという事になる。
ええ。
その上半年前には薮下の弟子の若田さんが殺されてます。
やっぱり薮下が怪しいですよ。
しかし薮下自身も巌門で何者かに襲われてます。
薮下以外に犯人がいるとみたほうがいいんじゃないでしょうか。
薮下が怪しいの!推理に矛盾があります。
かわいくないな。
捜査にかわいらしさが必要ですか!?必要ありません。
ちょっとやめろよ。
沢井の身辺を徹底的に洗うんだ。
必ず何か出る。
はい。
新太郎野村と一緒に金沢へ飛べ。
ケンカするんじゃないぞ。
はい。
はい!おお。
あいつ先々月外車購入してるなあ。
中川さん見てください。
ん?これ相当すると思いますよ。
そうなの?知らないんですか?ネットニュースの記者ってそんなに儲かるのか?これも怪しいなあ。
おいこれって…!確かにこの突き飛ばされているのは若田竜二さんだな。
「突き飛ばしたのは塚本です」「写真の様子から見て若田さんは突き飛ばされて頭部を強打したものかと」これで若田さん殺しは塚本の犯行と決まりですね。
ああ十中八九な。

(会場のBGM)ありがと。
(男の子)ありがとうございます。
(玲)こんにちは。
どうもありがとうございました。
お気をつけて。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ああ…展示会終了。
やっと終わったわねえ。
お疲れさまでございました。
お疲れさま。
本当に…。
(2人のため息)おかげさまで本当にいい展示会になりました。
改めて御礼申し上げます。
まあいろいろあったがこれもいい経験だったと思おう。
あの…。
紛失したお茶碗につきましてはまた改めてお宅にお伺いしてお話をさせて頂きます。
さあ引き上げるか。
(早苗)はい。
ちょっと待ってください。
最後にこれを見てやってください。
半年前父が焼いたものです。
父は私と同居するようになってもう一度焼き物に取り組む気になってたんです。
おっみんな頑張ってるな。
玲甘いもの買ってきたぞ。
ちょっと休憩したらどうだ?ありがとう。
みんなおやつにしよう。
(若田)どうぞどうぞ皆さん。
(アシスタントたち)ありがとうございます。
はいどうぞ。

(玲の声)生きていればまだまだ精力的に作品が作れたんです。
なのにあんな目に…。
どんなに無念だったか。
そんな事は私らには関係ない。
行くぞ。
そもそもこうなったのは25年前にあなたが父を捨てたからじゃないんですか?謝ってください。
悪いと思うなら父に謝って!せめてそれぐらい…。
憎みたいだけ憎みなさい。
それを糧にして前に進みなさい。
(早苗)行きましょう。
お気持ちお察しします。
早苗さんには早苗さんの葛藤があるんじゃないでしょうか。
子供と離れて平気な親なんていないと思います。
そうですとも。
いいえ。
あの人はただ無関心なだけです。
私と父の事なんて興味がないんです。
お世話になりました。
能登には多分もう来ません。
玲さん…。
私覚悟決めました。
これからは一人で生きていくって。
じゃあ失礼します。
このままでいいんでしょうか?早苗さんと玲さん。
親子なのにあんなふうにこじれたままで。
玲さん本当はお母さんの優しい言葉を聞きたくて能登に来たのかもしれないわね。
ええ。
心の中でずっと待ってた。
待ってたからこそ気持ちとは裏腹にあんな言い方をしちゃったんだと思います。
好きな人に好きって言うだけじゃないから人は。
なんとかならないかしらねえ。
(政子)美奈さん。
…はい。
新太郎今日は金沢泊まりですって?はい。
だったら着替えでも持って向こうで美味しいものでも食べてらっしゃい。
えっ?こうやってそこそこあなたと仲良く出来る事感謝しなければいけないかもしれない。
