目撃!日本列島「自立した暮らしをめざして〜千葉 生活困窮者支援の現場から〜」 2015.08.02


千葉市稲毛区。
ここに新たに開かれた窓口生活自立・仕事相談センターです。
やって来るのは経済的に行き詰まり暮らしに不安を抱える人たち。
今手持ち的にはどんな感じですか?なぜここまで追い込まれてしまったのか。
支援員はその原因を探り生活保護に至る前に暮らしを立て直す方法を考えます。
では行ってきます。
これは今年4月国が始めた…千葉市は全国に先駆け1年半前から取り組んできました。
就職活動につまずき自信を失ってしまったという20代の男性。
さまざまな仕事を体験してもらい自分に合った仕事を見つける手助けをします。
こんにちは〜。
また金銭の管理や家族に問題を抱える人の場合支援員は家庭の中にも踏み込んでいきます。
家計の収支を細かくチェック。
生活費の使い方をアドバイスします。
あっでも一日1,000円ペースだ。
いけるよね。
大丈夫ですね。
めざすのは経済的な自立。
そして生きていく自信の回復です。
自分の努力だけでなんとかしなさいと言ってももはやちょっとそれは難しい人はいっぱいいる。
やっぱり手を差し伸べるっていうのが必要な事かなとは思いますね。
相談センターの1か月に密着しました。
東京都心から電車で35分。
千葉市稲毛区です。
マンションや戸建てが立ち並ぶ住宅地でおよそ16万人が暮らしています。
生活自立・仕事相談センターは市から委託を受けたNPO団体などが運営しています。
スタッフは5人。
長年就労や家族の問題解決に当たってきたベテランです。
これまでは経済的に行き詰まったという人に対しては条件を満たせば生活保護を勧めてきました。
しかしここでは病気や家族関係など問題の原因を探りそれを解決する事で生活保護の手前で暮らしを立て直す事をめざします。
国はこの4月生活保護世帯の数を抑えようと全国の自治体に相談窓口の設置を義務づけました。
先行して始まった稲毛区の窓口にはこれまでに400人が訪れました。
そういう時にちょっとあの〜…先月上旬。
50歳の男性がやって来ました。
正社員として働いていましたがうつ病になり退職。
病気を隠して再就職しましたが長く続かず半年前から失業状態だといいます。
就労支援を担当する…相談者の不安や希望を十分に聞いた上で本人に合う仕事を探します。
遠藤さんはフルタイムや正社員の仕事にこだわっていました。
平田さんは仕事の内容や働き方を変えてみてはとアドバイス。
更に無理なく働くには再就職先に病気の事を伝えた方がいいと提案します。
遠藤さんにとっては思いがけない提案。
今後の働き方についてしばらく考えてみる事にしました。
遠藤さんは74歳の母親と2人で暮らしています。
収入がない今は月十数万円の母親の年金が頼りです。
仕事に就くためにはうつ病の事を隠すしかないと考えてきた遠藤さん。
平田さんの提案に気持ちが変わり始めていました。
同じ頃今度は窓口に70代の夫婦が駆け込んできました。
4か月前突然自宅を追われ仮住まいを強いられているというのです。
無職で40代の長男が自宅で酒を飲んで暴れ危険で戻れないと訴えます。
担当の…まずは長男に直接会って話を聞いてみる事にしました。
早速夫婦の自宅に向かいます。
何度か呼びかけましたが応答はありません。
不在のようです。
連絡してほしいというメモを残しました。
菊地さんに相談を持ち掛けた男性です。
仕事の安定しない長男の暮らしを長年支え続けてきました。
しかしこれ以上抱えきれないといいます。
男性にとって相談センターが最後の頼みの綱です。
同じ日の夜。
菊地さんは再び夫婦の自宅を訪ねました。
そっか…。
残したメモはそのまま。
周囲を回ってみると…。
すいませんこんにちは。
家の駐車場には1台の車。
中から男性が降りてきました。
長男かと思い尋ねてみると「違う」という答え。
そうなんですか。
それでも長男に違いないと見ていた菊地さん。
その姿を追っていると…。
男性は再び車に乗り込み走り去ってしまいました。
また別の日に…。
うんまあ…菊地さんは日を改める事にしました。
5日後。
あれから菊地さんたちは夫婦の自宅を何度も訪れました。
しかし長男には会えないままです。
どうしたら会えるのか。
菊地さんが切り出します。
ライフラインのところをストップという事でどうだろうかと…。
家の電気や水道を一時的に止めるという提案です。
