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異世界とチートな農園主 作者:浅野明

農園を作ろう

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妖精捕獲大作戦 その③

異世界と言えば竜と妖精!
ということでとうとう妖精手に入れた!
注:妖精は作者の趣味全開です。妖精の言葉遣いはわざとめちゃくちゃにしてあるのであり、間違いではありません。日本の方言に当てはめないようお願いします。
竜とのやりとりや、その後の契約に驚いていたパーティー【吹き抜ける風】の面々は、もっといろいろ突っ込んで聞いてくるかとも思ったが、話したくない事は無理やり聞いたりしないと、意外と何も聞かずにあっさり引き下がった。

冒険者とかはすねに傷持つ者もおおく、本人の話したがらない過去は聞かない、というのが暗黙の了解らしい。

「竜・・・美少女、これが萌え」「話せない過去と幼女、強力な力を持つ竜の加護・・・イケる!これはイケる!」「あらあらなんて美味しい展開・・そそられるわ~」「こうなったら衣装はやっぱり赤よね!いや、黒もステキ。あああ妄想が止まらないわ」 とかの妖しい声は、もちろん聞いてない。ただの空耳に違いない。精神衛生上、ここはサックりと無視を決め込むリンなのだった。

リンは周りの生温い視線をスルーしつつ、パーティーの面々はリンをおかずに妄想を膨らませつつ(変な意味ではない・・・たぶんおそらく、きっと)サクサク進み、六階層の階段付近にテントと結界をがっつり張って、ラティスとスレイが交代で見張り、その日は終了と相成った。

七階層までいけば魔物は出てこないから、そこまで行けばいいとリンは思ったが、どうやら七階層で休む方が危険らしい。

妖精を甘くみてはいけないと、こんこんと詰められました。七階層で休んで、妖精に惑わされたり、極大魔法で攻撃されたり、精神攻撃を受けて全滅したパーティーは数知れず、今ではこの迷宮、六階層以上で休むのは常識らしい。

そもそも通常はここまで来るのに二日はかかる。彼らだからこそ、そしてまっすぐ階段を目指したからこそ一日でここまでこれたのだ。

例え迷宮内の造りが前に入った時と違ったとしても、それでもひどく迷うことがないのが、一流のレンジャーのアリスだ。殆ど消耗することもなくここまでたどり着き、それでもこの場で休む、という慎重さ。それこそが彼らがAランクたる所以なのだろう。

そして翌朝、リンとマナカはそれぞれの妖精と出会うこととなる。





ところで、妖精というものを知っているだろうか。

もちろん、リンはゲーム時代に妖精も召喚体として持っていたのでそれなりに知っているつもりだ。

妖精とは総合的に美しく綺麗で、小さく虹色の羽根をもち、一見儚く、けれどもイタズラ好きで楽しいことが大好き、そして意外に攻撃系統の魔法が得意だ。

だがしかし。

リンは目の前に浮かぶ、ソレをまじまじと見つめた。

どこかの国の聖歌隊が被っているような、丸い白い帽子。白いワンピースに、袖口はきゅっとしまって手首のところはふわふわ仕様。首もとに可愛くピンクのリボン。背中には輝く虹色の羽根。髪は肩にかかるほどの長さの極上のプラチナブロンド。

側でラティスとスレイが顔を俯けている。肩が震えてマスケド。笑いたければ素直に笑え!

「・・・・認めない」

「はあ?なに言うてますのん、お嬢」

美しいソプラノで、ソレは言葉を発する。トンボのメガネは~とかの有名な童謡を思わず連想させる、一昔前の瓶ぞこ丸眼鏡をかけた、くたびれたオッサンのような顔の手のひらサイズのソレ。辛うじて髭がないのが救いか。しかも似非関西弁。ふざけているにも程がある。

こいつが妖精だと??こんなものは蚊トンボでじゅうぶんだ!!

チラリと少し離れた所にいるマナカに目をやると、彼女の目の前には美しい長い金髪をなびかせた、薄水色のドレスのかわいらしい妖精。人で言えば十六くらいの、素晴らしく可愛い(ここ大事!!)女の子の妖精だ。どうやらあの妖精はマナカを気に入ったようである。上手く行けば彼女は今日中に一体契約出来るだろう。降りてきて一時間程で気の会う妖精が見つかるとは随分運がいい。

「ちょいちょい、お嬢、人のことばっかり見とりますが、あんさんも随分運がいいでっせ。なんせあっしが気に入ったんですよって」

「うざ!」

そこら中妖精だらけ。それぞれに妖精と話しているため、興味深く見てはくるが手出ししようとはしない。仲間の品定め中は何も仕掛けないのが彼らの仁義なのだ。ともあれ、男女の区別なく皆総じて見た目は若く美しい。

なのに何故、目の前には蚊トンボなのか。

周りの妖精たちも、こちらを見てはクスクス笑ったりひそひそ話しているように見える。被害妄想?そんなことはない!

