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異世界とチートな農園主 作者:浅野明

農園を作ろう

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芋を植えよう!

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
翌日である。

朝食を食べ、さて、と気合いを入れる。

ざっと家の周りを確認するが、広すぎるほど広い土地は、雑草や木が生い茂りどこから手をつけていいかわからないほどだ。種を蒔くどころの話ではない。とりあえず、芋二種類を植える範囲を決めて、その部分を整地することにする。

しかしながら、ゲームで活用しまくっていたお手伝い妖精さんや召喚獣がいないのは、かなりの痛手だ。魔法具やスキルがあるとはいえ、ゲームの時よりずっと効率は落ちるし。それでも地球で農業をするよりもずっと楽に、早く出来るのだから魔法とは便利なものだ。

実際、この世界に来て、リンは先入観を改めた。異世界と言えば、街並みやゲームの世界観のために何となく中世を思い描きがちだが、実際は科学の代わりに魔法やスキルがあるだけで、文明は現代と大して変わらない。

電気の代わりに明かりの魔法具があるし、上下水道も完備、ガスコンロの代わりに火の魔法具、洗濯機や冷蔵庫、エアコン、掃除機などすべて魔法具で似たようなモノがある。そのほか、高額ではあるが、転移の魔法具やアイテムボックス等の地球にはない便利道具もてんこ盛りだ。何と、噂では月にいく道具も開発されているとか。異世界、侮れん。しかもエコ。

かとおもうと、長距離の移動は竜や獣魔等を使ったり、転移塔を使ったり。フェリクスの使っていた馬車も馬に似た足が六本ある不思議生物が引いていたし、速度上昇(大)の魔法がかけてあるとのことで、実際ただの馬車ではあり得ない速度が出るらしい。このあたりはやはり魔法や神、幻獣が息づく世界ならではということなのだろう。

魔物も、ただ天敵というだけではなく、すべての魔物が持つ核と呼ばれる魔法結晶は魔法具の素材になるし、皮や角等、これらも武器や魔法具の素材として使われたりする。モノによっては薬の材料になるなど、人もただ魔物に狩られるだけの存在ではないのだ。迷宮などは、実力さえあれば、低ランクのモノでも最後まで攻略できればそれなりの儲けが期待出来るらしい。もっともそこまで実力をつけるのが容易ではないし、どれだけ実力があっても命懸けに変わりはないのだが。一攫千金には相応のリスクが伴うのだ。

話がずれました。ともかくも、今度暇が出来たらぜひ妖精さんを手に入れたいところだ。

1、雑草をぬく

先ずは敷地内に蔓延る草を何とかしなくてはならないだろう。とはいえ、ただの雑草以外に木や薬草なんかもあるので、スキルを使って草や木を抜いたら、一ヶ所に集めておく。採取スキルはレベルを上げると意外と便利なのだ。

「すごいことになった」

家の隣に草と木がてんこ盛りだ。使えるモノも使えないモノもごちゃ混ぜである。こればっかりは、後で図鑑を片手に手作業で仕分けるしかない。捨ててしまうのももったいないし。

ともあれ、これで草取り終了である。


ちなみにこのあと、雑草の仕分けに一週間かかりました。まだこの何倍畑に残っていることか・・・・・・


2、畑を耕す

畑を耕すのは簡単だ。そこそこ広いからこそ使える魔法具がある。

リンは畑全体をカバー出来るように、各所に認識阻害の結界石を設置していく。

「こんなものかな?」

ざっと確認して魔法具を発動させると、今度は拳大の丸い珠を五つ、畑予定地に置く。

「お出でませ、ゴーレムさん」

魔法具に設定した発動キィワードを唱えると珠が淡く光り、数秒後、人の三倍はあろうかというゴーレムが五体出現した。

指示に従い、石を取り除いたり畑を耕したり、肥料をまいたり畝を作ったりと忠実に働くゴーレムたち。実にシュールな光景だ。街の警備兵に見つかろうモノなら即刻討伐隊が指揮されることうけあいです。

ともあれ、疲れ知らずのゴーレムたちの働きによって、昼までに畑が整ったのは喜ばしいことだ。

リンはゲーム時代に購入してアイテムボックスの肥やしにしていたネタアイテム、某ハンバーガー屋とコラボして販売されたハンバーガーを、畑の片隅に座ってもすもす食べる。

ハンバーガーは意外と美味でした。

3、芋について

芋を植える前に、何故芋なのか。

作りやすい、もちろんそうだ。ゲーム時代に見たことがなく、作ったことがない、その通り。そして芋は総じて美味しい。芋は栄養があって美味しくて料理に使いやすく、ともかくリンは芋が大好きなので、芋なのです。

ちなみに、豆にも芋と同じくらいの愛を抱いているが、残念ながら、見たことのない種類の豆類は育てるのが難しいか特殊なものばかりだったので、後に回すことにした。非常に無念である。

フェリクスの屋敷でも当然食べたことのない食材や見たことのない食材もあった。その中でもやはり芋は良かった。しかし!もっと美味しく育てられるかも、大きく出来るかも。農業をするものの夢ですな!より美味しく、より見栄えよく、栄養価高く!

つい、熱くなりました。

ともかくも、リンは野菜の中でも芋と豆とが大好きなので、今回もっとも作りやすいものの中で芋を選んだのだった。

4、種を植える

畑が出来たらもちろん、種を植える。これが一番大事だ。

本を読み返し、一人うなずくと、早速準備する。

畝はゴーレムたちに作らせたので、リンは丁寧にケサ芋を植える畝にスキル【水の才能】でたっぷり水を染み込ませる。そのあと、等間隔に穴を掘り、種を植える。更に、土をかぶせる前に芋用肥料をひとつまみ入れ、また【水の才能】でたっぷり水をやる。これでしばらく置いて、土は明日かぶせると良いようだ。

注意書きには、この辺りでよく出るメルクタという、イノシシを三倍大きくしたような草食の魔獣が好んで食べるらしい。もともと人を見たら襲うとかいうことはなく、おとなしい魔獣らしいので騎士団もよっぽどでない限りは駆逐したりはしないが、時々農園を襲っては作物を荒らすので、そういった時は、村で協力して冒険者ギルドに退治の依頼を出すようだ。お肉は美味しいらしい。

次はオル芋である。

これは、畝に等間隔にケサ芋の倍くらい深く穴を掘り、先にネサ小麦とマセイ(トウモロコシのような食べ物。焼くとほくほくして美味しい)の粉末を混ぜた専用肥料を穴に入れ、その上に種を植える。そして土をかぶせて、申し訳程度に水をやるとおわりだ。これは穴堀ウサギが好物らしい。穴堀ウサギは非常に素早く、捕まえるのが難しいが、すごく美味な高級食材のため、ハンターはこの芋を使って誘き寄せるようだ。とはいえ大半は逃げられると聞いた。

ともかくも、これで種まき完了だ。

既に日は沈み、真っ暗だが、魔法の明かりで照らしながら、畑を囲う柵だけ手早く作ってしまう。魔物避けの対策はバッチリだが、魔物以外の生き物が来て荒らされても困るからね!クマが全力で十回くらい体当たりしても壊れないような頑丈なやつにしておきました。

ケサ芋は一月もあれば出来るから、他の野菜の勉強や畑の他の部分の整地、草の仕分けなんかをしながら待つとしよう。

楽しみだ。


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