大改造!!劇的ビフォーアフター 築135年の古民家を最新バリアフリー住宅に大変身 2015.08.02


頼りになる人を見つけると心にゆとりが生まれてくるといいます。
そんな人が早く見つかるといいですね。
広く穏やかな琵琶湖の東に接するこの町にある問題を抱えたお宅がありました
この家が抱える問題それは…
(スタッフ)大変ですか?そうですね
江戸時代多くの大老を輩出した譜代大名井伊家14代の居城・彦根城が見下ろす城下町
当時の面影を色濃く残す町には真っ白な漆喰壁に格子窓・いぶし瓦の建物が軒を連ね太平の世の繁栄を今に伝えます
近年では彦根市のマスコットキャラクター・ひこにゃん人気もあって全国にその名を知られる観光地に
城から2km古い民家が密集する住宅地の中に埋もれるようにして建つ築135年の家
明治13年に建てられたこの家のあるじが市田太兵衛さん88歳
去年病気で入院してからというもの家の中を歩くのにも杖が欠かせなくなりました
この家に嫁いで60年近くになるお母さんももう82歳
同居する長女の始子さんはそんな両親のことが心配でなりません
はいおはよう・足元気ぃつけ・
古い家はどこも段差だらけ
建坪が30坪近くもあるのに日中家族が過ごすのはいかにも窮屈そうなこの6畳の台所
100年以上前は真綿工場だったという市田家
その名残で今も家の中に広い土間が残りかなりの面積を占めているのです
さらにそれが家族の生活動線を分断
台所の目の前にトイレがあるにもかかわらずいちいち靴を履いていかねばならず足の悪いお父さんがトイレに行く時は始子さんが土間に踏み台を置いて介助しなければなりません
毎日家事をこなすお母さんにとっても不便な土間
玄関から続く細い土間を奥へ進むと…
また6畳の土間が広がりしかもそこにはプレハブ小屋が
その扉の前に踏み台を置いて上にタオルを敷くお母さん
実はこのプレハブ小屋の正体は…
30年前直接土間の上に組み立てた脱衣所もない簡素なお風呂
浴槽の高さが60cm以上
もうお父さんには入れません
2人合わせて170歳
高齢の両親がもっと楽に暮らせる家に
そんな始子さんの願いを受け1人の男が立ち上がりました
石井はこれまで地元・滋賀を中心に40軒以上もの古民家を修復してきました
もともと私の父親が大工をしてましたので私自身も夏休みになったらですね見習いに行ってましたねそして自分の手で木を触って切ったり加工したりするその木の香りというんでしょうかほんとにこう人間らしいなと落ち着くなというふうなことを感じながらですねそこで木造建築の良さっていうものを知ることができてそれからどんどんその良さにはまっていったといいましょうか自然の流れでですね古い建物を修理そして活用するとそういった非常にやりがいがある仕事にかかるようになっていきましたけれども私自身がほんとに最も適職だなというふうに自負しておりますけれども
古きよき木造の魅力を現代の暮らしに伝える彼を人は「古の技の継承者」と呼びます
待ち受ける市田家は明治の初めに建てられた築百三十五年の家
石井の得意とするところですが…
歴戦の匠も経験したことのない問題が潜んでいました
(石井)あっこんにちはどうもはじめまして
高齢の両親のことを心配する長女の始子さんが今回番組にリフォームを依頼
長年この家で暮らしてきたお父さんは…
(スタッフ)匠にねいろいろ見てもらえてよかったですねそうですねありがたいですまずここですあぁここですね…もうお隣とくっついてるような状態ですね
(スタッフ)家がくっついてるんですか
(始子さん)そうなんですここ昔からの長屋風になってますので…三面同じ…そうです三面
南北に背中合わせに繋がる二軒長屋の北側の通りに面した市田家
長屋の奥のお宅が市田家の両脇の土地を買って建て増ししたことで三方を隙間なくコの字型に囲まれる今の形に
(スタッフ)今回石井さんこれをリフォームしなければいけないのに最初からそういうお話どうですか?聞いて
(スタッフ)ハハハハ…でも道路と家の土間がかなり家のほうが低いですね
(みさをさん)道が前はこのアスファルトじゃなかったんで舗装されるようになってから少しずつ高くなってきてここ低いのかね?水はけが悪いのかね?
何度も舗装を繰り返すうちに市田家の敷地よりも高くなった道路
大雨が降ると雨水が側溝に集まり瞬く間に水嵩が増しついには溢れ返って玄関にまで迫ります
そんな時はいつも始子さんが慌てて外に飛び出し玄関前に常備した鉄の棒で下水溝の蓋を外すのです
鉄の蓋が重いので両親だけの時が心配
(石井)そうですね不安になりますね
建坪28坪のうち3分の1を土間が占める市田家
高い段差があり特に面倒なのが水回りへの移動
この扉ですけれどもこれは…
(石井)あっここにトイレがあるんですかでもここ土間ですからつまずかれたりされたら危ない…
(始子さん)前まではこんな板はなかったんですけど父がうちの中でも転ぶことが最近多くなりましたのでうちのバリアフリーですフフッ
(石井)この奥は?
(始子さん)お風呂場と庭が…
(石井)あっこちらにお風呂場があるんですかこの土間を歩いてこられるっていうこともかなり苦になりますよねここが…これが風呂場ですここが浴室なんですかこんな感じですはい
(スタッフ)どうしてこんな状態になってんですか?このままの状態でしたのでお風呂場を作りましょうってなった時にこのユニットバスをポンと置きましょうとなったんですけどこんなお風呂でもできたことがすごくうれしくって
(石井)でもこれはちょっと不便ですね寒いですよね脱衣所がないんですか?脱衣所これですコンパクトな脱衣所で板をひいてここで脱いで脱いだ服は置く場所もないのでこの洗濯機の上に載せて中で着替えますここに少し段差があって浴槽の高さがあるので父親がこれをまたいで入るいうことができないですし手すりも付いてないので今はデイサービスのほうで風呂は入ってるんですけれどもこちらにねこちらが庭になってるんですね隣家がこう迫ってきてて日当たり悪いんじゃないですか?
