(車内の音楽)
(小田嶋由樹奈)よく眠ってるチビちゃん。
(小田嶋剛)早くしろよ買い物。
帰りDVD借りてぇし。
また笑えないコメディー?うるせぇよ。
どこ行くの?え?タバコだよタバコ。
瞳見ててよ。
ここで吸うと店員うるせぇんだよ。
すぐ済ますから待ってて。
(成増清剛)あとはタマネギか。
(鶴丸りん)タマネギそんなとこないって。
あの女俺に惚れてんだって。
えっ?うん…だってあん時俺にメールよこしたんだぜ。
え?違ぇよバカ。
(物音)
(由樹奈)瞳?
(由樹奈)瞳!?瞳?
(由樹奈)瞳…瞳…瞳…。
(由樹奈)瞳瞳…瞳瞳…。
ああ〜すいませんすいませんすいません。
あの靴靴。
捜してください!子供がいないんです!瞳がいなくなって…。
子供?おっさん!女房に何やってんだよ!?剛瞳がいないの。
てめぇかうちの娘盗んだの?ちょっと落ち着けってよ。
瞳…。
(パトカーのサイレン)
(由樹奈)瞳…。
りんちゃんがいなかったら俺さあの野郎半殺しにしてたよ本当にもう。
(鶴丸あや)そんなに若い夫婦だったの?旦那が22〜23。
奥さんはまだ高校生みたいで。
子供が子供がって最初は冗談かと。
で赤ちゃんは消えたまま?ああ目撃者もなし。
駐車場の防犯カメラもなんか角度が悪くて手掛かりなしだよ。
それはお母さんは心配よね。
亭主の方はさもうシラーっとしやがってよ。
こっちは必死に捜し回ってるのにのんびりタバコなんかふかしやがって…。
(りん)成増さん入れすぎ!あっあっ!もう俺さあの野郎の事思い出すとカッカカッカカッカしちゃってな。
子供が小さい時ってね…病気の時はもちろんだけど元気な時だってケガはしないか事故に遭わないかってそれはもう四六時中心配なのよ。
ましてやいなくなったなんてなったら…。
はあ…その赤ちゃん無事に戻るといいわね…。
(セミの鳴き声)何かご用ですか?
(西条史歩)あの…落とし物を拾ったので。
おい!
(平林雅彦)お疲れさまです。
赤ちゃん泥棒捕まったって?今池内さんが取り調べしています。
(池内弘二)子供が欲しかったなんてのは言い訳にもなんにもならないんだよ。
駐車場で車の中の赤ちゃん見つけてドア開いたんでつい…。
(ドアの開閉音)あんたまだ若いじゃないか。
子供が欲しけりゃこれから自分で作る事だって出来るだろう。
あ…ちょっと一言いいか?ああどうぞ。
俺はたまたまあの日スーパーの駐車場にいた。
母親が必死に子供を捜し回ってる姿を見た。
買い物を放り出し靴も片方脱げてたがお構いなしに子供の名前を叫んで…。
母親っていうのはな子供を産んだからってなれるもんじゃねぇんだよ。
その事をよーく覚えといてくれよ。
(井森幸三郎)川喜多集中。
(川喜多夏帆)え?あっ…すいません。
集中!
