エンジニアは比較的転職しやすい職業のように思う。需要は常にあるし、技術と実績次第で割と何処でも働けるから。しかし、転職活動をする際の所謂「転職サイト」の選択については少し慎重になった方がいいかもしれない。かくいう私自身は実は転職サイトは3~4個しか利用したことがない。でもその中でも1つだけ群抜けて「これは絶対に利用してはいけない」と言えるサイトがあったのでそれについて書きたいと思う。まあタイトルでも言っているように、リクナビNEXTなんだが。
Q.なぜリクナビNEXTを絶対に利用してはいけないの?
A.自動配信メールと人売り紹介料狙いの転職エージェントからのコピペメールしか来ないから。
転職者は「自分の思い浮かぶ将来像」を考えて自己PRやキャリアプラン、過去から今までの膨大な案件の概要や開発環境・技術、役割、成果などについて「どう書けば自分の思いが伝わるだろう?」「どうすれば私の良い所や実績が伝わるだろう?」と一生懸命に考えてレジュメを書いている訳だけど、そんな物はリクナビNEXTでは一切読まれていない。
企業はただキーワードで機械的に引っ掛かった人間に対し大量に同じ文面のコピペメールを送りつけて、それに喰らいついてきた人達と大量に面接し、光る人間だけを拾いたいと考えている。実際、2~3年リクナビNEXTを利用してきて、レジュメを読んでコピペではないオファーをくれたのは1社しかない。割合にしたら1%にも遠く満たない。例えば「PHPの経験はありませんが…」とレジュメに書いたら、「PHP」で検索してきた企業から「特に会員番号 114514893様のPHPによる経験に興味を持ちました」というメールを貰うことが普通にある(実話)。
そもそも一連のメール送信は企業でなくリクナビNEXTが行うらしい。仕組みとしては、企業の為に一定回数(恐らく3回まで)のコピペメール送信プランを有料で買わせて、リクナビNEXTが支給するメールテンプレートにメールを書かせて、メール爆撃対象にする検索条件を指定させるというのが実情だろう。だからどの企業のプライベートオファーにも似たような文面が含まれているし、以下のような流れを毎回辿るわけだ。
①1回目のプライベートオファー。内容は完全コピペ。会員番号が違うだけ。
↓
②返事がない場合2回目のプライベートオファー。内容はコピペ+「先日の私からのオファーはお読みいただけましたでしょうか」などリクナビNEXT指定の決まり文句。
↓
③返事がない場合3回目のプライベートオファー(これは無いこともある)。今回はタイトルもリクナビNEXT指定か大体「これが最後の連絡です」と入っているが、内容は相変わらずコピペ。
こっちは一生懸命レジュメを書いているのに、金を取って参加させている企業にコピペメールを大量一括配信させるだけとは、何とも酷い運営ではないかと思う。しかも複数回に渡って、こちらに返事が無いことを責めるような文面を指定までコピペメール配信の仕組みを設けてるのは、流石に醜悪と言える。
挙句の果てに、リクナビNEXTは通知メールという名前で、オファー着信の度に1通、更に期限到来が迫るともう1通自動でメールを送信して来る。しかも、これはオフに出来ない。つまり、一旦一つの企業のメールの爆撃対象に選択されたら、メールボックスには最終的に6通のメールが入ることになる。
プライベートオファーとはまた別に興味通知オファーというものもある。企業のコピペに興味を示した人が返事をできるという仕様であるが、「興味がない」ことを転職希望者が伝える機能はなく、興味が無い場合は無視するしかない。しかし、無視をしたらリクナビNEXTから「未返信の興味通知オファーがあります!」とか通知メールと、更に企業の「先日の私からの…(以下略)」のメールが何通もやってくる。興味ねーから返事がないんだろ!と怒鳴りつけたく鳴る。
スパム (spam) とは受信者の意向を無視して、無差別かつ大量に一括して送信される、電子メールを主としたメッセージのことである。
こうして見ると、リクナビNEXTの所業は最早スパムメールに近い。登録している転職希望者をスパム攻撃する権利を企業に売り渡して、自分たちが受け取らないことを選択できない自動通知メールの類を強制的に自動送信するのだから。もちろんスカウト設定をオフにすればコピペメールの爆撃は終わるのだが、それだと一生懸命レジュメを書いてスカウトを待つ意味がそもそも消失する。まさに「利用するのを止めるのか、スパムメールを我慢するのか」の二択がリクナビNEXTには求められる。
リクナビNEXTの真の闇