(みさをさん)ほんとのお昼間だけです
四方を屋根に囲まれた小さな庭
日の当たる時間も限られます
お母さんは洗濯物をハンガーに掛けていったん土間の物干しざおにつるすとそこから長いさおを使って庭に出すのですがそれを掛けるのは物干しざおではなく軒先に付いた雨樋
少しでも日に当たるようにと高い所に干しているのですが…
すぐに太陽の位置が変わって日陰になってしまいます
するとまた庭に出てきて日の当たる別の場所に干し直すお母さん
でもそこはお隣の雨樋
「軒先を借りる」とはまさにこのこと
お母さんはもう何十年もこんな苦労を続けてきました
(石井)それも…あぁ…
三方を囲まれほとんど日が入らない市田家
庭に面した台所も洗面台の前に小さな窓が1つあるだけで昼間も電気を消すと真っ暗
台所との境に段差がある仏間はお母さんの寝室を兼ねその奥がお父さんの部屋
南側はお隣さんと共有する長屋の壁なので一切窓はとれません
(始子さん)はいこちらの部屋は窓ないですし…ここまでの移動なんですけど最近やっぱり杖ついたりすることが多くて「本人も手すりを付けて」と言うんですけど手すりの付けようがないんですよね
(石井)建具と建具に仕切られてますのでなかなか手すりが付きにくいですねやっぱり将来考えてあげますと何かその辺りに工夫する必要があると思いますね
お父さんの部屋の隣の居間に2階の始子さんの部屋に上がる階段があるのですが…
土間を囲むようにして部屋続きになった間取りのせいで夜はお父さんが寝ている部屋を通るわけにもいかずいちいち土間に下りて行き来しなければなりません
しかも階段ははしごのように急で手すりさえありません
ここ通るだけです2階が始子さんの部屋ですかちょっと階段が…
(スタッフ)珍しい階段じゃないっすかこの階段は急ですね
(スタッフ)間口もずいぶん狭そうですね
(石井)ここもかなり狭いですね
(始子さん)そこから物を入れるの大変なんで…そうなんですね
(始子さん)で2部屋右と左とありまして…ここが始子さんの部屋ですかなんか頭当たりそうになりますね
(始子さん)私でもいまだに当たりますから
(石井)恐らく以前は厨子二階といって物置として使っていたと思いますね
(スタッフ)ずいぶん生活するには障害ありそうですけど
(始子さん)私そんな背ぇ高くないほうなんですけどそれでも不自由に思いますのでまず敷地がコの字型に隣家と囲まれてますのでそれによって直射日光が入りにくいというのとそして湿気ですね特に雨水が溜まりやすいというところが木造建築の最大なる欠点になりますからそこをまず大きく解消する必要があると思いますけどもやはり建物としては明治の頃の建物ですので伝統的工法っていうものの良さは残しながら家族の皆さまが健康的に暮らして頂くことができるように使い勝手というものを合わせてですね両者がうまく生かせるように考えていきたいと思っています
高齢の両親が少しでも楽にそして始子さんが少しでも2人を介護しやすいようにと市田家が用意したのは2200万円
「古の技の継承者」石井の挑戦が今始まります!
(所)田村さん・筒井さんこんばんはいらっしゃいませ2時間スペシャルにふさわしい物件を難しそうですよまた3方向これ匠も「これは今まで見たことない」っつってましたね戦国時代の常識だったらもうこれ退却ですからね3方向攻められたら全く窓がないだから風も通らないわけでしょこの…どこを開けるんだろうあっ全体開くの?これ
(田村)うわ〜!あっそこの部分ねここの部分は周りのうちなのね
(江口)今回ご依頼がありましたのが市田家明治13年今から135年も前に建てられた彦根城の城下町に残る歴史ある古民家背中合わせに2軒が繋がる長屋で厨子二階と呼ばれる2階の天井が通常より低い町屋様式の家です江戸時代町民が武士を見下してはならないという禁制があったことから当時このような厨子二階の家が数多く建築されましたそんな古い家で暮らすのは88歳と82歳の両親そして長女の始子さんもともとおじいちゃんはリフォームには乗り気ではありませんでしたが昨年病気で入院して以来家の中でも杖が必要になりやむなく始子さんの説得に応じて長年住み慣れた家のリフォームを決意しました現在週に2回デイサービスに通ってお風呂に入っているおじいちゃん日中過ごすのは日の光がほとんど入らず真ん中に立った柱が邪魔で窮屈な6畳の台所2階が寝室の始子さんはいまだに低い天井に頭をぶつけて痛い思いをすることがありますそんな市田家に挑むリフォームの匠は「古の技の継承者」石井和浩さん果たして匠はどのようにリフォームするのでしょうか皆さんで推理してみてくださいおじいちゃんは長年住み慣れてるからこのまんまでいいよとねっただ娘さんもこのままじゃ…と思って今回リフォームっていうことですよねでも段差ですよね段差を絶対なくすように…段差があるんでトイレもお風呂もめんどくさいってことですもんねあと光が入んないじゃないですか減築でしょ少なくしちゃうってことですか?だって光入ってこないんだもん上から光を採るってことはしないですかね?2階からねそれあるねでも匠は今まで町屋だ何だいろいろやってるじゃないですかすてきなおうちじゃないですか住みたくなるようなあんなんなるのかな?いやどうなんすかねここかなりのハードルだと思いますけど梁ってなんかこう…うねってたじゃないですかあのカーブとかきれいでしたよねあのカーブどおりにあるのかな?梁があっ分からないですねゆがんでるってことですか?梁がゆがんでたらもうそれこそ全取っ替えですよね
彦根市のシンボル・彦根城
400年前に建てられた築城当時の姿を今に残す美しい天守は国宝にも指定されています
その城下に広がる古くからの町屋街に建つ築135年の市田家の引っ越しの日
この日ばかりは広い土間が大活躍
大勢の引っ越しスタッフが三方の部屋から一斉に荷物を運び出していきます
長年1日の大半を過ごしてきた狭い台所で窮屈そうに荷造りするのは共に80を超えたお父さんとお母さん
(スタッフ)お父さん何年って俺お前…
(スタッフ)お引っ越しが終わったらいよいよ解体も始まってきますがそうそう…
この家で高齢の両親を世話していこうとリフォームに乗り気でなかったお父さんを説得した娘の始子さん
(スタッフ)始子さんはいそうなんですよね
家の中から運び出した家財道具
それらを台車に載せて運ぶのは…
玄関を出て僅か20m先
実は同じ通りに面した隣の家がリフォーム中の仮住まい
遠くに引っ越すのは大変だと思っていたところたまたま空いていて貸してもらえることになりました
今度は自分の部屋を片づけるためあの急な階段で2階へ上がる始子さん
しかしそこは天井の低い厨子二階
引っ越しスタッフも悪戦苦闘
(スタッフ)やっちゃいましたかちょっと気をつけて
そこで何やら珍しいものが…
(スタッフ)始子さん今しまわれてるものは何ですか?