(夏帆)はい。
「人心の荒廃ここに極まれり」よ。
井森事務官どう思う?赤ちゃん泥棒西条史歩の調書読んだでしょう!?赤ちゃんが欲しかったから盗んだ。
ふざけるな!って言いたいわ。
わたくしは…。
「個別の事件に対して意見を開陳する立場にはございませんので」でしょ?たまには開陳しなさいよ!開陳!!わたくしはずっと独り身ですので子を持つ親の気持ちはましてや子を盗む女性の気持ちは全く…。
男は大体そうやって逃げるの。
子供は女の係。
育児は女の仕事って決めてかかって知らん顔する。
でもでも鶴丸検事は素敵なご主人がいらっしゃるから育児も二人三脚でしょう?ダメダメダメ…章ちゃんなんてもう全然ダメよ。
産む前はね2人で育てようなんて調子いい事言っていざ娘が生まれてみたらもう全然!オムツ1つ替えないのよ。
夜泣きの時なんて寝たふり決め込んでシカトするし。
お嬢さんの写真持ってます?小さい頃の。
もちろんよ!肌身離さず。
ウフフフ…。
検事そろそろ次の被疑者を…。
はい!りんちゃん3歳でちゅ〜。
かわいいでちゅね〜。
今はねこんなになっちゃいました〜!すっかりお姉さんですよね〜。
そう。
ウフフ…。
この2枚の写真の間には鶴丸あやの汗と涙の歴史があるのよ〜。
深い…。
まだどっぷり勤務時間中ですので私事は勤務時間後に。
ねえ井森さんりんちゃんの感想を!あっダメダメダメダメ。
お嫁にくださいっていうのはダメ!ハハハ…。
率直に申し上げますが検事とあまり似てない。
川喜多次の被疑者。
はい。
(平林)西条史歩の勤務状態態度はいかがでしたか?
(スタッフ)よくないですね。
無断欠勤もちょくちょく。
彼女が特別赤ちゃんとか子供に関心を抱いていたみたいな事はないですか?いや…特にそんな事も…というかあのそういう話は女性スタッフに聞かれた方が…男にはなかなか。
ああ…それはまあそうですよね。
(栗原五月)あっちょっとすいません。
赤ん坊の誘拐事件を捜査されてるとか?ええ。
関係者の方にお話を伺ってるんですけども。
赤ん坊の名前ちょっとあの小耳に挟んだんですけど…小田嶋…。
はい。
瞳ちゃん。
やっぱり瞳が?いや…あっどうしよう…。
小田嶋瞳ちゃんの事よくご存じなんですか?知るも知らないも私の孫です!
(池内)引っくり返りそうになりましたよ。
(池内)見た目も若いんですけど年聞いたら33ですって。
33歳のおばあちゃんか…。
(高原純之介)母も娘も16〜17で子供を産んだってわけだな。
なんか妙な展開になってきましたね〜。
被疑者は働いてたスポーツジムの33歳の同僚スタッフの孫を誘拐したってわけか。
うん。
赤ちゃんが欲しかったなんていい加減な事言いやがって今回の事件なんか奥が深そうですね。
うん…。
私はそれよりねその33歳のおばあちゃんが自分の孫が誘拐騒ぎに巻き込まれた事を知らないっていうのは不思議。
私もねそれには引っかかったんですよ。
俺もただでさえ女の事よくわかんねぇのにな16〜17で子供を産む女の気持ちがまるでわからない。
だからそれは同じよ。
子を持つ母の子を思う気持ちは同じ。
年齢は関係ないの。
あなたは元々赤ん坊や子供に関心があった。
そう考えていいですか?まあ…そうです。
勤め先のスポーツジムにも子供たちが大勢来るんじゃありませんか?若いお母さんたちも赤ん坊を連れてくる。
それで関心が高まったとか?検事さん!私これからどうなるんでしょうか?どうなるって?わたくしの方からご説明します。
あなたをよく取り調べ関係者の供述も取ったのち起訴不起訴の判断を検事が致します。
私刑務所に行くんですか?鉄格子の中に何年も閉じ込められて…。
あ…私こんな事になるなんて思ってもみなくて…。
あなたの軽はずみな行動が重大な違法行為を招いたのは間違いありません。