じゃああとよろしく。
夢?夢じゃない…。
ミラクル〜!ないわ。
こんなとこにあるわけないじゃない。
600万…。
(ため息)新…。
(野村)ダメでした。
(野村)うわ〜美味しそう。
ありがとうございます。
食べて食べて。
いただきまーす。
うん美味しい!ん…若おかみ。
すごいなこれ。
いいのかな?こんな贅沢しちゃって。
仲よさそうでしたね。
いい感じだった。
捜査の相棒ですもんね。
あれ?美奈ちゃん妬いてるの?妬いてない。
全然モテない旦那よりはいいかなって。
はい。
あのねそんなんじゃないって。
もう美奈の言うとおりあいつ結構言う事言うしさ俺なんか押されっぱなしなんだよ。
押されてるの?やだもう新ちゃん頑張ってよ。
ねえ若田さんを殺した犯人が塚本さんだったなんて驚いた。
ああ。
でもこれで塚本殺しのホシの目星もついた。
そうなの?うん。
中川刑事推理をどうぞ。
よし。
沢井のパソコンには盗み撮りをした感じの写真がたくさん保存してあったんだ。
でその中に塚本が若田さんを殺す現場の写真もあった。
えっ?沢井はその写真を使って塚本を強請ろうとしてたんだと思う。
で結局塚本は金を払う事にしたのかな?翌朝通漁港で沢井と待ち合わせをした。
けれどそこでなんらかのトラブルがあって沢井が…。
あっあっあっ…。
うわーっ!
(刺す音)塚本を刺した。
お見事。
新ちゃんなかなかいい線いってんじゃないの?どうぞどうぞ。
俺ってやれば出来る子なの。
ねえ。
ねえねえそれでさその沢井さんを殺したのは誰?わかんない。
そうね…。
美奈ちゃんわかる?私もね全然わかんないの。
やっぱり。
でもね昨日の夜ねその沢井さんとうちの仲居の咲子さんが2人で会って話してたんだよね。
どうも気になるんだよね。
昨日の夜?うん。
確かに気になるなあ。
でしょ?ねえ美奈ちゃんその咲子さんの事調べてみてくれないかな?私が?うん。
えっ調べていいの?了解!
(小百合)ちょっとゆうかちゃん。
これ並べ方が違うわよほらほら。
なんで手前に来るわけ?おはようございます。
(一同)おはようございます。
ねえ小百合さん咲子さんは?それが昨日からお休みで連絡もないんですよ。
えっ?もうね困ったもんで…。
(小百合)ちょっとこぼさないでよ。
えっ本当にこの男だったんですか?ああ間違いない。
あそこで話してたよ。
おたくの仲居さんと一緒だった。
えっ!?咲子さん?
(ノック)咲子さん?咲子さん?入るわよ。
どこ行ったの?咲子さん?咲子さんいる?さ…。
新ちゃん…。
おい咲子さんは?ビックリした…いない。
おい美奈大変だよ。
沢井が殺された日の朝咲子さんが沢井と会っていたのが目撃されてるんだ。
えっ!?えっどういう事?これ…。
あっ!薮下先生?うん。
咲子さん?
(2人)えっ!?どういう事?
(早苗)主人は病院に出かけてるんですよ。
どこか具合でも?くじいた足首に痛みが出たようで。
そうですか…。
早速ですが奥さん実はうちで働いている仲居がこんな写真を持ってたんですが…。
これ以上黙っていられないわね。
(早苗)この女の子は石川咲子さんで主人の娘です。
(早苗)こちらの方が主人の前の奥様です。
咲子さんは前の奥様と主人との間に生まれたお嬢さんです。
殺された沢井さんとも私たち夫婦は面識がありました。
詳しく聞かせてもらえますか?8カ月ほど前です。
沢井さんがうちを訪ねてきたんです。
(薮下)咲子の代理人?
(沢井)ええちょっとした知り合いでしてね。
彼女の母親つまりあなたの昔の奥さんが肺がんなのはご存じですよね?先進治療をしないと危ないと言われている。
しかしそれを咲子さんがあなたに訴えてもあなたは無視している。
ちょっとひどいんじゃありませんか?