しかし、リクナビNEXTが本当に醜悪なのはここからだ。企業からのコピペ爆撃は序の口というか、回数制限があり基本的に1回だけなようだ(もちろんその1回で3通までコピペメールを出せる訳だが)。ところが、リクナビNEXTと提携している転職エージェントに至っては、それこそ無制限に何通でも出せるようになっており、断っても断ったも断っても断っても、転職エージェントが自由に粘着できる仕様になっている。
転職エージェントは、みな必死に無料であることを強調するが、無償どころか、エンジニアを1人転職させるだけで数百万の対価を得るのだ。どんなエンジニアでも都会で転職したら年収400万程度にはなるだろうし、その1/4と考えたら100万円の紹介料が転職エージェントには入る。費用はほぼ人件費しか掛かってないし、その人件費も面談に転職エージェントが同行することは基本的に一切なく、派遣会社の顔合わせ程度の外回りもない。毎日数十人の転職希望者を突撃させてはその結果をメールや電話でやり取りして待っていれば、自分たちに数百万の紹介料をもたらすことになる優れたエンジニアも出てくる。考えれば考える程ボロい商売のように思える。
つまるところ、リクナビNEXTは、リクルートや転職サイトの名のもとで人様のレジュメをかき集めたあと、転職エージェントから使用料を徴集した上で「狩らせる」のである。週に複数回、複数の担当者が一定間隔でコピペメールを送信して、とにかく転職希望者を自分たちの会社経由で転職させて紹介料という名のマージンを得るために、今日も明日も明後日もひたすらコピペメールを人様のメールボックスに送りつけてくる。
下の画像を見れば、その惨状が少しはお分かりいただけるかもしれないが、数日前にメールを送った企業から再送されているものが多数含まれており、しかもどれも中身はコピペばかりであり、閉口するしかない。
そもそも、必死になるのであれば、せめて自分達がコピペを送りつける相手のレジュメや希望条件などを読んで相手の興味をひける文面を作った上でメールを出せばいいのではないかと思うのであるが、ほぼ全ての転職エージェントは「返事がないなら返事をするまでコピペメールを爆撃してやる」としか思っていない。リクナビNEXTで際立って酷いワークポートとプレアデス(この二社に関しては、機会を設けて別の記事を投稿する)のうち、片方の電話口に出た男性の担当者は、「10数回送ったらやっと返事を頂けた人もいるので…(これからもスパム攻勢を続けます)」と悪びれる様子もなく答えていた。
提携転職エージェントの実際のサービスは?
一言でいうと、悪い。
仮にスパムメールの件があっても肝心の転職支援サービスが良ければ許せる訳だが、結局は転職希望者とはまた別の利害関係を持つ人間なので、「自分達の紹介料マージン > 転職希望者の将来」なのは揺るがない。以前2社ほど転職エージェントに登録していたけど、とにかく「数撃てば当たる」という感じで、週に何社もエントリーさせては玉砕させる。中には面接のエピソードだけで単体の記事が書けてしまうお笑いレベルもあるけど、労を惜しむ傾向にあるのは特に強く感じる。
例えば企業にコンタクト取るのを基本的に面倒臭がる。こちらの転職可能時期について企業に伝えたいことがあったのに「そんなの別に話さなくていいですよ」とか笑って伝えてくれず、結局、即日から就業可能を期待していた企業に、面接の直前で来月以降まで動けないと話したら、その場で即不採用になったのが一番ムカついた。
もちろんエージェント経由で幸せな転職を経験した人もいるだろう。それは否定しない。でも俺は技術と経験は浅い方かもしれないが、エンジニアとしての夢や理想があり、自分のキャリアプランがあり、それを拙いながらも綴らさせて頂いてるのだ。それを完全に無視してスパム爆撃してくるような輩に自分の将来を委ねるつもりはない。
まともな転職サイトとは?
ここまで書いたあと、一部に「だったらお前はリクナビNEXTより良い所を知っているのか?」と思う人もいるかもしれない。だが私は実際にリクナビNEXTが際立って、というか「リクナビNEXTだけが極悪に悪い」という印象しかない。試しに、下のサイトを紹介してみる。
Find Job!
http://www.find-job.net/
俺が利用した限りでは、たまにコピペメールも来たりもするが、大半のオファーはレジュメを精読した上で一つ一つ手書きで来ており、また非常に態度や物腰のいい企業の人事が利用していると感じる。ここ経由で転職したことはないし、宣伝の意図もないから別に利用を推奨はしないけど。