まあ…幸い赤ちゃんは無事に母親の元に戻りましたがあ…西条さんあなた…赤ちゃんの母親小田嶋由樹奈さんと面識は?いえ…ありません。
勤め先のスポーツジムで見かけた事があるんでは?彼女はスタッフの一人えっと…栗原五月さんの娘さんなんですよ。
栗原さんご存じですよね?はい。
あなたが連れ去った赤ちゃんは栗原さんのお孫さんなんですよ。
その事は知っていましたか?西条さん?はい。
知っていました。
うん…。
その点について警察では全く触れられていませんよね?聞かれなかったので話しませんでした。
栗原さんの娘さんの事はよく知っています。
ジムにもよく遊びに来ていましたし。
ただし…あの親子あまり仲良くないみたい。
仲がよくない。
理由は?孫ですよ。
16か17で子供産んだ娘が許せなかったんじゃないですか?自分も同い年ぐらいの時に娘を産んでるくせに…。
もちろんそんな事口に出して言いませんけど。
確認しますがあなたは栗原五月さんだけでなく娘の小田嶋由樹奈さんの事もよく知ってた。
2人が不仲である事も知ってた。
そのとおりです。
だから栗原さんから孫を誘拐してくれと頼まれた時…。
えっ!?栗原さんに頼まれた?自分の言う事を聞かない娘をこらしめたい手伝ってくれって…。
だから仕方なく…。
検事さん!これってなんとか教唆とか言いません?私は悪くない。
命令した張本人が一番悪いってやつ…。
西条さん…。
これはとても重要な事ですからもう一度お聞きしますよ?あなたは小田嶋瞳ちゃんを赤ん坊が欲しいから連れ去ったのではなく職場の同僚栗原五月さんから娘をこらしめる為孫を誘拐してほしいと頼まれた。
間違いありませんね?そのとおりです。
検事!お先に失礼します!え?今日ビアガーデンで大学の重量挙げ部のOG会で。
(夏帆)店のビール全部飲みきってやるぞ〜!ってみんな張り切ってるんですよ〜!ではお疲れさまでございました!
(夏帆)よいしょ!
(ドアの開閉音)もうっ!検事…。
定時になりましたのでわたくしもお先に失礼を。
あなたもお寿司でもつまんで1杯?いえいえ。
コンチェルトを聴きに。
リヒテンシュタインの室内楽が今京都に来ておりまして。
リヒテンシュタインだかなんだか知らないけど今の西条史歩の供述を聞いてなんとも思わないわけ?よくビアガーデンだコンチェルトだなんて言ってられるわね!よいしょ…。
公務を終えましたので一言私見を述べても?どうぞ。
先ほどの西条史歩の供述は明らかに虚偽です。
彼女は軽率に犯した自分の罪を激しく悔いていた。
まさかあれぐらいの事で刑務所に行くはめになるとは思ってもみなかった。
そんな口ぶりでした。
それで検事に追及されるうちに逃げ道を見つけた。
ジムの同僚に頼まれたと。
だとすれば刑も少しは軽くなると。
浅知恵を働かせ…。
井森事務官。
今の話全部あなたの推測でしょ?ですから明日より警察官に再度聞き込みを依頼し…。
明日!警察官!じゃなくて今日!自分で聞き込みをしようとは思わないわけ?残念ながら今日はリヒテンシュタインのコンチェルトが…。
お先に失礼しま〜す。
お疲れさまでした。
(ドアの開閉音)もうお前らには頼まーん!!
(チャイム)
(由樹奈)ずっと2人で引きこもったままで。
ご主人はまだ?今日は遅番とか。
でも何やってるんだか…。
娘にも私にも全然無関心だし。
今のお母さんの話はどうかしら?あなたのお母さんが瞳ちゃんを誘拐しろって西条史歩に頼んだっていう話。
あの人なら…やりかねない。
えっ?誰が言ったか知らないけどそれが真相かも。
赤ん坊が欲しかったなんて嘘くさいもん。
なぜお母さんはそんな事を言ったと?私の事が嫌いだからでしょ。
あの人…。
あなたも嫌い?お母さんの事。
ええ。
だから誘拐の事もお母さんに知らせなかった?私あの人の事母親だなんて一度も思った事ありませんから。