(沢井)あんまりなんで僕がこうして出てきたんですよ。
(薮下)治療費なんか出す必要はない。
大体どこまで本当かわからんじゃないか。
あなたの前の奥様の事なのよ。
何かあったらどうするの?いいわ。
私が確かめてくる。
薮下早苗と申します。
人の不幸を笑いに来たんですか?
(沢井)おい。
わざわざ来てくれたんだぞ。
言葉に気をつけろ。
(早苗の声)確かに咲子さんのお母様は深刻な状態でした。
だから薮下と話し合いこの半年間で治療費として合わせて1千万円のお金を石川さんにお支払いしました。
そうだったんですか…。
咲子さんが薮下先生の娘さんで1千万受け取ってたなんてビックリ。
ところがこの話一枚裏があるんだよ。
えっ何?早苗さんは沢井の指示に従って沢井の口座に金を振り込んだ。
ところが病院に行って確かめたけどその金が治療費として支払われた形跡がないんだよ。
えっなんで?咲子さんの母親は先進治療を受けないまま2カ月前に亡くなってる。
どういう事?あっちょっとあれ見て見て…。
調べたよ。
そしたら…。
そしたら?沢井はこの半年の間に高級外車とブランド品をバンバン購入してたんだよ。
まさか…。
あいつはね支払われた治療費を咲子さんに渡さずに着服してたんだよ。
そんなひどすぎる!まったくあくどい事やってくれたもんだよな。
待って待って。
咲子さんが沢井さんが1千万を使い込んだ事を知ってたとしたら?うん。
咲子さんには沢井殺しのはっきりとした動機がある事になる。
咲子さん恨みのあまり沢井さんを…。
うっ!
(刺す音)ああ…うう…。
その確率高いなあ。
とにかく咲子さんの行方捜してみるよ。
(魚の焼ける音)あっ…。
ちょっとすいません。
はいはい。
この女性見かけませんでしたかね?いやちょっと…。
あっすいません。
ちょっとお聞きしたいんですけども…。
(野村)すいません。
ちょっとお聞きしたいんですがこの辺りでこの女性見かけませんでしたか?
(女性)見てないです。
あっそうですか。
わかりました。
ありがとうございます。
すいません。
(野村)中川さん。
見かけた人いませんでした。
ああそう…。
わかった行こう。
咲子さんがいそうなところ誰か心当たりありませんか?いいえ。
あ〜あ仕事仲間に殺人の容疑がかかるなんてなんか悲しいわね。
ああ美味しかった。
ごちそうさま。
小百合さんもしかしてひょっとしてこれ…。
これですか?これ消えた茶碗でしょ?薮下先生の作品!まさか…。
ほら!これ!
(小百合)えっこれが600万!?そう!600…ああーっ!はあ…ああ…。
大おかみ!
(小百合)大おかみ!大おかみ…。
人の部屋に入る時は一声かけてから入るもんです。
ありました。
ありました。
薮下先生のお茶碗。
先生のお茶碗。
えっ…。
これよ…これだわ。
600万戻りました。
戻りました。
よかったわ。
はい。
でどこにあったの?従業員食堂です。
どおりで美味しいお茶漬けだと思いました。
誰が見つけたの?私です。
あっ…私が盗んだんじゃありません。
あの置いてあったんです。
(小百合)従業員食堂のポットの横にこのお茶碗がちょこんと。
おかしいですよね。
展示会場から消えたお茶碗が食堂にあるなんて…。
一体誰がなんのために?まあいいじゃない見つかったんだから。
薮下先生にすぐにお知らせして。
はいすぐに。
(小百合)はい!はいはい…。

(早苗)あなた。
ああ…。
(薮下)間違いない私の作だ。
わざわざありがとう。
いえ…。
大事な作品を紛失してしまうなんて本当に申し訳ございませんでした。
どうぞ。
失礼します。
素晴らしいですね。
あの…自分でもお節介だなと思うんですけど…。
何かしら?はい。
早苗さんは25年前事情があって玲さんと離れられました。
ですが玲さんにとっては今も大事なお母様です。
玲さんお父様を亡くされてとても参ってます。
一人で生きていく覚悟をしたっておっしゃってましたけど本当は寂しくて仕方がないんだと思うんです。
一緒に玲さんに会いに行ってみませんか?あっここですね。
ごめんください。

(玲)少し休憩しましょう。
(アシスタントたち)はい。
締め切りが迫っているんであまり時間は取れませんが。
はいすいません。
ああ…。
(玲)触らないで!
