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【社会】

安保法案 抗議デモ 高校生ら5000人「廃案」訴え

安保法案への抗議デモで、こぶしを突き上げる高校生ら=2日、東京都渋谷区で(小平哲章撮影)

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 安全保障関連法案に抗議するデモを、首都圏の高校生らのグループ「T−ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」が二日、東京・渋谷で催し、大学生や大人も含め約五千人(主催者発表)が参加した。開襟シャツやセーラー服など制服姿の若者らが「未来を勝手に決めてほしくない」と廃案を訴えた。高校生による大規模な政治デモは異例で、世代を超えて広がる法案への反発を象徴する光景となった。 (辻渕智之)

 デモは「とりま、一緒に歩こうぜ」のコールで渋谷区役所前を出発した。「とりま」は「とりあえず、まあ」を略した若者言葉。先導カーの上から「憲法守れ、子どもを守れ、未来を守れ!」とラップ調の音楽に乗せて声を上げた。

 若者の聖地、ファッションビル「渋谷109」前。都立高三年のりゅーき君(17)は車上で「おれは受験生。友達から何してんだと言われる。でもこれが今、おれのやるべきこと」と切り出した。「おれは生まれてませんでしたが、先の大戦では戦争をしないってことを唯一学んだんじゃないんですか」

 高校二年のじょー君(16)も「選挙権が十八歳に引き下げられた今こそ、高校生も政治に関心を持ちたい」と呼び掛けた。

 グループは七月に発足し、無料通信アプリLINEで連絡を取り、ネット上でデモを告知した。法案反対デモを国会前で続ける大学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」も協力し、メンバーの大学四年牛田悦正(よしまさ)さん(22)は「今日は僕らがおじさん」と笑いながら、「本当に頼もしい。政治情勢は良くないけど、日本の社会は良くなっていると感じる」とエールを送った。

 交差点でデモ隊に手を振った細井博子さん(84)=渋谷区=は「戦争で私の家も学校も空襲で焼けた。憲法九条はあの戦争で亡くなった人たちの遺言。若い人たちが頑張ってくれてうれしい」と話した。

 

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