(瞳の泣き声)はい…おいで…よいしょ。
(瞳の泣き声)
(五月)私が西条さんに孫誘拐しろって?そんな事言うわけないじゃないですか。
誰がそんなデタラメを。
ああ…話変えます。
西条史歩さんの事よくご存じですよね?う〜んまあよくってほどじゃないけどまあ顔見たら挨拶する程度。
ほら私ら年も違うし。
私もおばちゃん…じゃなかったおばあちゃんだから。
フフフ。
西条さんにお孫さんの話をした事は?どうやったかな…?言ったかも知れないし言わなかったかもしれないし…。
お孫さんを連れ去ったのが西条さんだって聞いてどう思われました?もう訳わからんかったよ〜。
私あの人になんか変な事言ったかな…変な事したかな?って考えてみたけど。
あ…もうやめてよ〜。
明日大丈夫?え〜…。
すいません。
ああ〜いい線だと思うよ。
由樹奈ママならやりかねないな。
ええ…?でも自分の孫でしょ?人に頼んで悪さするなんて考えられない。
そりゃあ検事さんみたいにさみんなから愛されてスクスク育ちましたみたいな人間にはわかんねぇと思うよ。
だってママは17で娘産んで娘の由樹奈は16だぜ。
普通じゃないでしょ。
2人…仲が悪かった?悪い悪い最悪だねぇ〜。
検事さん言っとくけど俺ぶっちゃけあの2人に関わりたくねぇんだよな。
あなた由樹奈さんの夫でしょ!瞳ちゃんのパパでしょう。
(携帯電話)オイッス〜もしもし。
ああもう店閉めるよ。
うんどうしよっか?今日。
どこで飲む?お前他の男に色目使ってんじゃねぇぞ。
(小田嶋)いいから早く迎えに来いって。
(りん)おかえり。
遅かったね。
うん…たんか切った手前一人で駆けずり回ってたらくたびれちゃった…。
もう寝るよ。
明日の朝いつもより早く出る。
不登校の生徒の家家庭訪問。
大変ね。
目覚ましちゃんとかけてね。
わかってる。
おやすみ。
りん。
ん?あんたお母さんの事嫌いになった事ある?しょっちゅうだよ。
じゃあなんで一緒にいるのよ?お母さん私がいないとなーんにも出来ないでしょ。
だから。
バカにすんな。
フフフ。
(ため息)
(鼻歌)りんちゃん。
(ブザー)
(井森)あっはい!乗ります乗ります!
(ドアの開閉音)産婦人科…。
(ドアの開閉音)大丈夫だった?俺が相談乗るから。
元気でよかったな〜。
はあ…。
成増警部補りんちゃん…。
ジョイント。
産婦人科…はあ…。
(夏帆)あ…。
事務官大丈夫ですか?20分も遅刻ですよ。
井森事務官も人の子。
たまには寝坊もする。
検事。
はい?いえ…なんでもありません。
フフ。
それはあれだろう。
井森事務官に鶴丸あやのボディーブローが今になってジワジワ効いてきたって事だろ?あんな井森さんは初めてなんです。
もう何を言っても生返事で電話一つ出ないんですよ。
もう…事務処理能力抜群の井森事務官がなんであんなに変わってしまったのか…。
なんか悩みでもあるんだろう。
しばらく様子見て…代わりに見習いを鍛えられると!プラス思考で考えて。
はあ。
栗原さん辞めたんですか?辞めたというかクビです。
解雇。
どうして?いやどうしてってそれは…。
申し上げられません。
ええ…?あしからずご了承ください。
あっちょっと…。
あやさ〜ん!あやさ〜ん!何?みんなおそろいで。
(桜井麗子)今日ね今ねここ無料キャンペーン中なの。
ああそれで。
(吉川香織)あやさんこそ何やってるの?いや私仕事で…。
それよりみんなに1つ聞きたい事がある。
(漆原さやか)どうぞどうぞ。
(麗子)ロッカーからよくお金がなくなるんだって。
多い人で1万円ぐらいやられたらしい。
ええ?じゃあさその栗原っていうスタッフが犯人だったって事?
(さやか)そう噂やけど。
けど火のないところに煙は…って。
(柿野たまこ)ずっと前からここの正会員なんです。
じゃあ栗原さんの事もよく…?
