<仙台市議選>自民に逆風 野党は着実に得票
仙台市議選は2日投票が行われ、即日開票の結果、新議員55人が決まった。投票率は35.83%で、過去最低だった2011年の前回(40.03%)を4.20ポイント下回り、初の30%台に落ち込んだ。当選者の政党別内訳は自民16人、民主9人、維新1人、公明9人、共産7人、社民5人、諸派1人、無所属7人。
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で秋まで続く大型地方選の皮切り。安全保障関連法案への世論の強い反発が色濃く反映し、共産など野党が着実に得票した一方、自民は伸び悩んだ。同法案の国会審議や被災地での今後の地方選に影響を与えそうだ。
自民は国政での「1強多弱」を背景に、前回より4人多い18人の公認候補を擁立したが、現職と元議員の2人が落選。党勢低迷が続く民主は前回比3人減の9人に公認を絞り込み、全員当選につなげた。維新は初の議席を獲得した。
公明は泉区で初めて2議席を獲得したのをはじめ、9人全員が当選。共産は5選挙区中、3区でトップ当選し、改選前の7議席を維持した。社民は5議席を維持、旧みんなの党の流れをくむ諸派は1議席にとどまった。
女性は候補17人中、過去最高の14人が当選。女性議員の比率は初めて全体の4分の1を超えた。
昨年12月の衆院選開票時に起きた青葉区選管の票水増し問題を受け、市は今回の投開票事務を信頼回復への第一歩に位置付けた。問題の発端となった投票者数の集計ミスを防ぐため、開票開始を前回より30分遅らせて点検を強化するなどの改善策を徹底。大きな混乱はなかった。
22日に2期目の任期を折り返す奥山恵美子市長を支持する勢力が引き続き過半数を占める見通し。ただ、改選直前の市議会6月定例会では票水増し問題に伴う市長の給与減額条例案に対し、自民系会派で賛否が割れた。2年後の市長選をにらんだ動きが活発化し、奥山氏の市政運営に影響する可能性がある。
新議員の任期は28日から4年間。
2015年08月03日月曜日