(スタッフ)びん手まり?
(始子さん)滋賀県の愛荘町って所なんですけどそこの伝統工芸です
(スタッフ)瓶の中にまりが入ってる?
(始子さん)そうです瓶の中にまりが入ってますで「びん手まり」
(スタッフ)これは買われたものですか?
(スタッフ)作ったものなんですか
(始子さん)これは作りました
(スタッフ)あぁ〜きれいですね
(始子さん)こんだけ色んな糸がいっぱいありますので…
(スタッフ)広げたまんまね
(始子さん)そうです
慌ただしい引っ越しのさなか匠も手伝いに駆けつけお母さんが道行く人の目を楽しませようと大事に育て玄関前に並べていた50鉢ほどあるたくさんの花や植木を移動
それらをすべて仮住まいの家の脇に運んで壁沿いに並べます
リフォームが終わるまでの間ここがお母さんの趣味の場所
(スタッフ)お母さんおうちの前あったの全部こっち持ってこれてよかったですね
(スタッフ)石井さんお母さんの生きがいのお花どうにかなりますかね?そうですね…
(スタッフ)きれいになってちゃんとおうちに戻れるといいですね
お母さんの大切な花や植木
帰る家にちゃんと居場所はあるのでしょうか
20m先の仮住まいへ引っ越し空っぽになった市田家
本格的な解体を前に台所の入り口にあった手すりを取り外します
さらには土間を挟んで向かいにあるトイレの手すりも
その手すりを持って家を出る現場監督
向かったのは家族が住む仮住まい
すみませんちょっと失礼します
高齢の夫婦特に杖に頼っているお父さんに手すりは必需品
仮住まいに手すりがなかったため急遽市田家から移設したのです
これ1つでねこう持ってたんやけどこれがあるとほんまに助かりますわ
(スタッフ)あぁ〜違いますよね
(スタッフ)やっぱり仮住まいでもこの手すりは必要ですねこれがあるとねありがとうお世話さまでした
135年分のほこりを舞い上げいよいよ解体が始まりました
30年前土間に直接置いただけの脱衣所もないユニットバスも撤去
薄い板1枚で組まれたお風呂を壊すのに時間はかかりません
天井が低い厨子二階
その低い天井からさらに下に張り出したベニヤ板の囲いを剥がすと中から現れたのは太い丸太梁
立派な松の丸太梁が屋根の傾斜に沿って斜めに架けられていました
広い土間を囲むようにして部屋が並び高い段差で生活動線が分断されていた市田家
その不便な間取りを一掃すると…
築135年の古い家の駆体があらわに
家の中央屋根の一番高い所にある棟に向かってまっすぐに伸びる通し柱を見上げるとそれと縦横に交わる太い梁が
棟の真下に平行に架かる丸太梁とその上に重なり合うようにして交差する丸太梁
このいかにも頑丈そうな小屋組みは…
(スタッフ)石井さんちょっと見慣れない小屋組みですけども…これ地棟梁ですね
(スタッフ)地棟梁っていうんですか
(スタッフ)地棟梁ってどういう特徴があるんですか?そしてそこに直交する投げかけ梁というものがあります
市田家に施されていた積雪から家を守る地元の伝統工法
棟を真下で受ける地棟梁とその両側にてんびんのように架けられた投げかけ梁
この交差する梁が屋根の重さをバランスよく受け止めているのです
(スタッフ)お隣さんまで伸びてるんですか
(石井)伸びていってますね
(スタッフ)何か差してあるってことですかねなるほど
(スタッフ)外側に出っ張ってるなんか鳥の巣みたいなものが…
(石井)そうですね地棟飾りですね
(石井)例えば棟飾りの所に「水」という文字を書き込む例もあったりするんですねこれは家を火災から守るというそういう思いを込めて書き込んだりほかにも先祖代々で家系を象徴するということから家紋をあしらったりされることもあります
さすがに地元の古民家に詳しい匠
でも1つ気がかりなことがありました
それを確かめるため表に出て軒にはしごを架けてもらうと
みずから先陣を切って登っていきました
匠が気になるのは…
今話していたばかりのあの地棟飾りの中の状態
大工さんに頼んで古いトタンの囲いを外してもらうと…
(スタッフ)結構サクサクッすねその辺
(石井)だいぶん…くさくさ…くさくさですね
なんと完全に腐ってひどいありさま
外壁の梁に寄りかかって棟を支える大事な地棟梁が腐って崩落寸前でした
奥行きが15mある2軒長屋を貫き屋根を支える地棟梁
外に突き出たその木口を確かめると…
かたい芯の部分だけを残してボロボロに腐り向こうが見えるほどに
もはや崩落寸前でした
(スタッフ)やっぱ結構どこの家もこんな感じになってるんですか?