(たまこ)知ってます。
あの人子育てママにしつこくレクチャーするって有名だったんですよ。
へえレクチャー?ミルクはあのメーカーがいいとか…。
オムツの替え方はこうやとか…。
夜泣きしたらどうしろとかやたらうるさく子育て中のママたちにレクチャーするんやって。
へえ無料キャンペーンのわりによく知ってるわね。
地獄耳!その人若いのに孫がいるって話よ。
そんなんガセガセ!孫の写真見せた事ないからそう言われてただけで孫はいるわ。
孫の写真が…ない?さあ検事さんどうぞどうぞ。
狭いところやけど。
ジムに伺ったら辞められたって聞いたんで…。
殺生な話よ。
どうぞどうぞ。
お客様…。
ああええのええの。
この人姉妹みたいな人やし…。
前に一緒にスナックやってた涼子さん。
(黒木涼子)私もう帰るし店開けんと…。
あの…長居しません。
栗原さんに2〜3質問するだけで。
じゃあ…。
2つと言わんと10でも20でも…。
(五月)さあどうぞどうぞ。
ジムを辞められたのは…?妙な噂を聞いたものですから。
ロッカーのお金盗んだって話でしょ?えらい濡れ衣や。
体のいいリストラです。
あそこ会員の数減ったさかい私らの首切りとうて仕方なかった。
それで…。
はあ…。
もう1つ栗原さんあそこに来る若いお母さんたちに育児について教えられてたそうですね。
そのとおり。
まあ「経験者は語る」やな。
今の若い人は子育てに苦労してる苦しんでる。
それで老婆心ながら。
由樹奈さんの子育てで経験した事を?うんまあだいぶ前やけどなぁ。
由樹奈さんどんなお子さんでした?どんなって…普通や。
かわいがられてたんですよね?当たり前や。
今由樹奈さん夫婦円満とはいかないようです。
えっ?そんな事ないやろ。
由樹奈さんの子供の頃の写真見せてもらえますか?かわいかったでしょ?あいにく押し入れの奥の奥…。
はあ…。
じゃあお孫さんの写真は?瞳ちゃんの…。
バッグの中…どこしまったかな?じゃあ携帯の写真は?あるでしょ?この前携帯落としてしもて…。
実は私もこの間孫が出来まして…。
いや娘に色々聞かれて困ってるんですよ。
育児なんてもう遠い昔の事で…。
ハイハイは何か月まででしたっけ?う〜ん…7か月から1歳くらいまで。
つかまり立ちは?7か月から1歳1か月。
立って歩き始めるのは?
(五月)10か月から1歳6か月。
駅までご一緒しても?ええ。
検事って人種に初めて会うたけど意地の悪い商売やなぁ。
は…?五月を試してたんやろ?質問攻めにして。
五月もアホやから本で覚えた事ペラペラと…。
やっぱり育児書ですか。
そうや。
五月さんと由樹奈さんの関係よくご存じなんですか?ある程度は。
五月は由樹奈を産んですぐ男に走った。
せやから育児体験ゼロ。
由樹奈は小さい時から父親にずーっと母親の悪口吹き込まれて育った。
半分はほんま半分は嘘やった。
たとえ嘘でも子供の時に植えつけられた事はなかなか忘れへんしな…。
五月さんと由樹奈さんの事はなんとなくわかりました。
五月さんが由樹奈さんの写真を持っていなかったわけも…。
でも孫の瞳ちゃんの写真を持っていなかったとなると33歳のおばあちゃんといっても孫を抱くどころか会った事もなかったんじゃ…!主婦の勘ですけど。
五月は悪い女やないねん。
ちょっと気持ちが優しすぎるのと男を見る目がないだけで。
姪の由樹奈さんの事で…。
(伊藤雅之)ああ…。
兄貴はバカでした。
高校中退して遊び回ってた女をはらませて結婚の約束させられて一緒になったらすぐに由樹奈を置いて逃げられて…。
栗原五月さんとはその後…?会うわけないでしょあんな女。
兄の葬儀にも来なかった。
お兄様由樹奈さんのお父さんは確かくも膜下で…。
兄が死んだあと何を思ったかあの女由樹奈を手なずけて一緒に暮らし始めた。
でもそんなの半年も持ちやしませんよ。
由樹奈が家を飛び出し男が出来て妊娠して16で産んだわけでしょ?開いた口がふさがらない…。
帰ってください。