(玲)大事な資料なので触らないでください。
すいません。
でなんですか?話って。
あっあの…お節介だとは思うんですけれど2人の距離が縮まればいいなと思って。
世界でたった二人の母と娘でしょ。
話し合いが出来るといいなと思って。
私はそんなつもりで来てませんよ。
えっ!?あなたと会うのはこれが最後だと思って来ました。
早苗さん…。
あなたたちを捨てた事今さら謝ったりしないわ。
許してもらえる事じゃないから。
(早苗)でも…あなたの事一度も忘れた事なかった。
元気でいい作品を描いて。
早苗さん…。
ごめんなさい。
はあ…お節介大失敗。

(若田)お父さん描いちゃって…。
(玲)駄目!
(若田)いいじゃないかよ〜。
(玲)駄目。
石川咲子が母親と暮らしていた家はこの先です。
母親の実家だそうです。
よく調べたな…。
いちいち先回りしてかわいくないって思ってるんでしょ。
あっいやいや全然。
俺の周りにはさ俺を追い越していくたくましい女性ばっかりだからさ。
ハハハ…若おかみとか?ハハハ…。
あの…俺としてはね助かってるの。
ハハハハハ…!フフフ…。
あっここです。
ここか…。
おい回ってる。
誰か中にいるぞ。
おい…。
野村。

(物音)
(野村)石川咲子さんですね?咲子さん?私は沢井さんを殺してません。
しかし事件当日君が沢井と会っていたのを見た人がいるんだよ。
知らない…知りません。
そうか…。
はい。
母さん?なんで?ねえなんでここに…。
(政子)咲子さんの様子はどうですか?完全だんまりでしてねお手上げです。
そうですか。
だったら私一度彼女をうちのお宿へ連れて帰ります。
(2人)えっ!?大おかみそれはどういう意味…。
私はね全ての従業員の親代わりのつもりです。
親の私になら彼女も事情を話してくれると思います。
母さんそれ無茶だよ!あ…あのね大おかみまだその段階ではなくてね…。
殿山さん。
はい。
今咲子さんを引き止めるだけの物証をあなた方警察はつかんでいますか?いやそれはまだこれからいろいろと…。
新太郎早く連れてらっしゃい。
母さんそれ乱暴…。
早く!行けよ。
はあ?野村君行くよ。
行くよいいから。
いいから行くよ。
えっ警部?警部?行きました。
美味しそう。
フフフ…。
(政子)さあ召し上がれ。
新ちゃんから聞いた事があります。
お義母様は普段宿の仕事が忙しくてあまり構ってもらえなかったけど学校の先生に叱られた時は特上の親子丼を作ってくれたって。
私…私…。
話は食べてからにしましょう。
9カ月前でした。
母の病気を知り私は薮下に連絡を取りました。
でも忙しいから会えないって。
それでどうしていいかわからなくなって…。
いらっしゃいませ。
あちらにどうぞ。
(咲子の声)騒ぎを起こせば会ってもらえるかと思って…。
(咲子の声)それが沢井でした。
ジャーナリストだと聞いてこの人なら頼れると思いました。
母の事を打ち明けると薮下から金を取るべきだって。
僕が間に入ってあげるからと言ってくれました。
その言葉どおり病院に早苗さんを連れてきてくれました。
薮下早苗と申します。
(咲子の声)早苗さんも治療費を支払うと約束してくれました。
でも…。
(咲子の声)2カ月前に母は息を引き取りました。
お母さん…。
お母さん…。
お母さん…。
(咲子)お母さん…。
お母さん…お母さん!うう…お母さん!結局お金は一銭も振り込まれないままだったんです。
泣いてばかりもいられなくてじきに私はのと楽で働き始めました。
そしてこの間…薮下たちと出会ったんです。
(咲子の声)腹が立って仕方がなかった。
母を死なせたのはこの人たちなんだって。
咲子…。
どうしてお金を払ってくれなかったの?あなたのせいでお母さんは死んだのよ!
