週末は旧友を訪ねに群馬県のみなかみ町へ。仕事がバタバタしていることもあって、本来は旅行などしている場合ではないのだが、忙しい時こそリフレッシュを!と、無理くりスケジュールを調整をして時間を確保し、新幹線のチケットをゲット。
土曜日の朝、妻に愛犬Dを任せ一人で東京駅へ。東京駅から上越新幹線で約70分程度で水上駅へ到着すると、既に友人が車で迎えに来てくれていた。彼からは何度か「遊びにおいでよ!」と誘われたものの、なかなかタイミングと気分が合わずに社交辞令で「今度行くね!」と言い始めて2年以上が経過してたが、特に気にせず迎え入れてくれるところに人柄を感じる。
車中では色々と近況報告をし合う。彼の仕事は概ね順調そうで、みなかみに移転してからも売上は好調のようだ。家兼職場に案内される前に、外注先に用があるとのことで付いていくと、案内されたのはとある工場。撮影許可は下りずに唯一許してくれたのはこちらの写真。
まあ、特に深い意味はない。なぜ彼がこの工場を案内したのかは分からないが、昔から「俺の仕事を支えてくれる人達を紹介するぜ!!」みたいなところがあったので、いつものことと軽くスルーしておいた。
工場を後にしてしばらくすると、今度はコンビニで止まる。どうやらこの先は店らしいものがないから必要な物があれば買っておいたほうが良いとのこと。なるほど。確かにスマホの電波はなくなり、いよいよ山が近いというわけか。
のどかなコンビニだけに品揃えは微妙だったが、残り2冊しか無かったエロ本はきっちり確保。周辺の思春期ボーイズ達のライフラインを絶ったことはこの場を借りてお詫びしたい。
家に着くと待っていたスタッフ2名も歓迎してくれた。2名とも東京にいた頃から何度か会っていたので特に緊張することなく、久々の再会に話を咲かせる。男3人でほぼ一緒にいることに少し違和感はあったが、楽しそうなので女事情は聞かず。しばらくして全員で近くの渓谷へ。
職場の近くにこんな大自然があるという贅沢。羨ましい。
こういった場所を見つけては数時間も遊ぶみたい。写真では伝わりにくいが、空気が非常に澄んでいて、暑さは一切感じない。水は冷たく、ただただ気持ちいい。ここで釣った魚が晩御飯になることもあるようで、途中からは釣りタイムに変わった。皆慣れた手つきで面白いように釣っていく。
釣りをしながら友人が言ってきた。「ここでなくても今なら移住できる場所なんて沢山ある。デメリットなんてないから移っちゃえば?」と。言いたいことは分かる。今の時代Webさえ繋がっていれば仕事が出来るし、私も教師活動以外は家でも可能。だからこそ、クオリティ・オブ・ライフを重視するという気持ちは痛いほど理解できる。とりあえず「でも、ここにはエロスがないよ」と真顔で返しておいたが、いざ大自然でまったりとした時間を過ごすとやはり気持ちはグラつく。虫や鳥の声、川の流れる音・・・都会では聞こえてこない音がダイレクトに耳に入ってくると、そりゃあ「自然っていいよね」となる。それは仕方ない。暗くなったので家に戻ると全員で晩御飯。ここは男らしくBBQ。
これに捕れたての魚など色々作ってくれて申し訳ないが、袋焼きそばが一番美味しかった。。。
その後お風呂へ入り、ゲスト用の部屋を案内されて星空を・・・・見ずにそのまま爆睡zzz。久々の旅で疲れたようです。朝起きると、他の人は仕事をしていた。邪魔しないようにとこの日は一人で渓谷へ行ってみた。クワガタのメスに出くわした。
人生もこんな感じで小柄な美女が捕まれば・・・と思いにふけりながらそのまま水に入り、しばらく近くの滝を眺めてた。
こういうところで暮らせば新たな何かが見つかるかな?と昨日の友人の問をまた思い出しながら、特に何も考えずにしばらくボーーっと過ごす。やっぱり贅沢な環境。
別れ
月曜(今日)も仕事なので夕方前に失礼させてもらい、スタッフからは「今度一緒に釣りやろうよ」ということで、釣竿とルアー数種類をお土産にその場を後にした。駅まで送る友人はドヤ顔で「こっちはいいでしょ?」と何度も私に聞く。「奥さんも満足すると思うから、本格的に考えなよ!ね?」と最後まで私に移住を薦めてきたが、確実に昨日よりも心に響いている自分がいたのは間違いない。
そして今日。またいつもの月曜が始まった。朝からの蒸し暑さに加えて満員電車・・・昨日まで過ごした環境とは全く異なる息苦しさを感じ、私は友人の言葉を思い出す。『移住にデメリットなんて一つもない』ーーーやはりまた気持ちが揺れる。
少しすると電車が止まる。月曜電車あるあるだ。少しの遅れが更なる満員を生む。もう嫌だ。。。プシューと人の出入りが多い駅で身動き取れずに中途半端な位置にいると、大量の人の波が押し寄せてきた。ザ・満員電車。もう移住しよう。今夜妻に相談しよう、、、と思った矢先、20代後半らしき女性が私と向かい合うようにして電車に入ってきた「マズい」と思った瞬間時既に遅し。。。少し緩めのカットソーからは、昨日までみなかみで見た渓谷とは異なる谷が見えた。
活きの良い魚も渓谷付近を泳いでいるだろうが、生憎今は亀の頭という名のルアーしか付属していない。万が一、谷が動いて亀の頭がスッポンのようになれば逃げ場はない。だから見ないようにした。紳士だからね。それでも電車の揺れで時折密着度120%になる度に女性から「すいません。。」の声。これだ。私はまだ東京でやることがある。と確信し、電車でエネルギーをチャージして会社へ向かった。
移住。それは現代社会に於いて決して不可能ではない選択肢。実際にそのまま地方にどっぷりとはまってしまった人も多くいるし、今回の旅でその良さもはっきりと分かった。どう生きていくか?という問いはこれからも続くけど、私はもっと色々な景色を見てからでも遅くないと思っている。