うちはもうあの泥棒女と関わりたくない。
泥棒女?それは言いすぎでは?窃盗の前科がある女ですよ。
窃盗…。
(井森)検事…?あっ井森さん帰っていいわよ。
私はもう少し…。
いえ鶴丸検事に折り入ってお話が。
迷いましたがこれはやはり検事のお耳に入れておくべきと井森幸三郎決断致しました。
井森さんそろそろ話の方…。
鶴丸検事…お気を確かにお持ちください。
わたくし見てしまったんです。
おかえり。
成増さんと餃子作ってるんだ。
ニンニク大好きだからもうたっぷり入ってるからね。
速やかに退去してください。
ゲットアウトヒア!成増!なんだよ?どうしたんだよ?りん!あんたもう…!なんて事してくれたのよ…。
よりによってこんな男と…!お母さんさっきから何言ってるの?じゃあ言ってあげましょうか。
あんたね東山の柏木産婦人科からこいつと出てきたでしょ!?それね人に見られてるんだからね!そりゃあそうだよ。
だって偶然向こうで会ったんだもん。
ねえ?えっ?とぼけんな成増!私は不登校の生徒の家庭訪問よ。
成増さんは例の…。
誘拐騒ぎの…ほら赤ん坊が生まれた病院ちょっとあたっておこうかなと思って…。
そんな…2人で口裏合わせて私だまそうったってそうはいかないんだからね。
疑うなら自分で産婦人科行って確かめりゃいいじゃない。
バカみたい!何考えてんだかまったくねえ!笑っちゃうけどなぁ。
笑えない!そうですか。
鶴丸先生のお母様ですか。
先生にはいつもうちの子がご迷惑を…。
じゃあうちのりんは…いやうちの娘はこちらには家庭訪問で?ええ。
わざわざ足を運んでくださったおかげで息子もようやく昨日から学校へ。
あっ…。
あのー府警本部の成増警部補は聞き込みでしょうか?あ…はい。
瞳ちゃんのお父さんお母さんの事で何か知らないかとのお話でした。
先生お忙しいところお時間とらせて失礼致しました。
いえこちらこそ。
あっあの…!あの時忘れてましたが刑事さんが帰られたあと思い出した事がありまして…。
瞳ちゃんのご両親の事で?こう言っちゃなんですが…父親失格ですよあの人。
瞳ちゃんが生まれる前後あなたは感心な事に奥さんが入院している産婦人科に何度も行った。
しかしふざけた事に1人じゃなかった。
赤いスポーツウエアの女と一緒だった。
瞳ちゃんを連れ去った西条史歩が勤めているスポーツジムスタッフは赤いスポーツウエアよね?産婦人科の院長に彼女の写真を見せたらこの女に間違いないと言ったわ。
(小田嶋)西条?誰それ?俺女いっぱいいるからさよくわかんねえよ。
あなたそれ以上ふざけた口利くと私が承知しないわよ。
なんなんだよ?あんた。
検事遅くなりました。
小田嶋さんちょっと署の方で話聞かせてもらえないかな。
あんたと西条史歩の男女の関係について話聞きたいんだけど。
(小田嶋)刑事さんこれって任意だよね?おう任意任意。
任意だよ。
なんだよ面倒くせえな…。
あっ…!ああっ…!大丈夫ですか?大丈夫ですか?おい…。
これで任意じゃなくなっちゃったよ。
大丈夫ですか?ああ。
行くぞ。
俺ガキ盗めなんて言ってませんよ。
あいつが勝手にやった事で俺は全く関係ありません。
ガキさえいなくなりゃ由樹奈と別れてお前と一緒になるのにって何度か剛に言われました。
別に本気にしたわけじゃないけど…。
(史歩の声)あの日たまたま駐車場で剛たちを見かけて何の気なしに車のぞいたら…。
かわいいのか憎たらしいのかよくわからなかった。
気がついたらベビーシートを持ち出してて…。
ピーピー泣いてうるさいしだんだん面倒になってきて…。
剛は直接命令はしなかったけど「由樹奈と最悪」「別れたいよ」って会うたびに…。
あいつずるいから…ずるい奴だから遠回しに私に吹き込んだ。
でもどこかで私もあいつの期待に応えようと思ってた。
私…本当にバカでした。
(泣き声)話はよくわかりました。
(泣き声)しかしあの小田嶋ってあんちゃんは罪には問えんだろう。
はい…。
残念ながらそうです。
女一人罪を背負っていく…。