(石井)このような状態に付いてましたからここにこう出っ張りがあるんですね出っ張りがあることによって
もともとは板壁でしたが上から凹凸のあるトタンの壁で覆っていたため隙間から雨水が入り込んでしまっていたのです
でも幸いなことに腐っていたのは先端の20cm分だけ
壁から地棟梁が抜け落ちるのを防ぐため内側に頑丈な骨組みを組んで下からしっかりと支えました
2軒長屋を貫く大切な地棟梁
これでまずはひと安心
すると家の外に出た匠
その到着を心待ちにしていたのはわざわざみずから呼び寄せた特別な人
あっどうもこんにちはお世話になりますありがとうございます
(石井)よろしくお願いしますそれでは早速なんですけどもちょっと見て頂きたいんですけどあれなんですよはぁ〜
匠が指さしたのは外壁から顔を出したままのあの地棟梁の腐った木口
現場の状況を確認するとすぐに車の荷台からさまざまな道具が詰め込まれたかごを2つ取り出します
入っていたのは先のとがった木の板やスプレー缶
そして何色もの塗料
そのかごを抱えてはしごを登り地棟梁の前に組まれた足場へ
壁の内側で支えて補強したものの先端は腐ったままの地棟梁
間近で状態を確認したあと匠が信頼するその人がまずかごの中から取り出したのは…
そうです
なんと用意したのはちゃんと針も付いている医療用の注射器
そこに何やら茶色い液体を注ぎます
そしてまるで医者が患者に注射するように腐った木口に注入
(スタッフ)石井さんすいませんこちらの方は?
(石井)床とか柱に傷が付いたりした時に補修をして頂く修復士さんです
(スタッフ)修復士
(スタッフ)ちなみに今これはどういうことをされてるんですか?
匠が呼び寄せたのは家周りの補修・再生を請け負う修復士
今度は30本以上も用意した先のとがった板にさっきと同じ接着剤を塗りボロボロに腐った木口に1本1本打ち込んでいきます
実際に今この現状では芯になる物がないのでこれを打つことによって芯のような形を作っていきたい
(スタッフ)この木の材質は?
(修復士)檜を一応使ってます
(修復士)一応檜を使って…これ発泡ウレタンになるんですけれども発泡ウレタンで先ほど巻いたクロスあれにも絡めてやることによって輪郭までしっかりと充填できるかなっていう考えで注入しております
ウレタンが乾いて固まると型枠を外して元あった丸太と同じように外壁から10cm突き出たところでカット
次に用意したのは粘りけのある材料
(スタッフ)これは?一般的にアルミパテって言ってるんですね
地棟飾りの隙間から雨水が入りボロボロに腐っていた太い丸太梁の木口
それが修復士の手によって元のサイズに復元
でもここからがプロの腕の見せどころ
きれいに固めたアルミパテの表面にサンダーを使って傷を付け…
そこにまたパテを上塗りし無造作に刻んだ傷をなぞって形を作っていきます
次に手にしたのはこの日のために作ったお手製のコンパス
先に付けたクリップで彫刻刀を挟むと…
ちょうど真ん中に針を突き立てそれを軸にして彫刻刀の刃先で幾重も円を描きます
そう修復士さんが目指すのは丸太の姿をそのまま再現すること
形ばかりか木の色まで元に戻そうというのです
(スタッフ)これ黒ですね
さらにその場で何色かの塗料を調合
(スタッフ)おぉ〜なんか木目になってきましたね
(修復士)基本的には
もう手のつけようがないと思われた地棟梁のボロボロに腐っていた丸太の先が…
なんということでしょう
また元の姿を取り戻したではありませんか!
そうですねそう言って頂けると…ほんとに今回ありがとうございました
続いて始まったのは古い家の構造改革
2階の柱の根元から込み栓を抜いて梁を外します
1本1本丁寧に外すのはほかの場所で再利用するため
こうして2階の床梁を全部新しいものと交換
しかし新しい梁が架けられるのはかもいの脇にほぞ穴を掘った以前よりも20cm低い位置
結局2階の床組み全体が20cm下げられました
1階も土間から40cmの高さにあった床組みを解体し大引きを交換
それも2階の床梁同様以前より20cm低い位置に
つかの下にコンクリートの基礎を打ち床下は10cmを残すだけに
するとそこに砂利のようなものをまき始めました
隅から隅まで床下一面に隙間なく敷き詰めると…
そこに何やら抱えてきた匠
それもまた砂利のようなもの
(スタッフ)石井さんこれ今何されてるんですか?