「はあ?」

「その言葉遣いどうにかならない?聞いてるだけでいらっとするんだけど」

「ひっどいなあ、あっしの言葉は妖精のなかでももっとも高貴なエセルーナ地方に住む妖精族独特の言葉でっせ。そこらの妖精と一緒にせんとってや」

どうやら似非関西弁というより、妖精族の方言らしい。当然と言えば当然か。しかし、日本の色んなところの方言をごちゃ混ぜにした感じで、日本人としては中々に許しがたい言葉遣いである。

「どうでもいいけど何か用?」

冷たくあしらうとよよよ、と泣き真似をして見せる。ぶっちゃけ気持ち悪い。

「冷たいお嬢やなあ。まあエエですわ。お嬢、召喚適性あるんやったらあっしと契約しましょうや」

「いや、残念。召喚適性ないから」

サクッと嘘をつくと、蚊トンボが大袈裟にのけぞる。随分器用な蚊である。

「えええ~、なにあっさり嘘ついてますのん。知ってますで~、中間層にいたレッドドラゴンと契約しましたやろ」

「うんそう」

知っていたか。誤魔化してもムダのようなので、素直にうなずく。この蚊トンボ、どうやら迷宮内の出来事を把握しているようだ。なんとも鬱陶しい。

「竜との契約で魔力吸いとられてもう残ってないの」

「いやいやいや、めっちゃ魔力余ってますやん!妖精を侮ってはあきません!妖精はヒトが内包する魔力が見えるんでっせ」

ことごとく反論されてしまう。保険のおばちゃんもびっくりな粘り具合。妖精の押し売りとか聞いたことないし。

「契約石もうないから」

それでも理由をつけては断りまくる。ここで折れてなるものか!こんな蚊トンボ、いらん!

「それなら心配ないですよって。契約したいけどちょうどいい石がない、というヒトのためにあっしらもバッチリ用意してありますねん。気に入ったヒトにくっついて行きたいっていうのがあっしら妖精の本能ですよって」

まずい、だんだん退路が絶たれてきた。

そもそも、召喚体には二種類ある。

常時呼び出して側にいるタイプと、通常は自分の棲みかにいて、必要な時だけ召喚石を通して呼び出すタイプだ。昨日のレッドドラゴンは後者、妖精系統は基本的に前者だ。

理由は色々あるが、主に竜系統は呼び出しているだけで少量ではあるが常時魔力を喰うし、自分の生活を大事にするため、あまり長く棲みかを離れたがらない。対して妖精は呼び出す一度だけしか魔力消費がなく、常に側にいても魔力を喰われ続けるということはない。そのうえ、自分の生活や同族には無頓着で、どちらかというと気に入ったヒトからあまり離れたがらないという習性があるのだ。

だからこそ、リンも必死に防戦しているのだ。こんな蚊トンボに一日中側にいられるなんて冗談ではない!

何かいい案は無いかと頭を働かせるが、まったく何も思い浮かばない。




妖精(蚊トンボ)とムダな攻防戦を繰り返すこと三時間。

「ええ加減諦めてあっしをと契約しましょうや、お嬢」

蚊トンボが疲れたような顔でそれでも諦めることなくいい募る。

対してリンも頑なに首を振る。妖精とは綺麗でかわいらしい、大事な癒しなのだ。断じてこんなフリフリの服を着たくたびれたオッサンのような物体ではないのだ!

「やだ」

別にこいつと契約したからといって、他の妖精と契約出来ない訳ではない、がここまでくると意地である。それに四六時中コレに側にいられるかと思うと・・・・・・・・あ、トリハダたった。

それから更に二時間の攻防戦を繰り広げ、結果的にリンがあきらめた。それでも、落ち込むことなく浮かれていたのは、蚊トンボが提供した珍しい植物の種とか、植物栄養材とかの効果だろう。

あと、蚊トンボのお友達が(不憫に思ったのだろうか)契約してくれたので、割りと満足です。お友達は長い波打つシルバーブロンドに白い肌。薄紅のドレスの美しい少女だった。ナゼ蚊トンボのお友達なのか。謎である。

こうしてリンは妖精を手に入れたのだった。


名前:セイルーナ(蚊トンボ)
種族妖精

保有スキル:不明

特技:ヒトを苛つかせる、植物栄養材作り、肥料作り、惑わし系統の結界の解析

名前:メルティーナ
種族:妖精

保有スキル:不明

特技:蚊トンボの暴走を抑える、畑を肥やす、天候を操作する(ごく一部)、精霊を使役できる

召喚体の保有スキルは少しずつ仲良し度上げて知っていくモノなので、例え契約者といえど、はじめからは知ることは出来ない。

ともあれ、随分レベルが高くお役立ちな妖精たちであったのは間違いないところだ。



一週間後マナカも妖精を二体手にいれて、一行は満足して帰途についたのだった。
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