(薮下)何を言ってるんだ。
俺は支払ったぞ。
嘘…。
本当だよ払ったよ1千万。
嘘!本当の事を言って!ああっ…!
(咲子)でも薮下の「支払った」という言葉が胸に引っかかっていました。
それで沢井さんに確かめたんです。
(咲子)もしかして沢井さん私をだましてるんじゃないですか?
(沢井)バレたんなら仕方がねえな。
じゃあな。
お金もらってたのに払ってくれなかったの?ひどい!待てよ!言ったろ。
今にでかい金が入るって。
金が入ったら埋め合わせはしてやるよ。
これから人と会う。
あとで連絡する。
わかったか?本当です。
私は沢井さんとその場で別れたんです。
そうだったの。
のと楽に戻ってしばらくしたら沢井さんが殺されたっていうニュース聞いて怖くなって実家に…。
本当に私は殺してません。
ああ咲子さんが犯人じゃなくてよかった。
ああホッとしたよ。
でもさだったら塚本さん沢井さんを殺したのは一体誰なのよ?う〜ん…。
う〜んわからないなあ…。
わかんねえ。
どうだ?いい上がりだろう。
馬鹿!な…何をするんだ!私何もかも知ってるんですよ。
25年前の事もみんな!何を?忘れようと思ったけど駄目!こうするしか…!死んで!うわー…!
(薮下)よせ!落ち着け…!よせ!おい…。
誰か!誰か!あっ…ああっ痛っ!誰か!誰か来てくれ!先生!奥さん!やめてください奥さん!
(早苗)あーっ離して!離して!殺してやる!あー…!ご苦労さまです。
お疲れさまです。
お願いします。
はい。
お願いします。
では塚本久と沢井雄一を殺害したのはあなただと言うんですね?はい。
詳しく話して頂きましょうか。
半年ほど前です。
偶然若田に会いました。
25年ぶりでした。
(若田)早苗!あなた…!やあ…。
(早苗の声)若田は今玲と一緒に暮らしていると言いました。
(若田)焼き物をまた始めたんだ。
まだまだ…。
(早苗の声)また焼き物を始めたと嬉しそうに笑っていました。
ところがその3日後若田の死体が浅野川で見つかったというニュースを聞きました。
どうやら殺人事件らしいと知りました。
一体誰が!?ってずーっと考えていました。
そして半年経ってわかったんです。
薮下が塚本に命じて若田を殺させたんだと…!それであなたはどうしました?許せませんでした!だからあの朝出かけていく塚本を尾行して…。
殺しました。
(早苗)でも沢井がそれを見ていたんです。
沢井は私を脅してきました。
だから沢井も…!刺し殺した…?さらに若田さんを殺すよう塚本に命じたご主人も殺してしまおうとした。
はい。
薮下先生の怪我軽くてね今日明日にでも退院出来るんだって。
そしたらすぐに殺人教唆の罪で取り調べ始めるぞ。
うん…。
あれ?何どうしたの?ぼーっとして…。
なんか気になってるのよいろいろと。
いろいろって…事件はこれで全部解決したんだぞ。
そうかな?ん…?実はさ展示会の後片付けをしていた時にね…。
なんて言うんだろう?うまく言葉に出来ないんだけどさ違和…そう違和感があるのよ。
ハハハハ…違和感?うん。
あれなんだったんだろう?それ気のせいじゃないの?ううん気のせいじゃないよ。
だってさあのお茶碗の事だって…。
薮下先生の展示会場から消えたお茶碗がなんでうちの従業員食堂にあるのよ。
おかしいでしょう。
あのねそれ今回の事件と関係ないと思うけど…。
ううんそんな事ないと思う。
私はねなんか…全部こう繋がってるような気がするのよ。
もしかしてさ薮下先生の奥さんは犯人ではないなんて考えてんじゃないの?ううんそれはない。
だって早苗さんがさ先生を刺したのは事実だもん。
でもなんかこうスッキリしないのよね…。
掃除終わり。
そろそろね七尾の市場から魚届く時間だから。
ああ…。
やだ新ちゃん今日は水曜日だから市場は…。
七尾の魚市場を取材していたんです。
確かあの日は…。
若おかみ!記念写真撮って頂けませんか?あっはい!ただ今すぐに…。
じゃあ看板を入れましょうね。
はいじゃあ皆さん集まってください看板の前に。
はいいいですか?笑顔で…。
ににんが…。
(一同)し!