(石井)調湿のためにですね珪藻土バラスというものを敷いてますそのために調湿効果を狙う湿気を持たさないということを重要視してますそのためにはこの珪藻土バラスを使うことによって床高を下げることができますそれともう1つはこの珪藻土の下にですね発泡バラスというものですけどもガラスの発泡をされたものですね非常に多孔質いわゆる気泡状になってるわけですねそれを土の上に敷きましてその上に珪藻土バラスを敷いてるというもので土と珪藻土バラスの間に空間ができるわけですねそれによってさらに調湿効果を十分果たしてくれるものということで今回採用しました
床を下げることで問題となる湿気を2種類のバラスで封じた匠
今度は床を張った2階に鉄のサポートを立てると…
通りから一番奥に架かる最も低い投げかけ梁
それを上からつり下げていた小屋づかをすべて取り払ってしまいました
するとその投げかけ梁自体も地棟梁から外し…
下に角材を積んで片側を高く持ち上げます
こうして丸太の梁の一方の端をこれまでより40cm上に上げると…
解体で不要になった柱を小屋づかとして再利用
(スタッフ)今回これ投げかけ梁上げられたんですねそれを今回上げましてなおかつ2階の床を20cmほど下げることによってこのように頭を打たなくてもですね十分安心して使って頂けるというふうなことで施工させて頂きました
そこに市田家待望の新しいお風呂が届きました
またわが家でお風呂に入れることを夢見るお父さんのために匠が選んだユニットバス
床の段差もなくなりこれからはいちいち土間を下りていく必要もありません
1階は床一面に断熱材を入れ上から無垢の杉板で覆いました
長屋のお隣と壁を共有しているため音の問題も気がかりでしたが壁全体に遮音シートを張り巡らせ防音対策も徹底
特にお隣と共有する南側の壁には遮音シートの上に石膏ボードを2枚重ねにして一層遮音性を高めました
徐々に内装が仕上がっていく中運ばれてきたのは新しいシステムキッチン
以前の古いキッチンとは大違い
天板の長さも280cmあります
かつて玄関を入ると目の前に5畳分の広さの土間が居座り生活動線を分断する段差が家族を悩ませていました
そこが一切段差のないバリアフリーの空間へと一新
日の入らない暗い台所が見違えるように明るいダイニングキッチンへと生まれ変わりました
こちらがですねダイニングルームになってるわけですけどもこのダイニングルームとこれは対面キッチンになってますお母さんと始子さんがキッチンの中で調理をされてお父さんがこちらにおられて
家族の暮らしやすさを追求し次々と問題を解決していく匠がこの日現場を離れて鉄工所にやって来ました
こんにちはよろしくお願いします
そこに用意されていたのは鉄パイプ
長さ165cmのものが1本と80cmのものが2本
短いほうがやや細めです
すると短いパイプを長いパイプの中へ通し真ん中に開けた穴から中のパイプにボルトを装着
反対側からも短いパイプを入れて同様にボルトを固定します
できたのは二重になった鉄パイプがスライドする仕掛け
匠はこれを一体何に使うのでしょうか
2階から光を採りましたね正解ですねやったぜ部屋ってあんだけ暗かったのがこんなにも…光がね自然光でしょ?だってこことこことここを攻められたらもう諦めるよねあとあの梁も上げて下下げてって2階があんな当たらないようになるんですね修復どうでした?あれ梁の地棟梁のすごかったですね見事でしたね化粧して木にしてたけどふたしちゃうってのはダメだったんですかね?やっぱりあそこに木を持ってきたかったんでしょう匠は梁が出てますよっていう匠は長い鉄パイプの中に短い鉄パイプを2本差し込みスライドさせられる仕掛けを作りましたが一体あれを使って何をするんでしょうか皆さんで推理してみてください握るもんだと思うんすよね僕手すりだと思うんですよ鉄って冷たくない?そうですね木にしますよねぇそれかお母さんが隣の家に洗濯物を掛ける…なんか掛けて高さを調節したりするんじゃないですか?これ引っ掛けてオーライオーライ
激しい雨の中現場にトラックが到着
その荷台に積まれていたのは長さが170cmある6cm角の鉄骨が2本
それを東側の隣家との間一部減築してできたスペースを通り庭に運び込みます
端に40cmの鉄の棒が斜めに突き出す形で溶接された鉄骨
庭の中ほどには深さ30cmの穴が2つ掘られ…
斜めに突き出た棒のほうを上にしてその穴に鉄骨を立てます
1m80cm離れたもう1つの穴にも鉄骨を立て足元を別の鉄骨でつなぐとその穴をコンクリートで埋めて根元を固めます
はいどうぞ
数日後現場に届いたのは鉄とステンレスを組み合わせて作った四角い大きなフレーム
それをまた庭に運び込むと…
地面に立てたあの2本の鉄骨の柱の内側にはめてボルトで固定します
そこに匠が重そうに抱えて運んできたのは…
真ん中に穴の開いた円盤状のウエイト
重さが1つ1.5kgある鉄のおもりをフレームの両側に3つずつ合わせて9kg分取り付けました
(スタッフ)石井さんずいぶんすごいものを作りましたね
(スタッフ)これは物干し台なんですねはい
(石井)中のパイプが動いて
(スタッフ)動くんですねそうですね
(スタッフ)すごいですね
(スタッフ)なるほど
琵琶湖の湖岸に沿って南へと下る匠
また次のアイデアを形にしようと車を走らせます
そしてやって来たのは広い田園地帯の真ん中にポツンと建つ建物
こんにちはどうもあっどうもようこそよろしくお願い致しますいえいえ…すごい広いですこちらなんですけどもこれ葦の倉庫になってるんですね
匠のお目当ては収穫されてこの広い倉庫いっぱいに山のように積み上げられた葦
葦は湖や沼などの水辺に群生するイネ科の多年草
琵琶湖周辺は昔から日本有数の葦の産地として知られ万葉集にも詠まれたほど
秋から冬にかけて刈り取られ今も葦簀や茅葺き屋根の材料として使われています