執行猶予がつくさ。
被疑者も今度はマシな男を見つけて…。
そうなればいいんですけど懲りずにまた同じようなタイプの男と付き合うのが世の常で…。
それより…。
なんだ?「まだ一件落着じゃございません」って顔に書いてあるな。
気になるのか?33歳のおばあちゃんの事が。
はい…。
瞳と2人で生きていきます。
今回散々いやな目に遭ったけどあの男ときっぱり別れるきっかけになったからいいかなって…。
この際お母さんとの関係も見直せないかな?無理です。
それは根が深いから。
小さい時に捨てられた事?それ以外に何か2人の関係を決定づけるような事があったの?教えてあげましょうか検事さん。
私昔瞳と同じ目に遭ったんですよ。
あっ井森事務官。
これ調べて。
はい。
「平成8年8月花山署管内で誘拐事件」「被害者伊藤由樹奈」伊藤由樹奈!?何?急用って。
用は私ちゃう。
検事さん…。
栗原さんお孫さんに会いたくない?瞳ちゃん抱きたくない?
(涼子)いらっしゃい。
(涼子)何飲む?いえ子供預けてきてるもんですぐ帰らないと…。
由樹奈さんここ座って。
検事さん1人かと…。
これあなたにあげる。
あなたがお父さんから聞かされていた2歳の時に誘拐されたって話。
平成8年8月花山署管内でそんな事件はなかった。
嘘!父は何度も私に事件の話を詳しく…。
私を誘拐したのは…!誘拐事件なんてなかったのよ。
お父さんはどうしてもお母さんを悪者にしたくてデタラメを言ったの。
違う!この女がやったのよ!そんな言い方私が許さへんで!待って!由樹奈さん聞いて!もしその誘拐事件が本当にあったとしてもお母さんはその事件に関われなかったと断言出来るの。
もう作り話はたくさん!平成8年8月お母さんは窃盗罪で懲役5か月で京都東刑務所に入ってた。
だから誘拐事件があったとしても絶対にその実行には関われなかった。
由樹奈…。
ごめん!ママアホやった…。
アホやったよ…。
(五月の泣き声)
(電話)
(りん)お母さん電話出て。
え〜?もう私だって忙しいんだから…。
(電話)はい鶴丸でございます。
(五月)「検事さん」あっ栗原さん?どうしました?娘が電話くれて瞳の顔見に来てくれって…。
よかったじゃないですか!でも1人では行かれへん。
なんか怖ぁて…。
行きましょう五月さん。
瞳昨日話してたおばあちゃんだよ。
おばあちゃんおばあちゃん来た。
おばあちゃん!行こう。
おばあちゃん!瞳ちゃん…!おばあちゃん!瞳ちゃん…。
そんな話聞いちゃうとなアメリカに行った娘に会いたくなっちゃったなぁ。
会いに行けば?成増一人いなくったって京都府警はびくともしない。
あっそういう事言っちゃうの?まあ安月給だからね飛行機代もままならないしね…。
(成増清一)いや〜お待たせお待たせ。
すみませんご住職ご迷惑をおかけして。
(清一)とんでもございません。
何?何?親父に頼み事?この間ねお母さんと成増さんの子供時代想像して盛り上がっちゃってね…。
アルバム見せて頂こうって事になって。
これが清剛が子供の時の写真。
父上そんなの見せたらダメ!かわいい〜!見てんじゃない!おいおばさん。
かわいいじゃない!返せ返せ!ちょっとちょっとちょっと…!見て!ねえ見て!え〜!見るんじゃないよ!待ってこれちょっと…イメージ違う!
今日のあるき目ですはなんと御年95歳の現役スイマーが登場
2015/08/03(月) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
京都地検の女8[再][字]
「女系家族の罠!!孫を誘拐した33歳の祖母」
詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第8弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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