(カメラのシャッター音)
(一同)ああ〜…。
駄目だ…写り込んじゃってる。
違和感これだ!新ちゃん!若おかみカメラ!カメラ!
(小百合)若おかみお客様のカメラを…。
ににんがしよろしく!
(小百合)ににんがし?えっ何?新ちゃん!えっ何?何?私わかったかも…。
えっ?真犯人!こんなところに編集者が来るのかね?おい!先生私の質問に答えてもらえますか?なんだ?どうして私の父を殺させたんです!?あなたですよね!?塚本さんに殺せと命じたのは!何を馬鹿な事を言ってるんだ!そんな事を聞くために私をこんなところへ連れてきたのか!?おいやめろ!やめて…!やめるんだ!止めろ!止めてくれ!おい止めてくれ…!私は母のようには失敗しません!あなたなんてこの冷たい海の底に沈んでしまえばいいのよ!おい…!玲さんやめて!そんな事をしてもお父さんは戻ってこないわ!玲さん駄目だ!おいこの女は私を海に突き落とそうとしたんだ。
逮捕してくれ!薮下さん!あなたには殺人教唆の容疑がかかってるんです。
署までご同行願います。
何を言ってるんだ!?野村!
(野村)はい!おい!ちょっと待て!おいちょっと…話を聞け!おい!玲さんこれを見てください。
玲さんのファンの人が展示会場に持ってきてくれた聖地巡礼の写真です。
貼っておきますね。
(美奈の声)私が原画の下に貼ったんですけどあなたの仕事場に保管されていました。
ここに車のフロント部分が写り込んでいます。
これあなたの車ですよね?塚本さんが殺されたのはこの写真の場所から歩いて10分ほどのところです。
時間見てください。
塚本さんの死亡推定時刻とかぶってるんです。
塚本さんが殺害された時間あなたはこの場所にいたという事ですね?この写真をすり替えるためにあなたは茶碗の盗難騒ぎを起こしたんですね?ありがとうございます。
(小百合)お茶碗が盗まれたのよ〜!
(咲子)盗まれた!?皆さん落ち着いてください。
皆さん冷静に!
(政子)皆様申し訳ございません。
このスペースはいったん閉鎖させて頂きます。
申し訳ございません。
美奈さんお客様を外にお連れして。
あの…私に続いてください。
どうぞ皆さんこちらに。
ご退室お願い致します。
(美奈の声)私がその事に気づいたのは展示会が終わってからです。
恐らく早苗さんもあなたの仕事場ですり替えられる前の写真を見たんでしょう。
そして塚本殺しはあなたの犯行だと悟ったんです。
(玲)触らないで!事件当日の朝あなたは「七尾に取材に行ってきた」とおっしゃってました。
ですがあの日は水曜日…。
市場はお休みなんです。
私にスケッチを見せてくれたのもアリバイ作りだったんですね?あそこで私に会った時あなたはすでに塚本さんを殺害していた…。
おっしゃるとおりです。
塚本と沢井を殺したのは私です。
(早苗)違う!玲…!玲さん全てを話してください。
はい。
のと楽での展示会の前夜私は塚本と沢井が話しているのを聞いてしまったんです。
(沢井)見たんだ。
あんたが揉み合ってるとこを。
(塚本)知らん。
なんの話か…。
(沢井)ええ?証拠を見せようか?