匠は市田家のリフォームにも是非この地元特産の葦を使いたいと考えたのです
丁寧に皮を剥いだ葦を1本1本昔ながらの編み機にかけて手作業で編んでいきます
伝統的な方法で編まれたのは葦簀と呼ばれる葦のすだれ
両端の不ぞろいな部分を切って形を整えます
その葦簀が木枠にはめられ熟練の建具職人の手で市田家で使う真新しい引き戸に組み込まれました
下半分に板を張ったこれと同じものを全部で4枚製作
それらを使うのは階段とトイレに面した廊下とダイニングルームの境
そして廊下の両側にある両親の部屋の入り口
涼しげで風情ある建具で間仕切りました
(スタッフ)石井さんずいぶんかっこいい扉が付いてますけど
(石井)これは葦戸なんですね
(石井)吹き込んだ時にちょうどちょっとまぁ見て頂きたいんですけども内側に入りますとこれ摺り上げ障子というんですけどこれをちょっと上のほうにこう上げていきますそうすると
(スタッフ)なるほど
葦戸と雪見障子
和の建具の知恵を融合させた匠がまた別の工場へ向かいました
そこに用意されていたのは厚さ3mm縦横40cm四方の何の変哲もない板ガラスが1枚
いいんじゃないですかね
でもそのまま使うわけではありません
定規を当ててダイヤモンドカッターで表面に傷を付け…
次々とガラスの端を落として最後は五角形に
はいありがとうございますおぉ〜
わざわざガラスを五角形にカットしてもらった匠
一体何に使うのでしょうか
もう化粧がすごいですねこのおうちの葦ってあんなかっこよくなるんですねあそこから風が抜けて雪見障子の逆でこうやれば風が入んないっていうあと正解でしたねあれ物干しそうですそうですてこまでは分からなかったけど冷静に考えりゃ分かんだよなぁカシャンってねお母さん感動しちゃいますよね「これ干しやすいわ」ってあれ便利ですよ透明なガラスを五角形にカットしてもらった匠ですが一体あれをどこに使うのでしょうか皆さんで推理してみてください俺はもうピンときましたすぐ切ってる時はよく分かんなかったですけど持ち上げた時にあっあそこだ!雨風をよける梁の木目の所に貼るんだ中の木目が見えるようにだからあそこは復元士の人に委ねたんすよね俺らあの時に「付けりゃいいじゃん」って…
瓦のふき替え工事が進む屋根の下以前はトタン張りだった市田家の外壁に新たに張られていたのは昔ながらの焼杉
日本古来の外壁材でかつての風情を取り戻しました
するとそこに匠がずっと待ちわびていたものが届きました
オーライオーライはいどうもありがとうございます
現場に現れたのは板金加工の職人さん
大切に毛布でくるみかごに入れて運んできたのは…
ガルバリウム鋼板で作った小さな鳥小屋のようなもの
その出来栄えに満足すると…
じゃあこれ取り付けお願いしますはいじゃあ上上がりますね
そう言って脚立を上って屋根に上がる板金屋さん
小さな家をかたどって板金加工したものを匠から受け取り向かったのは…
再現された地棟梁の丸太
それをその丸太にすっぽりかぶせました
そうこれは壁から頭が突き出た地棟梁の丸太を保護するための市田家の新しい地棟飾り
匠が以前の形を踏襲してデザインしたものですがなぜかその前面が塞がれておらず丸太がむき出しのまま
匠が抱えてきたのはその地棟飾りのふたとなるもの
エアクッションを敷いた箱の中から取り出したのは…
あの五角形に切ってもらったガラスでした
わざわざガラスを五角形に切ったのは新しい地棟飾りの形状に合わせるため
匠は外から丸太の木口を見えるようにしたのです
(スタッフ)石井さんずいぶん立派な飾りが付いた感じですけどもあれは地棟飾りなんですねはい
(スタッフ)これ中見えるようにしたんですね
(石井)そうなんです
(石井)わざわざ修復したんです
伝統的な日本建築のよさを再認識してもらいたいと「古の技の継承者」が愛情を注いで完成させた市田家
135年の歴史をまた未来へとつなぐそのリフォームの全貌をご覧頂きましょう
彦根城の城下町に明治13年に建てられた築135年の市田家
この家で生まれて88年
お父さんは家の中でも杖が欠かせず土間で動線が分断された家ではトイレへ行くのにも娘の助けが必要
お母さんももう82歳
30年前に土間に作った風呂場は脱衣所もなく浴槽が深くて手すりもありません
お父さんが最後に入ったのは3年前
天井が低い厨子二階の家
娘の始子さんは部屋でまっすぐ立って歩くことさえできません
始子さんが願うのは高齢の両親が不安を感じることなくもっと楽に生活できる家
そんな家族の暮らしを変えようと立ち上がったのは…
古民家再生が天命だと言い切る「古の技の継承者」が日本の伝統建築のよさを未来に引き継いだその優しいリフォームの全貌をご覧頂きましょう
三方を隙間なく隣家に囲まれた築135年の長屋のくたびれた外観は…
歴史ある城下町の町並みにふさわしい堂々たる姿へと大変身
家の外周を布基礎で固め玄関の床高を20cm上げたのでもう大雨が降っても心配はいりません
40年前にふき替えて以来ずっとそのままで傷みの激しかった瓦屋根は…
新しい瓦へと衣がえ
再生した市田家のシンボル・地棟梁の丸太が道行く人にも135年の歴史を伝えます
以前正面から入っていた玄関は通りに面した奥行き一間分を減築し横から入る形へと一新
つえが手放せないお父さんのために手すり付きの緩やかなスロープも備えました
その手すりを伝って入る新しい玄関は土間と床に段差がなくここから先はもうつえいらず
通気性のいい葦戸を使った下駄箱は湿気やにおいがこもりません
家族の生活動線を分断していた広い土間
お父さんが土間に置いた踏み台を渡って入っていたトイレをなくし…
そこを屋外にして土間の廊下もろとも玄関アプローチに
暗くて窮屈だった台所が明るく開放的なダイニングキッチンへと大きく様変わりしました
親子3人で囲む食卓を照らすのは始子さんに作ってもらったびん手まりを使ったオリジナルのペンダントライト