これまでの経験から長男が家を出るきっかけになると考えました。
ライフラインを止めて生活しにくいなというのを分かった上でどうしたらいいかという一歩を踏み出させるという。
ちょっと乱暴なところもあるんですけれども人によってはそうしないとなかなか後押しにならないというか。
結果的に親に依存する関係ではなくて自分で生活できる形を作っていきたい。
全国に先駆けて始まった千葉市の取り組み。
お待たせしました。
半年もの間支援を続けてきた事で暮らしが安定してきたという人がいます。
62歳です。
去年くも膜下出血で右半身が麻痺。
仕事ができなくなりました。
同じ頃妻とも離婚。
ストレスからパチンコで浪費し税金などを滞納するようになっていました。
しかし最近ようやく気力が戻ってきたといいます。
仕事したい。
…うん。
結構休み過ぎちゃってっからやっぱり仕事したいって…。
(2人)こんにちは。
佐藤さんを担当してきた支援員たち。
この半年特に力を入れてきたのが金銭の使い方の指導です。
浪費を続けてきたという佐藤さん。
税金などの滞納は70万円を超えていました。
固定資産と所得税は年に4回とかで来るからこれを毎月貯金していかなきゃいけないの。
この中から積み立てていかなきゃいけないので…。
う〜ん。
全部ほとんど食費だからさ。
でも食費もそんなにかかってないよ。
でも1人で4万っていうのはちょっと多い。
ああそっか。
詰めようと思うとね。
支援員の助けを借りながら自らの意志で生活を立て直しつつある佐藤さん。
今ではパチンコはやめ仕事の再開をめざしリハビリを始めました。
私一人じゃどうにもなんなかったもんね。
今の生活の方がいいです。
絶対いい。
少しは自分の…やりがい生きがい持てる気がするんですよね。
うつ病を隠したまま仕事を探そうとしてきた遠藤さんです。
アドバイスを受けて3週間これまでの考えを変える決意を固めていました。
はい。
いいですか?大丈夫です。
失礼します。
お邪魔します。
この日支援員の平田さんと一緒にやって来たのは化粧品を扱う会社の倉庫。
製品を梱包する仕事を体験してみないかと勧められ一日4時間パートタイムでやってみる事にしたのです。
これは2番目に重いぐらいのですね。
どうですか?重さ的に…。
大丈夫です。
大丈夫です?下から上に…。
はい。
始める前に平田さんが会社側にまず伝えたのが遠藤さんの病気についてでした。
大体4回か5回かそのぐらいでというふうに…。
続けて遠藤さん自身も伝えます。
まあいろいろそういうのもあって…病気の事を自らの意志で初めて明かしました。
力発揮して頂くっていうのが大事な事だと思いますので長く働けるところを一緒に探していこうというそういう感じですね。
はい。
遠藤さんは自分に合った働き方を探す大きな一歩を踏み出しました。
窓口の開設から1年半。
安定した仕事に就くなど目に見えた成果につながった人はまだ多くはないといいます。
なかなかそう…何かうまく支援があってよかったです万歳みたいな話にはほとんどならなくてみんな進行形の話ばかりでずっと続いていくのでそういうのは3年とか5年とかたってみないと分かんないのかなというふうに思いますけど…。
向き合った一人一人が不安なく生活を送れるようになる日まで。
自立した暮らしの実現をめざし粘り強い支援が続きます。
2015/08/02(日) 16:35〜16:58
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「自立した暮らしをめざして〜千葉 生活困窮者支援の現場から〜」[字]

生活保護の手前にセーフティネットを設けようと4月にスタートした「生活困窮者自立支援制度」。求められる支援は?自立した生活とは?千葉市稲毛区の相談センターに密着。

詳細情報
番組内容
生活保護の手前にセーフティネットを設けようと4月に始まった国の「生活困窮者自立支援制度」。新設された窓口に「働けない」「困っている」とやってくる人の多くが、就労だけでなく、借金を多く抱えていたり、家族関係にも問題があった。必要なのはどんな支援か?目指すべき自立した生活とは?若者から中高年まで、相談者のさまざまな困り事に向き合い、模索しながら寄り添う支援員。千葉市稲毛区の相談センターに密着した。

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