(沢井)あんたが若田を殺した。
そうだろ?
(沢井)1億で片をつけよう。
(塚本)待て。
俺は薮下に言われて若田をやっただけだ。
(沢井)だったら薮下に1億用意させろ。
展示会が終わるまでにだ。
(玲の声)怒りで体が震えました。
(玲の声)翌朝沢井と約束している塚本を尾行して…。
ああ若田さん。
(塚本)あっ…うっ!
(玲の声)そこを沢井は見ていたんです。
いい写真が撮れたぜ。
(玲の声)沢井は口止め料の代わりに漫画の原画の販売権をよこせと脅してきました。
(沢井)これが契約書か。
いい値段になりそうだな。
データをください。
はいはいはい。
ちょっと待ってね。
(刺す音)うっ…!いや…ああ…!私はそのあと機会を見て薮下先生も殺すつもりでした。
なのに母が…。
どうして自分が殺したなんて…!?私にはあなたがわからない!早苗さん…。
本当は玲さんと離れたくなかったんじゃないですか?25年前若田さんと薮下さんとの間に一体何があったのか教えてください。
今さら何を言っても…。
必要なんです。
玲さんが前を向いて歩いていくために必要なんです。
教えてください。
わかりました。
私たち親子に何があったのかご説明します。
私たちは本当に仲がいい家族でした。
じゃあ今日帰ったら特訓だ。
うん!
(早苗)あなた!忘れ物!あっいっけねえ!あっパパ忘れん坊。
い〜っ!ほら遅れるわよ。
ああいけねえ!遅刻…遅刻だ!
(早苗の声)家ではいい夫でいい父親でした。
なのにある日突然薮下に呼び出されたんです。
500万盗まれた!?ええ。
うちの画廊の金庫から。
昨夜の事です。
若田はギャンブルにはまっていたそうだな?ちょうど500万の借金があったようで…。
まさか若田が盗んだと!?
(塚本)ええ。
彼はうちの金庫に昨夜金があったのを知っていたようだ。
ありえませんそんな事!どんなに才能があっても九谷の世界からは追放だ。
えっ!?待ってください!若田に確かめます!きっと何かの間違いです!若田から話を聞くために家に帰ると若田はケンカ騒ぎを起こして警察に連行されたと聞きました。
私は警察に行きました。
ねえギャンブルの借金があるって本当?お前は気にするな。
あるのね?心配するな。
うまい事やって返した。
どうやって?人に借りた。
どこの誰に?うるさい!誰だっていいだろ!もう帰れ!
(警察官)時間だ。
(若田)薮下先生に謝っておいてくれ。
先生を怒らせたら九谷の世界にいられなくなる!頼むぞ!あなた…!
(早苗の声)若田がやったのだと私は確信しました。
申し訳ありません!お金はすぐに用意してお返し致します!君も苦労するね。
早苗さんひとつ僕から提案があるんだ。
500万の件は君に免じて忘れよう。
そして若田君が釈放されたらもう一度九谷の世界へ戻れるように僕が取り計らう。
その代わり君は僕のところに来てくれ。
(薮下)僕と妻の関係はもう終わっている。
君には九谷焼を見る目がある。
君は僕のために僕の創作活動を支えてくれないか?先生そんな…!僕の妻になってくれ。
それが若田君の才能を潰さないためにも君の娘さんのためにも一番いいんだ。
頼む…僕と結婚してくれ。
(早苗の声)若田の才能をこのまま埋もれさせたくなかった…。
彼の才能を九谷の中で花開かせてやりたい…!そう思うと…断り切れなかった。
でも…あなたの事が最後まで気がかりだった。
行っちゃ嫌!お母さん行かないで!お母さん!行かないでーっ!
(玲)お母さん!お母さん!お母さーん!やっぱり無理です!あの子を置いていくなんて出来ない!玲を一緒に連れて行かせてください!お願いします!
(塚本)駄目だ!先生が許さない。
お願いします!さあ乗るんだ!お願いします!乗るんだ!
(玲)お母さん!行かないで!お母さん!お母さん行かないで!