家の周囲三方を囲まれても明るいダイニング
それは天井を抜いて設けた天窓とハイサイドライトのある吹き抜けのおかげ
夏の日ざしが強い日や冬の暖房効率を高めたい時は軽いポリカーボネート製の建具で仕切ることができます
以前同様生活の中心となるダイニングキッチン
部屋を一望できる対面式のキッチンなのでいつでも家族の顔が見えます
調理スペースも収納もたっぷり
床下収納から天井いっぱいのつり戸棚まで大容量
135年の間にたまったたくさんの食器を全部まとめてしまえます
キッチン脇の大きな引き戸の先にできた家族待望の洗面脱衣所とお風呂
車いすでも使えるようスペースも十分
小さな板の上で服を脱ぎ高い浴槽をまたぐのは足の悪いお父さんには無理でした
でもこれからは庭を眺めながらゆったりとまた昔のようにわが家でお風呂を楽しめます
7畳のダイニングと段差なく続く4畳の仏間
お父さんが趣味で集めた掛け軸を飾れる床の間もしつらえました
道路から直接大物の家具や荷物を運び込める扉を付け南向きの大きな開口の外には段差なく出はいりできる4畳半もの広さのウッドデッキが
お母さんが鉢で育てていたナンテンとあじさいが涼しげに葉を揺らす坪庭
夏は柿の木の葉が暑い日ざしを遮ってくれます
四方から軒がせり出し日当たりが悪くお母さんが洗濯物を干すのに苦労していた庭
東向きに張り出していた庇部分を減築して面積を4畳分広げ匠特製の物干し台を設置
重りでバランスが取れるのでぬれて重い洗濯物を干しても楽に動かせます
ステンレス製のさおが2本あり家族3人分を干すには十分
屋根の上にまで上げられるのでもう日ざしを追いかけて雨樋から雨樋へ洗濯物を移動させる手間はいりません
かつて玄関を入ったとたんにあった寒くて使い道のないむだな空間
土間からの高さが40cmもある段差が家族の悩みの種でした
そんな段差が一切なくなり明るく温かくなった部屋の間仕切りには琵琶湖名産の葦を使った葦戸を採用
夏は風を通し冬は雪見障子の要領で風を遮れます
そして廊下を挟んで南北に配した両親それぞれの部屋の真ん中にトイレを移設
北向きにはなるものの通りに面して大きな窓がある明るいこの部屋が新しいお母さんの寝室
窓の外にはお母さんが大切に育てている鉢植えを並べた花台が置かれ部屋からその眺めを楽しんだり水やりもできます
壁一面を使った大きな収納も用意しました
家の一番奥にあり一切窓がないため昼も電気をつけないと真っ暗だったお父さんの部屋
場所は以前と変わらず奥の長屋と壁を共有しているため窓が取れないはずなのに自然の光がさんさんと降り注ぐ明るい部屋に
これは天井から落ちてくる光のおかげ
2階の床の一部を透過性のあるポリカーボネートにすることで2階の窓から入ってくる光をこの床を通して1階まで落としているのです
さらにその天井を開ければ光ばかりか風まで吹き抜けます
これまでは朝起きても夜のような闇に包まれていましたがこれからは朝日を浴びて気持ちよく目覚められます
壁にはぐるりと手すりを付けそれを伝い歩けばわざわざ廊下に出て遠回りすることなく部屋から直接トイレに行けます
長屋のお隣と壁を共有する南面は遮音シートと石膏ボード2枚を重ね張りしたうえその壁一面を収納にすることで互いに気になる生活音をさらに軽減
そしてその収納の扉にもひと工夫
引き戸を閉めて桟を倒せば扉が固定されて手すりとして使えるすぐれもの
それを伝っていけばお風呂にも楽に行けます
壁際の狭い場所からはしごを立てかけたような急で手すりもなかった階段は…
その向きを逆にして傾斜を緩やかにかけ替えました
ちゃんと手すりも付いて安全に上り下りできる階段
正面に開けた2階の窓から入る日の光が吹き抜けの階段を通して1階にまで差し込みます
実はこの日ざしの恩恵を受けている場所がほかにも
階段を上りきった踊り場の床に強度に優れ透過性の高いハニカムパネルを使うことで下のトイレにまで光を落としていたのです
匠の仕事に寸分の隙もありません
明るくなった階段の吹き抜けは低い天井を取って小屋組みをあらわにしたことでかつてなかった開放感を生み出しました
以前は昔ながらの天井の低い厨子二階の部屋で圧迫感を感じながら過ごしていた始子さん
でもこれからは違います
1階と2階の床を20cmずつ下げるなど匠は2階の部屋を広げるために手を尽くしました
そうして低い投げかけ梁に頭をぶつけることもあったとにかく窮屈だった部屋が…
一番高い所で天井高が3mもある広々とした部屋へと生まれ変わりました
和室に布団で寝たいという始子さんの希望をかなえるため天井高が取れない壁際に懐の深い収納を作りつけ布団をしまえる場所も確保
古い家財道具が詰め込まれもう何年も入ったことのなかった物置をきれいにしてウオークインクローゼットにかえそこに始子さん待望のワークスペースも
趣味のびん手まりを作る際いちいち道具を出し入れすることなくいつでも好きな時に作業を始めたい
そんな始子さんのリクエストに応えました
広い廊下で二間に仕切られた2階
これまではなかったトイレも作られたので夜中わざわざ1階に下りなくても済みます
また以前物置となってしまっていたもう1つの部屋は畳敷きの客間に
北側の始子さんの部屋よりもさらに梁が低く架けられ物置以外に使い道のなかった2階の南側の6畳間
その最も低い投げかけ梁の片側を40cm上に持ち上げたことで床を下げたのと合わせて梁までの高さが60cmも高くなりました
古いきりだんすや水屋だんすを修繕し弟さん家族が遊びに来た時に泊まっていけるよう布団をしまう押し入れも用意
障子の向こうは天窓と壁の窓から日が入る光の縁側
下のお父さんの部屋を明るく照らしていたのはこれでした
長年暗くて不便な生活に耐えてきた市田さん一家
明るく開放的になったこの家を喜んでくれるでしょうか?