(早苗)玲!玲…!お母さん!お母さん…!あのあとどれだけ後悔したか…。
玲…あなたを置いていった事を。
あなたを思ってどれだけ泣いたか…。
お母さん…。
私は母親として失格です。
許してもらえなくて当然です。
でも半年前…。
早苗…。
どうして俺を捨てて薮下先生のところに行ったんだ?それは…あの500万の事があったから。
500万?あなたがギャンブルで作った借金それを返すためにあなたが塚本画廊のお金を…。
なんの話だ?俺は知らないぞ。
えっ!?全部薮下と塚本の作り話だったって事?じゃあその500万の嘘のせいで若田さんは…。
(若田)俺は500万なんて金盗んじゃいねえ!
(塚本)昔の話を蒸し返すな!許せねえ!
(塚本)今さらのこのこ出てきてもらっても困るんだよ!死ね…!そんな事があったなんて…何も知らなかった。
(早苗)私が馬鹿だった…。
25年前あとほんの少し若田を信じる気持ちがあればあなたを手放さないで済んだのに…!お母さん!お母さん行かないで!若田も死なせずに済んだのに…。
刑事さんみんな私が悪いんです!この子には何も罪はありません!私を逮捕してください。
どうか罰してください!この子を捕まえないで…。
この子を助けてください…!
(玲)お母さん…。
あなたを守りたかったの…。
お母さん…!
(玲)お母さん…。
皮肉なもんだよな。
母と娘の絆が結ばれた瞬間別れがくるなんてさ…。
うん。
でも罪を償ったらまたそこから始まる。
希望はあるわよ。
そうだね。
(小百合)特上のまかない出ます!あの…特上の…まかない…出ます!
(小百合)わあ美味しそう!いただきまーす!咲子さんこれって?
(咲子)はい。
大おかみに作って頂いたのを自分流にアレンジしたら板長がみんなに出してやってくれって。
美味しい!じゃあね私大盛り!俺もね。
(咲子)はい。
(咲子)はいどうぞ。
ありがとう。
いただきまーす。
(政子)甘い!まかないはよく働く従業員のための食事です。
あなたまだ仕事の途中でしょ?じゃあこれは俺が…。
新太郎あなたも早く刑事なんか辞めて旅館の仕事に専念しなさい!働かざる者は食うべからず。
さあ早く仕事…。
仕事しなさい!せっかく…。
早く!
(小百合)いってらっしゃい。
え〜っ?小百合さんが…。
もう行こう!じゃあ咲子さん置いといてね〜!事件解決…。
よし頑張ろう!うん!
(政子)本日は和倉温泉のと楽をご利用頂きまして誠にありがとうございます。
私大おかみの中川政子でございます。
若おかみの中川美奈でございます。
日頃のお疲れを癒やして頂きたく私ども従業員一同心を込めてサービスをさせて頂きます。
どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。
(拍手)咲子さん!はいはいはいはい…。
(咲子)はい!はい!
(小百合)あーっ!ちょっと…。
ねえ小百合さんは?あーっちょっと…!なんで回るの?なんで?2015/08/01(土) 21:00〜23:06
ABCテレビ1
土曜ワイド劇場「温泉若おかみの殺人推理」[デ][字]

金沢〜和倉温泉、九谷焼き展示会で連続殺人!!“聖地巡礼”の写真に殺人トリック!?消えた600万の器の謎で嫁姑バトル!!

詳細情報
◇番組内容
大好評シリーズ第29弾!九谷焼と人気アニメ原画展、2つの展示会で連続殺人が発生!!北陸新幹線開通で人気の金沢、能登和倉温泉を舞台に、若おかみ・美奈が推理に挑む。事件の背後には、25年前に別離した母娘の愛憎が…!?
◇番組内容2
 
◇出演者
東ちづる 羽場裕一 岡田茉莉子 床嶋佳子 平山あや 寺田農 東風万智子 若林豪 山村紅葉 榊英雄
◇スタッフ
【脚本】塩田千種
【監督】池添博
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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