で…あっ明るいはいご苦労さん
(スタッフ)こんにちはこんにちは
(スタッフ)お待たせしましたありがとうございます
(スタッフ)お父さんお待たせ致しましたはいどうも
(スタッフ)完成しましたおうちがありがとうございます
(スタッフ)始子さんとりあえず報告待ってるので…
(スタッフ)はいじゃあ行きましょうかどうですか?今の気持ちは
(スタッフ)はいまもなく見えますよはいこちらですご覧ください
(始子さん)よかったなすごいなぁ
(スタッフ)お父さんどうです?あっほれ見てあっすごいな
(スタッフ)あそこに見えるのは…へぇ〜すごいねなかなかいわれのある柱らしいけどなわしらは分からん
(スタッフ)ハハハハ…
(スタッフ)ではお父さんもともとこんな感じだったんですわぁそうそうそう…
(始子さん)こんなんやったんや
(スタッフ)こんな状態だったのを
(始子さん)なんでこれが?と思たんですけど花のことばっかり入院してても言ってるんですあっすごいよすごいよ玄関ちゃんと2つある
(スタッフ)お父さんねここね…
(スタッフ)こっからいらないですうん
(始子さん)よろしいな
(スタッフ)よかったここまでよっこらしょっとうわっすごい!
(スタッフ)どうですか?お父さんこんな入り方へぇ〜すごいすごいおぉ〜ほんまにここ全部…お父さん気ぃ付いてる?ここら辺全部ないうわっうわっうわ〜すごいやんえらい涼しいなと思ったらあっ!
(太兵衛さん)あんたの力作のな
(始子さん)そう私の力作ですわすご〜いこんなふうになってるんやいや〜びっくりですほんまにあっすごい広い
(一同笑い)なかなか顔を見ながらとかいうのはできなかったんですごいなでも全然段差がないなほいおぉおぉ…あっすご〜い
(スタッフ)裏庭ですもうね全然別もんです
(スタッフ)以前ここでお母さんが困ってたこと何でしたっけ?
(スタッフ)で新しくできたのがこの物干し始子さん分かります?使い方えっ?えっ?あっすご〜いすごいこれほら私が届くもので今度は下ろすんやはぁ〜なるほどいや〜んすご〜い
(拍手)こっちの部屋が…
(スタッフ)ここお父さんのお部屋ですあっそうですかちょっと広すぎるんちゃう?お父さんには
(スタッフ)今まではもう真っ暗だったじゃないですかお父さんこれ上見てください
(始子さん)ほんまや青い天井が見えますねよかったなぁ向こうからも入ってこられるんやろほうでなかったらお父さんの部屋通ってないとトイレ行けんかったら何にもならんじゃんすごいなぁ
(スタッフ)さぁどうぞこれは洗面所ちょっと持っててやしっかりとあっ!
(スタッフ)段差なかったですね段差ないですね段差ないっていうかどうもないんかいなちょっと待って後ろ…危ないよちゃんと手すり付いてる
(スタッフ)お父さん大丈夫ですか?
(始子さん)大丈夫?大丈夫ちゃんと入ってるがな普通ここに腰下ろしたりとか
(スタッフ)お父さんどうですか?お風呂入れそうですね?入れるかな?ほうですか気ぃつけてよわっ!わぁすごいこれ皆板で…でもほらだってほうじゃんだってほうじゃなかったら頭打ってたもん私
(スタッフ)じゃあ始子さん今度ここはいあっ!ハハハッ見てお父さん!この箪笥は使いたいなと…いや〜明るいうれしいいやぁすごい
(スタッフ)十分ですか?はい
(スタッフ)お父さんどうです?で…あっ明るい・こんにちはこんにちはどうもお久しぶりです
(始子さん)ありがとうございましたほんとにいろいろありがとうございました
3年越しの念願がかないようやくわが家のお風呂に入れたお父さん
2階のワークスペースで早速びん手まり作りに精を出す始子さん
ここは家族みんなが好きなことを満喫できる家
あとはお母さんの体調が戻れば親子3人思わず気持ちが若返る明るい生活がスタートします
(スタジオ内拍手)しゃれてるおうちですねこれすごいしゃれてるうちすてき〜人の人生こんなにも変えるリフォームがあるんだと思ってこの番組絶対そうじゃないですか生き方ができた瞬間にがらりと変わるじゃないですかだけど85年たっても目をキラキラさせてつえなしで歩き始めるぐらいに変えたビフォーアフター僕は今回初めて見ましたね88でも刺激があることがあるってことですよ「2階も上がってみなきゃ分かんない」なんて週に2回デイサービスでお風呂入れてもらってみたいなそれがもう毎日自分で入れるんだもん「升酒持ってこい」っつってましたもんねあれ風呂入りながらしみじみでしょうねガラス越しにお父さんの表情撮ってましたけどなんともいえない表情でしたよ出ないねあの風呂からのぼせちゃいますからそのぐらい気持ちいいんじゃないですか2015/08/02(日) 18:57〜20:54
ABCテレビ1
大改造!!劇的ビフォーアフター 築135年の古民家を最新バリアフリー住宅に大変身[字]

“お風呂に行く度に橋をわたす!?”仰天生活!つえが必要な父には渡れない!日光届かず昼でも暗闇▽完成!父がつえ無し歩き回る!風呂も一人で楽々&光の和モダン邸!

詳細情報
◇番組内容
劇的なリフォームで家族の問題を解決します!狭い・暗いなど不便な家を匠がリフォームで大改造!!日本中の家族を幸せにする笑いあり、感動ありの家族応援バラエティ
◇出演者
所ジョージ、江口ともみ、田村淳、筒井真理子
◇おしらせ
番組ではリフォーム依頼を大募集!家の大・小、予算は問いません。
詳しくは番組HPまで!「劇的ビフォーアフター」で検索!!
☆番組HP
 http://www.asahi.co.jp/beforeafter/
◇監督・演出
高橋章良
◇音楽
松谷卓
◇制作
ABC

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
バラエティ – その他
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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